黒い過去
2017/10/08
不眠に悩んでいる私は、夕べもなかなか眠れず、今日は会社を休ませてもらい、部屋に一人です。
数年前の高校生のときに、そういう経験に遭ってしまいました。
当時はやっぱり親が嫌いで、友達と遊んでいる時間が好きでした。
部活が終わると数人で街中に出向いて、ファストフード店とか、ゲームセンターのプリクラコーナーに入り浸ったりしていました。
携帯電話をひらくと、母親からのメールが何件も入っていたりして、それがとても憂鬱な存在に思えていました。
あの日もそうでした。
辺りが暗くなっていく時刻、友達の一人は、出会い系サイトで知り合った男性とこれから会うんだと言って、そそくさと去っていきました。
残ったみんなもそれぞれに帰宅するということで、家に帰りたくない私は一人で街中をぶらついていました。
一人でいると、大体ろくなことがありません。
案の定、男の人が私に声をかけてきました。
これから一緒に遊ぼうとか、多分そんなことを口にしていたんだと思いますが、私は聞こえないふりをしていました。
とてもしつこくて、私は困っていました。
そうするとまた別の男の人が私のほうへ近づいてきて、声をかけてきました。
けれどもその人は私にではなく、私をナンパしている男の人に声をかけていました。
それからしばらくその二人で何かを言い合っていたのですが、最初に声をかけてきた男の人は去っていき、後から来た男性が残るかたちになりました。
助かった、私はそう思いました。
私は彼に対して好印象を抱き、家に帰りたくない気持ちも手伝って、その彼と二人で晩御飯を食べることになるのです。
そうなんです、これがいけなかったんです。
というより、ほんとうにいけないのは彼と、そしてもう一人、私をナンパしてきた男の人だったんです。
先程の一件は、彼ら二人によって、まんまと仕組まれていました。
私は車の後部座席に詰め込まれました。
自分も悪くて、彼らも悪くて、どうしようもない気持ちでいると、いつの間にか吐き気がしていました。
彼らの車で連れ去られているあいだ、友達とか家族の顔が浮かんでくると、私はめそめそと泣けてきました。
私たちを乗せた車がどこかに着きました。
まわりが暗くて、そこがどこなのかはまったくわかりません。
車を降りて、建物の中に連れて行かれました。
そこで私は、彼ら二人によってレイプされました。
どれくらい時間が過ぎたかわかりませんが、彼らの言う通りの文面をメールに打って、家族宛てに送るように言われました。
心配しなくていいから、みたいな内容だったと思います。
それから外が明るくなって、その日は学校に行けるはずもなく、また一日中レイプされ続けました。
自分の鼻や口の中、それから体内に彼らの精液が染み付いているかと思うと、気分が重く沈んで、家に帰りたい気持ちが溢れてきたんです。
そうしたら今度は変な異物を持ってきて、それを私の局部に押し込んできました。
今思えば、あれが大人の玩具だったんだろうなってわかるかも知れませんが、女子校生がそんな物に興味を示すはずがなく、あの時はほんとうに怖くて、ずっと緊張していました。
異物はずっと私の中にいました。
すると突然トイレを我慢していた力が緩んで、私は失禁しました。
緊張が解けて、下腹部のあたりが熱くなってくると、そこだけ神経が敏感になったみたいに、不潔な感覚が込み上げてきたんです。
頭の中が真っ白になって、下半身が痙攣していました。
自分の体なのに、自分の体じゃないみたいな、情けなくて、切なくて、また涙がこぼれました。
その後に、変な器具で局部を開かされました。
ステンレス製のスコップを二つくっつけたような器具でした。
痛くはなかったのですが、とにかく怖くて私はずっと泣いてばかりいました。
解放されたのは真夜中でした。
私を車で運んで、外に投げ捨てられた場所は、見覚えのある公園近くでした。
メールで友達を呼び出し、着替えを持ってきてもらいました。
彼女はあまり深くは理由を追求してこなくて、朝まで一緒にいてくれました。
とりあえず、警察に届けようという考えはありませんでした。
絶対に犯人が捕まるわけでもないし、それに、代償が大きすぎると思ったからです。
自分を棄てる覚悟がなければ、そんなこともできないのです。
不愉快なレッテルを貼られて、好奇の目に堪えられる自信がありませんでした。
こうやって私は泣き寝入りしましたが、私と同じ思いをしている女性は、世界中に存在します。
血管に彼らの体液が流れているんじゃないかって、リストカットをしたこともあります。
月経が来るたびに、子宮から変な生き物が出てくるんじゃないかって、ナプキンを見るのが怖い時があります。
とにかく今は薬で落ち着いているので、今夜はぐっすり眠れることを祈っています。
これを読んで心当たりのある方、もう二度と、私のことをレイプしないでください。
そして、あの時に撮った画像は、はやく処分してください。
おねがい。