お姉さんと僕
2021/09/06
高校に通うようになって3ヶ月ほど経った頃の事だったが、気付いた事がある。
クラスに時代遅れのヤンキー女がいるのである。
私立の高校なので校則では問題にならない程度なのだが、休み時間など実にヤンキーらしい態度をとっていた。
まず、気の弱そうなやつにパシリをさせる。
自分の席ではないのに「おいどけ」と命令し、勝手に席を占領する。
授業は一応全部出ており、中学生のようなやりたい放題が高校でも通用するとはさすがに思っていないようなのだが、実は逆に性質が悪い。
宿題をやってるやつから否応無しにノートを奪い勝手に写す。
もう死んでくれとクラス中が思ってるに違いない。
それが2人いるのである。
リーダー格の酒井順子。
ロングヘアーで整った顔立ちに時代遅れのヤンキーメイクをしており、言葉使いが悪く、目つきも悪い。
その子分のような形でいつも酒井の側にいる福沢美晴。
ショートカットでボーイッシュな感じというか、もうアレは男である。
喋り方がもう男の口調で、目がつり上がっており顔を見るだけで怖い。
胸の膨らみと体系はさすがに女のそれであり、むしろそれでかろうじて女だと判別可能な位である。
もう一人いた。
僕だ。
無理やり仲間にさせられたと言った方が正しいのだが、同じクラスになった時に目を付けられてしまったのである。
突然だが僕は昔からよく女に間違われる。
可愛い系ではなく、むしろ「女なんだか男なんだか分かりにくい」という類の中世的顔立ちというのだろうか。
それなのである。
気が弱く、女に見えるという事で無理やり仲間にされてしまったのである。
放課後、買いたかったゲームソフトを買いに行こうと学校を出ようとした所、やはりというか、酒井順子につかまった。
「おい。勝手に帰るんじゃねーよ武」武とは僕の事である。
キッとするどい眼差しを僕に向けた。
横にニヤニヤしている福沢もいる。
福沢はすかさず僕のわき腹に拳を叩き付けた。
「いたっ」僕がそう声を出すと福沢は僕の腕を両手でギュッと掴みながら、後ろから僕の肩にあごを乗せ、「勝手に帰ったら寂しいでしょ」と息を吹きかけながら首筋をレロッと舐めた。
「うわっやめてよ気色悪い」
「ああ?」福沢にガンを飛ばされながら、今度は酒井が前から抱きついてきた。
いや、さば折りをされているというのが正しい。
「武ぃ、勝手に帰ったら私寂しくなっちゃうでしょ?ほらこんな風に」酒井はそう言うと、より一層僕の体を強く締め上げた。
「いたたた!!痛い痛い!!分かったから!!」
「いや、たけちゃん分かってない」今度は福沢が甘い声色を出しながら、腕を締め上げてきた。
「誰がたけちゃんですか!!いててて!!二人とも痛いって!!」開放された後、僕の全身は悲鳴を上げていた。
正直嫌でしかた無いものの、ヤンキーと言えど女であり、いい匂いがした。
酒井は暴力的で、クラスから煙たがられているものの、それでもさっきみたいにくっ付かれると(さば折されてたんだが)スケベ心が湧き出てくるというのも男の性なのかもしれない。
福沢はもう、性格から行動から男顔負けでいつかヤンキー男とガチンコの殴り合いをやっていたのを見たが、むしろだからこそ、こいつが彼氏とか出来たら性格180度変わりそうだな、とか想像してそのギャップ萌えを想像していると急激に可愛く見えてこなくもない。
そんな事を二人に開放されてからボンヤリ考えていたのだが、相変わらず時代遅れのヤンキーメイクの酒井と拳に息を吹きかけながら「もういっちょいっとく?」とか言っている福沢を見て瞬時に現実に戻されていったのだった。
「なんですか今日は・・・僕用事があるんですけ・・・・」
「ああん!!!?」福沢の拳が僕の耳の1ミリ横を通り過ぎた。
「い、いや・・なんでもないです・・・・」
「ついてきな」そう言われ僕は酒井と福沢に両手をがっちりホールドされたまま、どこかへ連行されていった。
「絶対に逃がさねえよ」と言わんばかりに両腕をガッチリホールドされ、まるで捕獲された宇宙人のような格好でどこかへ連れて行かれる僕。
これが普通の女の子だったらどんなに幸せだっただろうか。
どこかへ向かう途中、僕は自分のこれまでの生きてきた16年間を振り返っていた。
小学校ではクラスのイジメに徹底的に無関係なポジションで「我関せず」を決め込み中学では運良く不良グループとは違うクラスになり、友達もそこそこで実に波風のない人生を送ってきた。
人間こんな事がずっと続いて行くと勝手に想像してしまうものだが、今の僕は一体なんであろうか。
生粋のヤンキー丸出し女に、性別間違えたんじゃねえの?と問いたくなる男女の仲間になっているのである。
しかも、色気も無い癖して、色気で僕をだまくらかしているつもりなのである。
先ほどの酒井によるさば折も、酒井は心の中では「ほうら、女に接近されてドキドキするでしょう」とか考えてやがるに違いないのだ。
福沢も男みたいな癖して、腕を締め上げる時しきりに胸を押し付けてはニヤニヤしていた。
「ふふん!どうだい?私の胸は?」とか考えている顔だったアレは。
エロ漫画でも読んで勉強してこいこのボケと心で呟いた僕だった。
あくまで心で。
実際に言うと怖いから。
突然だが、実際に僕に対して周りが抱く印象とかけ離れた性格だと自分ではよく思う事がある。
自分の人生に波風がたって欲しくないから、周りには当たり障りの無い事を言うものの心の中では正反対の事を思っていたりと言う事が良くある。
中学生の頃、家の近所に可愛い大学生がいた。
よく休みの日なんかに会うので一度挨拶した事があるのだが、その時のそのお姉さんの第一声はやっぱり、「え?あなた男の子だったの?」だった。
男以外の何者でもないだろこいつ!!とムカッと来たものの表面上は「ああ、よく言われるんですよ。分かりづらい顔でしょ?」とか言って話を合わせていた。
まだ声変わりがすんでいない頃の事で分かりにくかったかもしれないが。
それから、妙な事が起こるようになった。
行く先々でそのお姉さんに会うのだ。
最初は偶然だなぁとか思っていたものの、次第につけられてるんじゃないかと思うようになった頃、夏休みのある日、両親が旅行で3日ほど留守番を任されていた僕は突然の訪問者によからぬ物を第六感でビンビン感じ取っていた。
「武くん・・・・・」挨拶した程度で、確か名前は名乗っていなかったハズだが・・・・と怪訝な顔つきで僕が覗き込んだ先には、例のお姉さんの顔があった。
見るからに様子がおかしい。
不審者丸出しである。
しきりに目線を僕から外してはチラッと目を合わせるという行為を繰り返し、実に気色が悪い。
「お姉さん。何ですか?よく僕の家分かりましたね?」と一見優しく(訳:何しに来たんだよ。なんで俺んち知ってんだよ)聞いたもののなんだがモジモジしており、告白のため体育館裏に呼び出した女の子みたいな感じである。
とりあえず「上がってください」と中に招き入れると、お姉さんは「お邪魔します・・・」とポツリと言った後、勝手に二階の僕の自室に向かっていった。
僕が「二階が僕の部屋です」とは一切言っていないのにである。
無言で階段を上がってゆくお姉さんを見て、ゾクッと背筋が凍りついた感じがした。
初めて来た家で、一発で僕の部屋を当てたのである。
当てたと言うか、勝手に入って行ったんだが。
とりあえずこっちは男、あっちは女だし、何かあってもぶん殴れば勝てるよな、とか自分に言い聞かせつつとりあえずジュースを用意して二階に持って上がった。
ドアを開けた瞬間何か機敏な動きで何かをタンスに入れたお姉さんの姿があった。
まるでエロ本を読んでる時に急に家族に部屋に入ってこられ、高速でエロ本を隠したようなそんな感じである。
