高嶺の花だった彼女が私と結婚した本当の理由

2018/09/30

結婚15年目にして、嫁の浮気を知ってしまった。
嫁の千佳子とは、取引先の会社で出会った。ルックスのよい彼女は、その会社の受付業務をしていた。若くて美人と言うことで、かなり人気があったようで、来社した取引先の人間、出入りの業者、デリバリーピザのお兄さんにまで連絡先を渡されたりしていたそうだ。
そんな嫁と、取り立てて秀でたところのない私が結婚に至ったのは、本当に些細な偶然がきっかけだった。
私は、千佳子のことは初めて見たときから綺麗だなと思っていて、その会社に行くのが密かな楽しみだった。
でも、自分には高嶺の花だと思っていたこともあり、挨拶をする程度が精一杯だった。
そんなある日、学生時代からの趣味のビリヤードをしに、行きつけのビリヤード場に行き常連と遊んでいると、女性がひとりで入ってきた。
その頃は、トムクルーズの映画の影響もとっくに終わっていて、ブームでもなんでもない頃だったので、女性がひとりで遊びに来るのはとても珍しいことだった。
そして、それが千佳子だった。緊張している感じだった彼女に、
「こんばんは。ビリヤードするんですか?」
と、私の方から声をかけた。すると、緊張している顔が一気に笑顔になり、
『柴崎さん! よく来るんですか? すっごい偶然ですね!』
と言われた。私の名前を覚えていてくれただけで感激だったが、その後の彼女の言葉はもっと嬉しかった。
『私、初めてなんですけど、もしご迷惑じゃなかったら、教えて頂けませんか?』
これが、二人の馴れ初めになった。
筋がよかった彼女は、その日のうちになんと形になり、ビリヤードにもすっかりハマったようだった。制服姿ではない彼女は、いつもより幼く見えて、いつもの冷たく見えるほどの美人という感じではなく、可愛らしい女子大生という感じだった。
そして、彼女は想像以上にフレンドリーだった。年齢が同じと言うこともわかり、すぐにため口で話をするようになった。
『柴崎さんは下ネタも言ってこないし、電話番号も聞いてこないから、すっごく好感度高かったんだよ!』
彼女にこんな事を言われて、私はすぐに恋に落ちた。
間近で見る彼女は、とにかく綺麗で可愛くて、今で言えば吉高由里子をぱっちり二重にした感じだった。その上、160cmくらいの身長とは不釣り合いなほどの長い脚をしていた。そして、ほどよい大きさの胸も上品な感じで、私の好みそのものだった。
そして、3時間以上もビリヤードで遊んだ後、次のビリヤードの約束と、電話番号の交換まで出来た。私は、浮かれてスキップでもしそうな気持ちだった。
そして、何度かのビリヤードを経て、奇跡的に彼女と交際を始めることが出来た。
驚いたことに、千佳子は男性と付き合うのは私が初めてだった。そして、処女だった。これだけの美人が、なぜ? と思ったが、中高大学と女子校だったことが大きかったようだ。
初めて結ばれたときは、恥ずかしがりの彼女の希望で、真っ暗な中でした。あまりに暗くて、コンドームの裏表を間違えてしまし、一枚無駄にしたほどだった。
キスをして、真っ暗な中彼女のタオルを外し、胸を揉み、乳首を舐めると、
『んっ、ン……』
と、彼女は控えめな吐息を漏らした。そして、アソコを触ろうとすると、
『ダ、ダメ……恥ずかしいよ……』
と、小さな声で言う千佳子。
極端な恥ずかしがりの彼女は、アソコに触れられるのが恥ずかしすぎて耐えられないようだった。これは、今でも同じだ。信じられないかもしれないが、結婚して15年、付き合っているときからだと16年ちょっと経つのに、私は一度も彼女のアソコを触っていない。
そして、
『私が……するね……』
と恥ずかしそうに言いながら、千佳子が口での愛撫を始めてくれた。それは、それほど女性との経験が豊富ではない私でも、下手くそだとわかるレベルだった。すぐに歯が当たるし、気持ち良いところをわざと外しているのではないかと思うくらいに、気持ち良くも何ともないフェラチオだった。でも、あの高嶺の花の千佳子に、こんな事をしてもらえているというだけで、最高に幸せだった。
そして、我慢できなくなった私が、コンドームを付けて千佳子を抱こうとしたが、コンドームの裏表を間違えてもたついてしまった。装着が終わると、私は千佳子に覆いかぶさり挿入をした。アソコを愛撫していなかったが、コンドームの潤滑成分のおかげもあるのか、すんなりと入っていった。
『ンンッ! つぅ……あぁ……』
痛そうにうめく彼女に、私は驚きながら、
「は、初めてだったの?」
と聞いた。
『うん……へへw 今時重いよね? 嫌いになった?』
と、泣き声で言う彼女。今思えば変な話だが、確かに当時は処女は重いとか、今時あり得ないとか、そんな風にネガティブな感じで扱われていた。
