自分の蒼さが哀しかった・・・

2018/07/05

大学4年の夏休み、就職も決まって余裕でバイトに励んでいた。俺は、バイト先のそばの定食屋で飯を食うことが多かった。夕飯を食うときは、込み合うからか昼間は見かけないおばちゃんが配膳していた。三角頭巾を被った笑顔の素敵なおばちゃんだった。
ある日、おばちゃんが自転車を引いて歩いていたのに出くわした。普段着で頭巾をしていないと若く見えた。やや細面で逆三角形の輪郭が若々しい美しい女性でした。
「定食屋のおばちゃん、あ、いや、お姉さんですよね?」
「あはは、気をつかわないでいいのよ。30歳なんだからもうおばちゃんよ。」
「乗らないんですか?」
「これ、チェーンが外れちゃって。でも、家はもうすぐそこだから。」
「でも、直せますか?」
おばちゃんは千穂さんといって、近所のアパートに住んでいた。工具を持ってきてもらって外れたチェーンを直したが、テンションが弱くて緩んでいた。
「これじゃあすぐ外れちゃうよ。後輪を少し下げるね。」
きつくならない程度に軸離を調整してテンションを上げた。
「あんた、器用だねえ。さ、おいで。手が真っ黒だよ。」
手を洗ってるうちに、千穂さんはお茶を入れてくれていた。
「何にもないけど、お茶くらい飲んでって。それとも酒でも飲むかい?夏休みだろ?」
と言うと、一升瓶を何本も持ってきた。
「賞味期限が近いのをもらってきたんだけどね、一人じゃ飲みきれなくてね。」
一人暮らしの千穂さんは、酔って訊きもしないのに身の上話を始めた。22歳で結婚して、子供を一人産んだ後26歳で浮気して離婚、それから一人で生きてきたそうだ。しかも、その浮気は、好きな女が出来た旦那が仕組んだものと後に気付いたが後の祭りだったらしい。
「千穂さん美人なのに、もっと美人がいたんですか?」
「それが18歳の子娘でね。おい、青年よ、おばちゃんが美人だと思うなら、おばちゃんをを抱いてみるか?」
千穂さんはいくつかの仕事を掛け持ちしてるらしく、引き締まったいい体をしていた。乳房は大きくはないけれど、いい形だった。俺の前に座ると、両足首を掴んで脚をM字に開いて女陰を開帳して、
「こんな風に縛られてさ、ココを弄られて感じちゃってるところポラロイドで撮られてさ、そのうちその男に辱められるのが癖になってねえ。旦那以外のモノを突っ込まれているうち中毒になっちゃったんだよ。まさかその男が旦那に金で雇われてたとは思わなかったもんねえ。」
千穂さんの女陰は、以前やらせてもらった飲み屋のチーママより綺麗だった。
「速く脱ぎなよ。ホラ、オッ、意外と立派なモノ持ってるじゃないの。もう濡れてるから入れてよ。」
千穂さんのこげ茶の花弁を割って生男根を入れた。弄ってもいないのにブジュブジュと飛沫を上げるほど物凄い濡れようで、中は今までにないくらいのざわめくような快感だった。
「あおー、あおー、ひっさしぶりの男なんだよ。ほえー、ひっ、ひっ。ひいー」
俺の腰に手を添えて腰をカックンカックン動かしながら、5分と経たずに勝手に盛り上がって達してしまった。
「・・・ご、ごめんよ。一人で楽しんじゃったね。ほら、あんたも果てていいよ。」
自ら陰唇を拡げて膣口を晒した。遠慮なく突っ込んで腰を振った。中に出すのはまずいので外に出した。
「あんた、気に入ったよ。ヤリたくなったらまたおいで。いつでも股開いたげるよ。」
俺は、バイトの帰りに千穂さんを抱くようになっていた。夏休みが終わってバイトが終わっても、週末は千穂さんのアパートに通って一緒に朝を迎えるようになっていた。俺は、引き締まった体の30歳の綺麗な千穂さんに恋していた。
俺は、千穂さんと恋人同士のように過ごした。一緒にご飯を食べて、風呂に入っていちゃついて、抱き合って、キスして、女陰と男根を舐め合って、一つになって愛し合った。
「結婚したら、中に出せるんですけどね。」
「コラコラ、冗談でもそんな事言うもんじゃないよ。卒業するまでのお遊び、いいね。」