怪しい物を見るような顔つきの僕と、あくまでシラを切っているつもりらしいお姉さんが無言の妙な空間を作っていた。
さすがの僕も喋る気がせず、お姉さんと対面して妙な空気を保っていたのだが、かといってお姉さんは中々話を切り出さず、ひたすら僕が出したジュースをすすっていた。
(何なんだ・・・・・挨拶をする程度で親しいわけでもないのに・・・・・)
「武君・・・男の子なんだよね?」やっと口を聞いたと思ったらそれである。
僕にとっては散々され続けた質問でウンザリ系の質問である。
「そうですけど何か?」あからさまに、ムッとした態度でそう言った時だった。
「やだ・・・・もう我慢できない!!」お姉さんはそう言うと、ネズミを四つ角に追い詰めた猫のような目でガバッと僕に向かって飛んできた。
それがあらかじめ計算しつくしたかのような速度、正確さでおまけに僕の後ろにベッドがあったせいで、ベッドの上に吹き飛ばされる僕と、上に覆いかぶさってるお姉さんがいた。
「ちょ、ちょっと!!」僕はそう言うと、とりあえず上にのしかかってるお姉さんを下からグイッと押しのけようとした。
しかし、マウントに近い形でのしかかられてる僕は思った以上に力が出なくて反対にお姉さんは、力任せに僕の腕を押しのけ、僕にキュッと隙間が無いくらいピタッと抱きついてこう言った。
「反則よぉ!!そんなの反則なんだからね!!ずるいよ武君!!」意味不明である。
僕が反則だと言うのである。
正直オナニーさえした事の無かった僕にとって、この状況は興奮所では全く無く「何かやばい事態になった!!」という、むしろ身の危険を感じる事態だった。
何されるんだ?を頭の中で繰り返す僕。
力で引き剥がそうとするも上からガッチリ0距離で抱きつかれており、逃げようにも力が入らず、正に「窮鼠猫を噛めねえよ」状態である。
「そんな顔して反則だよ!!この卑怯者ぉ!!」
「お姉さん・・・・・痛い・・・・」
「私だって心が痛いよぉ!!卑怯者!!反則技だよこんなの!!」意味不明な言葉を繰り返すお姉さんに狂気を感じた瞬間だった。
しばらく「卑怯者、反則」を繰り返していたお姉さん。
少し補足すると密着状態での顔の位置関係は僕の顔の左部分、つまり左肩の上部分にお姉さんの顔がある形である。
しばらくその状態で、お姉さんは動く気配は無かった。
密着していて暑苦しいのだが、次第にある一つの事が僕の精神を狂わせていった。
それはお姉さんの心臓の鼓動である。
お姉さんが次第に喋らなくなり、僕の部屋に妙な沈黙が訪れていたのだが、密着した肌を通して、お姉さんの心臓の鼓動が伝わってきた。
ドクンドクンドクンドクンと信じられないくらい高速で音と振動を僕に伝えるお姉さんの心臓。
こんなに速い心臓の鼓動を感じたのは初めてである。
次第にシーンとした静寂とお姉さんの心臓の鼓動が僕の頭の中をかき回していった。
あまりにもバクバク音を立てるお姉さんの心臓。
肌を通して直接僕の体に伝わる鼓動。
一度も経験したことのない、お姉さんの心臓の鼓動が段々僕に移ってきた。
お姉さんと一緒に、徐々に僕の心臓も速く鼓動してゆく。
それはお姉さんの心臓が、僕の心臓に「一緒にドクンドクンしようよ」と誘いかけて来る様だった。
顔が熱くなってきた。
心臓の鼓動はどんどん速くなってゆく。
次第にお姉さんの心臓と僕の心臓が一つになった感じがした。
頭がボーっとする。
正常じゃない。
変な感覚だ。
メダパニでもかけられたかのような感覚だ。
リンクした僕とお姉さんの心臓の鼓動が速く大きく一つになるにしたがって脳がお姉さんの事を好きだと勘違いを起こしてきた。
お姉さんと離れたくない。
ずっとこの心音を感じていたい。
僕はそう感じ始めていた。
30分はそうしていただろうか。
お姉さんはギュッと僕を抱きしめたまま動こうとしなかった。
でも、それがいつしか心地良く感じていた。
お姉さんが突然顔を上げた。
体はピッタリくっ付けたまま、僕の顔の左にうずめていた顔をゆっくりあげ、僕の顔の正面に持ってきた。
鼻と鼻がくっ付く。
お姉さんの荒い息使いが僕の口にふうっと当たった。
顔が近すぎる。
お姉さんは両手で僕の顔を挟んで鼻と鼻をくっつけ、じっと僕の目を見つめていた。
お姉さんの心臓の鼓動がより一層早くなった気がした。
お姉さんは僕の目を見つめながら、心臓の鼓動を楽しんでいるようだった。
僕が目線をそらすとお姉さんは、あからさまに不機嫌そうな顔つきでぐいっと両手で顔を正面にむけさせ、僕とお姉さんの目線を交差させる事を強要した。
お姉さんは次第に眉を八の字にしながら、目を細め、何かに耐えるような表情をしていた。
お姉さんの心臓の爆音と交差する目線で僕は気が変になりそうだった。
「あ・・・・もうちょっと・・・もうちょっとで・・・・・」お姉さんはそう言うと目線を不意にそらし、ギュッと目を瞑ると口を近づけてきた。
ゆっくりと近付いてくるお姉さんの唇。
僕はキスをするんだと察した。
しかし。
お姉さんはあと5ミリ、いや、1ミリ近づければ口と口が当たるという位置で止まりキスをしようとはしなかった。
僕はギュッとお姉さんの両手で顔を固定されており全く動かす事は出来ない。
口と口と近すぎる。
1ミリくらいしかないんじゃないのか。
でも決して当たっていない。
お姉さんも目が一層至近距離に来る。
お姉さんの口から息が漏れ、僕の口の中に入ってゆく。
お姉さんはハァハァいいながら、息を僕の口の中に入れていった。
お姉さんの息遣いが脳に響く。
恐らく、はたから見たら僕とお姉さんはキスしてるように見えるのだろうが、実際は口は当たっていないのである。
超至近距離にあるだけだ。
お姉さんの顔がとても大きく見える。
肌のうぶ毛が見える位近いお姉さんの顔。
お姉さんは僕の中に息を吹き込む度に密着した全身をブルッと震わせ。
嬉しそうにニヤッと笑った。
そして僕が吐いた息をお姉さんは口から口へ吸い取っていた。
お姉さんの鼻からわずかに漏れる鼻息がこそばゆい。
僕は普通に息を吐いたり吸ったりしてるだけなのだが、お姉さんは僕の口に口を近付け僕が息を吐くと、お姉さんはそれを吸い、僕が息を吸うとお姉さんはそれに合わせて自分の息を僕の中に吹き込んで吸わせた。
息の交換である。
一瞬ゾワッとしたものの、次第に脳がボーっとしてくる。
お姉さんの息が美味しい。
もっとお姉さんの息が欲しい。
お姉さんの甘い息が吸いたい。
お姉さんも僕の息を吸いたいらしく、僕が息を吐く時は目を細めてトローンとした顔で吸っていた。
心音が僕もお姉さんも通常の2、3倍のスピードでバクバク言っていた。
さすがに僕は自分の体の変化に気付いていた。
お姉さんと離れたくない。
ずっとこうしていたい。
目の前の唇に吸い付きたい。
僕のチンポはガチガチに固くなっていた。
「ああああぁぁぁぁぁ!!!!」お姉さんが全身をビクビク痙攣させながら、突如声を漏らした。
僕は何が起こったのか正直分からなかった。
シーンと静まった僕の部屋で、良く考えると変態行為以外の何物でもない行為をやっていたのだがお姉さんは何度か僕の息を吸い込んだ瞬間、目をギュッと瞑り、眉を八の字にゆがめ、何かに耐えているような表情で声を漏らすと、より一層僕の全身をきつく抱きしめ、全身をビクンビクンと痙攣させていた。
お姉さんの心臓の鼓動が尋常じゃない。
バクバクバクバクと信じられないようなスピードで動いている。
お姉さんの体から伝わるそういった数々の異変が僕は怖くなった。
心臓麻痺か何か起こしたのかとか、何か持病でも持ってて、それが出たんじゃないかとかそんな事を考えている内にとてもお姉さんの事が心配になってきた。
