ネットカフェ
2021/11/16
夫の異動で、東北の片田舎に移って今年で3年。
最初のうちは自然が満喫できると浮かれていましたが、あれは都会からたまに息抜きに出かけるからいいものなんですね。
ぐるっと360度、365日自然に囲まれていると、特に大きな魅力とは感じられないんです。
ショッピングの時の選ぶ楽しさなんてものもなく、毎日が退屈で、刺激のない生活に飽きてしまうのに時間はそれほど掛かりませんでした。
子供でもいればまた違うのでしょうけれども夫は子供を欲しがりませんし、本当に同世代の友達なんてものはできるわけなく、趣味系のサークルに出かけても、すでに地元の方たちでのグループができていて、なかなか混ぜてはもらえず(本当、閉鎖的な人間関係にはげんなりです)、夫以外とは丸一日誰とも口も利かないという日も珍しくありませんでした。
今年の夏のことです。
退屈しのぎに、よく市立図書館で本を借りてたんですが、その帰り道、国道沿いにネットカフェがオープンしたのを見つけ、チラシをもらってきました。
パソコンには興味があるのですが、夫は自分のパソコンを私に触らせてもくれず、毎日職場に持っていってしまうので、流行のmixiとか、やりたくてもできず、ネットカフェで自由にパソコンが使えるというのは、すごく魅力的でした。
ただネットカフェというと怪しいイメージがあって、店に入るのがちょっと怖かったのですが、新しくできた店は全国展開しているチェーン店で、店の雰囲気も明るいし、チラシをくれた店員も女性だったので、3日後には会員登録してしまいました。
田舎で刺激に飢えた27歳の主婦に、ネットカフェは甘い毒でした。
1、2週間ぐらいは、大学時代の友達にもらったmixiの招待状を通じて、SNSの世界で、似たような境遇の主婦のみなさんと愚痴を言い合ったり、同じ県内に住む方とショッピングの情報を交換したりしていたんですが、だんだんとオンラインゲーム(ネットカフェで無料でできるのがあったんです)や各種掲示板を利用するようになり、地域や年代、性別を問わずいろいろな方とお話できるのが楽しくなってきました。
そんなある日、9月に入ったころ、ちょっとした事件が起きました。
私はネット上で、ミキやMK、ミミなどと名乗っていたのですが、ミキの名でお邪魔していた地域情報掲示板で、「ねぇねぇ、ぶしつけだけど、ミキちゃんて○○(ttp:www.××)のMKちゃんでしょ?」といきなり尋ねられたのです。
質問してきたのは、常連さんの一人でヒマジンという方でした。
ヒマジンさんはどんなコメントにも必ずレスをする人で、その内容も決して人を悪く言うようなものはなく、端的に言えば感じのよい方でした。
とはいえ、いきなり、見抜かれたのは薄気味悪く、ちょっと放置していました。
すると今度はミミの名で使っていたオセロゲームで、まったく知らない人との対戦中に「ミミちゃん、いやミキちゃんっておっぱい大きい?」と質問されたのです。
多少、エッチな話をするのは嫌いではありませんが、ヒマジンさんの件の直後だったので、やはり不気味でした。
無視してゲームを続けていると、「今度えっちしよーよー」
「090××に電話して」と続けてくるので、怖くなって画面を閉じてしまいました。
私が使い分けている名前が同一人物であると見抜かれている。
いちおう正体が特定されるような情報を漏らさないようには注意していたはずです。
どこから、なにが一体漏れてしまったのか。
恐怖と同時に、原因を突き止めたいという衝動にも駆られました。
だって、もはや唯一の楽しみであるネットが奪われてしまっては、また退屈な日々に苦しまなくてはなりません。
そこで、私は発端となったヒマジンさんにメールを送って、「どうして、私(ミキ)であり、MKだと思ったの?」と尋ねました。
ヒマジンさんはすぐに返事をくれましたが「なんとなくそう思った」という釣れない内容でした。
こちらとしては、「なんとなく」では納得がいきません。
もう一度メールして、理由を教えてくれるようお願いしました。