それでも、会うたび千穂さんに惹かれていきました。美しい顔に引き締まったスタイルは、同じ大学の女の子よりもずっと魅力的だった。
晩秋には2人で紅葉を見に温泉旅行に行った。二人で露天風呂に入って乳繰り合って、秋の味覚に舌鼓を打った後は、千穂さんの女陰から溢れる牝汁に光るクリトリスに舌鼓を打った。
千穂さんに男根を埋めて縦横無尽に暴れ回っても、酔っているので遅漏気味に長持ちして、千穂さんを何度も絶頂へ導いてから大量に射精した。大の字でグロッキー状態の千穂さんにかかった精液をティッシュで処理しながら、千穂さんの股間の辺りを見入るとシーツに黄色い丸い染みが出来ていた。
「ありゃあ、随分と噴いちまったね。あんたに散々狂わされちまったよ。素敵だったよ。」
千穂さんを俺の布団に引き寄せて、裸のまま寄り添って眠った。
翌朝、昨夜飲んでいたウィスキーボトルに屈折した障子の隙間から漏れた朝陽で目覚めた。スースーと寝息をたてている千穂さんの寝顔があまりに無防備で、可愛くてキュンとした。そして、この空間がいつまでも続かない事を考えたら旨が軋んできた。
千穂さんとの別れは翌年3月、俺が大学を卒業した時だった。俺の部屋の荷物はトラックが実家へ向けて疾走ちゅうだった。旅人並みの最低限の荷物を持って千穂さんの部屋を訪れて、最後の夜を過ごした。
もう、見ることのない女陰を脳裏に焼き付け、もう、舐める事のない花弁に唇を寄せた。千穂さんの牝汁の味、千穂さんの髪の匂い、全部記憶にとどめようとした。
男根を締め付ける千穂さんの喘ぐ声と表情は、別れ難いほど素敵だった。最後の射精をとことん我慢した。
「ミツルちゃん・・・サヨナラ・・・」
千穂さんが俺に囁いた瞬間、我慢の限界を迎えて千穂さんの胸の辺りに最後の精液をばら撒いた。
「あー、楽しかったね。こんなおばちゃんと付き合ってくれて、アリガトね。」
千穂さんが笑った。
翌朝、千穂さんが焼き魚と味噌汁と生卵の朝食を作ってくれた。涙が出るほど美味しかった。食後にお茶を飲んで、9時頃日穂さんのアパートを出た。千穂さんは微笑みながら、
「いってらっしゃい。お仕事、頑張るんだよ。」
そう言いながら、俺の両肩と両腕を両手でポンポンと叩いた。
「行って・・・来ます・・・」
つい、涙声になってしまった。さようならを言わない千穂さんの演出がかえって悲しくなった。カンカンと鋼製の階段を下りて道路に出て振り向いた。千穂さんが手を振っていた。俺も手を振った後、一礼して駅に向かって歩いて行った。
新幹線の中で、溢れる涙を必死で抑えていた。
就職して2年が過ぎた。恋愛して、失恋して、泣き笑いの2年間だった。
就職して3年目、大学時代を過ごした都市に出張命令が出た。
「お前、○○大学だったよな。土地勘あるから、ちょっと出張ってくれや。金曜だし、懐かしい街で飲んで来い。」
課長に言われて2年半ぶりに舞い戻った。地図など見なくても歩けるのでさっさと仕事は片付けた。
夕方俺は、千穂さんのアパートに泊めてもらう気満々で訪ねた。千穂さんのアパートの前に見慣れない黒いクラウンが停まっていた。後席から、40代半ばくらいの紳士が降りてきて鋼製の階段を上がり、千穂さんの部屋の前で止まった。ドアが開き、紳士は千穂さんの部屋に招き入れられた。それを確認したかのように、黒いクラウンが走り去った。
俺は、走り去ったクラウンのテールランプを眺めながら、千穂さんのアパートの入り口に佇んだ。駐輪場に、いつか俺が修理した千穂さんの自転車が砂埃にまみれていた。ずっと乗っていないらしく、前輪のタイヤがペシャンコだった。
俺は、もう一度千穂さんの部屋の玄関を見た。そして、
「行って来ます。」
と呟いて、駅に向かって帰路を急いだ。
さようならを言わなかった千穂さんの「いってらっしゃい」に、「ただいまを」言おうとした自分の蒼さが哀しかった

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