「お姉さん・・・・大丈夫・・・・?苦しいの?」声を出した時、予想以上に自分の声が上ずっている事に自分でビックリした。
心臓がお姉さんと同期してバクバクいっているため、うまく喋る事ができない。
お姉さんは僕の問いかけに一瞬ビクッと体を震わせると、さらに体を締め付けてきた。
「意地でも放さないぞ」といわんばかりである。
そしてわずかではあるが、次第にお姉さんの心音も、痙攣も収まってきていた。
「大丈夫よ武君・・・・・もうちょっと待って・・・・・」お姉さんはそう言った。
しかし、僕はお姉さんのかけた魔法から急激に覚めていった。
お姉さんの体が正常に戻っている事を肌で実感した瞬間、まるでオナニーを終えた後の男のように、急激に冷静になっていった。
何か余韻に浸っている感じがするお姉さん。
少しづつ僕は、お姉さんが僕を抱きしめる力加減が弱まっている事に気付いた。
ガッシリホールドされている腕をもぞもぞ動かすと、かろうじて動くようだ。
突然だが、金縛りにあった事が皆さんはあるだろうか。
あれが怖いのは、脳がはっきりしているのに体が全く動かないという状況である。
あれから脱出する事は非常に困難だが、実は僕は独自にその脱出方法を編み出していた。
まず、一旦冷静になり体を動かそうとする意思を無くす。
そして頭の中に0~100までのゲージをイメージし、10秒ほどゲージを100にするくらいの力を溜め込む。
そして、一気にゲージを100にする力を解放するイメージを浮かべながら「ほりゃああああ!!!!」と叫びながら急激に起き上がるのである。
この方法によって僕は金縛りから脱出できる事に気付いた。
僕はお姉さんに抱きしめられつつ、その事を思い出していた。
お姉さんのホールドの力加減を確認する。
いける!!「・・・・・・・・・・」急に力を抜く僕。
「武君・・・・?」密着状態のため、体の変化は手に取るように分かる。
お姉さんは僕が急激に力を抜いた事を敏感に察知したようだ。
僕は力を抜いた体でボンヤリと横山光輝の三国志を思い出していた。
「竜が湖(だったかな)に潜むのは何のため?いずれ時機を見て天に昇らんがためであろう」そうですよね劉備さん。
わかるよ。
僕の中の竜が今天に昇らんとしていた。
「ほりゃあああああ!!」
「うわあ!!」僕の奇声と共にお姉さんの体がふわっと宙に浮き上がった。
その瞬間僕は右に体を回転させお姉さんの体は今は何も無い空間にドサッと着地した。
お姉さんの瞳がすかさず僕の方にキッと向けられた。
僕はすかさずベットから退いた。
そこにコンマ何秒かの差で飛び掛ってくるお姉さんの体があった。
お姉さんと僕の間で火花が飛び散っていた。
しかし、冷静になって考えてみると、お姉さんの目的は一体何なのだろうか。
僕の事が好きなのだろうか。
それにしたってまず口で言うべきであろう。
いきなりハンターするとは何事か。
お姉さんの体の感触と、ひと時の異常体験がお姉さんに対して好意を持たせてしまったのも事実で、恐怖と好意の狭間で僕の思考は揺れていた。
お姉さんの好意には何か理由があるにしろ我を忘れてしまっている事は確かである。
僕に体を跳ね飛ばされ、自分の存在が否定されたかのような気持ちになっているのだろう。
これは怖い。
一方的な気持ちであると自覚してしてしまった人間と言うのは、時折信じられないような事をしてしまうものである。
お姉さんにベッドに押さえつけられて、ゆうに1時間は経っている。
お姉さんは僕を支配してる感覚だったはずだ。
しかし、突如として拒否されたお姉さん。
僕はただ逃げたかっただけで、お姉さんは別に嫌いじゃないが、本人はそうは思っていまい。
野獣のような目を僕に向け、綺麗な顔を醜く歪めていた。
そこでピーンときた。
お姉さんは受け入れられないと感じてしまった自分の気持ちを暴走させている。
それをうまく収めるアイデアが浮かんだのだ。
名づけて「むつごろうさん作戦」である。
お姉さんはジリジリと僕の方に無言でにじみ寄って来ていた。
一瞬の隙をついて僕はお姉さんの懐に間をつめた。
突然の出来事に目を見開いたお姉さんの表情がみえる。
すかさず僕はギュッとお姉さんの体を抱きしめた。
腕ごと抱きしめる形で、お姉さんには何もさせない。
そして僕はこう言った。
「お姉さん。大丈夫だよ。僕はお姉さんの味方だから。ほらよしよし」そう言いつつ、僕はゆっくりとお姉さんの後頭部を何度も撫でた。
「大丈夫だよ。興奮しないで。よしよし落ち着いて。僕は逃げないから。僕はお姉さんの物だからね。ほ?らよしよし。大きく深呼吸するんだ。一回落ち着こうよ」僕はそうなだめながらお姉さんの顔を見た。
キョトンとした呆けた表情のお姉さんがいた。
「本当に武君は私の物?」しかし、お姉さんが食いついたのはその部分だけだったらしい。
半信半疑な感情を持ちつつも、自分の気持ちが受け入れられたと感じたお姉さんは、次第に目に涙を浮かべ、ヒックヒックと泣きはじめた。
僕はお姉さんが泣き止むのをずっと待った。
「冷静に考えるとすごい事しちゃったね私・・・・」今頃冷静になったのかよ、と心の中で突っ込みつつ、僕はお姉さんの第一声を聞いた。
「お姉さん。僕は味方ですから。お姉さんの事も好きですし、冷静に訳を話してください」お姉さんの味方だよ作戦を実行しつつ、お姉さんの話を引き出すため優しくそう促した。
お姉さんは下を向いてうつむいたままだったものの、次第にゆっくり顔を上げ僕の手を両手で握り締めて話し出した。
「私レズなんです・・・・・」はい?「昔から女の子が好きで好きでたまらなかった。でもそれが間違いだって事も分かってるんです。心も体も女の子が欲しくてたまらないのに、一方でこんなんじゃ将来普通の恋愛も結婚もできないなって思う自分もいて、どうしていいか分からなかったんです」はい?「そんな時に武君に会って、明らかに女の子みたいな顔なのに本当は男の子で、頭がこんがらがってきたんです。それからずっと武君の事ばっかり考えるようになって、男の子でも、ああいう女の子みたいな子ならアリかなあとか想像しちゃって」そ、そんな事を考えていたのか。
男だけど女みたいだからレズの私でもアリかな?なんじゃそりゃあ!!ディープすぎるだろ常識的に考えて・・・・・・「武君とならいいかなあって。私に抵抗感を感じさせず、女にしてくれてゆくゆくは普通の男が好きな女の子に戻してくれそうだなあって。そう考え始めてから武君が欲しくてたまらなくなって」オナニーさえした事の無い俺にそんな事を言われても。
「お願い!!私を助けて!!私を普通の女の子に戻して!!武君じゃなきゃ無理なの!!さっきベッドで時間をかけて私確かめたの。武君男なのに全然嫌じゃないって。むしろ大好きだなあって感じたの。おまけに・・・・その・・・いっちゃったし・・・・」いっちゃったってどこに。
まあ、確かにお姉さんに抱きしめられている時は怖かった反面、気持ちよかった。
脳が変になっちゃったし。
しかし、普通の女の子に戻してって言われてもどうすればいいんだか。
もともと女だろう。
女を女にしてって言われてもなぁ。
「いいですけど、別に何も特技とかありませんよ僕」
「ふふ・・・・大丈夫。これがあれば!!」お姉さんはそういうと僕の股間に手を伸ばし、まだ硬さを幾分か残していた僕のチンポをギュッと握り締めた。
「うわあ!!何するんですか!!」
「やっぱ男の子なんだあ。信じられないそんな女の子みたいな顔して・・」
「そういう事言わないでくれませんか!!男なんですから!!」
「反則よこんなの。いいとこ取りしすぎじゃないの。女の子にチンポ付けたみたいじゃない・・・」お姉さんはそうブツブツ言いながら僕のチンポを握り締めていた。
