本屋のオバちゃん
2021/09/12
奥にカーテンで仕切ったエロ本コーナーのあるこじんまりとした店だった。
店は30代半ば位の派手な顔のオバちゃんが一人で営んでいました。
中学3年だった私は、カーテンの近くに並んでいる小説を選ぶふりをしながらわずかな隙間から向こう側を覗くのがひそかな楽しみで、一般の本屋では並んでない様なエロ本の表紙の扇情的なポーズや卑猥な言葉を家で反芻しては自慰をするのが日課でした。
妄想の中で、表紙の女性の顔がいつのまにか本屋のオバちゃんに変わり、オバちゃんを後ろから犯す所がいつもの射精のタイミングでした。
夏のある日、いつものように学校帰りに本屋に行くと、客は誰もおらず、オバちゃんもいませんでした。
私はチャンスだと思い、カーテンの向こう側へ入りました。
そこには日本人や金髪の外国人の女性が表紙の本がずらっと並んでいました。
その中には私が初めて目にする縄で縛られた女性の表紙もあって、私は口の中がカラカラになりながらそれらの本を手に取り夢中でページを捲っていました。
いきなり背後のカーテンが開けられました。
私がギョッとして振り返ると、そこにはオバちゃんが立っていました。
「ダメでしょ、中学生がここに入ったら」オバちゃんは優しく微笑みながら、私をたしなめました。
私は恥ずかしさのあまり持っていた本を元に戻すと、そこから逃げ出そうとしました。
しかし、仕切り口が狭く私とオバちゃんはまともにぶつかってしまい、勢い余って狭いふたりとも通路に倒れこんでしまいました。
丁度オバちゃんの胸辺りに顔を埋める格好となった私は、Tシャツ越しに胸の感触を感じました。
少し汗のにおいが交じった香水の香りもしました。
「もう…、ほら起きて」その声で私は我に返り、急いで立ち上がると「ごめんなさい」とだけ言い残して本屋から走って逃げました。
家に帰ってから私は自己嫌悪に苛まれました。
家とか学校に連絡されたらどうしよう、恥ずかしくてこの町にはいられない、もうあの本屋には行くまい…。
そんなことを繰り返し考えていました。
しかし、十日程経っても私の周りには何の変化も起こらず、私は拍子抜けしました。
そうなると現金なもので、今度はあの時のオバちゃんの胸の感触や香りを思い出してまた自慰に耽りました。
実際の経験が加わったおかげで妄想は前よりも現実味が増し、オバちゃんはずっといやらしくなっていて、一日に三回自慰に耽ることもありました。
私はオバちゃんに会って謝ろうと思いました。
いえ、それは自分への言い訳でした。
本当は謝罪にかこつけて、オバちゃんに会いたかったのです。
会えば、またあんな機会が訪れるかもしれない、それ以上のことだって…。
私は二十も上の女性に焦がれていました。
次の日、本屋へと向かった私は、他の客がいなくなるまで辛抱強く店から離れた所で待ち続けました。
やっと客がいなくなったのを確かめ、私は意を決して店へ向かいました。
「あら、いらっしゃい」オバちゃんは、私を見て優しく言ってくれました。
私が、何も言えず立っていると「まぁ座って」とレジの前の椅子に座らせました。
そして、麦茶を出してくれました。
「この間は、ごめんなさい」私はオバちゃんの顔を見ずに謝りました。
「ううん、いいのよ。あなたの年頃なら興味を持って当然よ。でもあそこに置いてあるのは少し刺激が強いかもしれないわね」オバちゃんが笑ったので、私もつられて笑いました。
でも、その後は何も言えなくなり沈黙が流れました。
暫く重苦しい時間が経った後、オバちゃんが言いました。
「ねぇ、絶対誰にも言わないって約束できる?」
「えっ…」私は顔を上げてオバちゃんを見つめました。
オバちゃんの瞳は潤んでいるように見えました。
私はオバちゃんがどういうつもりなのかすぐに察しました。
