夫婦逆転 妻へのご奉仕を仕込まれる僕
2019/03/30
私は数年前の平成大不況のあおりでそれまでの職を失って以来、民事専門の弁護士をしている妻を家庭で支える「主夫」として働いています。いえ、ただしくは妻の「妻」、と言ったほうがいいのでしょうか。わたしと妻との夫婦関係は、この数年感で完全に逆転してしまったのです。長くなりますが、わたしたち夫婦の異常な性生活の話を聞いて下さい。誰かにこの秘密をあらいざらい話さないと、わたしはいつかおかしくなってしまいそうなのです。
そもそも、私たちの夫婦生活は通常とは少し違ったものでした。中小企業に勤めるごく普通、いや平均よりもやや「できない」営業マンだった私、誠司と、大学在学中に旧司法試験に合格し、そのまま大手弁護士事務所にとんとん拍子に勤めた妻、絢子のカップルは、はじめから「月とすっぽん」の表現がふさわしい、ふ釣り合いなものでした。今更出会いのきっかけや交際のあれこれを振り返っても仕方ないので書きませんが、自分でもよくこれほどの女性と結婚にこぎ着けたものだと思います。絢子は独身のころから、理知的でいながらすごく溌剌としている、一緒にいると元気が出るような魅力的な女性でした。女性にしてもやや小柄な体に、形のよいバスト。髪を長めにしているので今は少しイメージが違うかもしれませんが、ショートにしていた大学時代は、広末●子によく似ているなと思ったものです。友人たちにもよく指摘されたので、これはわたしの自惚れではないと思います。ただそんな妻も、家で仕事をしているときは、時折ぞくっとするような怜悧な目つきをすることがありました。のんびりとした営業マン生活をしているわたしには想像も付かない、レベルの高い悩みを抱えていたのかなと今では思います。しかし、当時のわたしはそんな彼女の心のケアも十分にできない、だめな夫でした。そのことを、いまでは痛烈に後悔しています。
「ごめん、また昇進試験うまくいかなかったよ。幹部面接でまたハネられちゃったみたいだ」
「そっか、残念だったね。また次があるよ、来年がんばろうね」
絢子とこんな会話を何回繰り返したでしょうか。昼間はピシっとしたパンツスーツを着て仕事をこなし、夕方にはうちに帰って家庭の女性としてきちんと振る舞う絢子に対し、わたしは自分の仕事すらまともにできないていたらくでした。業績が傾いた我が社は数年前から大規模な人員整理に乗り出していたのですが、そのリストの上位にわたしの名前が載ることになったのも、このことを考えれば当然とも言えるでしょう。わたしは妻より8つ年上なのですが、妻の給料は初任給からすでにわたしの稼ぐ額を超えていましたので、いまさらリストラくらいで夫としてのプライドが打ち崩されるということはありませんでした。ただ、妻への申し訳なさと気恥ずかしさ、そして「ああ、これでもう妻と自分の給与の差におびえなくてもいいんだ」という小さな安堵があったのをよく覚えています。
「あ、誠司さん。今朝のゴミ出しだけど、ちゃんと分別してなかったよね?直しておいたから次から気をつけてね。隣のおばさんうるさいから」
「悪いんだけど、今月はちょっと忙しくなりそうなんだ。誠司さんも就職活動忙しいと思うんだけど、わたしの担当だったトイレとお風呂の掃除、今月だけ任せてもいいかな?」
「ごめん、今日もごはん作れそうにないの。冷蔵庫にカレールーと材料があるから、悪いけど自分で作り方調べてカレー作っておいてね。8時には帰ります」
