思い出の中で・・・

2020/05/07

専門学校時代に付き合っていた彼女とクラス会で再開した。
10年ぶりだった。
今はお互い30代、彼女は結婚していた。
なぜかクラス会では、あまり話すことができず、周りとの会話で彼女の現状を知って、少しショックだった。
2次会には行かず、帰ろうとしたとき、彼女が追いかけてきてくれた。
「幸せそうだね。」二人で駅に向かう途中、僕は言葉をかけた。
「そっちは?」僕の近況を心配して聞いてくれた。
「最近、転職した。安月給なのに仕事に追われているよ」と、ありのままを話した。
別れ際、彼女の手をとった。
「もう帰れらないとまずいかな・・」彼女はいった。
「ならもう少しだけ一緒にいよう」と、もうずっと会えないかもしれないという同情が沸いたのか、僕たちは、駅のベンチに座り、30分程、手をつなぎ同じ時間をすごした。
帰り際、メールアドレスのみ交換し、10年ぶりの再会を終えた。
10年ぶりとかゆう理由で、妻が同窓会に行った。
久々の連休なのに、留守番になった。
19時開始で、23時までには・・と言って昼過ぎに家をでたまま、まだ帰らない。
23時45分を過ぎたところで、我慢できずに電話した。
「おなかすいたから帰りなんか買ってきて」そう言うと、「遅くなってごめんね、わかった、もう駅ついたから・・」の明るい声が返ってきて、怒りが一気に治まった。
折り詰めの弁当を食べている途中、妻は疲れたぁ~とバスルームに向かった。
シャワーの音を確認し、すぐ妻の携帯を手にとった。
・・・怪しいのはなく、ホットした矢先、メールを受信した。
見たのがばれるのも嫌なので、そっと携帯を返し、妻の反応をみることにした。
TVを見ているふりをして、動向をうかがっていると、今度は着信が入った。
「あ、りょうこ~!うん、ついたよ~・・」どうやら友達からだったらしい。
ホットしたが、私の胸はモヤモヤしてならなかった。
妻が美容院にいき、お洒落をして出て行ったのだから。
しかも、専門の時に付き合っていた人が一番長かったと言っていたのを何年か前に聞いていたからだ。
今まで同窓会なんていったことなかったのに・・・。
そんなことを思っていると、電話が終わった。
が、そのまま携帯画面をみている。
受信にきづいたようだ。
横目で動向を伺った。
・・・・・。
妻は、そそくさと携帯をもったまま、トイレに行った。
!!ふざけんなよ!誰からだよ!胸が熱くなり鼓動が激しくなった。
次の日、夕方外食する予定だったのに妻から「急用ができちゃった」と軽く言われ、夕方までに帰るからと、まだ布団にいる俺の枕元で言い残し、朝8時頃に家を出て行った。
俺は飛び起きた。
そのまま上着を着て帽子をかぶり、後をつけた。
「東京に帰ったら、もう会えないね・・・」そうメールをした。
「ひろ、全然変わってなかったね、さびしいね」といった内容のメールのやり取りができた。
人妻になってしまったとはいえ、どうしてももう一回会いたくなり、「見送ってほしい」とメールをした。
夫とは、半年の付き合いで結婚しました。
年齢的なものもあり、この人と結婚するんだろうな・・・と思いながら付き合っていましたので、「一緒に住もう」といわれたときは、すんなり了承しました。
お互い共働きで、休みも合わず、子供にも恵まれていなかったので、結婚しているというより、同棲しているといった感じが続いていて、結婚5年目を迎える今年になってすぐに届いた同窓会のお知らせが、なぜか私を前向きにしていました。
当時の親友で今回の幹事の一人になっている涼子からひろが来ることも聞いていたからかもしれません。
続く・・・

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