ヒマジンさんからは、「教えてもいいけど、こっちからのお願いも聞いてくれる?」と返してきました。
ちょっと嫌な予感はしましたが、「できる内容だったら守ります」と答えました。
すると、ヒマジンさんはとんでもないことをリクエストしてきたのです。
「じゃ、おっぱい見せて」。
馬鹿馬鹿しい提案でした。
どうして私が会ったこともない人に胸をさらさなくてはならないのでしょう。
一蹴するつもりで怒りのメールを書いていると、またヒマジンさんからのメールでした。
「顔はみせなくていいよ。俺、実はおっぱい星人で、色々な人のおっぱい画像集めてるの。いわば趣味だね。これは考えようなんだけどさ、ミキちゃんだって今は多分若いだろうけど、年取っていくでしょう。年取ってしまったら、誰もミキちゃんに関心示さなくなるんだよ。今の、若くて張りのあるおっぱいは今だけ。彼氏か旦那さんいるか分からないけれど、独占させておくのはもったいないな。芸術的な鑑賞に耐えうるかもしれないおっぱいをこのまま埋もれさす?ま、それは冗談として、もっと気楽に考えてほしいな。顔は本当にいいから。おっぱいだけ。胸だけ見ても、誰もミキちゃんって分からないし、たとえ指摘されても白を切りとおせば問題ないっしょ。そうしたら名前の謎、すぐに教えちゃうけれど」正直、少し迷いました。
顔は見せなくてもいいというのと、年を取っていくという部分にグラっと来ました。
「楽しいネットカフェ生活」と「たった一度きりのおっぱい見せ」を天秤にかけると、ネットカフェ生活の方が大事なような気がします。
私は決断しました。
ネットカフェの受付に行き、オプションのWEBカメラを借りて、個室に戻りました。
幸い、平日の午後なので利用者はそれほどいません。
カメラをセットして、周囲をうかがいながらそっとブラジャーを外すと、Tシャツをめくって、カメラのレンズに向けて乳房をさらしました。
心臓がどきどきして、身体では唯一の自慢であるEカップの乳房は震えました。
乳首が痛いほどに固くなり、「カッション」という撮影の音に思わず悲鳴をあげそうなほどになりました。
一枚目は、画面に映し出された乳房の画像にあごも写りこんでいました。
失敗です。
二枚目を取るため、テーブルに身を乗り出し、ぐっと胸を突き出しました。
これなら乳房だけのアップになって、私個人と特定されることはなくなるでしょう。
そして、震える指先でカメラのシャッターを切ろうとしたその時、突然、個室のドアが勝手に開かれました。
中年の男性がそこにいました。
手にはデジカメを持ち、断りもなく、私の個室に入り込むとデジカメでパシャパシャと胸を露わにしている私を撮影しました。
男性は、叫ぼうとした私の口を手で塞ぐと、耳元に顔を寄せて、こう言うのです。
「俺がヒマジンだ」と。
めまいを起こしそうでした。
膝が震え、立っていられませんでした。
私はひきずられるように個室から連れ出されカップル席に押し込まれました。
「言うこと聞いてね。ミキちゃん。でないと、この写真が、旦那さんにも、ね?」。
夫のことを指摘され、私は抗うことを諦めました。
カップル席でヒマジンさんは私の身体を言いようにもてあそびました。
ヒマジンさんは自分のモノを私にくわえさせながら、自分がこのネットカフェの店長であること、私のことは初めて来店した時から狙いを付け、ずっと防犯カメラを使って私が借りる個室を覗いていたことなどを白状しました。
でももうそんなことを聞いても何の意味もありません。
私は愚かにも、そんな監視下にあるネットカフェで自分の胸をさらして、その様子を写真に押さえられてしまったのですから。
立ったままでテーブルに手を付かされると、ジーンズがずり降ろされました。
ショーツも膝まで下げられ、ヒマジンさんの手がおしりを左右に割って私のあそこを丹念に観察します。
「すごく綺麗だね」。
これからレイプされるというのに、ヒマジンさんの言葉に妙なくすぐったさを覚えました。
刺激を渇望していたのは日々の生活だけではなく、こういう…。
