たぶんM。でも・・・[後編]

2018/02/15

それから、彼とのこと、男性経験、私がどうされるのが好きか白状させられました。
過去の経験を聞かれることは、誰でもあると思います。
新しい人に元カレのことを聞かれても、それまでは『嫉妬されたらやだな』くらいにしか思わなかったです。
でも、浮気相手に現在進行形の恋人との営みを問いただされるのは、恥ずかしいのと後ろめたさが綯い交ぜになって、この時間が一番精神的に辛かった。
特に男の人のアレを飲んだことがあるか、執拗に聞かれました。
私に飲ませたいんだ、って思った。
「私がイヤだと思うことはしないで」とお願いしたら、「“絶対イヤ”ってことを教えてくれたら、それはしない」って約束してくれた。
「もう出したい」って、後ろ向きにされて、激しく揺さぶられ、Kさんも昇り詰めました。
またベッドへ移動しました。
今度は、私もKさんの愛撫に自然に応えました。
Kさんの股間に手を伸ばして、いつの間にか互いの大事な部分を愛し合う形になってた。
長い間、無言でそれぞれを味わって。
やがて指と舌で追い立てられ、我慢できずに、私のほうから「欲しい」と口にしてしまった。
「素直になったね」
優しくキスしてくれるKさんを迎えて、疼いた部分を深く埋めてもらいました。
またスローテンポのSEX。
お互いを会話と行為で確かめ合うのが心地いい。
「髪、触ってばかりいる」
「好きなんだよ。いい匂いするし」
「髪フェチ?」
「だね」
「お尻とスーツもフェチ?」
「スーツってか、着てすると萌える」
「コスプレ好きなんだ」
「仕事の時のままの◯◯さんがフェラしてて興奮した」
「・・・あれは意地悪すぎ」
「あのまま口の中に出したかったな」
「ほんとは、あたしに飲んで欲しかったんでしょ」
悪気はなかったのだけど、Kさんはムッとした様子で、「今度、飲ませる」って。
私は「いや。絶対」と、かぶりを振った。
“今度”ってことは、これで終わりにしないつもりなんだと思った。
Kさんは心の中を見透かされて怒ったのか、意地悪モードになってきて。
アレを引き抜いて、また入れてくる。
「入る瞬間、すごくいい顔する」って。
何度も何度も繰り返された。
「遊んじゃダメ」
そう言っても止めてくれない。
「可愛いのが悪いだろ」って。
ゆっくり侵入してきたり、入って来なかったり、あてがったところから一気に突き刺してきたり。
焦れったくって泣きそうになってきて。
気がついたら、「抜かないで。そのままして」って、お願いしてた。
「また俺の前で“イキ顔”晒したいの?」
強烈な一言でした。
言われた瞬間、全身に怖気が走った。
このときは絶対忘れられないです。
Kさんが動き出したら、頭の中が真っ白になった。
「今度は誤魔化せないよ」と言われました。
「調教されてる気分はどう?」
「調教なんて、そんなこと・・」
「誰が見たって調教中だろ」
“カラダの相性”とかよく言うけど、確かにそれはあるのかも。
自分のMっけは分かっていたけど、こんな感じでいじめられると我を忘れてしまうのだと、はっきり気づいてしまった。
『この関係に溺れたらヤバイ』と何度も脳裏をよぎっては、快感に打ち消される。
やたらと激しくして来ない焦れったさにハマってる。
「いいの・・・当たる」
「◯◯君のより大きいから当たるんだよ」
「・・・」
「大きくないの?」
「・・・大きいかも」
「大きいの好き?」
「わかんない、そんなの」
「わからないのにいいんだ?」
「あたしが彼女じゃないから、いじめるんでしょ」
「彼女にしたら、もっといじめる」
私からキス。
キスしてる間は意地悪言われないから。
たまに重たくピストンされて、泣かされる。
そんなことの繰り返し。
昇り詰めたくなってきてるのに、焦れた動きで高まったままが続いてる。
ついに理性の糸が切れてしまって・・・。
「あたし、ダメになりそう」
「イキたいの?」
はっきり口にしたくはなかったので、「辛い」か「限界」か、そんなことを伝えた気がする。
「じゃ、終わりにしようか。最後にイッていい?」
「好きにして」って答えた。
四つん這いになるように言われて。
さっきイッたときも後ろだったし、『Kさん、バックが好きなんだ』って思った。
さんざん抱き合ってなんだけど・・こんなに明るい場所で、初めてする人に無防備にお尻を差し出すのは、そのときでも抵抗がありました。
全て晒してしまったと思ったら、顔から火が出そうだった。
「『彼氏より大きいものでイカせて』って言って」
「意地悪しないで。我慢できないの」
「好きにしてって言ったろ」
「やだ。絶対言わない」
「強情だね。お尻の穴からフトモモまで垂れてるのに」