自分と同じことを考えている…、そう確信しました。
「はい、誰にも言いません」私は自分でも驚く程はっきりと言いました。
「ちょっと待ってて」おばちゃんは、店の入口のドアに鍵を掛けると、「準備中」の札を掛けました。
そして、レジの後ろの引き戸を開けて「こっちよ」と私を招きました。
そこは三畳ほどの和室でした。
「お昼や休憩はここでとってるの」オバちゃんはテーブルを畳んで壁に立てかけました。
私達は、狭い部屋で正座をして向かい合いました。
まるで儀式の始まりのようでした。
「本当にふたりだけの秘密よ…」オバちゃんは顔を近づけてきました。
私は返事の代わりにオバちゃんの唇に自分の唇を合わせました。
最初は唇をくっつけてるだけでしたが、すぐに私の唇はオバちゃんの舌にこじ開けられました。
私もそれに応えようと夢中で舌を動かしました。
歯磨き粉の味がしました。
キスがこんなに気持ちがいいなんて…。
舌をからませながら、私は後頭部が痺れるような感じがしました。
ふたりとも息が荒くなっても唇を離そうとせず、そのまま畳の上に倒れこみました。
私は、薄目を開けてオバちゃんの表情を盗み見ました。
オバちゃんは眼を閉じてうっとりとしていました。
初めて見る女性の表情でした。
オバちゃんの腕は、私の首に巻かれ指は髪をまさぐっています。
私は、母とさほど変わらない大人の女性を自由にしている状況に息苦しいほど興奮しました。
私はやっと唇を離すと、今度はオバちゃんの胸に顔を埋め、思いっきり息を吸い込みました。
この間よりもオバちゃんの体臭を感じました。
それはいい匂いでした。
そのまま右手をブラウスの下に潜りこませタンクトップみたいな下着越しに胸を揉みました。
ボリュームがあって柔らかでした。
私は直接触りたいと思い、下着をスカートからたくし上げ手を潜らせようとしました。
「ちょっと待って。脱ぐから」オバちゃんは、上半身を起こすとブラウスのボタンを外しだしました。
私はブラウスやその下のピンクの下着を脱ぐ様子を瞬きも忘れてじっと見ていました。
腋の下に少し生えた毛が目に入りドキッとしました。
スカートに手をかけたところで、私の視線に気づき「ちょっと…恥ずかしいじゃない。あんまり見ないで。あなたも脱ぐのよ」と言いました。
私は慌てて背中を向けてシャツやズボンを脱ぎましたが、パンツを下ろしていいものか迷いました。
振り向くとオバちゃんは何も纏っていません。
私もパンツを下ろしました。
「すごく上を向いてるのね。それにまだ汚れてないって感じだわ」オバちゃんは私の股間を見て言いました。
私は恥ずかしさを隠す為に抱きつきました。
服の上からとは違って、肌が直接触れ合う気持ちよさは比べようがありません。
私はあらためてキスをした後、唇を白いたっぷりとした胸に這わせました。
そしてその頂点を口に含み、赤ちゃんのように吸いました。
「んふっ…」オバちゃんの口から笑っているような声が漏れます。
「くすぐったい…の?」と私が聞くと「ううん、気持ちいいよ」と言ったので、そのまま続けました。
私の胸の辺りにオバちゃんの茂みが押し当てられ擦るように上下しています。
その茂みが湿っていることに気づき「これが濡れるということなんだな」と内心思いました。
私の唇は段々と茂みに近づいていきました。
「ダメ…、そこ汚れてるから」オバちゃんは私の頭を両手で押さえました。
そして身を起こすと「私がしてあげる」と言って、私を仰向けに寝かせました。
すべすべしてるわ…」オバちゃんの舌は私の首筋から胸へと移ります。
とてもくすぐたかったのですが、折角してくれているので我慢しました。
舌は徐々に下半身を這い、とうとう待ち焦がれていた所に届きました。