あれよあれよという間に、わたしの生活は「サラリーマン」から「フリーター」になり、「お手伝いさん」になり・・・最終的に就職活動をあきらめて「専業主夫」に成り下がるのに半年とかかりませんでした。絢子はわたしとの生活を守るため、それまでの担当よりも忙しくなる企業関係の訴訟を率先して受任するようになり、激務の日々が続いているようでした。わたしは仕事を失ってから、家計の管理を絢子に任せっきりにしていたのでしばらく知りませんでしたが、あるとき妻の言いつけで銀行に行ってきたとき、月々振り込まれる額がそれまでの1.5倍以上になっていて、たいそう驚いたものです。わたしは毎日遅くまで働くようになった妻のサポートをするべく一生懸命家事を覚えようとしましたが、それまで彼女が士業の片手間にこなしていたことと同じことをするだけにも関わらず、わたしはなかなか上手くできるようになりませんでした。
「誠司さん、言ったよね?お味噌汁は火に掛けっぱなしにしちゃいけないって。どうしてこんな簡単なことができないの?わたしがみててあげるから、もう一回作り直そっか」
「お風呂。・・・ねえ、聞こえなかった?お風呂入れてって言ったの。あたし疲れているんだから、あんまり何回も言わせないでくれる?」
「あー・・・ちょっと、どうしてビールの買いおきしてないの?昼間メールしたよね?・・・ウソ、絶対送ったから携帯出して見せてご覧?・・・ほーら、なんでウソつくのかな?いますぐコンビニまで行ってきなさい。・・・のろのろしてないで急いで!」
妻がわたしを見る目が、日々、少しずつ変わってきました。営業マンとして働いていたころは、どんなに仕事で失敗しても、記念日を一緒に過ごせなくても、ちゃんと私に尊敬の心を持って接してくれていた絢子。でもいまは、わたしがちょっとしたミスをするたびに「どうしてこんなことができないの?」「あなた、ちょっと物覚えが悪すぎない?」「やっとわたしにもリストラされた理由がわかったわ」・・・すぐにこうした鋭い言葉が飛んできます。こうしたお説教をされるとき、絢子は仕事をしているときの、あの鋭い目つきになります。怜悧冷徹な、人を値踏みするような目。エリートとしての自分とはあまりにも差がある無様な夫を品定めするような目。あの目つきでジっとみつめられると、わたしはもじもじとして、何も言えずに下を向いてしまいます。そして蚊の鳴くような声で、「ごめん、次からは気をつけるよ」だとか「疲れているのに面倒かけて主夫失格だね」といった情けない台詞をつぶやくしかなくなるのです。
前置きが長くなりました。絢子との生活が決定的に変わってしまったのは、わたしがリストラされてからちょうど1年がたった早春のころでした。
「話があるの。こっちに来てくれる?」
その日、いつもより少し早い午後8時ごろに帰宅した絢子は、わたしのいまひとつ上達しない夕食を食べ終わると、そう言って私を居間のソファに誘いました。
「どうしたの、かしこまっちゃって。またお給料でも上がった?」
私がへらへらとゆるんだ表情でからかおうとすると、絢子は一瞬「ふっ」と嘲るような顔をして、
「そろそろ、ちゃんとこれからのルールを作ろうと思うんだよね。・・・わたし、正直言ってそろそろあなたへの愛情が尽きはじめて来ちゃったみたいなんだ」
・・・そう宣言して、にっこりと笑いました。
絶句しているわたしにかまわず、それから1時間ほど、絢子は話を続けました。貴方がこれまで1年間、わたしの仕事を支えてくれたことには感謝していること。家事もずいぶん上達したし、専業主婦としては合格点ではないけど、努力点をつけてあげられるくらいのレベルにはなっていること。決して愛情が冷め切ったわけではなく、今でも変わらずにわたしのことを愛していること。
「別に、いますぐ離婚してくれとか、実は浮気相手がいるとか、そういうわけじゃないの。疑う?・・・ふふっ」
絢子はそう言っていたずらっぽく笑いました。僕はといえば、このあいだ高価な皿を割ってしまったときと同じように、ソファにすわって自分の青いエプロンを握りしめ、ただただ襲ってくる不安と戦っていました。妻は何を言いたいのだろう。「これからのルール」とは何だろう?
