妻の裏切りと告白[第2話]
2018/03/02
3年の予定で大阪に単身赴任していた僕は、昨年夏の妻の不倫疑惑もあり、会社に願い出て予定より1年早く、この春東京に戻ってきた。
それをきっかけに、妻はまた銀座の夜の蝶へと戻った。
「2年のブランクがあっても多くのお客さんが暖かく迎えてくれた」と妻は嬉しそうに語り、張り切って仕事をしているようだ。
僕も「良かったね!頑張って・・・」と妻に言い、週に3日妻を仕事に送り出す日々に戻った。
でも、僕には妻が仕事に行っている間にやることがあった。
妻の服・下着・写真などから浮気の証拠を探し出す作業だ。
子供を寝かしつけてからタンスの中を探ったが、服や下着は何枚か新しく購入したものがあるものの、どれも妻の好みのものばかり。
浮気相手の匂いを感じるものは無かった。
続いて、妻専用のクローゼットの探索。
スーツやワンピース、スカートも怪しげなものは見当たらない。
ふと奥のコートに目をやるとポケットが不自然に膨らんでいる。
ポケットの中のものを取り出してみると『DIANE』と書かれた小さな箱が3つ。
封を切ってある箱の中身を取り出すと、1シートに小さなピンクの薬らしきものが21粒並んでいる。
最初は何か判らなかったが、パソコンで調べて愕然とした。
信じたくは無かったが、浮気の決定的証拠『経口避妊薬』だ!
その後、妻が仕事に行っている日は毎回コートのポケットを確認しているが、薬は確実に1日に1粒減っている。
(いつか妻を問い詰めなきゃ)と思っていた先月のある日、事件は起こった。
いつもは夜中の1時頃にタクシーで帰宅するが、その日は「少し遅くなる」というメール。
水商売なのだから、お客さんとのお付き合いもしょうがないことなので、僕は先に寝ることにした。
玄関のドアを開ける物音で目を覚まして時計を見ると4時半を回っている。
普段妻は帰宅すると化粧を落として、そのままベッドルームに入ってくるのだが、その日は珍しくシャワーを浴びていた。
ベッドに入った妻に「どうしたの?」と尋ねると「タバコくさいから・・・」と一言。
朝、熟睡している妻を横目にリビングで子供たちと朝食を摂っていると、窓際の床が濡れている。
そこは雨の日に洗濯物を室内干しする場所。
上を見上げると昨夕洗濯した洗濯物が干してある。
ちゃんと脱水してあるはずと思いつつ確認すると、乾きかけた洗濯物の中に濡れた赤いナイロンのパンティーが1枚。
(もしや・・・)と思い、洗面所のバスケットを覗くと、妻が昨晩仕事に着て行った赤いロングドレスとともにキッチンに干してあったパンティーとお揃いの赤いブラジャーが。
訳があってパンティーだけ手洗いして干したということだ。
生理までは、まだ10日間以上あるはずなのに・・・とすると答えは1つしか見つからない。
妻を叩き起こして問いただそうかと思ったが、強烈な嫉妬心により我が息子がいきり立ち、今まで味わったことのない妙な快感を感じてしまったため、追求は後日ということにして出勤した。
そして先週、次の事件が起こった。
いよいよ妻を問い詰める時が来てしまったようだ。