「キスするよ」。
夫は決して口をつけない部分に、ヒマジンさんは舌を差し入れてきました。
声が出そうになって、私は必死で口を抑えました。
ヒマジンさんの舌と指に体の芯がじぃんと熱を帯びてきます。
生まれて初めてと思えるほどに濡れているのが自分でも分かりました。
見知らぬ人、夫以外の男、脅されて犯されるというのに、恥ずかしいというのに、ものすごく感じてしまう自分がいました。
「ごめんなさい」。
心の中で私は夫に詫びました。
「飢えていたのはこれだろ?」。
指と口で何度となくいかされた後、ヒマジンさんが荒々しく入ってきました。
私は指を噛んで懸命に声を殺しました。
ガラガラとはいえ、他の利用客がいないわけではありません。
店員さんたちもいます。
変な声を出すわけにはいきませんでした。
ですが、奥へ奥へと無遠慮に突き刺され、嫌でも女を自覚させられると、切ない声がどうしても漏れてしまいます。
するとヒマジンさんは、店のおしぼりの袋を引き裂き、私の口に押し込め、その上からヘッドホンのケーブルでぐるぐる巻きにしました。
もう「んー」というこもった声しか出ません。
さらに両手は背中でねじり上げられ、顔はテーブルに押し付けられました。
ヒマジンさんが耳元で囁きます。
「たっぷり、えぐってあげるからね」。
無残に虐げられるという状況に、私はいよいよおかしくなってきました。
じんじんとあそこが熱くなります。
そしてヒマジンさんは予告通り、私をえぐってきました。
言葉こそ優しいのですが、行為は残酷でした。
子宮に届くほど奥まで荒々しく、ねじ込んだ上で、さらにもう一段、ぐぐんと大きく膨らませてくるのです。
圧迫感はすさまじく、何度もそれを繰り返されているうちに、何回か気を失いそうになりました。
ヒマジンさんは驚くほどにタフで、なかなか許してくれませんでした。
仰向けにされると、下半身は剥き出しにされ、Tシャツはすっかり捲り上げられました。
おっぱいに爪が立てられ、固くなった乳首がぎりっと噛まれます。
片足が担がれ、出し入れされている様子が剥き出しになり、私はぶちゃぶちゃと卑猥な音を立てる結合部に見入ってしまいました。
粘膜は鮮やかに充血し、溢れ出た粘液が泡立って穢れています。
「かわいい顔して、とんだ変態ま●こだね」。
私は首を振って否定しながらも自らヒマジンさんの唇を求めました。
舌や手足、性器、あらゆる器官を絡め合いながら、私もいつしか欲を貪り、そして、ついにヒマジンさんの種を子宮に注がれてしまいました。
ヒマジンさんのモノが引き抜かれても、頭の中は真っ白で何も考えられず、私はなかなか現実に還ってくることができませんでした。
身体中を余韻が駆け巡り、手足は痙攣を続けていました。
ですが「おーい。お前らどうする?」というヒマジンさんの声にハッとしました。
そして気が付いたのです。
私たちがいるカップル席を覗き込む顔、顔、顔。
学生風の若い人、背広姿の中年男性、作業着姿の人もいました。
みんながそろって欲望に燃えた目で私の裸体に熱い視線を注いでいるのです──。
刺激。
あまりに強烈で異常、非道徳的な刺激、ではあります。
ですが、女としてこれ以上の刺激はないのではないか。
店舗裏の倉庫に連れ込まれながら、私はそう思いました。
「病気だけには気をつけてあげるからね」。
ヒマジンさんの言葉は逆にそれ以外は何も保障してないことを意味します。
怖い言葉です。
怖いですが、愚かな私にはお似合いなような気もします。
見ず知らずの男たちに組み伏せられ、私はきつく目を閉じ、そのまま、みなさんに輪姦されました。
その日以来、私の田舎での暮らしは一変しました。
共有物としての今はとても満足しています。
夫にはまだ告白していませんが、いずれ、きちんと話すつもりです。
受け入れてくれるとはとうてい思えませんが、罪悪感を抱え、夫を騙しながら、偽りの生活は長くは続けられません。
これが私の姿であると曝け出せる日を信じ、夫婦でいつものネットカフェを訪れる時を願って。