「それで、ルールっていうのはどういうことなの?」
わたしがしぼり出すように言うと、妻はまじめな顔をして、ソファに座り直しました。
「わたしが不満に思っているのは、正直言ってあなたの態度なの。わたしは一般的な男性よりも恵まれた仕事ができているから、うちは世帯全体としては普通以上の収入があるよね?日本では一般的じゃないけど、十分な収入さえあれば、男性が専業主夫をするのも決しておかしいことじゃないと思うの。わたしはジェンダーハラスメントとかの担当もしたことあるって話したことあったと思うけど、そういうのにはけっこう寛容なんだよね。だから、あたしもあなたが仕事探しをやめるって言ったとき、『それでもいいよ、でもあたしのことを支えてね』って言ったんだ」
「・・・・・・。」
「でも、最近一生懸命毎日働いて帰ってきて、家で待っているあなたの態度にどんどん不満がたまるようになったの。あたしよりも年上で働き盛りのはずのあなたが、料理が上手とか、家事が完璧とかの特殊な技能を持っているわけでもないのに、毎日ゆっくり家で過ごして、中途半端な家事をしたくらいで胸を張ってる。そのことが、どんどんあたしの胸に刺さって、あなたへの尊敬や愛情を鈍らせていくの。・・・わかるでしょ?」
「・・・・・・。」
「このままだと、いつかきっとわたし、あなたと別れたくなっちゃうと思う」
「そんなっ・・・そんな、のって・・・」
「勘違いしないで、今すぐどうこうってわけじゃないのよ。私が話したいのは、そうならないようにどうしたらいいかってこと。いい?」
「うん・・・」
「わたしはね、実際わたしたちの夫婦関係は逆転したわけなのに、家では夫のように振る舞おうとするあなたに違和感を覚えてるんだ。ずっとずっとどうしたらいいか悩んでた。でも、やっぱり方法はひとつしかないんだよね。わかる?」
「・・・どういうこと?」
「仕事や役割では夫婦が逆転しているのに、私たちの関係は以前のままだからおかしくなるのよ。はっきり言って、専業主夫になったなら、あなたにはわたしの『奥さん』になってほしいわけ。心も体もね」
「・・・なんだって!?」
絢子との話し合いは長く続きました。彼女の言った「これからのルール作り」とは、わたしが彼女の「奥さん」として自覚を持ち、心から彼女を支え、敬い、仕える「良妻」として振る舞えるようになるための規則のことだったのです。彼女はてきぱきと、あらかじめ準備していたらしいあれこれのルールを説明していきました。もちろん、仕事をしているときのあの冷たい目つきで、じっとわたしを見つめながらです。
一、誠司は今後、絢子を生活の基礎たる「尊敬する夫」として、陰ひなたにわたり支える「妻」であるという自覚を持つ。
一、絢子に対しては今後きちんとした敬語を使い、絢子が誠司に「夫として一般的な口調」で接することを認める。
一、これまで一部分担していた家事は、これからは全て「妻」たる誠司がやる。
一、家計は夫たる絢子が今後も管理していくことに加え、もしも今後婚姻関係が破綻した場合は、私は「妻としての財産分与を一切放棄する」ことをあらかじめ書面化する・・・
文章にすると、明らかに日本のジェンダー感覚からはかけ離れた文言の数々が飛び出てきました。わたしは圧倒されて、ほとんど黙り込んで絢子の話に聞き入っていました。もごもごと反論しようとしましたが、彼女の弁舌の前では無力でした。なにしろ、収入の観点からしても、彼女の言い分には奇妙なほど道理が通っているのです。「専業主夫になりたいのなら、専業主夫らしくしろ」。彼女が言いたいのは、つまりはこういうことなのですから。
「どうする?わたしはあなたのこと愛しているけど、このままじゃわたし、あなたと一緒に居られないんだ。今夜中に決断してね」
蕩々と語りおえた絢子は、最後にこう言って、緑色の紙を差し出しました。「妻」の欄にすでに彼女の名前が記入されてある離婚届です。