「一度落ち着いてくださいって!僕はお姉さんの味方だって言ってるでしょう!!」女が男のチンポを積極的に握ってくるなど想像しようも無い僕は、とりあえずお姉さんを冷静にする事を心がけ、とりあえずチンポを握っている手を放させた。
「前から思ってましたけどねえ、物には順序って物があるでしょう!いきなり飛びついてきたりいきなりチンポ掴んだり!!それにね、お姉さん大学生でしょ!!僕は中学生ですよ!!年の差ってもんがあるでしょ!!」口からマシンガンのように言葉が出てくる。
そこで、はっと気付いた。
「お姉さんの味方だよ作戦」が台無しだ。
お姉さんの顔が悲しみの表情に変わってゆく。
「だ、だからですね、何度も言ってるように僕はお姉さんの味方なんですから、色々順序ってもんをですね・・・」
「本当に私の味方?」
「ええ。だからですね、いきなり飛びつかなくていいんですって。お姉さんを拒否しませんから。全てを受け入れますから」
「・・・・・・」そう僕が告げるとお姉さんの頬がポッと紅く染まった。
今何か企んだな。
「私はね、女の子しか好きになれないの。自分がよく分かってる。でもそれを治したいって思うのも本当。武君は私を正常な女の子に戻してくれる唯一の男の子なの」
「はぁ。それは何となく分かりましたけど、僕に正常な女の子に戻して欲しいって言われてもですね、正直何をしていいやらさっぱり分からないんですけど・・・・」
「ショック療法しかないんじゃないかと思うの。普通の男の子はまだ抵抗あるけど、武君は女にしか見えないしでもチンポあるし、私の体に男の体を少しづつ刻みこんでほしいの」
「チンポは男なんだからありますよそりゃあ。だから、男の体を刻み込むって何を・・・・・・何かエッチな事ですかもしかして」
「・・・・・・・・・・」お姉さんは少し沈黙した後持ってきた自分のカバンから何かを取り出した。
ペットボトルのジュースである。
「のど渇いてない?」
「はぁ?」
「色々暑苦しいことしちゃったし、のど渇いたでしょ。ほら飲みなって」
「はあ。まあもらいますけど」お姉さんは何故か僕がジュースを飲むのをずっと見つめていた。
この時何の疑いも持たなかった僕は馬鹿としか言いようが無い。
「あ・・・何だ体がうまくうごかな・・・・・」お姉さんはニヤリと笑うと僕の方に近付いてきた。
そしてキュッと抱きしめると「ごめんね武君。武君は味方だって言ってくれたけど、このやり方が一番だと思うの。安心して。体に害は無いから。ちょっと動けなくなるだけ」
「何をの・・・・飲ませたんですかぁ・・・・・」
「ふふっ」お姉さんの顔が動けない僕に向かって近付いてきた。
やばい。
本当に抵抗できない。
脳裏に恐怖が芽生えたその瞬間、僕の唇にお姉さんの唇が重なった。
(あ、キスを・・・)初めてキスというものを体感した僕だった。
しかし、お姉さんにとってのキスはこんなものじゃなかった。
テレビでよく見るキスというのは口と口をチュッとやってそれで終わりというのが大半で、僕にとってもキスはそんな印象でしかなかった。
しかし、お姉さんは目を細めながら口を僕と重ねた後、全く動こうとしない。
長いなあと次第に思い始めたのは、おそらく2、3分経った頃の事だった。
お姉さんは一回右に顔を傾けながらキスを終えた後、一旦口を離して、今度は左に顔を傾けながらキスをした。
近付いてくるお姉さんの目が僕の唇を凝視し、それ以外は見えていない感じがした。
しばらくして2回目のキスを終え、とりあえず口と口をくっ付けるという段階を満足したらしいお姉さんは、今度は僕の下唇をムニッと自分の唇ではさみこむと、吸い付いたり舌で僕の下唇を嘗め回したりという事を繰り返した。
「んん・・・」お姉さんは完全に目がイッており、理性が飛んでいるのではないかと僕は思った。
下唇に満足すると、今度は上唇に移り、同様の行為を繰り返していた。
お姉さんの唇の感触が絶え間なく僕に妙な感覚を与えていた。
上と下の唇を丁寧に全部吸ったり嘗め回したりした後、お姉さんは腕を僕の後頭部に回し、ギュッと抱きしめたまま今度は普通のキスを力いっぱいしてきた。
お姉さんの唇の吸引力が今までと全然違っていた。
僕の全てを吸い取る事が目的かのような、そんな感じだった。
一度キスの力を弱め、お姉さんは口と口が触れる程度のキスをしてきた。
何だ急に?と思ったがお姉さんはキスを始めて、初めて僕の目を見た。
僕の目を見ながら、お姉さんは強く吸ったり軽く吸ったりを繰り返した。
密着したお姉さんの体から、先ほどと同様の心臓の爆音が聞こえてきており、あまりに長く、全くやめる気配の無いお姉さんのキスと、再び高鳴り出した心臓の音が僕の脳を再び変にしていった。
こんなに長く唇を弄ばれると、頭が変になる。
お姉さんを抱きしめたい。
ギュッてしたい。
でも体が動かない。
次第に唇に力が入らなくなり、少し口が開いて来た頃僕の唇を嘗め回していたお姉さんの舌が、僕の口の中に入ってきた。
「あっ・・・・・・ああああ」思わず変な声が出た。
お姉さんはニヤリと笑うと、一層後頭部に回していた手にギュッと力をいれより一層口と口をくっつけていた。
一つになった僕とお姉さんの口の中で、お姉さんの舌が僕の口内を嘗め回していた。
そんな事をされた事が無い僕はただただお姉さんの舌の感触を楽しみつつ、されるがままになっていた。
チューっと僕の舌がお姉さんの唇に吸われた。
お姉さんは口をより一層密着させながら吸い込んだ僕の舌を嘗め回したり、唾液を塗りつけたりしていた。
そして塗りつけた唾液を吸い取るという行為を繰り返し、時折ハァハァと熱い吐息を僕の顔に吹きかけた。
もう僕の唾液なのかお姉さんの唾液なのか分からない。
気持ちいい。
僕は正直にそう感じた。
お姉さんはキスをやめる気配が全く無い。
もう30分は経っている。
時間をかけてお姉さんは僕にキスの抵抗感を奪っていった。
執拗にじっくりと時間をかけて繰り返される数々のキスに、僕は何も考えられなくなっていた。
ただただお姉さんの行為を全て受け入れていた。
僕の心臓の音が、お姉さんのそれを超えていた。
密着しているからお姉さんの体は手に取るように分かる。
それは反対にお姉さんにとっても同じだ。
お姉さんは僕の心臓の鼓動の高鳴りを感じて、嬉しそうに笑い、一層強く舌を吸っていた。
ぷはぁ、という音と共に久々に僕の唇がお姉さんから解放された。
お姉さんは嬉しそうに笑みをこぼしながら、最後に一回チュッと軽くキスをした。
「やっぱり・・・・・全然嫌悪感がない。武君なら大丈夫だ。絶対・・・」お姉さんはそう言うと、僕の体を両手で抱え上げベッドの上にそっと乗せた。
お姉さんは頬を赤く染め、ハァハァと荒い息使いで手を自分の胸に当て切なそうな目つきで僕を見ていた。
お姉さんは僕の上半身を起こし、僕の後ろ側からギュッと抱きついてきた。
僕の左肩に顔を乗せ、首筋を吸っていた。
体にゾワッとした感覚が走った。
「んふう・・・ちゅっ・・・ちゅばっ」お姉さんは音を立てながら首筋を吸っていた。
抱きしめているお姉さんの手が僕の上着にかけられ、ゆっくりと剥ぎ取られていった。
上半身が裸になった僕。
お姉さんは吸っていた首筋から唇を外し、肩越しに僕の前の上半身を隅々まで見つめていた。
わきの下から通した両手でキュッと僕を抱きしめると、お姉さんは耳元で「武君こっち向いて」とささやいた。
お姉さんの方に顔を向けると、お姉さんはそのまま僕に唇を重ねた。
そして顔を離しては僕の体をキュッと抱きしめて、僕の表情の変化を確かめつつ、何度も何度も唇を吸った。
お姉さんは絶え間なくキスを繰り返し、キスを二人の間で「当然の行為」という意識レベルまで持ってこようとしているようだった。