付け根から先に向かって優しく舐められた時私は思わず声を上げました。
「ここがいいの?…じゃ、ここは?」オバちゃんは私の反応を面白がっているようでした。
オバちゃんの口に全部が包まれ、その中で舌先は先っぽをちろちろと刺激し、手は付け根をリズミカルにしごきます。
私は頭を起こし、オバちゃんに含まれている自分自身を見ました。
オバちゃんの唇は窄められ捲られしながら上下しています。
その奉仕の光景に、私の快感は最高潮に達しました。
「ああっ、あぅ」その瞬間、耐えられなくなって射精しました。
私が出したものの大部分はオバちゃんの口に受け止められましたが、いくらかが私の胸やオバちゃんの顔や髪にも迸っていました。
波が遠のくのと同時に、オバちゃんを汚してしまった申し訳なさや怒られるという不安が生まれ「…ごめん」と言いました。
「いいのよ。若いんだからすぐできるわ」オバちゃんは、私が早く達してしまったことを謝っていると思ったようでした。
「少し休憩しましょう」ティッシュで汚れをふき取ると私の横に添い寝をしました。
「こんなことするの初めて?」
「…はい」
「彼女は?」
「いません」
「こんなオバちゃんでもいいの?」
「そんな…僕、今日はおばさんに会いに来たんです」
「嘘…」
「嘘じゃないです!僕いつもおばさんのことを想いながら自分で…」
「本当に?だったら素直に嬉しいわ」言葉を交わしながら、私の手はオバちゃんの胸の突起を、オバちゃんは私自身を弄んでいます。
「じゃ私も正直に言うわね。私ね、あなたのことが気になってたの。でもあれから店に来ないから…。だから、今日あなたが来てくれて嬉しかった」はにかみながら話すオバちゃんは、学校にいる同年代のどの女の子よりも可愛らしく、とてもいとおしく思えました。
このひとを自分のものにしたい。
このひとをもっと歓ばせたい。
私の中に強烈な衝動が起きました。
私はむしゃぶりつくように抱きつき、唇に吸いつきました。
さっき口の中に出したものの味がしましたが構いませんでした。
オバちゃんも私の衝動に感応したのか激しく応えます。
私はいきなり唇を離すとそのまま体をずらし、股間に顔を埋めました。
「いや!そこはダメ!やめて、お願い!」オバちゃんは腰を引きかけましたが、私は両腕でオバちゃんの腿をがっしりと掴み、顔を密着させました。
そこは熱く潤っていて、濃厚な匂いがしました。
どこがいちばん感じる所なのか解らなかったので、とにかく全体をくまなく舐めました。
オバちゃんは手で私の頭を引き離そうとしましたが、腕に力をこめて離れないようにしました。
私は一心に舐め続けました。
「んっ…あぅ…いや」オバちゃんの抵抗が次第に弱くなりました。
手は私の頭に添えられたままです。
私の顔は唾液と中から溢れ出したもので既にびしょびしょでした。
でもオバちゃんが歓ぶなら、このまま何時間でも舐めてやると思いました。
「あっ、いいっ、そこ…いい」私の舌が敏感な所を探りあてたようでした。
その部分を中心に舌を動かし、空いている手で胸を揉みました。
「そこ…そこっ…いいのっ」オバちゃんの手が私の髪を掻き毟り、顔は強く股間に押しつけられました。
オバちゃんの腰が上下に動くので、私は顔全体で愛撫しているようでした。
「お願い…いれて…ねぇ、いれて…」うわ言のような声がオバちゃんの口から漏れました。
顔を上げると、オバちゃんは苦悶の表情で、口は半開きになっていました。
私自身は既に痛いくらいに反り返っていました。
私は体を起こすと、今まで顔を埋めていた所に自分自身をあてがおうとしました。
私はその時初めて、女性の入り口がそれまで想像していた所より下に有るということを知りました。
私はどういう角度で挿れればいいか躊躇しました。