「あなたがどっちを選択するにしても、どちらにしろわたしは『あなたの妻』はもう御免よ」・・・絢子は明らかに、そう主張しているのでした。
「ただいま。今日は疲れたよ」
「ああ絢子さん、お帰りなさいませ。お食事を先にされますか、お風呂にされますか」
「ご飯にするわ。今日はうまくできた?ダメだったら作り直しよ」
「はい、頑張りました。あと、メールもらったビールもケースで買っておきましたから」
「うん、よくできたね。あ、これ書斎に運んでおいて」
「はい、お疲れ様でした」
そんな会話が普通にできるようになるまで、それから1カ月はかかりました。それまでの関係がうそのような、完全に逆転した夫婦の会話。わたしにとっては屈辱感のあるそのやりとりが、絢子には・・・いえ、「主人」にはとても満足なご様子でした。わたしはそもそもリストラされて専業主夫になりさがってしまった「失格夫」ですから、どこかしっくりこないこの関係も、もしかしたら本来わたしたちにふさわしいことなのかもしれないと思えてきたころです。
「これくらいのことで、彼女の気持ちが離れないでいてくれるなら・・・」
このころ、わたしはそんなふうに思っていました。しかし、本当の屈辱、本当の後悔はこのあとに直面することになるのです。そう、セックスの問題でした。
これまで触れてきませんでしたが、夫婦の関係が変わってもっとも様変わりしたのがセックス事情でした。恥ずかしながら、わたしは絢子の夫だったころ、セックスに関してはかなり亭主関白なところがありました。自分がしたいときには自分から無理に迫って抜いてもらうくせに、私の気分が乗らないときは、絢子がそれとなくおねだりしてきてもさっさと寝てしまうことがほとんどという自分勝手さでした。絢子は私が初めての男だったので、まだ十代だった大学時代にフェラチオの仕方から教え込んだということもあり、その主従関係がこれまでずるずる続いてきたのだとも言えます。
絢子があの「ルール作り」で最もこだわったのがセックスに関してでした。「夫である私にセックスの選択権がある」と宣言したとおり、絢子は自分がしたいときにだけ「あたし、今夜は『たまってる』から。あとで寝室の準備をしておきなさい」と妻であるわたしに命令するのです。「今夜は寝室の準備しといてね」・・・これはわたしが夫だったころ、彼女によく言っていた台詞でした。さすがに「たまってる」までは言いませんでしたが、今思えば勝手な台詞です。我が家の寝室はツインベッドにしていて、夜の生活をするときだけベッドをくっつけてダブルサイズのベッドにするのですが、その準備をして、というのが私たち夫婦のセックスの合図でした。それを、今は絢子からわたしに要求するのです。まるで、わたしのペニスが自分の性欲処理の道具であるかのように。絢子も、きっとわたしの「妻は夫のセックスに応じて当然」と言わんばかりの言葉の裏に、「おまえのおマ●コは俺の性欲を慰めるためにあるんだ」というような傲慢なニュアンスを感じていたのでしょうか。
絢子との現在のセックスはこんなふうに始まります。わたしは食事の片付けを終え、命令通りに寝室を整えて、風呂の準備をして絢子を出迎えます。ちなみにセックスの合図があるのはメールでだったり、朝出るときだったりするので、もちろんわたしは「亭主」が帰ってくるまでに体を洗い清めて、いつでも「出番」に応じられるように準備をしています。私の体はもう彼女のものなのですから。絢子はお風呂で一日の疲れを落とすと、わたしがダブルにしておいたベッドに横たわり、たいていそのままマッサージの要求をします。
「今日はどこがお疲れですか」
「そうね、今日は依頼人のところを何カ所も回ってきたから、足がかなり凝ってるかな。悪いけど念入りにやってくれる」
「わかりました」