いつしか僕もお姉さんとのキスが特別な行為というよりはどこか普通の事のような妙な感覚になってしまっていた。
それほど、お姉さんは僕に何度も何度もキスを求めた。
僕の唇を吸い舌を嘗め回しているお姉さんはどこか幸せそうな表情で、これがないと生きていけない、といった表情だった。
僕はお姉さんの執拗なキスに、いつしか「もう好きにしてくださいよ」というどこか諦めの境地に近い精神状態になっており、抵抗する気などさらさら沸いてこなくなっていた。
それどころか、後ろからギュッと抱きしめてくれるお姉さんの感触が気持ちよかった。
お姉さんの唾を飲み込むゴクンという喉の音が聞こえた。
手の平で僕の上半身を撫で回していたお姉さんの手が、ズボンのチャックに向けられた。
ズボンの上のボタンを外し、チャックをゆっくりと一番下まで下ろしてゆくお姉さん。
「あの、お姉さん」
「黙ってて」すかさず僕の口がお姉さんの口で塞がれた。
一度口を離した時に再度僕は口を開いたのだが、「あの・・・んぷっ」
「駄目。喋らないで」と、喋ろうとするとお姉さんはキスをして、喋る事を許してくれなかった。
ついにお姉さんは口を放してくれなくなった。
僕の口を吸いつつ、目だけはズボンの方に向けられていた。
ゆっくりとお姉さんの手がズボンを脱がしにかかる。
ズボンを脱がされトランクスだけになった。
お姉さんの手がトランクスの上から僕のチンポを撫で回していた。
「んん!おねえさ・・んっぷっ」どんなに喋ろうとしても、その度にお姉さんは僕に吸い付いた唇を一層強く吸い、僕の舌をちゅうっと吸い、完全に抵抗できなくしていた。
お姉さんの口の感触と、撫で回される下半身の感触が僕の中にすこしづつ快感を刻み込んでいった。
お姉さんの手が金玉とチンポの棒の部分を何度も揉んだり握ったりし、その度に僕のチンポは硬くなっていった。
お姉さんの手がトランクスにかかる。
お姉さんの執拗なキスにボーっとなっていて僕はされるがままになっていた。
ゆっくりと剥ぎ取られたトランクスの下からビーンと勢いよくチンポが現れた。
完全に勃っている僕のチンポ。
「結構大きいんだぁ」お姉さんはキスを一旦やめ、僕の左肩に顔を乗せ、まじまじと剥き出しになった僕のチンポを眺めていた。
お姉さんの左手が金玉を掴み、右手がチンポの中腹辺りをキュッと握っていた。
お姉さんはしばらく僕のチンポを右にやったり左にやったりしながら、チンポの全体像を観察していた。
しばらくそれをやった後、今度は両手でチンポをキュッと握った。
「武君のチンポって温かいね。ギュッてしても全然硬いし、すごーい!」
「お姉さん、あの・・・他の人の見たことあるんですか?」
「いや、ないよ」
「別に僕は大きくないと思いますよ普通です。それに勃起すると誰でも硬くなりますよ」
「もう!そんな事言わないでよ!!もう喋らないで!!」なぜか気分を害したらしいお姉さんは再び口をキスで塞いだ。
お姉さんは両手でチンポを上下に擦り始めた。
「あ、それ・・・んぷっ」意地でも喋らせてくれないらしい。
次第にチンポを擦るスピードを速めつつお姉さんは僕の舌を吸っていた。
そして、今度はお姉さんの舌が僕の中に入ってきた。
お姉さんの目が僕を見つめる。
何か目で合図している。
早く。
そう言っているように思えた。
僕に今度はお姉さんの舌を吸って欲しいと、そういう事だと察して今までは吸われる一方だった僕だが、僕の中に入ってきたお姉さんの舌をチューッと吸った。
その瞬間脳に何かビリッと電流が走ったかのような快感が僕を襲った。
一瞬ビクッとなった体の変化をお姉さんは敏感に察知し、ニヤリと笑うと一層ギュッとチンポを力強く握った。
お姉さんの舌はどこか甘い飴の味がした。
事前に舐めていたのかもしれない。
お姉さんのねっとりとした温かい舌を舐めたり吸ったりするたびに、脳が変になっていった。
お姉さんの舌が気持ちいい。
美味しい。
もっと舐めたい。
ずっと嘗め回していたい。
僕の求めに答えるようにお姉さんは舌を深く僕に絡めていった。
そして10回目くらいに、ちゅうっとお姉さんの舌を吸った時僕の中で今までで一番大きな快感が襲った。
お姉さんの手によって上下される僕のチンポから何かがこみ上げて来た。
何かが来そうだという事を察知した僕は下半身にキュッと力を入れ、それを我慢しようと試みたものの、それを察知したお姉さんの手によってより一層激しくチンポは擦られていった。
「あっ!ああああ!!!」チンポから勢いよく白い液体が発射された。
それと同時に下半身全体を大きな快感とドクンドクンという激しい脈のような物が絶え間なく続いていた。
何か凄い事が起こった。
そう感じた瞬間だった。
「すごい出てる・・・・・武君のビクビクしてる・・・」お姉さんは頬を赤く染め、まじまじと射精された精子とビクビクしている僕のチンポを眺めていた。
お姉さんは側にあったティッシュでお腹やチンポや太ももに飛び散った精液を丁寧にぬぐっていった。
一通りぬぐい終わると、お姉さんはチンポの中腹辺りを指先でつまみ亀頭の方へキュッキュッと押しやった。
内部にまだ残っている精液がドロリと先端から出てきた。
それをお姉さんは優しくティッシュでふき取った。
5回6回と繰り返され、やがて精液は出てこなくなり綺麗になったチンポをまたムンズと両手で掴んだ。
「いっぱい出たね。かわいい」お姉さんが優しい手つきでチンポを撫でていた。
上から下へさする様にチンポを何度も何度も撫でていた。
「お姉さんあの・・・」
「なあに?」
「今のって・・・その何ですか?初めてでよく分からないんですが・・・・」
「今のはね精液だよ。さっきみたいにね、ずっとチンポを擦ってると男の子は気持ちよくなって出ちゃうの。射精したの初めて?」
「う・・・うん」
「今時の子は馬鹿みたいにやってると思ってたけど、武君って奥手なんだね。でも気持ちよかったでしょ?」
「うん。癖になりそう・・・・・」
「やっぱ若い子は一回出してもビンビンだなあ」そういうとお姉さんは僕のチンポの硬さを確かめるようにキュッっと握った。
「さっきと同じ。全然萎えてない」お姉さんはどこか満足げな表情でそう言った。
お姉さんは一度後ろから抱き付いていた体を僕から離し、僕の上半身をベットに横にさせた。
窓からさす光にお姉さんの顔が照らされる。
綺麗な横顔が印象的だった。
初めの印象と違いお姉さんがとても綺麗に見えた。
お姉さんは僕の部屋の窓辺に歩いてゆくと、カーテンをシャ?っと閉めた。
部屋にある北側と、東側の窓二つともカーテンを閉めた。
「いよいよね・・・・私と武君のショック療法」
「あの・・・・お姉さん?」
「私がこんな事を出来るのはね、武君だからだよ。他の男の子なんて絶対無理。女の子しか好きになれないの私は。でも、武君の顔を見てると私の心に妙な感情が芽生えるの」お姉さんは語りながらゆっくりと服を脱ぎ始めた。
上着が取れ、白いブラジャーが見えた。
白い細かな刺繍がかわいい。
「あなたの体を使って、男の体を全部知りたいの。真近で射精も見れたし。こうやっていくとね、男の子も結構いいじゃん!って思えるようになる気がするの。武君は男臭さがなくてさ、女の子みたいな顔だし、体も華奢でごっつくないし、唇も柔らかくて美味しいし、ピタッてくっ付いてると私心臓破裂しそうになるし。協力・・・・・・してくれるよね?」お姉さんは俯きながら真剣に語っていた。
本音を包み隠さず言った気がした。
僕なんかでお姉さんの人生が変わる可能性があるのなら、力になってあげたい。
「お姉さん。最初に言ったじゃないですか。僕はお姉さんの味方だって」お姉さんが僕の方に顔を向けた。
笑顔だったけど、目からは涙がかすかに流れていた。
