迎えに来てもらった後に…

2017/02/26

私は都内の某企業のOLをしています。この不況の中、うちの会社は業績を伸ばし、毎日忙しい日々を送っていました。そんな中、先月のとある週末…日ごろから頑張っている私たち社員にささやかな御褒美として、会社もちの飲み会がありました。みんな飲んで食べて大いに騒いでいました。私も同僚の女の子達とワイワイやっていました。時間も忘れ騒いでいたらいつの間にか終電の時間になっていました。私は慌てて帰り支度をして、みんなより一足先に帰宅しました。私は家族と同居していて、郊外のちょっと田舎に住んでいるので、余り遅い時間になると電車が無くなってしまうのです。かといってタクシーで帰るには遠すぎる距離なので、もっと皆と楽しい時間を過ごしたかったけど諦めて帰ることにしたのです。ギリギリ終電に間に合い、座ってものの数分で眠りについてしまっていました。
お酒は余り強く無い私は飲み会でカクテルを1~2杯飲んだだけなのに、雰囲気に呑まれたのか、日頃の疲れがドッと出たのか、私は誰かに身体を揺すられながら目覚めました。
「お客さん、終点ですよっ!」そう、それは誰あろう終着駅の駅員さんでした。
私は「はっ!」となり辺りをキョロキョロ見回し「ここ、何処?」と一人つぶやくと、その声をしっかり聞き取っていた駅員さんが「○○駅ですよ」「…、…、えっ!?〇〇駅って、△□市の〇〇駅?」と暫し酔った頭で考えハッ!と気が付くと駅員さんに問い合わせると「そうですよ」と、あっさり答えられてしまいました。
その駅は私が下りる筈の駅から時間にして約一時間…各駅停車なので車だと30分から40分くらい掛かる場所です。
時計を見ると10時を少し回った頃でした。
この時間では戻る電車はありませんでした。
どうしようと考えましたが一番はやはりタクシーで帰る方法だと思いました。
これでは結局飲み会の会場から直接タクシーで帰るのと変わらないなと我ながら自分の情けなさに悲しくなりました。
早速ロータリーで客待ちしているタクシーに乗り込もうとした時、ふと所持金がいくらあるのか気になって財布をバッグから取り出し中身を確認すると千円札が三枚と小銭が合わせても五百円ちょっと…とても足りるとは思えませんでした。
後で冷静に考えてみれば家に帰るのだから所持金が寂しくても、着いたら家族の誰かに立て替えて貰えばよかったのに、その時はアルコールのせいもあったのか冷静さを失い半ばパニック状態で、どうしよう、どうしようと、出た結論が兄に車で向かえに来て貰う事でした。
早速携帯で兄にコールすると直ぐに「はいよっ…どした?」と、いつもの調子で応対しました。
「お兄ちゃん今どこ?」と聞くと「家に居るよ」と言うので、「悪いんだけど、迎えに来てくれる?」と申し訳なさそうに言うと「何処に?」と嫌がりもせず当然の様な答えが反って来たので「△□市の〇〇駅…」と最後は消え入る様な声で答えると「はっ!?そんな所で何してるん?」と、これまた想像通りの答えが返って来たので、事情を説明…「しょーがねーなぁ~直ぐに行くから変な野郎に捕まらない様に気をつけろよっ!」と、ちょっときつい口調だったけど、私の事を心配してくれてるのを分かっているので迎えに来てくれると言ってくれたのが嬉しかった。
兄に言われた通り変な人に絡まれない様に用心して待っていると見覚えのあるカスタムされた一台のミニバンが近づいて私の目の前で停車しました。
その車の助手席のドアを開け「ゴメーン!ありがとう、お兄ちゃん♪」顔の前で両手を合わせ言うと「変な奴に絡まれなかったか?」と一番に私の身を心配してくれました。
その時ドキっと、鼓動が早くなったのを覚えてます。
助手席に座り暫く何も話さず二人とも黙ったまま家に向かって走っていると、突然渋滞にハマッてしまいました。
「なんだぁ?」兄が怪訝そうな表情で前方を覗き込む様に見ながら言いました。
「どうしたんだろうね…」兄の一言で沈黙の空気が消え私も一緒になって不思議がりました。
「対向車もこねぇなぁ…事故かぁ」そう言っている間も私達の後ろには一台…また一台と車の列が繋がり深夜にも関わらず意外と多くの車が走っていると感じていると「ダメだ!動かねぇ」と、突然叫ぶ様に一喝すると、器用にその場でUターンを始めました。
今来た道を戻ると途中何度か右左折を繰り返し「ここまで来れば大丈夫だろう」と、私は現在地すら分からない状態なのに兄は一人満足気な表情でした。
その表情を見た私はさっきまでちょっと不安でしたが安心し、そうしたらなんだかお腹が空いてきたので「ねぇお兄ちゃん、お腹空かない?」と聞くと「そう言えば腹減ったなぁ」と言うので「じぁさっラーメンでも食べない?アタシがおごるからさっ♪」そう言うと丁度ラーメン屋さんの看板が目に入ったので「ココにしよっ♪」と個人で営んでるらしいラーメン屋さんに入りました。