オバちゃんはそれを察し、自分の膝を曲げて少し上に上げると、私自身に手を添えて導きました。
先が入ると、後はすっぽりと抵抗なく根元まで入りました。
「あんっ、んんっ」オバちゃんは電気が走ったようにビクッと震えました。
私も私自身に纏わりつく熱い蠢きに陶然としました。
下半身全部が包まれたような感覚でした。
腰が独りでに動き出しオバちゃんの奥を突きます。
「んっ、んっ、んあっ」私の律動に合わせて、オバちゃんも腰を動かします。
ふたりなのにひとつの連動した動きに、繋がっている歓びが湧き上がりました。
私はオバちゃんをしっかり抱きしめました。
狭い部屋の中で扇風機もつけずに交わっているので、ふたりとも汗でぐっしょりでした。
密着した肌と肌との間で汗がぴちゃぴちゃと音を立てています。
私はその音にも興奮を掻き立てられました。
私は目の前に有ったオバちゃんの耳たぶを噛み、舌を差し入れました。
「いや、ああん、だめぇ…」オバちゃんの声が切なくなってきました。
私は歓んでいるのだと確信し、耳を舐め続けました。
「ああん、ああん、んうっ」私の腰に廻されていたオバちゃんの両腕が凄い力で締めつけてきます。
オバちゃんの奥の柔らかい壁が私にねっとりと絡み快感に誘います。
もうこれ以上耐えられませんでした。
私はオバちゃんの頭に腕を廻してぎゅうっと抱きしめ、一段と腰を打ちつける速さを増しました。
「あっ、あっ、うーっ」そのままオバちゃんの中に放ちました。
快感の波が幾度も押し寄せ、その度に迸りが放たれます。
「ああっ熱い、熱いの…」オバちゃんはしっかりと私の腰を抱き、私の迸りを受けとめてくれました。
私は、ぐったりとした体をオバちゃんに預けました。
全速力で走った後のような息苦しさでしたが、下半身はあの蕩けそうな快感の余韻がまだ残っていました。
オバちゃんはいとおしそうに私の頭を撫でています。
私が、オバちゃんが重いだろうと体を離そうとすると、「このままでいて…」と私を抱きしめました。
私は手足を少し立てて、体重が余り掛からないように支えました。
私自身はまだオバちゃんの中に入ったままです。
「うーん気持ちよかったぁ」
「僕もです…」
「…しちゃったね、私たち」
「はい…」オバちゃんは頭を撫でていた手を止め、私の耳たぶを軽く引っ張りました。
「あなたはこれから色んな人といっぱい経験するんだろうね…」
「そんなの…わかりません」
「もしそんな時が来たら、ちゃんと避妊しなきゃだめよ。泣くのは女の子なんだから。私は出来ないって医者のお墨付きなんだけどね」
「………」私は何て言っていいのか解らず黙っていました。
「…とにかく私に妊娠の心配はないから安心して」オバちゃんは私の背中をぽんぽんと軽く叩きました。
私は釈然としないまま頷きましたが、オバちゃんが私のことを気遣ってくれていることは解りました。
オバちゃんは私の顔を引き寄せると、「ねぇ、キスして」と言いました。
私はオバちゃんの唇を舌で軽く舐めるようなキスをしました。
オバちゃんも舌を出して、しばらくふたりの舌は触れるか触れないかの微妙なタッチを繰り返しました。
一方で私は中指でオバちゃんの胸の頂点を軽く弄り、徐々に固さが増してくるのを楽しんでいました。
その時、私は私自身が優しく締めつけられる感覚を覚えました。
「解る?」オバちゃんは微笑んでいます。
「…うん、解る」オバちゃんはまた私自身をきゅっと締めつけました。
ちょうどくびれの辺りへの心地よい刺激が規則的に繰り返され、その度毎に私自身が徐々に漲ってきました。
「あん…あん…」私がオバちゃんの中でぴくんと脈打つたびにオバちゃんの口から喘ぎ声が漏れます。
そして十分に固さが戻った私自身をオバちゃんが奥へ引き込もうとしたとき、私はわざと腰に力を入れて動かないようにしました。
