他人(ひと)の皮を被る 二話
2017/03/01
「なんとか上手くいったか……」晃はソファで息を吐いた。
深く眠り込んだ奈津美に起きる気配はない。
晃はその奈津美のスーツをそうっと脱がしにかかる。
ブラウス姿にすると酒の匂いが強まった。
クールな美人が頬を染めて酒の匂いをさせるのはそそる絵面だ。
さらにブラウスのボタンを外していくと、青い宝石つきのネックレスが覗く。
「高価そうだな。この石ころで何百万するんだ?」晃が毒づいた。
奈津美という人間の恵まれぶりを象徴するようだ。
晃は劣等感に苛まれながら奈津美のブラジャーを剥ぎ取った。
豊かな乳房が零れ出す。
カップはEかFか、28歳とあって少し崩れてはいるが、突き上げればさぞかし揺れるだろう。
乳輪と中心の尖りは初々しいピンクで、男の扱いに長けるイメージとはややギャップがある。
ボディラインはスレンダーだ。
縦に一筋入った腹筋はスポーツジムの女を思わせる。
海で焼いたのだろうか、肌がほどよく色づいた中で乳房だけが白い。
晃はさらに奈津美のベルトに手をかけた。
ベルトを外しロングパンツを脱がせると、黒のストッキングが視界に飛び込む。
「……すげぇ脚だな……」晃は息を呑んだ。
西洋モデルのような脚線に黒ストッキングは反則的だ。
ブラウスをはだけ、下はストッキングのままソファに横たわる美女。
いかにも襲われたオフィスの女という格好だった。
晃はそれを逃がすまいと、箪笥から麻縄を取り出す。
康平の金で買い漁ったアダルトグッズの一つだ。
いきなり本格的な緊縛は無理だが、動きを封じるぐらいはできる。
晃はまず奈津美の手首を後ろ手に縛った。
それから奈津美を革張りの椅子へ腰掛けさせ、脚をMの字に開いて脛と太腿を結び合わせる。
大股開きの、シンプルながら羞恥心を煽る縛りだ。
椅子の座部はよく沈み、普通に座っても立ち上がるのに力がいる。
そこへ縛られ押し込められたとあっては、自力ではまず抜け出せまい。
奈津美にとっては絶望的な状態だが、観る者には極楽だ。
「人生最高の眺めだぜ、こりゃあ」晃が目を細めた。
奈津美のすらりと長い脚はこの縛りに映える。
晃は上機嫌で次の準備に移った。
ビデオカメラを取り出し、USBでそのカメラとデジタルレコーダー、テレビを繋ぐ。
そうすればビデオに撮った映像をテレビで直接観ることが可能だ。
試しに眠る奈津美へビデオを回すと、スクリーンのような大画面にあられもない姿が映し出された。
部屋の四隅にあるサラウンドシステムが些細な息づかいまで響かせる。
「ちょっとしたAVのつもりだったが、まるで映画だな」晃はビデオカメラを三脚に取り付けながら笑う。
奈津美を縛り上げ、撮影の準備も整い、万一に備えて服も隠した。
「さて、と」晃は息を整え、奈津美のストッキングを股部分から引き裂く。
下着はピンクの“紐パン”だ。
パンツスタイルでもショーツラインが出にくいためだろう。
その紐パンを解くと、ついに奈津美の秘部が露わになる。
恥毛がかなり毛深い。
臍から尻穴にまで墨を塗ったように生い茂っている。
こうやって秘部を見られる事など想像もしていなかったのだろう。
あるいは商社の課長ともなれば、毛の処理をする間もないほど多忙なのかもしれない。
「あんなお高くとまった顔してて、こんな剛毛を隠してたのかよ。奴らに知られりゃ暴動もんだぜ」晃は遠巻きにしていたホストを思い出す。
濃い茂みは晃の欲望を増幅した。
ただ濃すぎるため、肝心の割れ目がほとんど見えない。
「これはこれで良いもんだが、仕方ねぇな」晃はバスルームに入ってシェービングクリームと剃刀を探しあてる。
そして奈津美の恥毛にたっぷりとクリームを塗りつけた。
テレビ画面に恥毛の剃られていく様が映し出される。
恥毛を剃られる間も奈津美は目を覚まさない。
その寝顔は子供のようにあどけなかった。
人前で寝顔など晒さない女だろうから、かなり貴重な映像だ。
毛をすべて剃り落とすと、見違えるほどに綺麗な肌が覗いた。
上半身同様、太腿は健康的に焼けているのに三角地帯だけは雪のように白い。
「おおっ……」晃は股座を覗き込みながら、ある一点に目を奪われていた。
奈津美の肛門だ。
背を座部につける格好のため、肛門は晃の真正面に晒された。
白い尻肉の中心に放射状に皺が並び、全体に淡い桜色をしている。
排泄器官と称するのが躊躇われるほど慎ましい蕾だ。
「これが、奈津美のケツの穴か。へへ、マジでこんなに綺麗だったなんてな……」晃は吸い寄せられるように肛門へ口づけした。
味はわからない。
だがあの奈津美の肛門を舐めているのだという事実が晃を満たす。