そこでそれぞれラーメンを食べ、食べ終わると暫くマッタリしていたら店の若い奥さんが閉店時間が近いのか食器を下げに来ました。
両手でそれぞれの器を持とうとした時、私の器を取り損ねて倒してしまい、残ってたスープが私目掛けて零れて来ました。
私はとっさに避けましたが、避け切れず…って言うか、ほとんどのスープを腹部から下半身にかけ浴びてしまいました。
すぐに奥さんが謝りながらフキンで拭ってくれて厨房から主人が血相を変えてタオル片手に飛んで来て一緒に謝ってました。
余りにも謝られるものだから怒る気にもなれず「もう大丈夫ですから…」と頭を下げっぱなしの二人に兄も困ってました。
とりあえず急いで帰ろうと店を出ようと鞄から財布を取り出すと「そんな、お代は結構ですよ」と逆にレジから「あのこれクリーニング代に足りるか分かりませが…」と五千円札を手渡して来ました。
流石にそこまでされるのは気が引けたので、断ったんだけど、どうしてもって聞かないので、受け取って店を出ました。
それから急いで家に向かって走ってましたが、ラーメンスープの臭いが車内にプワァーンと…更に私の身体にはラーメンには欠かせない脂が…気持ち悪い…慌てて店を後にしたので、なんとそのスープが運悪くパンツにまで浸みて私の大事なところは別の意味で美味しそうな状態になっていました…私はもう我慢の限界でした。
すると丁度視界に色鮮やかなネオンやら照明でアピールしているホテルが飛び込んで来ました。
私は背に腹は変えられないと兄に「ねっ!お兄ちゃん、アソコ寄って!」とラブホテルのある方角を指差して「もう我慢出来ない!スープでベトベトで気持ち悪いの!お願いっ!お金は私が払うから!」と悲願すると兄は「あ、ああっ、分かった…」と、ちょっと引き攣った顔で強く頷くとホテルのある方角へ向かいました。
ホテルに着くと週末で満室かと思ったら運良く一部屋空いていました。
部屋に入ると私は一直線にバスルームへ向かい素早く裸になりスープでベトベトな身体と飲み屋で浴びたタバコの煙りを洗い流しました。
それからスープ塗れの服とパンツをお湯で出来るだけ洗い流しました。
その間兄はソファーに座り深夜番組を見ていた様で、私がバスタオルを身体に巻き付けて洗った服を手に持ち「ねぇお兄ちゃん、このまま泊まっちゃおうか?服洗ったけど直ぐには乾かないし」と聞くと「別にイイんじゃね、俺も疲れたし、母さん達にはテキトーに朝まで飲んでたとか言えば」「だよね!じゃ、決まり!」そう言うと私は持っていた服をエアコンの風が当たる所に干したました。
干し終わると私はベッドに右半分を空けて潜り「お兄ちゃん寝よう!ほらベッド半分空けたから一緒に寝よう♪」と誘ったのに「いーよ俺はソファーで寝るから」と言うので「えーそれじゃ悪いよ~だったら私がソファーで寝るよっ!」とベッドから起き上がってソファーに移ろうとしたら「分かったよ!寝るよベッドで!」と、ちょっと不満そうに言いながらTシャツとトランクス姿になるとベッドの私の隣に横になりました。
兄は仰向けで自分の腕を頭の下にした格好になったので、すかさず私は兄の腕に頭を乗せ「今日はありがとう♪」と囁く様に御礼を言いました。
そして「そう言えば、お兄ちゃんと一緒に寝るのは何年振りかな?」私達兄妹は特に仲が良い訳じゃないけど悪い訳でもなく、どちらかと言えば仲が良い方だと思います。
だから私が中学になる頃迄は良く一緒に入浴もしたし一緒に寝る事もありました。
「ん~そういえば、そうだなぁ…十年以上経つんじゃねぇ?明菜23だっけ?」「うん、そう…確か小五位までだったよね…TVで怖い番組見て一人で寝れなくて枕抱えて、お兄ちゃんの部屋に半ベソかいて行ったんだっけ」「そうそう!あの時の明菜の顔、本気で泣いてたもんな!」「そんだけ怖かったのっ!」なんて昔話で少し興奮した私はバスタオルが暑く感じてきてしかも寝苦しいと感じたので、ベッドの中でバスタオルを外しました。
その時の様子を兄が、「なにモゾモゾしてんだ?おしっこなら寝る前に行っとけよ寝小便する前に」なんて言ってくるので「違うよっ!おしっこじゃないってっ!寝苦しいから巻いてたバスタオル外したの!」と言うと兄は「へっ?っちゅー事は、まっ裸なの?」と聞いてくるので、確かに下着は洗濯して干してあるから裸ですよと思い「うん、そだよ~ほら!」と一瞬掛け布団をパッと捲ってチラッと見えるか見えないか位に、ちょっと悪戯心から兄を困らせようと、まぁはっきり見られても別に構わないと思ってたけど、それじゃ面白くないので、そんな事をしたら、「おっ!なんだぁ~見えないじゃんか~」と不満そうに言ってきました。
「やだぁ~お兄ちゃん、妹の裸見たいのぉ~」と、ちょっと軽蔑した風に言…

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