彼女の母は

2021/03/28

オレ35歳の時の話。
20台半ばで友人と会社を興し女性には目も暮れず必死で仕事をしてきた。
そんな甲斐もあって会社も順調に成長し、そこそこの収入も時間もやっと手に入るようになった。
そんなオレに9年ぶりに彼女ができた。
友人Hの店のバイトの短大生Aだ。
15歳も歳が離れている。
正直、背は高いけどあまりイケメンでもないし、何よりメタボだ。
どちらかと言うと、怖い系のお兄さんとかそのスジの方面に見られることのほうが多いし、そういう知り合いも居る。
そんなオレのどこが気に入ったのか知れないがAは、もの凄く積極的にアピールをしてきた。
そして「Rさん、私を食事に誘って下さい。」だと…他のバイト仲間や店の常連から冷やかされながらAとデートの約束をした。
翌週の金曜だ。
そして、デートの日仕事が思いのほか片付かず約束に遅れそうだったのでAにメールで連絡を入れた。
そして、Aから「お仕事頑張って下さい。待ってます。」みたいな返事だった。
何かしら調子を崩されながら、予定より小一時間遅れで到着。
予約を入れていた馴染みの店には、遅れる事を連絡済。
馴染みの店だけあって、他のヒトと顔を合わすとマズイ。
(この時はまだ食事だけのつもりだったので…)なんせ15歳も歳が離れているのだから援○かなんかと思われては、取引先や会社の人間にも勘違いされると堪らないので、別の入り口から個室に案内してもらった。
Aもこの店の事は知っていたようだ。
(結構高級な有名店です。)
「Rさんって、この店よく来るんですか?」
「会社から近いのでちょくちょく利用させてもらってるよ」
「私も来てみたいとは思ってたんですけど学生じゃチョット」
「でも、個室があることはあまり知られてないから」などと、他愛も無い会話をしていた。
食事も一通り済ませ、デザートの前になって、Aは顔を紅潮させながら「私どうですか?」と聞いてきた。
普通に「カワイイよ」
「そうじゃなくって!」
「??どういう意味?」少し怒って「女性としてです!!」
「んん~魅力的だと思うよ」
「そんなんじゃなくRさんは私のことどうおもってますか?」そんな事急に言われても返答に困る。
「……」
「嫌いですか?」正直言うとタイプだ「嫌いじゃないよ。嫌いだったらAと二人で食事にも来てないと思うけど」
「良かったー。じゃぁ私を彼女にして下さい!」いまどきの女性はすごいなと思った。
慌てながら「いきなりどうしたの?」
「私初めてRさんと会ったときからなんかこう『ビビッ』ときたんです。
私このヒトと結婚するかも」だってびっくりするオレを傍目に、Aは大仕事を終えたような安堵の表情だ。
「15も歳離れているけどいいの?」
「恋愛に年齢は関係ないでしょ」
「オレ仕事人間だからAを優先してあげられないこともあるけどそれでもいいの?」
「それでもいい!」と言う事で、付き合う事になりました。
女性に告白されるのって学生のとき以来無い。
なんか気色悪いような感覚だった。
そして、食事を終え送っていこうと言うと「今日は大丈夫です」
「『彼女』だって言うのなら、オレもいい歳してんだから、親御さんにも挨拶しておかないと」
「じゃぁ送ってください」って事でタクシーで家まで送る事に。
そしてAの家に着いた。
玄関先に現れたAの母親に挨拶をしたら「あらR君じゃないの。久しぶりねー20年振りかしら。元気してた。ところでAが何かした?」と矢継ぎ早に言い放った。
どぎまぎするオレ。
Aはオレと母親を交互に見ながら「???」って顔をしている。
事の成り行きを母親に説明し、付き合う事になったので挨拶をしにきた事を伝えた。
するとA母は、「AR君は弟の同級生で友達なの。」
「えぇーN叔父さんの友達なの!!!」
「ついでに言っておくとR君の童貞は私が頂いたの!」
「ってことは親子で…ってことになるの」
「オレまだAには手も触れてませんから…」
「まぁそのうちそういうことになるかな」世間狭すぎるよ。
助けて~!!と思ったのが3年前の事。
今では、AとAの母親(離婚済)の3人で暮らしています。
時々、Aの母に誘惑されながらも何とか逃げています。

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