ヤリチンを目指してみた凡人 1

2024/04/03

去年のことだけど、某エロ系サイトで気になる体験談を見つけた。

投稿主は転職が決まった20代会社員で、独身のチャラ男という設定。
どうせ辞めるからと、職場の女どもに「エッチさせて」とこっそり頼みまくり、新人の女の子から中年の女上司まで、いろんな女とヤっちゃう話だ。

ちょうどその頃、俺も転職が決まったばかりだったんで、
「そんなうまく行くかよ」と思いながら、自分を投稿主に重ねて読んだ。

もちろん、その手の体験談が話を盛ってることくらい知ってる。
ただ、感想欄にあった読者コメントに、妙なリアリティーを感じてしまった。

「嫌いじゃない男から秘密厳守で1回きりと頼まれたら、応じる女は結構いるかも」

俺も20代独身。ルックスは並みの上で、女と仲良くなるのは割と得意だ。

ただ、性格的に「いつでも、どこでも、誰とでも」なヤリチンじゃないし、その時点で1年くらい彼女なし。学歴も経済力も仕事ぶりも「凡人」だと思う。

そんな男でも「後腐れなく1回だけ」ならヤリチン気分を味わえるのか?
当時の職場は故郷とも大学とも関係ない地方だったし、転職先も全然別の土地。
とりあえず、後腐れないという条件は満たしてる。試してみる価値はあるかも…なんて妄想したのが始まりだ。

問題は頼む相手だった。業種のせいか、当時の職場は女の絶対数が少ない。
しかも新卒女子の配属先は限られてて、俺がいた部署の女はパート主婦ばかり。
それもおいしそうな若奥さんじゃなく、子育ての終わったオバちゃん中心だ。

体験談の投稿主は、ブスだろうがババアだろうが構わず声をかけまくってたが、俺はさすがに「57歳、落合信子似」の熟女相手に勃起させる自信はない。
そんなヘタレな理由で、マジメな選考に入る前に次々と候補が姿を消した。

俺の脳内で一番に選考を通過したのが麻木さん(仮名)だ。

40手前で中学の子供がいるが、職場のパートさんの中じゃ若い方。
細身で色が白く、麻木久仁子に似てなくもない。一般人にすれば美人だろう。
職場で接する限り感じのいい人。シフトで俺と一緒になると話が結構弾んで、別のオバさんも「麻木さんて、A君(俺)のことお気に入りよね」と言ってた。

俺に年増趣味はないし、麻木さんにも「好感」以上の気持ちはなかったが、少なくとも嫌われてるわけじゃなさそう。よし、ダメもとで頼んでみるか。
そう決めてしまったら、大して気にしてなかった彼女の胸元や腰のライン、ちょっとした表情や仕草まで妙にエロく見えてくるから不思議だ。

ところが、いざ実行しようとしたら、周りに聞かれず話を切り出す機会は思いのほか少ないことが分かった。これは想定外。

まず正社員と違ってパートさんは残業がないし、出退勤のタイミングが合わない。
それに職場は大部屋で、2人で話そうにもたいてい別のオバさんが近くにいる。
なんで女って若くてもトシ食ってても、つるむのが好きなんかな。

ようやく麻木さんと2人で昼飯に出る機会をゲットできたのは、決断から3日目。
食事を終えて職場に戻る途中、俺の転職話になったんで、思い切って言ってみた。

「あのー、一つだけ、みんなに内緒でお願いがあるんですが」
「どーしたの?あらたまって」
「ええと、退職前に1回だけエッチさせてもらえませんか?」

体験談じゃ「あまりシリアスにならず、軽い感じで」とアドバイスしてたが、いざ言うとなると緊張する。ここら辺をサラッと言えるのがヤリチンなのか。

麻木さんは最初「へっ?」という感じだったが、すぐ笑顔で「なに言ってんの!」。
冗談で片付けられたら後を続ける自信がない。ここは押しの一手だ、と腹を決める。

「前から憧れてて、一度お願いしたいと思ってたんです。ダメですか?」

もちろん出まかせだ。それでも俺が本気だと知って、
麻木さんは「そんな、いきなり言われたって…」と困った様子。
それほど怒った感じじゃないが、いいですよってわけでもない。当たり前だよな。

