湯けむりウォーズ

2019/11/02

孝之と智紀はクラスの女子たちと山間にある温泉に来ていました。
孝之たちはバスを下りるなり、旅館に併設されている露天風呂にさっそく入りに行きました。
そこは天然の濁り湯で、きれいな乳白色をした温泉でした。
「はぁー、気持ちいい」
「ホント、生き返るよな」あまりの気持ち良さにしばし時間を忘れ、どっぷりと肩まで浸かる孝之たち。
すると脱衣所に黒い人影が・・・。
「あれ、孝之たちがいるわ。何でこっちにいるのかしら」
「あっ、お前ら何勝手に入ってきてんだよ」声でいつもの女子であることに気付いた孝之は、ガラスの向こうに映っていた人影に向かってそう言いました。
すると、思いも寄らぬ言葉が返ってきました。
「あら、男風呂なら隣よ」女子数人はそう言いながら、ガラスの扉を開けるとぞろぞろと孝之たちのいるところへ入ってきました。
「えっ、まさかそんな」孝之は驚いてそばにあった岩に後頭部を打ちつけ、智紀は浴槽で足を滑らせ挫いてしまいました。
「本当よ、五時になったら入れ替わるって書いてあったじゃない」
「早く出ないと他の女性客も来てパニックになっちゃうわよ」
「そ、そうか、分かった。すぐに出るよ」
「じゃ、私たちここで出るの待ってるから早くして」
「え、そこで?」
「そう、ここよ」
「いや、外で待っててくれないかな」
「何で?ここはもう女風呂なのよ。私たちが出て行く必要なんてこれっぽちもないじゃない」
「いや、だからオレたちが今から出るから。」
「出るから、私たちはここで待ってるって言ってるじゃない。分からない人たちね」
「分からないのはお前たちの方だろ。少しは気を使えよ」
「いやよ。」
「お前らの言ってる意味が分かんねぇ」
「私たちには、なぜこれくらいのことが出来ないのか分からない」
「お前らひょっとしてオレたちの裸を見るのが目的だろ」
「さぁね」
「それよりいつまでも意地張って煮え上がるのを待ってるのか、それとも潔く私たちに順番に裸を見せてここから出るのか、どっちにするの?」
「ざけんな、早くここから出ていけよ」
「出ていけって言われて、私たちが素直に引き下がるとでも思うわけ?」
「いったい何が目的なんだよ」
「ズバリ、孝之と智紀のおちんちん鑑定!」
「お前ら、しばくぞ」
「ほら、出てけよ!」バシャバシャ孝之は手桶で掬ったお湯を浴びせて、何とか彼女たちをここから追い出す作戦を試みるのでした。
案の定、彼女たちは脱衣所のほうへ引き返していき、作戦は成功したかに思えました。
しかし.....「服が、服が、、、」美夏が孝之の掛けたお湯を大量に被ってしまい、たった一人風呂場の隅でベソをかいていました。
「えーん、えーん、これ一帳羅なのに、、、」
「あー、泣かしちゃった」
「美夏ちゃん、大丈夫?」美夏を気遣う他の女子たち。
そして怒りの矛先はお湯をかけた張本人である孝之に向けられました。
「ゴメン、ついやりすぎた......」しかし、孝之の謝罪に対する女子の反応は、とても冷ややかなものでした。
「ゴメンで済んだらお巡りさんだって要らないのよ」
「そうよ、そうよ」
「美夏ちゃん、どうする?」
「ぐす、絶対許さないもん......」
「だから、こうして何回も謝ってるだろ」
「回数の問題じゃないでしょ」
「美夏、本当に悪かった。だから顔を上げてくれよ、な」
「美夏ちゃん、孝之たちもこれだけ謝ってるし、そろそろ許す気にならない?」
「・・・。」
「待って莉子、美夏ちゃんが何か言いたげよ」
「どうしたの、美夏。えっ?目の前で?孝之が?裸のまま20回ジャンプしてくれたら?許してあげてもいい?」