「あと、今度買うのは無香料のオイルにしておいてね。こないだのは香りが強くて仕事に響きそうだったから。お金はあとで渡すから、ちゃんと領収証をもらってくるのよ」
わたしは指定された最高級のボディオイルを使い、うつぶせになった絢子の全身を丁寧にほぐしていきます。たっぷり一時間はもみほぐすと、こんどはあおむけに。再び足からだんだんとマッサージしていきますが、今度はさわさわと性感帯をいじっていくような、愛撫のようなもみ方に変えていきます。このやり方は絢子にずいぶん仕込まれたものでした。絢子ははじめセックスを完全にお預けにして、徹底的に「妻としてのご奉仕」のやり方を私に教え込んだのです。
「そんなもみ方じゃぜんぜん気持ちよくない。今日もエッチはお預けだから」
「あなたはあたしのお金で養ってもらっていること、ちゃんとわかってるよね。感謝を込めてマッサージするのよ」
「オイルをこんなにべちゃべちゃに掛けてどういうつもりなの?一日中家でだらだらしてるくせに、本当に物覚えが悪いのね」
「そうそう、上手よ。いまはあたしのマッサージがあなたの一番のお仕事なんだから、一生懸命覚えてね」
もちろん、絢子・・・いえ、「主人」へのご奉仕にはセックスのテクニックも所作も、全てが含まれます。まだそうした行為に慣れていないわたしを、絢子は「誠司は嫁入り修行もちゃんとしてこなかったのね」と笑い、徹底的に新妻としての自覚を植え込もうとしました。足の裏のからふくらはぎ、太ももを経由して鼠径(そけい)部にいたるマッサージ、さわさわとおマ●コの両脇を指でさすりながら、乳首やおっぱいにもたっぷりオイルをたらす。最初にすぐ乳首をさわってはいけない。おっぱいの乳腺のあたりから、触るか触らないかの手加減で念入りに性感を呼び覚ましていくように・・・。
「そろそろよろしいですか」
「いいわよ」
主人の許可を取ってから、いよいよ本格的にご奉仕マッサージをはじめます。片方の手で乳首をいじり、くちゅくちゅ、くちゃくちゃとオイルの音を立てながらおマ●コのほうも刺激していきます。時にはわざと激しく音を立てたり、ゆっくりとさすりまわしたり・・・わたしは絢子に徹底的に仕込まれ、男が身に付けるには屈辱的なご奉仕テクニックを学んでしまったのです。
美しい絢子の体にこうして奉仕していると、わたしも男ですから、すぐにペニスがむくむくと頭をもたげてきてしまいます。わたしはそれまでトランクスを愛用していましたが、最近は主人の言いつけでブーメランパンツのような生地の少ない下着を着させられていましたので、すぐにわたしの性的興奮は彼女の知るところになってしまいます。
「あら、クリトリスがもうこんなになってるよ。もう入れて欲しいの?ほんとに誠司くんは淫乱だね」
まるで男が女に言うような台詞で、絢子がわたしを嬲ってきます。パンツにはギンギンに勃起したペニスの形が恥ずかしいほど浮き上がり、先端からは透明な汁がとめどなく流れています。恥ずかしそうにわたしが身をよじると、絢子はわたしのリアクションに興奮したのか、「かわいいね。パンツを自分で脱ぎなさい」と命令してきました。このときも、妻であるわたしは所作に気をつけなくてはなりません。男が女を犯すときに下着を荒々しく脱ぐことがありますが、わたしはいま、はしたなく濡らしてしまったいやらしい性器を主人にいじめていただくところなのです。わたしは正座したまますこし腰を浮かして、主人に買い与えて頂いたパンツを少しずつずらして、期待させるように脱いでいきます。絢子はこうした「妻らしい所作」を私に強要し、私がそれに順応していくのがたまらなく興奮するようでした。それまで、わたしが無意識に彼女に押し付けてきた「妻」という役割がいまや逆転し、それにわたしが屈服していくことに最高のカタルシスとエクスタシーを感じるというのです。
「あらあら、クリちゃんがぴんぴんに勃起しちゃってるよ?まるで男の人のペニスみたい」
