姪っ子その2

2018/09/09

姪っ子「ヒトキさんヒトキさん」
「なんだい?」姪のセリナが部屋に入ってきてTVを見る僕の横に座る「夏休み何処か2人でいこう」そういいながら僕の方へもたれかかって来る薄いブルーのシャツにハーフパンツから伸びる細くて綺麗な手足程よく日に焼けている手が首に絡んでくる「ね、いこうよ?」TVと僕の眼線の間に入ってきて眼の奥を見つめるように覗き込んでくるキラキラした透き通る瞳が美しくて眩しい「何処に行きたいの?」
「ヒトキさんは何処へ行きたい?」セリナは相変わらずゴロゴロと猫みたいに体を寄せながら嬉しそうにいう流石に体が大きくなってきたから膝の上には乗せられないけど相変わらず密着してくるセリナが動くたびに柔らかい女の子の感触が足や腕に当たり、シャンプーの甘い香りがする「何処かへ行きたいって決めて言ってたんじゃないの?」
「うーん・・だってぇ・・」
「ヒトキさんと何処か行きたかったんだもん・・」頬を染めて言うセリナが可愛くて思わず頭をくしゃくしゃとしてやる頭をくしゃくしゃされるのは嫌がる女の子も居るかもしれないがセリナは犬みたいにコレが大好きだった。
部屋で2人でゴロゴロしてる時のセリナは本当に尻尾が見えそうなときがある「夏休み友達とは遊ばないの?」
「えー遊んでるよぉ・・・でもヒトキさんとも遊びたい・・最近仕事忙しいみたいだから我慢してたし・・」
「そういえば最近忙しかったからなぁ」
「大学生の時は夏休みプールとかに連れていってくれたよね」
「そうだったなぁ」
「最初水が怖かったけどおにいちゃんが浅い所で教えてくれて、深いところも背中に乗せて泳いでくれたよね」
「もう背中には乗せられないなw」
「えーwのせてよぉ〜」セリナがふざけて背中に捕まってくる「お、おもいよ!あいたた」
「ヒトキお兄ちゃん背中固い〜w」
「いたたたwもう少しいたわれwお兄ちゃんもそろそろおじさんなんだからw」僕は軽い気持ちで言ったつもりだけどセリナの動きが止まる「?セリナ?」そのまま後ろに捕まってるセリナの力が緩んでうしろから抱きしめてくる「ヒトキさんはまだ若いよ・・お兄ちゃんだよ・・」
「・・・・・」セリナの手をとって握るセリナも手を握り返してくるそのままセリナを前にひっぱって抱きとめるセリナが眼を閉じるのと同時にキスするそのまま2人横になって抱き合う頭を優しくなでて頬に手を置くと嬉しそうに眼を細める「ヒトキさんは私の昔お父さんで今お兄ちゃんでいつかは旦那さんなのw」セリナがそんな事を言いながら細い指で顎を撫でてくる「どんどん若くなっていくんだなw」切なさを隠すように言う「うんw」
「クラスメイトにカッコいい子はいないのかい?」
「居ないわけじゃないよ、告白もされた事あるし」ごろんと天井を見上げるセリナ「でも・・」
「でも、そういう事じゃないでしょう?好きって・・」
「セリナは大人になったんだね・・・」目の前の女の子の成長にシミジミとした気持ちがわいて来る「お兄ちゃ・・ヒトキさんに迷惑かけたくないもん・・」
「セリナ・・僕は君を迷惑だと思った事は無いよ」
「初めて僕の家に君が来た日の事を今でもはっきり覚えてる」
「お母さんの横で怯えるようにしていた君を何とか笑わせたくて毎日話しかけて」
「少しずつ君が話してくれるようになって、本当に妹か娘が出来たみたいで楽しかったな」自然と涙があふれて来そうになって僕も天井を見上げる「私もお兄ちゃんが毎日優しくしてくれて凄く嬉しかったよ」セリナが側にきて脇の下に潜り込んでくる僕はそのセリナの肩を抱く形で寝転がったまま涙を堪えるのに必死だった。
「ヒトキさんは私の王子様なのいつも私の側に居てくれる一番の人なの」
「私ちゃんと選んだんだよ・・ちゃんと選んでお兄ちゃんにしたんだよ・・信じてね・・」
「セリナ・・」セリナとの旅行は2泊3日で温泉に仕事の都合で近場しか都合がつかず、万が一呼び戻されても直ぐ戻れる場所となると温泉しかなかったのだが、セリナは凄く喜んでくれた。