口説き落とす前に職場に着いたんで、「時間とか調整しますんで、考えてください」
とだけお願いしておいた。うーん、何というか中途半端な展開だ。
覚悟してたが、午後の仕事中は何となく麻木さんから避けられてる感じがした。

翌日も何かぎくしゃくしてたが、あまり間を置かない方がいいような気もする。
向こうからは切り出しづらいかと考え、パートさんたちの終業を待って、先に引き上げる麻木さんに社員通用口近くで声をかけた。

「あの、昨日のお話、考えていただけました?」

周りで誰が聞いてるか分からないんで、直接的な表現は避けた。
上目づかいで申し訳なさそうに俺を見る麻木さん。あー、やっぱりダメか。
凡人がヤリチン気分を味わおうなんて、しょせん無理だったんだよなー。
明日から居づらくなるなー。ま、辞めるしいいか、といろんな思いが頭を巡る。

「…A君さ、本気なの?」
「こういうこと、冗談じゃ言いませんよ」
「あたしで…いいの?」

この瞬間、俺が心の中でガッツポーズを決めたのは言うまでもない。

話が決まれば女の気が変わらないうちにガンガン行くべし、とは思ったものの、現実問題、職場や家族にバレないように既婚女を誘うのは難しい。
2人でラブホへ行くにしても、誰かに入る所を見られたら洒落じゃ済まないし。

結局、俺が有給の日に麻木さんが午前で仕事を切り上げ、うちへ来ることにした。
家族にどう説明したのか知らないが、「決行日」まで1週間くらいあったんで、途中で彼女が「やっぱりやめとく」と言い出さないか、気が気じゃなかった。
まあ、その間に俺も部屋の大掃除を済ませたけど。

そして当日、近くのコンビニで待ち合わせて俺のアパートへ。
仕事帰りだからか、麻木さんはそれほど着飾ってはいないが、化粧はバッチリだ。
途中、何度も「ほんとにいいの?」「ガッカリするよ?」と念を押してくる。

アパートはオートロックじゃないんで、部屋の番号を教えて別々に入る。
この辺はさすが既婚者、と言うのも変だが、用心深いなと感心した。

部屋でも、初めて彼女を部屋に呼んだ中坊カップルみたいな妙な緊張感。
俺は「あの、よろしくお願いします」と意味不明の挨拶なんかするし、
麻木さんは相変わらず「ほんとに後悔しないよね?」と念押しするし。

意を決して近づき、おっかなびっくりキス。この期に及んでビビる俺も俺だが、麻木さんも身を固くして、とてもアラフォーママとは思えない緊張ぶりだった。
そのまま押し倒したくなる衝動に駆られたが、まず落ち着こうと順番にシャワー。
彼女の希望でカーテンを閉め照明も落としたんだが、むしろ緊張が高まった。

脱衣所に置いてあった下着を見ると、気合いを入れたのかかなり高級そうだ。
シャワーを済ませ、バスタオルを巻いて出てきた麻木さんをベッドに迎え、待ちに待った「ご開帳タイム」。「若い子と違うし恥ずかしい」と謙遜する割に体はきれいだった。アラフォーにしては、だけど。

細くて色が白いのは前から知ってたが、実際ウエストにも余分な肉があまりない。
胸は想像したより大きくてCくらい。きれいなお椀型で乳首の色も案外薄かった。
巨乳好きじゃない俺には、手にしっくり来る大きさも触り心地も高得点だ。
下腹が少しポッコリしてるし、肌の張りも若い子とは違うが、それもアクセントか。

「ずっと前からこうしたかったんです」

心にもないことを言いながらキスすると、目を潤ませ抱きついてきた麻木さん。
経産婦とのエッチは初めてだったが、乳首をいじるとすぐ硬くなってくる。
こんなに感度が良いと授乳のとき感じて困らないか、と意味不明の感想を抱いた。

<続く>

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