「そんなところ触らないで」
「言うまで止めない」
「あたしが本気でイヤがることはしないって約束した」
「言って楽になれよ」
羞恥心と屈辱感でどうにかなりそうなところに、追い討ちをかけられました。
「言わないと、俺に狂わされたこと、みんなに話すよ」
もう、本当に頭がおかしくなりかけて、今にも負けてしまいそうだったけど、「これ以上されたら、Kさんを恨む」って言ったら、やっとやめてくれた。
Kさんは「ゴメン」って背中にキスしてから、私の中に入ってきました。
最後はすごく激しくて、壊れそうなくらい手加減無しでされました。
彼氏のことなんて、頭から飛んじゃってた。
腰を掴まれ、肩を押さえつけられて、髪まで引かれて。
逃げたくても逃げられず、強引にイカされて、イった後も続きました。
息が出来ないくらい苦しくて、辛くて。
こんなSEXがあるなんて、思わなかった。
私は乱れ泣いて、グシャグシャになってた。
どのくらいの時間かわかりませんが、体感ではとても長かったです。
「もう無理。許して」ってお願いしたのに、Kさんがイクまで止めてくれませんでした。
行為が終わったあと、しばらく放心状態で、正直に「こんなの初めて」って漏らしたら、髪の毛をクシャクシャに撫でられました。
それから、シャワーを二人で浴びました。
Kさんが私にシャワーをかけながら、知られてしまった感じるポイントを撫でてきて。
「ダメ、もう終わり」って言っても、メロウなキスに阻まれてしまう。
擦りつけるように抱き合って、互いを感じ合うアフタータッチ。
終わったはずなのに、余韻を体に刻まれて、疼かされてしまう。
本当にヤバイ人と関係を持ってしまったと思った。
「またしようね」
「・・・彼に悪いから」
「俺のがいいって言ったクセに」
「無理やり言わせたんじゃないですか」
「俺にイカされた」
「やめて」
「彼氏じゃ届かないところに当たるって言った」
「そんなこと言ってない」
「もう許してって泣いた」
「やめてってば」
「◯◯さんの正体、暴いてやった」
「・・・」
何も言えなくなった私のあそこを触って・・・。
「ほら、言葉で責めただけで濡れるMだ」
Mだとか調教だとか言われて、私、ホントにそうなのかなって。
MっぽいとMでは、かなり違うと思うので。
言われてショックでした。
浮気したことも後悔だけど、M認定されたことも引きずってしまいそうで。
悶々とした気持ちのまま、ホテルを出る頃には空は明け始めてました。
長い時間Kさんの傍に居たんだと、改めて思いました。
帰りの車の中で私が無口だったので、「ちょっと無理しちゃったかな」って謝られました。
可愛かった。
またこうして会いたい。
今の彼と別れたら、自分と付き合って欲しいとも。
でも、嘘ですよね。
雰囲気に流されて浮気するような女だとわかって、なのに彼女にしたいなんて。
冷静になったら、疲れたのと罪悪感がひどく重くて、会話をする気力がありませんでした。
彼氏の浮気で悩んでた自分が、逆に流されるままに浮気して、快感に負けて溺れて。
それどころか、彼を裏切っている気持ちを媚薬にして感じてしまった。
されたこと、言われたこと、言わされたこと、自分から求めてしまったこと。
それが頭の中を巡って離れずにました。
「気持ちの整理ができたら連絡しますから」とだけ言って、車を降りました。
Kさんと肌を重ね合わせていた間も、帰りも、携帯に彼からの連絡がなかったことだけが救いでした。
直後に、彼氏とは別れました。
向こうが浮気を認めて、「相手の子のこと好きになった」って。
泣いた私を慰めてくれたけど、悲しいから泣いただけじゃなくって、正直ホッとしてしまった自分が情けなくて泣いた。
私は、結局彼を裏切ったことは伝えられずじまいで。
友達も、私が『捨てられた』と思い込んでしまい、友人間で少しゴタゴタがあって、それも気が重かったです。
普段気が強いふりして、肝心なところでジメジメしてる。
耐えられず、自分からKさんに電話してしまいました。
彼とお別れしたこと、裏切ったことを伝えられなかったこと。
彼だけが悪いわけじゃないのに、周囲に言い出せなかったこと。
Kさんのマンションで、全部話しました。
「苦しめちゃったね」
そう言って、ハグしてくれた。
たまらなくなって、私から「一緒にいて」ってお願いしました。
おもちゃにされてもいいと思った。
でも、その日は静かに愛してくれました。
それから、Kさんと一緒にいる時間が増えました。
事情を少し知っている人には、彼氏彼女関係だと思われてたけど、私…

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