「......だそうよ、孝之。」
「ぷふっ!!」
「何笑ってんだよ、智紀」
「ごめん、つい、、」
「さっきの、本当に美夏が言ったのかよ」
「当たり前じゃない。ねっ、そうだよね、美夏ちゃん?」すると美夏は涙で濡れた顔をゆっくりと上げ、静かに頷くのでした。
「ほらぁー」
「トホホ、何でこんなことに」
「アンタが全然手加減しないからよ、ほんのお遊び程度のことだったのに」彼女たちに促されるように渋々浴槽から出てきた孝之は、股間を押さえながら、泣き崩れている美夏の前に立ちました。
「美夏ちゃん、いまから孝之がさっきの約束を履行してくれるからじっくり見ててあげて」
「うん、、、」それまでじっと俯き加減だった美夏は顔を上げ、手で隠された股間のあたりをじっと凝視しています。
一方の孝之は見られていることを意識してか、顔を紅潮させています。
実はこの約束のジャンプ、美夏本人のたっての希望(?)により、最上部に到達したとき一度手を叩くことが絶対条件となるため、孝之がおちんちんを隠しながら約束を果たすことはまず不可能でした。
孝之は仕方なく股間に当てていた両手をパッと離すと、軽く数回ジャンプを始めました。
上に下に孝之の身体が激しく動いています。
手を叩くタイミングでおちんちんも上に下に激しく動いています。
そして......、「1、、2、、」孝之がジャンプを始めるやいなや美夏はひとときの瞬きすらも忘れて、食い入るように孝之の跳ね回るおちんちんだけを見つめていました。
ピタンッ、ピタンッ......ジャンプする孝之のおちんちんの飛び跳ねる音が、数人しかいない風呂場に静かに響き渡っています。
「......19、、20!ハァハァ、終わったぞ」
「美夏ちゃん、これで許してあげる気になった?」しかし、なかなかどうして美夏はなかなか首を縦に振ろうとはしません。
「おい、調子に乗るのもいい加減にしろよな」たまりかねた孝之はそこにいた美夏を押し倒し、そのまま床に覆い被さってしまいました。
「あっ、やめなさいよ」しかし、孝之に覆い被さられ下に組み伏せられているはずの美夏の対応は意外にしっかりしていました。
美夏は目の前に覆い被さっている孝之の両足を手でむんずと掴むと、なんとそれを大きく左右へと開脚させ始めたのです。
「ん、なんだ、なんだ・・・」すでに観念したと思っていた美夏の思いも寄らぬ反撃とその腕力に、攻撃を仕掛けた側の孝之は驚いています。
その様子に傍観者の女の子たちからは黄色い声が飛び始めました。
「キャハハハ、足開いてるからお尻の穴まで丸見えよ~」
「おちんちんまでぷらぷらさせちゃって」
「あらら、私たちにそんなところまで見られちゃって。いくら孝之だって男の子だし、恥ずかしいよね」美夏だけでなく、女の子たちも孝之の股間にぶら下がるおちんちんをじっくりと観察しています。
(あぁ、こんなの恥ずかしすぎる......)反撃の糸口を見出せないまま、孝之の恥ずかしさのボルテージは上がる一方です。
(な、何とかしないと)
「うぅ....、手、手を離せよ!」
「やだ。」孝之を完全に手の内に入れた美夏は先ほどまでと違って、余裕の表情すら浮かべています。
「アハハハ、こうなってしまってはさすがの孝之も敵わないみたいね」女の子の一人はそう言いながら、手足の自由の利かない孝之のそばに近寄り、おちんちんを軽く撫でて上げるのでした。
その瞬間、孝之は全身に電気が走ったような衝撃を覚えました。
「うぅ....さ、触んなよ」
「アレ、その顔って感じちゃってない?」