私は感激しながら、彼女のことを大切にすると約束した。そして、トントン拍子に交際も進み、結婚して子供も授かった。あっという間に、子供も中学生になった。本当に、なに不自由ない、満ち足りた幸福な人生だと思っていた。
それに気がついたのは、本当に些細な偶然だった。子供が出来て以来、仕事を辞めて専業主婦になった千佳子。昼間になにをしているのかは、詳しくは知らなかった。炊事や洗濯、掃除など、色々と忙しいと思うので、さして意識したことはなかった。
そんなある日、会社から帰宅し、いつも通りソファに座ってくつろいでいると、固いモノが尻に当った。何かな? と思って手を突っ込むと、それはライターだった。
私は、なぜ? と思った。私も、千佳子も煙草は吸わない。もちろん、娘も吸っていないはずだ。
お客さんの忘れ物? と思うと同時に、まさか浮気? と思ってしまった。でも、すぐに自分のそんな考えを、馬鹿馬鹿しいと思った。千佳子に限って、あるはずがないと思った。
そして、千佳子に、
「これ、忘れ物かな?」
と、疑う気持ちもなく言った。すると、千佳子は近くに来て、
『どれ? あ、ホントだ。お父さんったら、ドジなんだから。今度、みんなでフグでも食べようって言ってたよ。ごちそうしてくれるってw』
と、言った。その、よどみない言い方に、一瞬でも浮気と思った自分を恥じた。
「へぇ、お父さん、元気だった? フグ楽しみだね」
と答えた私。千佳子の父は、去年定年になり、義母と二人で悠々自適に暮らしている。私達の家にも、ちょくちょく顔を出してくれる。そして、義父は煙草を吸う。私は、ライターの件が解決してホッとしていた。
こんな事があった次の日、その偶然が起きた。千佳子が風呂に入っているとき、何気なくテレビを見ていると、ニュースでインタビューを受けている人の後ろに、義父と義母が映っていた。それは、昨日沖縄で起きた事件のインタビューで、二人はそれを見物している感じだった。
昨日家に遊びに来ていたはずの義父が、沖縄に旅行に行っていた……。私はこんな偶然で、千佳子がウソをついていることを知ってしまった。そして、疑い始めてしまった私は、すべてが怪しいと思うようになってしまった。
でも、そんな疑いの目で見ても、千佳子に怪しいと思われる部分はなかった。いつも通りの笑顔で、良き母親であり、良き妻だった。
『あなた、お疲れですか?』
食事中に、心配そうに聞いてくる千佳子。その表情には、深い愛情を感じる。なぜウソをついてのか、聞いてみたら案外納得できる答えを打ち明けてくれそうに思える。でも、疑心暗鬼になっていた私は、それを聞くことは出来なかった。
千佳子とは、子供が大きくなってきたので、前ほどセックスはしていない。それでも、月に2回程度はしているはずだ。私は、もともとそれほどセックスが好きなわけでもないので、それで充分だと感じていたが、妻にとっては欲求不満だったのかも知れない……。そんなことまで考えるようになり、結果、昼間に千佳子がなにをしているのか調べようと思ってしまった。
私は、さっそく持ち前の電気工作技術を利用して、隠しカメラを作った。部屋のコンセントの部分を中のボックスごと改造し、電源供給もそこからにした。カメラは、USBスティックタイプのミニPCを通して、2.5インチのHDDに録画するようにした。
HDDや、HDDを繋げるUSBアダプタなど、結構かさばってしまって、コンセントボックスの中に納めるのに少し苦労したが、奥に少し広げてなんとか納めるようにした。
これで、24時間録画が出来るようになった。連続3日以上は録画できるはずだが、熱暴走が少し心配でもあった。
そして、家庭内での禁断の盗撮生活が始まった。動画の確認は、自宅ですると怪しまれると思ったので、帰宅後HDDを取替えて、次の日に会社で確認するという流れにした。動態検知で録画できるようにすれば良かったが、私にその技術はなかったので、やむを得ず撮りっぱなしにした。確認に少し骨が折れるが、それは仕方ないと割り切って確認を始めた。
そして、イヤホンをしながら会社の自分のブースで確認を始める私。こんなにドキドキしたのは、いつ以来だろう? そんな事を思いながら、動画を確認した。
シークバーでおおざっぱに動かし、動きがあったところで再生をするという事を繰り返したが、特に怪しいところはなかった。掃除、洗濯をしたり、本を読んでいたりする妻が映るだけだった。
考えてみれば、仮に浮気であったとしても、自宅でするはずはないと思う。そんなリスクを冒すのは、まずあり得ないはずだ。
それこそ、ラブホテルにでも行けば良いだけの話だと思う。
実際、本当に何もなく、動画はひたすら千佳子の日常生活を映していた。

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