「ありがとう」お姉さんは全身を寒そうに震わせながら、全てを脱ぎ払った裸でそう言った。
お姉さんは涙をぬぐって、ゆっくりとベッドに近付いてきた。
綺麗な体だ。
ツンと上を向いた形のいいオッパイとくびれた腰が僕を変にしてゆく。
お姉さんはビンビンに硬くなった僕のチンポの上にまたがった。
「ふう・・・・・・いっぱい濡れてるし大丈夫よね・・・・・」お姉さんは中々入れようとせず、胸に手を当てて大きく深呼吸していた。
不安と緊張と興奮で頭がボーっとしてきた。
「私ね・・・・・初めてなの」
「ぼ、僕もです・・・・・」お姉さんはニッコリ笑うと、意を決したかのように腰を沈めていった。
生温かいにゅるッとした感触がチンポの先端を包んだ。
まだ5センチくらい入っただけだ。
「ああ!・・・・あっ」お姉さんの声が漏れる。
お姉さんは眉を八の字にし、口を食いしばっているようだった。
ゆっくりゆっくりと飲み込まれてゆく僕のチンポ。
「いっ・・・・いたっ・・・ああぁ・・・・」途中何か進入を遮るような物に当たった気がする。
その時お姉さんは少し辛そうだった。
お姉さんはそれでもやめなかった。
おおよそ14センチくらいだろうか。
僕のチンポが全てお姉さんの中に飲み込まれた。
僕のお腹に両手をつき、お姉さんは苦しそうな顔をしながら頬を赤く染めハァハァと荒い息使いを繰り返していた。
腕に挟まれた胸がツンッと上を向き下から眺めるお姉さんの体は驚くほど綺麗で色っぽかった。
下半身全体が全て包み込まれているような、そして温かくヌルッとした感覚がとても心地よく、チンポの刺激を通して頭の中がお姉さんの事でいっぱいになった。
お姉さんは瞑っていた目を開くとゆっくり腰を上げ、抜けそうになる瞬間また腰をズンッと下ろした。
「あぁ!あ、あああ・・ハァハァ・・・た武君のチンポ硬すぎだよぉ・・・・」お姉さんはそう言うと、体を僕の方に倒し、ギュッと僕にしがみついた。
お姉さんの鼓動が聞こえてきた。
大きな音を立て、お姉さんの体は脈打っていた。
お姉さんの唇が首筋に当たり、熱い吐息が吹きかかる。
その時だった。
少し体が動くようになった気がした。
お姉さんが飲ませた薬の効果がなくなったのだろうか。
僕はゆっくり手を動かすと、お姉さんの背中に手を回しギュッと抱きしめた。
「あっ」お姉さんが声を漏らして顔を上げた。
お姉さんの頬を触る。
お姉さんの顔が近付いてきた。
僕は深く深く口付けをした。
お姉さんの中がギュッと締め付けるように収縮した。
「お姉さん薬の効果が切れたみたいです」お姉さんの頬を撫でながら僕は続けた。
「最初言ったように、突飛な行動をする必要なんてないんです。僕はお姉さんの事を絶対に拒否しませんから。だから、薬とかはもうやめてくれるって約束してください」
「・・・うん。ごめんね」
「分かってくれればいいです。それで」お姉さんが微かに笑った気がした。
僕はお姉さんの腰に手をやり、グイッとひきつけた。
より一層深くチンポがお姉さんの中に入ってゆく。
「あっ・・・ちょ、ちょっと待ってお願い」お姉さんが切なげな瞳で僕にそう告げた。
「入れてからさ、少し動かさないで欲しいの。武君も気持ちよくなりたいと思うけど少し我慢して?お願い・・・・・」
「え?ええ・・・・でもチンポが気持ちよくって勝手に動いちゃうっていうか・・・」
「女の子は最初は痛いって気持ちのほうが強いの。だから時間をかけて武君のチンポに体を慣れさせないと。いきなりは痛いだけだからさ・・・・ね?私も気持ちよくなりたいし・・・・」
「分かりました。お姉さんの言うとおりにします」
「ふふ・・・いい子」お姉さんは優しく微笑み、キスをした。
お姉さんの体温が体から伝わってくる。
温かい。
全てを包まれているような幸せな感覚だ。
腰を動かす気持ちよさも捨てがたいが、僕の上で全てを包み込んで愛を注いでくれるお姉さんがとても可愛くてとてもエッチで、大切で仕方なかった。
お姉さんの事が好きだと素直にそう思った。
お姉さんは腰を動かさず、自分の中心を貫いている物に身を預け、それを時間をかけてゆっくりと受け入れていった。
時折ギュッと僕のチンポを締め付けては、悪戯っぽく「ふふっ」と笑った。
30分くらいはそうしていただろうか。
お姉さんと一つになって時間があっという間に過ぎていった。
お姉さんの申し出により、僕たちは繋がったままの状態でずっとキスを繰り返していた。
執拗にねっとりと繰り返されるお姉さんのキスと、密着したお互いの肌の感触が僕のチンポを硬くしていた。
お姉さんの中でカチンコチンになっている自分の一物が、どれだけ時間が過ぎても全く萎える気配を見せない事に驚きを感じた。
お姉さんにされるままじゃなく、僕もお姉さんの口を吸った。
お姉さんに答えるようにお姉さんの舌や口内を嘗め回した。
お姉さんが僕を抱きしめてくる力が強くなる。
密着しているのに、お姉さんはそれでも物足りないと言いたいかのように強く強く僕を抱きしめた。
そうして随分と時間が過ぎた気がする。
「なんだろ・・・・この感じ・・・・アソコが変な感じ・・・んぷっ!ちょっと!!」僕はお姉さんが急に顔を離した事に抗議するように、グイッとお姉さんの顔をひき付け離した口を無理やりくっ付けた。
「まっ・・・・んぷっ・・・ぷはぁ・・・武君ちょっとまっ・・・」
「駄目です」お姉さんの抗議を無視してお姉さんの顔を両手でギュッと固定し、お姉さんの柔らかい唇とねっとりとしたいやらしい舌を強く吸った。
お姉さんの息遣いが僕に伝わってくる。
口から伝わる感触がチンコを硬く硬くしていた。
片方の手をお姉さんのお尻に回す。
柔らかい。
腰の部分のいやらしいお姉さんの体の曲線をキュッと抱きしめる。
気持ちいい。
お姉さんの体が気持ちいい。
僕は理性が保てなくなっていた。
お姉さんをガッシリ固定したまま、下から腰をズンッと突いた。
一往復しただけで脳に快感の波が押し寄せる。
「あぁ!!今の・・・武君・・・」お姉さんの声が耳に響くがもう無理だ。
我慢できない。
お姉さんの体でもっと気持ちよくなりたい。
お姉さんの腰を両手でガッシリ逃がさないよう固定する。
そして再び腰を下から突き上げた。
「あぁぁぁ!!」お姉さんの声が漏れる。
初めて聞く声だった。
「ちょっと待って武君・・・・お願いちょっとだけ」お姉さんの声に何とか精神を集中させ、何とか理性を少しだけ取り戻す。
「・・・・なんですか・・・僕もう我慢が・・・」
「今、凄い気持ちよかった・・・・・ずっと動かさないで慣れさせてたからかなあ。痛くないの。ちょっと気持ちいい」
「僕もですね・・・そのチンコが気持ちよすぎて」
「うん。だから私も武君も初めてだからさ、まだまだ未熟だし、コンドームしよ」
「え?ああそうですよね・・・・僕もいつ出るか分かりませんし・・・・」
「うん。つけたらもう止まらないね」お姉さんはそう言うと僕の目を切なげな瞳で見つめていた。
お姉さんはチュッと軽くキスをすると、腰をゆっくりと上げチンポを一旦抜いた。
抜いた瞬間お姉さんのアソコから透明な液体がトロッと流れ落ち僕のチンポの先端に当たった。
上半身を起こし、自分のチンポを見るとお姉さんの中で絡みついた愛液が全体にネットリと付いていた。
抜いた瞬間お姉さんの事が欲しくてたまらなくなった。
早く入れたい。
またお姉さんの中に入りたい。
僕の頭の中はその事で一杯になり、チンコが硬くなりすぎて逆に痛かった。
お姉さんはカバンからコンドームを取り出すと、慣れない手つきで僕のチンポに被せていった。
キュッとチンポが締め付けられる。
「こうかな?」
「ええ。たぶん・・・・・」お姉さんは「へへっ」と照れ笑いをすると、僕の上にまたがり、今度はスルッとチンポを入れた。