3日前、奈津美を知ったときからこうしたかった。
高貴な彼女を尻穴で悶えさせたいとグッズを揃え、その使い方を調べながら、どう辱めようかと妄想を膨らませた。
それを実現させる時が来たのだ。
※晃は夢中になって奈津美の肛門を舐め続けた。
「……な、何をしてるの!?」そう悲鳴が漏れたのは、数分後の事だった。
奈津美がようやく目覚めたらしい。
晃は意に介さずに尻穴を舐り続ける。
「やめなさい!」奈津美は鋭い声でさらに叫んだ。
目が覚めれば見知らぬ部屋で縛られ、裸で尻穴を吸われている。
しかもあれだけ剃っていなかった恥毛が、いつの間にか残らず処理されてもいる。
その恥辱たるや如何ほどのものだろう。
晃はそれを想いながら、肛門の皺へ舌を這わせて唾液を塗りこめる。
桜色の蕾がひくついた。
蕾周りの肉を親指で押しやり、蕾に口を開かせて門に舌を這わす。
蕾を形成する内向きに膨らんだ筋肉を、一つずつ、慈しむ様に丹念に舐め上げ、時に押し開く力を緩めて蕾そのものを吸い上げる。
ずぞぞぞっという音が機器で部屋中に響き渡る。
かなり唾液が入っていたらしい。
「やめなさい、いい加減にしなさい!!」プライドの高い奈津美は高圧的に命じ続けた。
だがそんな彼女も、酔ったまま全裸で尻を吸われ、確実に感じてきているようだ。
小刻みに強張る太腿はそれを如実に表していたし、肛門を啜り上げながらふと見ると、割れ目も物欲しそうに喘いでいる。
気持ちの良くないはずがなかった。
人はみな幼少時に肛門期を経て育つ、たとえ一生女陰の性感を知らずに終わる令嬢でもだ。
鹿や狼でさえ肛門の快感は知っていて、仲間同士舐めあったりする。
肛門のもたらす快感は生物の根源に関わるものだ。
この極上の女とて、尻穴を延々と舐られれば凛然としてはいられない。
特に酒の入っている今は、身体が快感にむけて開いているはずだ。
「本当にもうやめなさい、クビになりたいのッ!?」恥辱に塗れた奈津美の怒号。
尻穴から漂いはじめる肉の香り、異臭。
それらを楽しみ、晃は呆れるほど残酷に尻穴を舐り続ける。
受けるだけの奈津美はどんどんと追い詰められていく。
「ううっ!!」ある時ついに奈津美が声を上げた。
見上げると、彼女は天を仰いでいる。
その瞬間強い女の香が漂い、割れ目から濃厚な蜜がどろりと伝い落ちた。
蜜はゆっくりと肛門の脇を流れていく。
肛門を吸い続けられた奈津美が、ついに達したのだ。
「オフィスの高嶺の花が、尻を吸われて絶頂か。人間の身体なんて単純なもんだな」小指大に口を開いた肛門を撫でると、奈津美の太腿が跳ねた。
それに気を良くしながら、晃は小指を肛門にゆっくり沈めていく。
食い千切るようなきつさの中を進むと、あるところで硬いものに行き当たった。
それが何かを悟り、晃は口元を吊り上げる。
「おいおい、なんだこれ?アンタでもクソが溜まるのかよ。涼しい顔して男の目を浴びてたくせに、皮一枚かっさばきゃあただの糞袋ってわけだ」晃が煽ると、奈津美の射殺すような視線が晃を捉えた。
「に、人間なら排泄物が出るのは当たり前でしょう!あなたはどうなの?一度もトイレに言った事はないとでも主張するつもり!?自分の事を棚に上げて、人の欠点ばかり挙げる。大したお人柄ね!」凛々しく正論で返す奈津美に、晃は可笑しさが止まらない。
「解ってねえなぁ。全然違うんだよ、俺とアンタじゃ。ゴミみたいな俺にクソが詰まっている事実と、女神みてぇなアンタにクソが詰まっている事実。こりゃもう全く別の話だぜ」晃は言いながら、箪笥を開けてローションボトルと烏口の器具を取り出した。
妖しく銀色に光るそれを見て奈津美が危機を察する。
「これを知ってるか?」
「知らないわ、あなたみたいな変質者の得物なんて。……それで何をするつもり?」
「こいつは肛門鏡っつってな、この20cmばかしの烏口を肛門に差し込んで、腸の奥の奥まで開こうってんだ。きっとよく見えるぜ、何が入ってるかよ」晃のその言葉を耳にし、さしもの奈津美も動揺を隠せない。
「くっ、うっ!」後ろ手に縛られた手首を揺すって逃げようともがく。
だが底なし沼のような椅子の中では、自力で逃げ出すことなど傍目にも絶望的だ。
晃は肛門鏡の烏口にたっぷりとローションを垂らし、奈津美の肛門へと宛がう。
「暴れんなよ。仮にも金属なんだ、明日からトイレで泣くことになるぜ」晃が脅すと、奈津美は承服しがたい顔ながらも抵抗をやめた。
狭い腸内にゆっくりと肛門鏡を押し入れると、20cmの烏口はかなり深くまで入っていく。
奈津美は冷たい感触に眉を顰めた。
晃は烏口を完全に埋め込むと、今度はゆっくりと開いていく。