どす黒い欲情と愛する妻ゆかり[前編・第3章]

2018/03/10

一枚のCD-ROMが私の生活を狂わせていました。
Kから送られたCD-ROMを何度、叩き割ろうと思ったことか分かりません。
でも、その気持ちとは逆に、私は毎日、それを見ずにはいられないのでした。
妻がちょっと買い物に出掛けたとき、入浴しているとき、そして妻が眠りについたあと、私はこっそりとそれを見て、自らを慰めるのが日課になってしまったのです。
私にとって、もっとも見るのが辛いシーンは、そしてそれだからこそ、狂おしいほどにどす黒い欲情をかきたてられるのは、CD-ROMに入っている最後のシーンでした。
そのシーンでは、妻は全裸のまま立たされ、両手首に革のベルトをはめられて、天井から鎖で吊るされています。
足は床についているようですが、両手をまっすぐに天井に向けて上げさせられ、その白い光るような脇が惜しげもなく曝け出されています。
そして、その恥ずかしい姿を舐め回すようにビデオに撮られている妻は、がっくりとうなだれています。
やがて、れいこの夫と思われる男はバイブレータを取り出して、ウィーンという音とともに始動させると、ゆっくりと妻の蜜壷に挿入するのです。
妻には、黙ってこの屈辱を受け入れることしか出来ません。
男は言います。
「いいか。気をやったらお仕置きをするぞ」
妻の足元にはビール瓶ほどもあろうかと思われる真っ黒なディルドが置いてあります。
「気をやったら、次はこれだからな」
妻は「そんな・・・ひどい」と言い、涙をぽろぽろと流すのですが、抵抗する術がありません。
やがて、男はバイブレーターを出し入れしながら、妻の乳首に吸い付きます。
そして、空いている手に持ったローターで、もう片方の乳首を刺激するのです。
男は、時折、妻の光るような脇にも舌を這わせています。
妻は、津波のように押し寄せる快感に必死に耐えています。
汗びっしょりになり、その額には髪の毛が何筋か張り付いています。
半分開いた口の間から、綺麗に並んだ真っ白な歯を食いしばっているのが見えます。
しかし、いったい、いつまで耐えればいいのでしょうか。
やがて妻は、「あっ、あっ、あっ、いやぁ・・・」という切ない声をあげ始めます。
そして、「たすけて、あなた・・・、たすけて・・・」と言って私の名を呼ぶのです。
このとき、私の肉棒ははち切れそうなほどに屹立しています。
妻の抵抗も時間の問題でした。
ついに妻は、その白い華奢な体全体を大きく痙攣させ、激しく仰け反って、アクメに達してしまうのでした。
妻が大きく体を震わせるときに、鎖がじゃらじゃらと音を立てるのですが、その音が私の耳に焼き付いて離れません。
妻が達すると、「気をやるなと言っただろう!」と男が叫びます。
そして、ビール瓶ほどもあるディルドを妻の目の前に突きつけて、「約束だからな。次はこれだ」と言うのです。
妻はもう、意識朦朧となっているのですが、「や、やくそくだなんて・・・ひどい」と言って、いやいやをします。
男はにやりと笑うと、「それなら、お前にも選ぶ権利をやろう。どうだ、どっちだ」と言って、黒いディルドと、どす黒く醜悪に勃起した自分の肉棒を代わる代わる見せるのです。
もう、妻には逃げ道はありません。
蚊の無くような声で、男の肉棒を見て「こっち・・・」と言うのです。
しかし男は、「こっちじゃ、分からないだろう。これか!」と言って黒いディドウを突きつけます。
妻は激しく首を振って、いやいやをし、「あなたのを、ください」と言います。
「あなたのじゃ、分からん。おれの何だ!」ようやく、妻は「おちんちん・・・」と言いますが、男は許しません。
「おちんちんをください、と言うんだ!」
妻は、男の言葉を繰り返すのですが、声が小さいとか聞こえないとか、さんざんに怒鳴られた末、やっと、辛うじて聞き取れるような声で「あなたのおちんちんをください」と言うと、わっと号泣するのです。
しかし、両手を縛られて吊るされている妻には、涙を拭くことさえ出来ません。
男は妻が泣いているのも構わず、妻のすらりとした白い足を持ち上げると、醜く怒張した肉棒をゆっくりと埋め込むのでした。
男は、妻の足を両手で持ち上げたまま、醜悪なまでに赤黒くなった肉棒の出し入れを始めます。
妻の体液でぬらぬらと光る抜く棒が出たり入ったりする様子が、画面の中央で大写しになっています。
時々、妻のピンク色をした肉襞が、男の肉棒と一緒に、めくれたりしているのも見えます。
妻は首を大きく後ろへ仰け反らせていて、気を失っているかのようですが、その半分開いた唇の間から、「はっ、はっ、はっ」という荒い息が漏れています。
ゆるいウェーブのかかった長い美しい髪が、男のピストン運動にあわせて揺れています。