くすくすと笑いながら、絢子は私の「クリトリス」を指ではじきました。この台詞も、わたしが夫であったときによく彼女に掛けた言葉でした。こういうやりとりは、アダルトビデオではよくありますよね?「そんなに言っててもこっちはこんなになってるよ」「びちゃびちゃに濡らしちゃって、●●ちゃんは淫乱な子だね」「入れて欲しいときは何て言うの?」「あそこじゃわからないよ、ちゃんと『おマ●コ』って言いなさい」「よく言えたね、ご褒美にご主人様のチ●ポをぶち込んであげようね」・・・
いまのわたしは、こうした言葉の所有権を失ってしまいました。すべて、家長でありわたしの主人である絢子のものなのです。
「ほら、両足を持ってよく広げて見せて・・・ほら、クリチンポのさきっちょがもうヌルヌルになってるよ。誠司はどうしてすぐ濡らしちゃうの?マッサージで興奮しちゃったのかな?」
「はい、ご主人様の体を触っていて興奮してしまいました」
「そうなんだ〜、もう入れて欲しい?あたしのココでぐちゃぐちゃかき混ぜてほしいんでしょ」
「はい・・・ご主人様のエッチなアソコで、俺のココを」
「ふふ、『ココ』じゃわかんない。それにエッチのときは『俺』じゃないでしょ?あたしと別れたいの?」
「すみません、せ、誠子のクリトリスを、ご主人様のでいっぱいぐちゃぐちゃにしてください」
「よくできました。ほら、フェラしていいわよ」
「あ、ありがとうございますっ」
わたしは尻尾を振る犬のようにひざまずくと、M字開脚している主人の前にひれ伏して、その性器に顔を突っ込みます。絢子はクンニのことを「フェラ」とか「おしゃぶり」と表現して、徹底的にわたしを新妻扱いするのでした。上手にできないと「誠子ちゃんはおしゃぶりのやり方も知らないの?誰が自分の食い扶持を稼いでると思ってるのかな」と冷たい瞳でバカにするのです。
わたしは一生懸命オイルでテラテラと濡れそぼっている主人のおマ●コに顔を埋め、主人に言われるがままに奉仕を進めていきます。「そう、チンポの先をぺろぺろして」「がっついちゃだめだよ、ちゅっちゅってキスするの」「いいよ、そう・・・やん、上手ね・・・アナルのほうからベロベロなめ上げなさい」・・・そうした命令のままに主人のアソコの準備を終えたら、次は主人の股間に顔を埋めたままコンドームの準備を始めます。これもわたしが独身時代に彼女に仕込んだものでした。何も知らない生娘だった絢子に「セックスする前にチ●ポをしゃぶって入れる準備をするんだよ」「おしゃぶりをしながらゴムの包装を開けて、自分で付けてご覧」・・・絢子はわたしが夫だった頃に彼女に仕込んだテクニックを、必ず逆にわたしに教えていくのでした。「そんなことも知らないの?妻の常識よ」とでも言いたげな、いたずらっぽい笑顔で。
しかも、彼女が強要するコンドームの準備は通常のものではありません。「まだ赤ちゃんは欲しくないから、自分で避妊をするんだよ」と言って、通常のコンドームを一枚付けた上に、「ビックボーイゴク厚」という通販でしか手に入らない製品を付けさせるのです。これは避妊のためというより、わたしが絢子よりも先に達してしまうのを防ぐための措置なのでした。主人がイクよりもさきに妻がイってしまうなど、我が家ではありえないことなのです。二重にしたゴムは脱落しやすいので、絢子はさらに「ペニスリング」を上から付けさせます。これの形状は文章で説明するのが難しいのですが、その名のとおりペニスにはめるリング状になっていて、チンポをAVに出てくるようなやわらかいトゲトゲのついたバイブのような形状にするもの・・・と書けば伝わるでしょうか。わたしのペニスは、徹底的に主人を喜ばせるためだけの「バイブ」に成り下がるのです。妻であるわたしにとって、セックスは奉仕でしかありません。仕事で疲れて帰る夫を愉しませ、気持ちよく明日も仕事をしてもらうための、いわば儀式なのです。
