一度だけ交わった彼女との恐怖体験

2018/01/27

春になって、俺は大学生になった。
Nは無事に大学受験を乗り越え、都内の大学に通うようになった。
それにともなって、彼女は学校の近くに部屋を借り、ひとり暮らしを始めた。
俺は実家から通っていたが、お互いの大学が近いこともあって、
彼女の家に半同棲するような生活を送っていた。
俺達が大学生になったということ…それは同時に、Yも大学生になったと
いうことを意味していた。
同じ付属校から、同じ大学への進学。
俺はいつ、どこでばったりと出くわすか、
不安だった。
(もっとも、これは後になって知った話だが、俺とYは学部が違って
校舎のあるキャンパスが離れていたため、構内で会う可能性はほとんどなかったのだが)
あの日、Yからあんなことを聞かされてからずっと、俺は連絡をとらずにいた。
翌日に携帯電話の電源を入れてからしばらくはビクビクしていたが、
彼女から電話をかけてくることはなかった。
…俺にとって、Yの沈黙は、まるで真綿で首を締められているような、
そんな感覚だった。
5月10日。
その日、俺はNの家で誕生日を祝うことになっていた。
俺はプレゼントを持って、彼女の家へと急いだ。
サークルの集まりが長引いて、
予定していた時間に遅れていた。
早稲田駅で降りると、さっきまでポツポツと降っていた雨は止んでいた。
途中でコンビニに寄り、ビールと、彼女の為のチューハイと、…今夜必要に
なるであろうモノを買った。
彼女のマンションの合鍵は預かっていたが、玄関先でインターホンを押すのが
俺の中でのルールだった。
N「はーい」
俺「ん、あけてー」
N「いまあけるねー」
ガチャガチャと鍵が外れる音がして、ドアが開いた。
俺は、目を疑った。
そこに立っていたのは、Yだった。
Y「…久しぶりだね」
俺「…え…あ……?」
奥からNが叫んだ。
「ほら、なにやってんのー!早く入りなよー!」
N「ビックリしたでしょー!?」
俺「…おう」
Y「ちょっと前にNに会ったとき、今日のことをきいたの」
俺「へ?…そう、何?ふたりは…ちょくちょく会ってたの…?」
N「時々ね。1ヶ月に1回くらいかな?いいから、お酒!飲むよ!」
3人で乾杯をし、ケーキを食べた。
YとNは何か喋っていたようだが、俺はとにかく飲むしかなかった。
話しかけられても適当に相槌を打って、ひたすら飲んだ。
いつもはおいしいはずのお酒が、その日はひどく不味いものに感じた。
それでも、普段の俺ではありえないペースで酒をかきこんだ。
酔わなきゃ…酔わなきゃ…と、そればかり考えていたが、全然酔えなかった。
ふと意識が戻った。
腹の上には、タオルケットがかけられている。
…どうやらいつの間にか寝ていたようだ。
頭痛がひどかった。
それも当然だ。
覚えているだけでも、あれだけの量を飲んだのだから…。
少しずつ状況を理解していくも、体を動かすことが辛かった。
時間は…どうやらまだ深夜のようだ。
左手が痺れていたことに気付き、俺は寝返りをうった。
背筋が凍った。
部屋の中は真っ暗だった。
ただ、少しだけ開いたカーテンの間から月明かりが差し込んでいて、
そのせいで窓際だけが青白くぼんやりと光っていた。
そこにいたのは、Yだった。
彼女はそこに座り、微笑みを浮かべ、俺を見下ろしていた。
彼女の透
き通るように白い肌は、月の光の下で死人の
そしてなにより恐ろしかったのは、その、目。
俺が彼女の姿を見たのは一瞬だったが、あの目だけは、今でも脳裏に焼き付いている。
俺は必死で目をつぶっていた。
やがて、ずるずるという何かが這うような音が聞こえ、顔の前に気配を感じた。
(目を開けちゃダメだ…目を開けちゃダメだ…)俺は頭の中で唱えていた。
左の頬になにかが触れた。
彼女の唇だった。
そして、彼女は耳元で囁いた。
「…あのときの返事を…きかせて…?」
俺は目をつぶったまま(ごめん…ごめん…)と頭の中で呟いていた。
彼女は「…ふっ」とため息をつくように笑うと、ポツリと言った。
「………… ご め ん ね ……」
やがて、彼女が自分の場所へ戻って行く気配を感じた。
恐る恐る目を開けると、彼女は立ちあがって窓の外を眺めていた。
月に照らされる彼女の肌、髪、肩、彼女の全て、この世のものとは
思えないほど綺麗だった。
翌朝、Y
は何事も無かったかのように帰った。
俺は二日酔いがひどいふりをして、Nのベッドに横になっていた。
昨夜の恐怖がまだ残っていたため、彼女に側にい
て欲しかった。
頭が痛いと弱音を吐いてみたり、水を持ってきてもらったり、彼女にとことん甘えた。
彼女は学校を休んで、ずっと一緒にいてくれた。
そうしている間も、俺はYの事を思い出していた。

の月明かりに照らされた後姿…そこには、うまく言い表せないが、
決意めいたものが感じられた。
俺は、胸の奥に、何か言いようの無い不安を感じていた。
俺「…なぁ、N。ちょっとこっちきて、話を聞いてくんない…?」
N「ちょっと、なに弱気になってんのw」
俺「いや、大事な話なんだ」
N「…わかった、ちょっとまってて。今行くから…」

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