コンドームをしてても気持ち良さは変わらなかった。
お姉さんは自分のアソコをしばらく見つめていた。
お姉さんの中に入っているチンポのつけ根を触る。
「本当に私の中に武君のチンポ入ってるよね・・・・」お姉さんはそう呟くと腰を上下にゆっくりと振り始めた。
お姉さんの中が温かい液体のような物で一杯になっている。
腰を動かすたびにピチャピチャと音が聞こえた。
チンポをゆっくり抜く。
抜ける寸前で腰を下ろしお姉さんの中深くにチンポを入れる。
お姉さんはその行為をゆっくりと何度も何度も繰り返し、横に腰を動かしたり縦に動かしたり上下に動かしたりと、色々試しているようだった。
「お姉さん気持ち・・ああっ」お姉さんが僕の声にニコッと笑顔で反応する。
僕はお姉さんの腰のくびれに手をあて、お姉さんの体を固定して下から突き上げた。
「あぁ!今の・・武君・・・・たけ・・・・今のもう一回・・・・」グンっ「ああっ!」お姉さんの顔から次第に笑顔が消えていった。
眉間にしわを寄せ何かに耐えているようなつらそうな顔をしながら、僕の突き上げる腰の動きにあわせる様にお姉さんも腰をより一層激しく動かしていた。
「あっあっあっ」お姉さんの普段の声とは全然違っていた。
お姉さんは断続的に喉の奥から搾り出すように色っぽい喘ぎ声を自然に出していた。
「武君・・・・・ああっ!あっ・・・・ちょ・・・・何この感じ・・・変だよ私の体・・・ああっ」お姉さんから笑顔が消えたのは、もうそんな精神的余裕がないという事だと僕は察した。
初めて見るお姉さんのどこか無表情な素の顔がとても好きだとその時感じた。
僕しか見たことないんじゃないかという気がした。
やがてお姉さんは自分の体を支えきれなくなり、僕の方に倒れてきた。
やっぱりお姉さんの顔が近くにあった方が嬉しい。
お姉さんは僕の胸に顔を当て、目を瞑っていた。
「はぁはぁ・・・・・・」お姉さんの息使いが激しい。
「お姉さん」僕はそう呼びかけると、口を開け舌をヌッと出した。
お姉さんの唇を吸いたい。
お姉さんは目を細めて、ボーっとした顔つきで顔を近づけ、当然のように僕の舌を吸った。
時折熱い息を漏らしながら、お姉さんは舌をチューっと吸った。
「ああ・・・・」僕の声が上ずる。
やばい。
お姉さんのキスが反則的なまでに気持ちいい。
散々キスばっかりしていたのはもしかしてこのためか。
お姉さんの中で僕のチンポがより一層大きくなった。
理性がもう保てない。
お姉さんがくれる全ての刺激が気持ちよすぎる。
僕はお姉さんの腰をギュッと掴むと激しく腰を動かした。
お姉さんは二ヤッっと、どこか悪戯っぽく笑うと再びチューッと僕の舌を吸った。
「あっ」お姉さんは満足げにニヤッと笑うと、目を閉じて、僕の肩の下から手を通し両肩にガッシリつかまった。
僕は快感の波に耐えつつ、お姉さんに襲われた最初の出来事を思い出していた。
お姉さんとピッタリくっ付いて心臓の音が僕を変にしていったあの出来事。
あの時の事を体が思い出して来た。
密着した肌を通したお互いの体の変化が手に取るように分かる。
僕もお姉さんも心臓の鼓動が激しい。
でもそれがとても心地いい。
お姉さんの舌をチューッと吸うと、お姉さんはかすかに声を漏らし。
お腹と太もものつけ根辺りをビクッとさせた。
そしてもっと求めるかのように僕を抱きしめる力を強めた。
「ぷはっ」
「お姉さん」
「なあに?」
「好きです」
「私も」僕たちは短くそう言うとお互いの体を離すことなく強く強く抱きついた。
少しの隙間もないようにピッタリとくっ付いた。
お姉さんの中でギュッギュッと締め付けられるチンポの快感と、お姉さんと僕がお互いの体を強く抱きしめる事によって伝わる温かい肌の感触が二人の理性を奪っていった。
時折体が勝手にビクッと痙攣を起こす。
それがお姉さんの体にダイレクトに伝わる。
お姉さんはその感覚がもっともっと味わいたいかのように、体をより一層密着させた。
お姉さんの腰を持ち、グイッとチンポを深く強く突き上げる。
「あぁ・・・・気持ちいい・・・・武君きもちいいよぅ・・・・もっと突いて・・・もっとちょうだい・・・・チンポちょうだい・・・・・」途切れ途切れにお姉さんが声をもらす。
お姉さんの言うとおり、お姉さんの中を何度も何度も激しく突き上げる。
「ああ・・・お姉さん、あそこが変だ・・・・・チンコの感覚が時々なくなるっていうか・・・意識がボーっとなるって言うか・・・」
「私も同じだよ・・・・・ほら見て。ちゃんとチンポあるよ。私の中に入ってる」
「ほんとだ・・・・」少し、腰を突き上げるスピードを遅くし現実感を取り戻すと、再び僕はお姉さんの中を激しく突き上げた。
「あっ!急に・・・・バカァ・・・ああ!!気持ちいい・・・頭が変に・・・変になってきたよぅ・・・」お姉さんの顔を無理やり引き戻すと、息遣いの荒いお姉さんの口に吸い付いた。
美味しいお姉さんの唇のプルンとした柔らかな感触が脳に刺激を送り、チンコを硬く硬くする。
僕は、苦しそうにキスの合間に荒い吐息をハァハァ漏らすお姉さんを無視してお姉さんが口を離しそうになったら両手でお姉さんの頭を固定して逃がさないようにした。
チューっと舌を吸う。
お姉さんの口から漏れる荒い息。
ただ単にお姉さんは空気を吸いたいだけだろう。
お互いのピストン運動が激しくなるにしたがって、お姉さんの体は時折ビクッと体を震わせ、心臓の鼓動も激しさを増していた。
だから、キスを長くしていると苦しくなる。
でも僕はお姉さんに息を吸わせてなんかあげない。
「ちゅー」
「ああ・・・・武君・・・んぷっ・・・そんなに激しくしたら私変になっちゃうよ・・・」隙をついて口を離したお姉さんの顔をガシッと捕まえ、再びお姉さんの唇をすった。
「んん?」と声を漏らすお姉さん。
だけど開放なんてしてあげない。
キスの味を僕に教え込んだのはお姉さんなんだから。
お姉さんの顔を片手で固定しつつ、一方の手をお姉さんの腰とお尻の間辺りに持って行き、腰を固定してお姉さんを突き上げる。
「んん?んん?」お姉さんが僕の口の中で何かを言っていた。
より強くお姉さんの顔をひきつけ、お姉さんの舌を吸い、お姉さんの口内のネットリとした唾液をチュルチュルと吸い取る。
お姉さんの口に水気がなくなると、今度はお姉さんの中に僕の唾液を送った。
お姉さんが薄っすらと目を開けた。
下から突き上げる刺激に眉を歪め、口に絶え間なく注がれるいやらしい刺激に頬を赤く染め、僕の目を至近距離で見つめていた。
お姉さんの口を吸いつつ、腰を突き上げつつ、お姉さんの瞳が僕の瞳を真っ直ぐ見つめていた。
僕とお姉さんの目線が交差する。
それでも僕は何か言いたげなお姉さんを無視して腰を動かし続けた。
お姉さんの体が次第にキュッと収縮を始めたような感じがした。
「んん?!!!!!」お姉さんが突如として自分から僕の口を吸って来た。
開けていた目を閉じてお姉さんは今までで一番激しく腰を動かした。
僕もそれに合わせるように腰を突き上げた。
口を久しぶりに離すと、二人の口の間に長く細い唾液がくっ付いていた。
お姉さんの瞳が僕を真っ直ぐ見つめる。
「あっあっあっあっあっ」お姉さんの声が断続的に響いてくる。
ずっとくっ付いていた体を起こし、お姉さんは上下に激しく腰を動かした。
お姉さんの固く勃起した乳首がツンッと上を向き、動きに合わせて激しく揺れていた。
「も・・・もう・・・・・・だめ・・・・」お姉さんはそう言うと目線を結合部に向け、何かを確かめるように腰を動かした。
「あぁぁあ!!イクッ!!イッイッ」お姉さんの声に合わせるように下から激しく突き上げた。
僕も再び射精感がこみ上げてきた。