「あっ!...あうぅ......」彼女たちがあれやこれやと触れてくるたびに、孝之は疼いて思わず妙な声を上げてしまいます。
「あー、見て見て。孝之ったら勃起しちゃってるわ」
「ホントだー、私たちに弄られたぐらいで勃起しちゃうなんて孝之もダラしないわね」
「ねぇねぇ、孝之が美夏にヤラれてる構図って、あんまり見ないし、記念に写真撮っちゃおうか」
「撮っちゃえ撮っちゃえー」
「ストックしといたら話のネタなんかにも使えるしね。じゃ、撮影いくわよー」
「ちょっと待って、私もその中に写るから」
「あ、私も」
「じゃ、私もー」
「どうぞどうぞ」
「はい、チーズ!」カシャ/裸の孝之は仲良く(?)美夏や他の女の子たちと写真の中に納まっていきました。
「あぁ、一生もののお宝が出来たわね」
「孝之たちに貸しもつくれたしね」
「何か頼み事があったら、これ見せたら一発で言うこと聞くわよ、きっと」
「人間キャッシュカードにもなりそうよね。今度、友達にも配ってあげようっと」彼女たちは孝之への仕返しに満足して、そのまま風呂場から出て行きました。
そして自分の部屋へと戻ってきた孝之にまたしてもさっきの女子たちが屯(たむろ)して待っていました。
「じゃさっそくだけど、外の自販機に行って缶ジュース買ってきて」
「なんでオレが行かなきゃなんないんだよ」
「これ、クラス中にバラ撒いてもいいのかしら」そう言って彼女たちが出したものは、さっき風呂場で撮られたばかりのポラロイド写真でした。
見れば、素っ裸で彼女たちと肩を組まされていました。
ほかの写真もおおむね同様で、中には股間らしきもののドアップ写真までありました。
「あっ、それは!チ、チキショー、卑怯だぞ」
「アンタが暴力ふるおうとしたから天罰よ。ホントだったらあのときお巡りさんに突き出してもよかったぐらいよ」
「な、何だとー」
「で、行くの?それともこれをばら撒いて欲しいの、どっち?」
「い、行けばいいんだろ、行けば」
「物分りがよくて、大変よろしいw」
「あたし、コーラ。」
「私はホットコーヒーね。」
「ったく、おぼえてろよ」
「ね、ただ行かせるだけってのもつまんないからさ......」彼女たちはひそひそと何やら耳打ちしています。
「なんだ?」
「オッケー」
「じゃ、行くよ」
「せーのっ」
「わぁっ、何だなんだ」女子たちは示し合わせたようにして、一斉に孝之のもとに飛び掛りました。
「脱がしちゃえー」
「ワァー」
「おいっ、やめろ。やめろったら」女子数人にいきなり飛び掛かられては、いくら孝之が怪力の持ち主でも、多勢に無勢でした。
そうしてあっという間に着ていた浴衣を彼女たちによってあえなく剥ぎ取られてしまいました。
「じゃ、その格好で行ってらっしゃい」
「こ、こんな格好で行ったら捕まるだろ」
「でも捕まるのは私たちじゃないもん」
「そーそー、アンタ一人だけよ」
「捕まったら事件が事件だけにマスコミがこぞって三面記事に載せちゃうのは確実よね」
「私たちは責任持てないからくれぐれも気を付けてね♪」こうして孝之は女子5人分の缶飲料を買ってくるハメに。
孝之は少し開けた扉から外を覗き込むようにして、誰もいないことを確認すると、すっぽんぽんというあられもない姿で外へと飛び出していくのでした。
「あー!、あそこに変質者がいますよー、誰かぁー」旅館の外で慌てふためく孝之。
「バ、バカっ、冗談はよせよ」暗い夜道を素っ裸で駆けて行く孝之に、部屋の窓から見ていた女の子たちはそんな温かいエール(?)をいつまでも送り続けているのでした。

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