復讐された男(1)

2017/06/26

永原悠一はホテルの一室にいた。うつ伏せ状態になっており、相当酔いつぶれているようだ。同じ職場の牧野香奈との婚約が決まり、彼女を含めた同じ部のメンバーでお祝い飲み会をしていたからだ。当然、主役の彼は集中攻撃で飲まされ、飲み会の終盤はまったく記憶がなかった。悠一が目を覚まして頭を持ち上げると、部屋には同じ課の高槻美紀と、別の部署の北原理恵子が立っていた。二人とも彼が過去付き合っていた女性だった。しかも彼女達を二股にかけており、香奈との交際を真剣に考えるようになったことを期に、同時に振ったのだった。美紀はともかく、理恵子は飲み会には参加していなかったはずだが、何故そこにいるのか、悠一は最初の小さな疑問としてよぎった。そしてようやく自分が飲みつぶれて、ホテルの一室にあることが自覚できたころ、 最大の異変に気づいた。
なぜか悠一は、手首を後ろ手に縛られていた。
その上うつ伏せになっているから、背筋力で顔を上げることはできても、立ち上がることがまったくできなかった。
おまけに両脚が大股開きのようになっており、それぞれの足首はベッドの足と結び付けられていた。
さらに体には、ブラジャーとショーツが身につけられており、頭にはカツラまでかぶされているようだった。
自分が今、女性の下着をつけさせられ、縛られている、とても人に見られたくない姿であろうことは容易に想像ついた。
「んぐぐ・・・一体なんだこれは・・・」 うつ伏せで上手く呼吸ができず、自分がこうなっている理由を苦しげに問いただす悠一。美紀はつぶやいた。
「今日は楽しかったでしょ、人生で一番幸せな時間だったんじゃない?香奈と二人でデレデレしてたもんね」 続けて理恵子が口を開く。
「でも、今から、人生で一番屈辱な時間を過ごしてもらうから。私たちのささやかな復讐」 おそらく自分達を振った男が幸せそうに婚約を発表した。しかも同じ職場の女と。彼女達の自尊心を相当踏みにじったのかもしれない。
いや、それ以前に、この二人がこうして共謀して僕を縛り上げたということは、二股だったこともバレてしまったのか? が、しかし、だからといってここまでやるか? 美紀が酔いつぶして、理恵子と待ち合わせたうえで、僕をホテルに連れ込んだ? これから一体何をするつもりだ? 悠一は、頭の中でいくつもの思考が駆け巡った。
「ほら、自分のみっともない姿を見せてあげる」 そういうと美紀は脇のテレビを指差した。
そこには、やはり紐で拘束され、下着とカツラで女装させられた悠一自身が映っていた。
テレビからはケーブルが延びており、傍らに三脚にセットされたビデオカメラがあった。
これで悠一の姿を映し出しているようだ。
よくみると、顔も化粧をさせられている。
「悠一って結構可愛い顔してるから、すごく化粧映えしてる。普通に女の子みたい」 クスクス笑い、悠一の顎を持ち上げながら、美紀が言った。
「ビデオだけじゃなくて写真もいっぱい撮ってあげるね」 理恵子はデジカメを取りだし、悠一に向けて最初のフラッシュをたきながら言い放った。
「さてと、始めましょうか・・・」 美紀が理恵子の横に立った。
何をするつもりなんだろうと思っていると、美紀はスカートをおろし、黒いパンストの上から腰に器具をつけ始めた。
それを見て悠一は目をむいて驚いた。
「わかる?これ、ペニスバンド。AVとかで見たことない?」 「ま、さか・・・やめてくれよ、ほんと」 悠一はなんとか最悪の事態を避けようと、冷静につとめて言うと、理恵子は 「やめるわけないでしょ、これで貴方を犯してあげるの。自分だけ幸せになられても困るわけ。わかった?」 と冷たい目をして、悠一の耳元でささやいた。
悠一は青くなった。
「縛られて、女装させられて、女にペニスバンドでアナルを犯され、そこを写真に撮られるなんて・・・」 「ものすごい屈辱じゃない?ね、悠一」 美紀と理恵子が仲良く交互にしゃべる。
悪魔的な笑みを浮かべる二人をみて、悠一は恐怖で言葉が出なかった。
「じゃ、いっぱい犯してあげるからね」 美紀は悠一の後ろに回り、ベッドに上がって悠一の腰を持ち上げた。
後ろ手に縛られているため抵抗できず、四つん這いの格好になった。
美紀は自分の指にコンドームをかぶせ、悠一の尻にローションを垂らした。
「うっ」 ひんやりしたローションがアナルに垂れてきた。悠一は突然の感触に声をあげてしまった。
「きれいなお尻♪ まずは指からよいしょ・・・」 美紀はそう言いながら、指を突っ込んできた。
「うぐああああ・・・ああ!」 ローションのおかげで激痛というほどの痛みはなかったものの、底知れぬ異物感に悠一は、何とか逃げ出そうと必死にもがいてみたが、空しい抵抗に終わった。
「うう・・・・」 「うわ・・・よく締まる、どう?ここ感じる?ねぇ?」 美紀は巧みな指遣いで悠一の前立腺あたりを刺激し続けた。
恐怖で萎えていた悠一のペニスに、微妙な感覚が湧き上がってきた。
この間に理恵子は、悠一の苦痛の表情の写真を撮り続けていた。
次第に指の本数を増やされ、痛みはなくなり、奇妙な感覚だけが悠一の頭の中を駆け巡った。
「もういいかな?」 美紀は、悠一の膝を両手で開いて、両足の間に自分の体を入れた。
「じゃあ、入れるからジッとしていなさいね」 そう言うと、ショーツを履かせたままずらしてアナルへの道をつくり、ペニスバンドをアナルにあてがった。
「ううっ!!」 悠一のアナルに激しい痛みが走り、思わずのけぞった。
しかし潤滑油が足りないのか、美紀のペニスバンドは、先っぽがなかなか入らなかった。
「足りないかな」 と美紀がローションに手を伸ばすと、理恵子は何かに気づいてニヤリとして、 「まって、自分で濡らせましょう」 と言い、美紀を自分の方に手招いた。
「なるほどね」 美紀はベッドを下りて悠一の顔の前に仁王立ちになり、ペニスバンドを悠一の顔に向けた。
「ほら、自分でなめて、ぬるぬるにしなさい。じゃないと入らないから」 いくらペニスバンドとは言え、男の僕にフェラチオをさせるつもりなのだ。
「だれがやるか!」 と悠一は叫び、すぐに必死に口を閉じて抵抗した。
「あら、じゃあこのまま、無理矢理ねじこんじゃうから。いいの?切れて血がいっぱい出た状態で犯されるの」 美紀が諭すように語りかける。理恵子もまた、落ち着いた口調で 「いっかいやってみたら?身をもってわかってもらいましょう」 と言い放つ。
美紀は黙って再び悠一の後ろに回り込み、強引にペニスバンドを悠一のアナルに押し込んだ。
強烈な、雷のような痛みが悠一の全身を駆け巡る。
「ぐうううう!!!」 ベッドに顔を押しつけながら、どうにもならないうめき声をあげ、悠一は苦痛との戦いを強いられた。

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