お姉さんの中がしきりにチンポをギュッと締め付けその刺激が僕の体全体を包んでいく。
「お姉さん僕も・・・・そろそろ・・・・・」お姉さんは僕の声に反応すると、腰にギュッと力を入れ激しく動かした。
もう無理だ。
出る。
お姉さんが開けていた目を瞑り、ひたすら腰を上下に動かす。
「イクっ!!ああ!!ああああああぁぁぁぁあぁー!!!!!」お姉さんの絶叫と共に激しく膣内が収縮して行く。
僕はその刺激によってついに限界を超えた。
チンコの内部から精液がこみ上げてくる。
「ああ!!で・・・・出る・・・・・!!!」お姉さんの中で僕は勢いよく射精した。
ビクンビクンとお互いの性器が激しく脈動している。
精液がドクンドクンと止まることなく吐き出されてゆく。
「ああ・・・・」お姉さんは両手を僕のお腹について体を支えていた。
お姉さんの目が虚ろにボーっと宙をとらえていた。
お姉さんの手の上に僕は手を重ねる。
ビクッとお姉さんは我を取り戻したかのように体を震わせると、宙を見つめていた瞳を僕の方に向けた。
そして自分のお腹に手をやり、そこを撫でていた。
お姉さんが切なげな目を僕に向ける。
「あ、そっか。コンドームしてたんだっけ」お姉さんはそうポツリと呟くとゆっくりと腰を上げた。
お姉さんの中から出て来たチンポはどこか満足げで、硬さを失っていた。
コンドームの先に大量の精液が溜まっている。
僕は自分の一物をティッシュで覆い、コンドームごと包むとそっと外した。
ドロリとしている。
僕は何重にもティッシュで包んでゴミ箱へそれを捨てた。
「へへ」お姉さんの笑顔を久々に見た気がした。
笑ったお姉さんの顔がとても印象的で、作り笑いとかじゃなくて、心から笑っているようにみえた。
それを見て僕も笑った。
二人の間に暖かな空気が流れた気がした。
「お姉さん」
「なあに」
「よくよく考えるとですね、とんでもない事に気がついたんですが・・・・」お姉さんが目を丸くする。
「なに?とんでもない事って」
「お姉さんの名前をまだ聞いてないですよ」
「あっ!!」お姉さんはそう言うと大声で笑い出した。
「あはは、そ、そうだよね。そういえば武君お姉さんってずっと呼んでたし」
「そうですよ。名前教えてください」
「鈴原美鈴」
「普通ですね」
「何それ」一しきり笑うと僕とお姉さんは服を着てしばらくベットに腰掛け、寄り添っていた。
その間お姉さんの話を聞いた。
音大に通っている事。
プロのピアニストを目指している事。
実家は北海道だという事。
お姉さんの話を僕は黙って聞いていた。
やがてお姉さんの話が終った。
僕は一番聞きたかった質問をした。
「美鈴さん」
「なに?」
「レズは治りました?」お姉さんはその質問に一瞬目を大きく見開くと、優しい笑顔で短くこう言った。
「うん」お姉さんはそれ以上の事は何も言わなかった。
僕もそれ以上は聞かなかった。
二人の今日の全ての出来事が全てを語ってくれている気がしたから。
「男の子って凄いよね」
「女の人も凄いと思いますよ」僕らは顔を見合わせふふっと笑った。
お姉さんは僕の手を掴み立ち上がると何か考え事をしているようだった。
「武君。ちょっとついてきて欲しい所があるの」
「え?はぁ」家の外に出るともう夕方になっていた。
少しづつ日が落ちてきており家の前の歩道が赤く染まっていた。
「美鈴さん、どこへ行くんですか?」
「私の大学」
「大学ですか?」
「うん。今日は忘れられない日だなぁ・・・・生まれ変わっても覚えてるかもしれない」お姉さんと繋いだ手がキュッと締まる。
電車を乗り継いでお姉さんの大学に着くと、構内をゆっくり歩きながらお姉さんはある一つの部屋に僕を招きいれた。
広い部屋の中にポツンとピアノが一台置かれている。
「私ね、明日フランスに留学するの」
「へ?いなくなっちゃうんですか?」
「うん」お姉さんがピアノに近付いていく。
「前から悩んでたんだ。私にはもう音楽しかないなって。自分の異常な性癖は治らないと思ってたし、私を受け入れてくれる女の子なんているわけないし」お姉さんは僕に背中を向け、決して顔を見せようとはしなかった。
「それで海外留学できるようにずっとピアノを頑張ってきたの。努力のおかげで海外留学生に選ばれたけど、でも自分でも分かってたんだ。これは逃げだなって」
「美鈴さん・・・・」
「音楽の事をダシにして自分から逃げてるだけだって。こんなんじゃ音楽もうまく行くはずないって。とても簡単に分かる事なのに、私考えないようにしてた。どこか悲劇のヒロインみたいなフリしてさ、逃げてた」お姉さんはそこまで喋るとゆっくりこっちを振り向いた。
お姉さんの目に涙があふれていた。
「でもさ、それも今日でおしまい。武君のおかげで私生まれ変わったよ。ありがとう・・・・・・」
「美鈴さん・・・・辛かったですか?」
「うん。でもそれも今の私にとっては過去の事だから」そういって美鈴さんは笑った。
「真剣に音楽に打ち込める。もう一度一生懸命自分の人生を生きてみたいってそう感じた。武君のおかげでね」
「もう会えないんですか・・・・・?」
「きっとまた会えるよ絶対!」お姉さんはピアノの前に座るとこっちを向き笑った。
迷いがない真っ直ぐな目をしていると思った。
「武君、『いつも何度でも』って曲知ってる?」
「千と千尋の神隠しの主題歌のアレですか?」
「うん。あれが今は一番ピッタリ来る気がするんだ。簡単な曲だけど」美鈴さんは手を鍵盤にかけ、ゆっくりとピアノを弾き始めた。
部屋全体をピアノの反響音が包み込み、音で満たされていった。
どこか懐かしい感覚を呼び起こす優しいメロディーと、切なさを含んだピアノの音が合わさってゆく。
自分の未来を信じて、可能性を信じて前を見て歩いていきたい。
美鈴さんはピアノを通してそう言っている気がした。
大学の校門前で美鈴さんは僕に最後のキスをした。
ずっと優しく微笑んでいる美鈴さんの顔が切なくて悲しくて、僕はその場を逃げ出した。
涙が出る前に。
背中から美鈴さんの「さよなら」という声が聞こえた。
「という感じなんですけど・・・・」酒井と福沢の二人に無理やり連れてこられたマクドナルドの一角で僕は語り終えた喉を潤すようにコーラを一気にすすった。
二人が真っ赤な顔で無言でジッと僕の顔に見入っていた。
「な、生意気だぞ武の癖に!!」福沢の第一声はそれだった。
酒井のいつもの乱暴な口調はすっかり影を潜めひたすら顔を赤くしていた。
「もしかして二人は処女ですか?」二人は同時にガタッと椅子を倒しながら立ち上がり同時にこう言った。
「生意気だぞ!!」
「生意気と言われても・・・・・セックスした事あるか聞いたのは二人でしょうに・・・・」
「うるせえ!!」福沢の鉄拳がわき腹に入る。
「うごっ!!!!」
「そ、それでよう、そのあと美鈴さんに会えたのかよ」
「そ、それそれ。私もそれが気になる」
「いや・・・会えてません。アパートは教えてもらったんですが留学と同時に引き払ったみたいで。実家も北海道としか分かりません」
「せ、せつねえな」福沢が同情の声をあげた。
そのあと、なぜか「いい女はいっぱいいるって!!」と二人に背中をバシバシ叩かれながら慰められた僕だった。
帰り道、二人からようやく開放されると、僕は例のゲームソフトを買うためにゲームショップへ向かった。
途中よくコンサートを開いているホールの前を通る。
どこか最後に分かれた時の美鈴さんの事を思い出し、ホールの入り口に腰掛けしばらくボーっとしていた。
ふと聞いた事のあるメロディーがホールから聞こえてきた。
聞いた事のあるピアノの音だった。
僕は後ろを振り返り、ホールを覗いた。
一人の人影を確認した。
どこか懐かしい匂いが立ち込めていた。