父と母も誘おうとしたが「仕事があるし、私達が行くとなるとセリナが怒るでしょ、あんたたち2人だけでいきなさいw」と何処まで本気なのかそんな調子で言われた。
僕が信頼されているのかセリナが信頼されているのか?父も母も僕達の関係に関してはあまり深く悩んでいないようだそのうちセリナが僕から卒業すると思っているのかもしれないセリナは前日から準備ではしゃぎ布団に入ってからも中々寝付けずに隣でモゾモゾしていた。
車の中もハイテンションでずーっと喋り続けていた。
途中で軽く名所を巡る「あっち!お兄ちゃんあっち!」
「今度はアレ!アレ見よう!」と幼い子供のようにアッチコッチをハイテンションで引っ張りまわすセリナクタクタになりながらセリナと手を繋いで歩き回る前日までこの旅行のために仕事をハードにこなしていたので流石にグロッキー気味になりつつセリナと2人で写真をとったりしながら楽しむ旅館について部屋に腰を落ち着けた時にはもう立ち上がる気力がなくなっていた。
「お兄ちゃん?」流石に僕の様子が可笑しいと思ったのか心配げに覗き込んでくる「大丈夫日に当たりすぎてちょっと疲れただけだよw」
「でも顔色わるいよ・・」
「少し休めばいいよ、晩御飯まで少し横になるから、セリナは旅館の中でも見てきなさいw」
「いや・・・私もここにいる!」泣きそうになるセリナ「じゃあ旅館の人をよんで布団を引いて貰ってくれるかい?」
「・・・・」そういうとぱーっと走って部屋を出て行き直ぐに仲居さんを呼んできて布団を準備してもらった。
「お兄ちゃん氷もらってきた・・」
「おおっありがとうw」
「ほらほらそんな悲しそうな顔するな、もうだいぶ良くなったんだから」
「本当?」
「本当だよ」晩御飯の時間までそのまま布団で横になってセリナはその間付きっ切りでタオルをぬらして頭を冷やしてくれた。
おかげで晩御飯の準備が出来る頃にはかなり楽になっていた。
「少し疲れている所に太陽に当たりすぎただけだよ」病院にいかないの?と心配するセリナをなだめつつ部屋に用意してもらった料理を食べる「ほら、もうそんな心配しないでくれ、俺の方も悪い気がしてくるからw」
「せっかく露天付きの部屋にしたんだ、楽しまないとそんだぞw」そう促して二人で風呂に入る近場なのでせめていい部屋をと思って風呂付の部屋をとっておいて正解だった。
セリナとふたりゆっくり風呂に入ることが出来るしさっきの調子だと僕を残してひとりで風呂になんて入りに行かなかったかもしれない2人お互いの背中を流してゆっくり湯船につかる「あ〜極楽極楽」
「ヒトキさんもう大丈夫?」
「うん大丈夫だよ」セリナが側に寄り添ってくる「怖がらせて悪かったね・・」
「ううん・・私が無理言ったから・・」
「そんな事は無いよ、それに自分の娘から頼まれて無理しない父親はいないだろう?」
「僕はセリナのために無理をするのはちっとも嫌じゃないよ」
「・・・・」セリナは何も言わないでそっと左腕に捕まって寄りかかってくる「セリナはいい子だからそんな子が自分の家族になってくれてとっても嬉しいよ」
「だから負担だとか重荷だとか思った事は一度も無いよ」風呂から上がって部屋のエンガワで二人で蚊取り線香を炊きながら夕涼み「昼間はアンナに暑かったのに涼しいねぇ」
「うん」そんな風にしてると昼間のはしゃぎと午後からの落ち込みで疲れたのか僕の肩に頭を置いて寝息を立て始めた。
そっとお姫様抱っこで布団に寝かせる「今日はごめんな・・」そんな事を思いながらそっと唇にキスをして頭を撫でるこんな可愛い姪を他所の男に渡したくないという気持ちといつかは自分より素晴らしい男に出会ってそいつと幸せになってほしいそんな気持ちが同時にあふれてくるセリナの気持ちは凄く嬉しいし男としてはそれに答えたい気持ちはある如何すればセリナが幸せになるんだろうか?この子が一番笑ってくれる結果を選びたいそんな事を考えてたらそのままテーブルで寝てしまった。

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