すでに何度も放出しているせいか、男はいつ果てるとも知れずピストン運動を続けていますが、やがて、男の体からも妻の体からも大量の汗が雫となって飛び散り始めます。
二人はお互いの汗がかかるのを気にも留めず、今の行為に没頭しているのです。
やがて、妻の体が小刻みに震え始めます。
何度となくアクメに達したため、エクスタシーが止まらなくなってしまったかも知れません。
やがて、二人に最後のクライマックスが訪れます。
男は妻の体を持ち上げたまま、つま先立ちになると、「うおおおぅ!」という奇声を発して、肉棒の底に溜まった白い粘液の全てを吐き出したのでした。
妻も鎖をじゃらじゃらと揺らしながら、大きく体を痙攣させました。
男はしばらく肩で大きな息をしていましたが、やがて、いまだ半硬直の肉棒を妻の蜜壷から引き抜きます。
驚いたことに、男が肉棒を引き抜くとき、妻の肉襞が、まるで肉棒を離すまいとするかのように、男の肉棒にまとわりついていたのでした。
ビデオは、妻のやさしいピンク色をした蜜壷の大写しと、そこから溢れ出た白い粘液が一筋、垂れるシーンで終わっています。
妻の白い太ももを、男の体液がきらりと光りながら、垂れていくのでした。
私が大事にしていた秘密の花園は、れいこの夫の醜悪な肉棒で、無残なまでに踏みにじられてしまったのです。
私は最後のシーンに辿り着くまでに、何度も自分の肉棒を慰めてしまいます。
そして、怒りや嫉妬、そして自慰の疲れでがっくりと肩を落とすのでした。
私が不思議なのは、私の妻に対してこれほどまでに残忍に振舞う夫を、その実像を知らないからか、れいこが愛してるということでした。
ひょっとにしたら、れいこの夫はれいこの前では、優しい愛すべき最良の夫なのでしょうか。
れいこだって、夫の前では良き妻なのかも知れません。
ちょうど私達夫婦が、表面的には、ごく普通の夫婦であるように、れいこの夫婦も、どこにでもいる、一見、平凡だが幸せに見える夫婦なのかも知れません。
そして・・・、それを言うなら、私達夫婦だってどうでしょう。
妻は愛らしく楚々として、夫である私を愛してくれる理想の妻なのに、KやSと目を覆うような痴態を繰り広げています。
そして、私だって、れいこを野獣のように犯したではありませんか。
もしかしたら、れいこの夫も私と同じような、臆病で嫉妬深い、どこにでもいる平凡な善人なのかも知れません。
みんな、仮面を被っているのです。
表面に見えているものと、心と体の奥深いところにあるものは、全然、違うのです。
私の不幸は、妻の仮面の下を見てしまったこと、そして、妻の仮面の下の姿を見ることに、異常な興奮を覚えてしまうことなのかも知れません。
しばらくして、また、会社宛に差出人の名前の無い手紙が届きました。
開けてみると招待状が入っています。
何と、それには「Kとゆかりの結婚を祝う会」と書かれています。
いったい、何のことでしょうか。
私は仕事中にも関わらず、大きな声を出してしまいそうになりました。
次の週の土曜日に、Sのマンションで、Kと私の妻が結婚式を挙げるというのです。
そこへ、また、Kから電話が掛かってきました。
電話をしてきたKに、私は思わず声を荒げて「いったい、これはどういうことですか」と言いました。
Kは、「あまり真剣に考えないでください。ゆかりさんはご主人を愛されているから、あなたがたの結婚には何の関係もありません。ただ、ご主人にはどうしても見守ってあげて欲しいのです」と言います。
「例のマジックミラーの部屋ですか?」
「申し訳ないが、そうです。今週末、ゆかりさんは、友達と一泊旅行に行きたいという筈ですから、行かせてあげてください。お願いします」
珍しくKからお願いされて、私は承諾せざるを得ませんでした。
週末になると、妻は、申し訳なさそうに友達と温泉に行くと言って、旅行バッグに荷物を詰めて出て行きました。
私は妻が出掛けるとすぐにSのマンションに向かい、一人で待っていたSに迎えられてマジックミラーの裏側の部屋に入りました。
驚いたことに軽食や飲み物、毛布が用意してあって、私も泊まれるようになっています。
前回は気づかなかったのですが、さらに奥には小さなトイレもありました。
そして、私が恥ずかしかったのは、ティッシュが大量に用意してあったこと。
前回、私がここで何をしていたかは、すべてお見通しのようでした。
しばらくすると、チャイムが鳴って、見知らぬ男女のカップルが入ってきました。
ふたりともすらりとした長身で、見るからにいい暮らしをしている様子です。
やがて、同じような感じのカップルや、華やいだ感じの女性のグループ、単独男性などが、三々五々、…

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