俺は高校の頃から付き合っていた彼女がいた

2020/10/09

俺の方が1つ年下だ
社会人として働くようになり、結婚も考えていたある日
職場にいた同い年の同僚(女)が俺に積極的にモーションをかけてくるようになったんだ
同僚は彼女よりも俺好みの顔と身体だったが、悩んだのはほんのわずかで同僚を遠ざけるようにした
彼女が大好きだったから
それよりブ男で職場でも目立たず、若いだけの俺にモーションをかけるのは変だと思った
ちょうどその頃彼女の態度がよそよそしくなってきた
飽きられたのかなと、俺は積極的に彼女と接するようになった
デートも頻繁に行くようにしたり、旅行に行くようにしたり
子どもが何人ほしいとか具体的にいつ頃結婚したいとか将来設計についてもよく話すようになった
そうしたら半年ほどで以前のようなラブラブのカップルに戻ることができた
俺はその結果にとても満足していて、この幸せが長く続くと思っていた
この頃になると同僚のモーションも落ち着いてきていた
それで油断した
職場の飲み会で上司にしこたま飲まされて、意識がぶっ飛んだ
気がついたのはエレベーターの中
で、隣に同僚がいた
酔いは覚めなかったが本能的にヤバいと直感して、這いずりながら同僚から逃げようとした
同僚にまあまあと押し止められたりしながら漸く階段までたどり着いたが、揉み合っていたのが悪かった
同僚もろとも階段から転げ落ちて、受け身も取れずに頭部を強打した
同僚が慌てて救急車を呼んだらしく、そのまま病院へ搬送された
頭部を数針縫うだけで済んだのは幸いだった
後で知ったが運び出された場所がラブホテル、事後でもなんでもないんだが
これがあっという間に広まってしまい、言い訳のしようもなく彼女に振られた
それどころか彼女を気に入っていた実家の面々にすら浮気の誤解を持たれてしまい
何もかも嫌になって会社を数日無断欠勤した後郵送で辞職願を送りつけて借家を出た
彼女と行こうと思っていた場所、俺が死ぬまでに一度行きたかった場所
そういうところに行ってから死のうと思った
貯金が半分ぐらいになった頃にやることが思い付かなくなって、どうやって死ぬかを考えていたんだ
痛いのは嫌だが当時は練炭も硫化水素も知らなかったから死にかたを思い付かない
何となく死ぬのを先伸ばしにしながら、なにもしないのが苦痛になって日雇い労働をするようになった
日雇いで働くんだから家がなきゃ限界があると近くの安いアパートに住まうようになった
そうしてるうちにすっかり死ぬ気もなくなって、底辺の土方として再出発していた
貯金を使い果たしていたらこんなことはできなかった
地元を出てから1年ほど経った頃に同僚が訪ねてきた
仕事から帰ったところでドアの前に立っていたので慌てて逃げ出した
同僚が呼び止めようとするのも聞かずに全力で走って逃げて、その日は飲み屋で一晩を過ごし
明け方に帰って来てみるとアパートの前で同僚が眠りこけていた
起こさないように慎重に家の中に入ることができた
そうして昼間になり、腹が減ったから飯を買いにいこうと思ったが、外を見るとまだ同僚がいるんだよ
開き直って無視しながら飯を買いに行くことにしたが同僚はずっとついてくる
試しにどこまでついてくるかと18切符を買って、ホームでも無視しながら鈍行を乗り継ぐ
すると普通運賃を払いながら結局終電までついてきた
全く知らない土地まで着いてきたししかも家の居場所まで知られたから観念して話を聞いてやることにした
といっても道中に俺に対し一方的にあらかた事情を話していた
彼女の差し金でモーションをかけるよう頼まれたこと
彼女には他の男がいたこと
もうこんなことをはしなくていいと彼女に言われたこと
ラブホに連れ込んだのは相手にされなかったのが悔しかった同僚の独断だったこと
それを苦にして俺を振った彼女は、実は今でも俺を待っていること
信用できる筈がない
それは間男に彼女が振られたから俺に白羽の矢が立ったとちゃうんか
彼女じゃなくて何でお前がここを探り当てて来たんか
途中で買った酒を公園で飲みながら同僚に絡みまくった
彼女への未練たらたらだった思いがどす黒く変色していくのが自分でも感じ取れた
この時点では経験人数は彼女一人だったんだが、信用されたければ誠意を見せろと同僚を詰り
駅の公衆電話からタクシーを呼んでラブホに連れ込んだ
あの時こういうことするつもりだったんだから別に構わんよなぁと詰り
抵抗するそぶりも見せなかったのでゴムも付けずにハメ倒した
ラブホを出て家に帰ろうとするとなにも言わず同僚もずっと着いてきたので、部屋に押し込んでまたハメた
そのまま同僚となし崩し的に爛れた同棲することになった
避妊も全くしなかったが奇跡的にしばらく妊娠を免れた、が同棲して三年も経とうとした頃にとうとう妊娠した
その頃には憎しみも抜けて普通のカップルのようになっていたので嫁にした
今でも嫁も俺も地元とは無縁な生活をしている
嫁は物凄い額の貯金を持っていて、妊娠と休職を繰り返しながら俺を養い8人家族のボスとして君臨している
俺は日雇いでこそなくなったが相変わらず土方のままだ
と、罠にハメられた話を書いてみた
これは俺じゃなくて、よく似た馴れ初め持ってたことがきっかけで仲良くなった飲み仲間のもの
さっきまで一緒に飲んでたから詳しく聞き出して書いてみた
多分盛ってる部分があると思ってるけど本人の話からは脚色してない

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