そうしてようやく許してもらえる挿入も、大変屈辱的なものです。わたしは生娘のようにベッドにあおむけになり、主人の命令で両足をかかえた恥ずかしい「おしっこポーズ」をさせられ、挿入のおねだりを強要されます。「入れて下さい」「おマ●コしてください」・・・こんな程度では絢子は許してくれません。
「誠子のいやらしいおマ●コにご主人様のチンポをぶち込んでください」と大きな声で言えると、「よく言えたね、かわいかったよ」と言って、いやらしい笑顔を浮かべながら主人がのしかかってくるのです。絢子はわたしの亀頭に濡れそぼったおマ●コをすりつけながら「ねえ、入れて欲しい?ご褒美欲しいの?」とさんざん辱めたあと、「ニュルルッ!」と一気に奥まで騎乗位挿入します。しかし、わたしの装着している分厚い二重ゴムとペニスリングは、その官能的な感触をほとんどペニスに伝えてくれることはありません。それでも、絢子とつながれることには脳の気持ちよさというのでしょうか、主人に従属し、ご褒美をもらう「パブロフの犬」的喜びで、わたしは体をよじるほど興奮してしまうのです。ご主人様は好きなようにわたしのペニスを楽しみ、リングの突起を膣になじませるように何度も何度もすけべな絶頂を迎えます。わたしはそれをサポートするように腰を振り、主人の言いつけどおりに何度も体位を変えます。でも、ほとんどが女性上位なのは変わりません。そうして、何度目かに絢子がびくびくと体を震わせて下品なまでに盛大に「イク」と、それで夫婦の営みは終了します。わたしは射精できないまま、みじめに主人の性器からペニスを抜き取り、そのままあとしまつをします。タオルとティッシュで主人の体を拭き清め、ゴムを丁寧に取り外して、マン汁だらけになったリングをきれいに洗浄してきます。そうして、ほとんど放心状態で寝入ってしまいそうな様子の絢子に「よろしいでしょうか」と声を掛けて、射精の許しをもらうのです。
「ああ・・・忘れてた。いいよ、そこで立ってしなさい」
「ありがとうございます・・・クリチンオナニーさせて頂きます」
「いつも言ってるけど、ピュッ!って出したらお仕置きだからね。あなたがやっていいのはジワッってマン汁を潮吹きするだけだから。ほら、かわいいところ見せて」
「せ、誠子の今月10回目のマンズリ潮吹きをご覧下さい・・・」
わたしが許されているオナニーは通常の片手でしごきあげる自慰ではありません。絢子が言ったように、ザーメンを噴出するのではなく、寸止めを何度も繰り返して繰り返してじわじわと透明なザーメンを吐き出すことを覚えさせられるのです。二重ゴムから開放され、今にも盛大にザーメン噴水を吹きそうなペニスの亀頭部分を、わたしはつまむようにしていじくります。もう片方の手では、我慢汁をつけた指先で乳首をいじるだけ。わたしに許されているのはたったこれだけです。さおをしごき上げたり、亀頭を握ってシコシコと愉しむことは許されません。それは男のオナニーだからです。主人の新妻であるわたしは、クリトリスとをもてあそぶことと、おっぱいを開発すること以外のオナニーは「はしたないこと」として許されるはずがないのです。それでも主人へのご奉仕でさんざん性感が高ぶっていた私は、乳首をしごきながら女の子のような嬌声をあげて、やがてジワジワと亀頭からザーメンを吐き出します。噴水のように一気に吹き出すのではなく、ややゆるめた蛇口から水がしみ出るように、すこしずつ。
このみじめなオナニーを主人に見届けて頂いて、ようやく私の夜の勤めは終わりになります。しかし、このような異常な営みですら、まだ初期の正常なものだったと今では思います。絢子はこうした「男を妻にするご奉仕セックス」に異常に耽溺していき、やがてわたしを本当に自分好みの妻に「改造」するようになってしまったのですから。