「いや…」オバちゃんはなおも両手に力を入れ腰を引き寄せようとしますが、私は抵抗しました。
私自身はオバちゃんの入り口で止まったままです。
「いや、お願い…」オバちゃんはいやいやと首を振って焦れています。
私は私の中に湧き上がった感情が、自分でも不思議でした。
いとおしいのに苛めたいという感情でした。
私は入り口あたりを浅くゆっくりと動き、オバちゃんを焦らしました。
「ねぇお願い、奥まで突いて!」オバちゃんは、耐えかねてはっきりと懇願しました。
「じゃ…、後ろ向いて」私は自分が発した高圧的な声に内心昂ぶりました。
オバちゃんは言われるままにうつ伏せになり、お尻だけを高く上げて私に向けました。
私の目の前にオバちゃんが丸見えになりました。
今まで私自身が収まっていた所の肉の色も、そこから零れる白い滴りも、その周りの濡れそぼった茂みも、すぐ上の窄まりまでもが全部露わになっています。
私は片手をオバちゃんの腰に添えると、もう片方の手で自身を持ちゆっくりと進みました。
オバちゃんは待ちかねたように自らお尻を動かして、私を迎えます。
私はオバちゃんの腰を持つと、ぐうっと突きました。
今までよりさらに深く奥まで届きました。
見下ろすとオバちゃんの肉の裂け目に私自身が根元まで刺さっていました。
オバちゃんは畳に頭をつけたまま「おおぅ、おおぅ」と唸るような声を発しています。
その手には脱ぎ捨てたピンクの下着が固く握り締められていました。
ふたりのぶつかる音が部屋に反響しています。
まさに私が自慰の時に夢想していた場面そのままでした。
私はしばらくオバちゃんを打ちつけた後、オバちゃんの昇りつめた声でみたび放ちました。
それからも私とオバちゃんの秘密は続けられました。
でも秋風が冷たく感じられる頃、オバちゃんが言いました。
「主人の転勤で引っ越さなくちゃいけなくなったの」それは、ふたりの関係がずっと続くものと信じていた私には受け入れがたいものでした。
しかし、所詮中学生の私にどうこうできる事でもありません。
私は聞き入れるしかありませんでした。
その代わり私は、最後は本屋ではなく別の所で逢いたいと言いました。
郊外のホテルで私たちは、たっぷりとお湯を張った湯船の中や広いベッドで交わりました。
最後はふたりとも泣きながら体を合わせていました。
オバちゃんとはそれっきり逢うことはありませんでした。
その後、あの本屋はひと月も経たずに取り壊されました。
少ない常連客だけが来る本屋だったので、パートだったオバちゃんが辞めたのを契機に店の持ち主が決めたということをあとで聞きました。
私は学校帰りにすっかり整地された店の跡に立ち寄りました。
こうして平地になるとあまりの狭さに、あの出来事がいっときの夢のように感じられました。
「残念だったね。本屋失くなって」ふいに後ろから声をかけられました。
振り向くと、同じクラスの美雪が立っていました。
「ママがね、あそこはいかがわしい本も扱っているから失くなって良かったわって言ってたわ。あんたもここにそんな本見に来てたんでしょ?ほんとっ男子っていやらしいよね」美雪は口を尖らせています。
私はただひと言「そうだよ」と言いました。
私が真っ赤になって否定するものと思っていた美雪は、意外そうな顔で黙ってしまいました。
私はもう一度だけ店があった場所を目に焼き付けると、振り返り歩き出しました。
その後を美雪が続きます。
「ついてくるなよ」
「別についてきてないわよ。私もこっちなの!」そう言いながら美雪は私の横を並んで歩いています。
「あんた最近変わったね…」
「どこが?」
「解んないけど…とにかく変わった」私はもし美雪にオバちゃんとの出来事を話したら、こいつどんな顔するだろうなと考えると愉快な気分になりました。
(おわり)