初めての彼女は・・・熟女だった
2019/04/29
人生で初めての彼女が出来た。
今でもたまに会う小学校からの友人達には、お前は絶対彼女が出来ない。
二十の誕生日の日に俺らが金を出し合うからソープランドに行って童貞捨てろと言われてていた自分が、二十を迎える一週間前に人生初の彼女が出来た。
友人達の言うように、自分も彼女が作れるとは夢にも思わなかった。
ブサイクで、その上髭が濃く、朝剃っても昼前には顎当たりが青くなってくる。
そして女性の前に行くと全く会話が弾まないし、何を話せば良いのか思いつくない。
大学に入学しても、まわりは浮かれた雰囲気なのに、私だけ一人ポツンの一人ぼっち。
当然ながらサークルにも勧誘されず、淡々と決してテレビドラマでは描かれない暗くひとりぼっちの大学生活を送っていた。
たまの気晴らしは、ソープランドを奢ってやると言ってくれる友人達と会う事ぐらい。
その友達も以前は「お前小学校の時はあんなに明るかったのに、何でそんな根暗キャラになったんだよ」と訝しげに訪ねてきて、憂鬱になった時もある。
しかし、今では完全に根暗キャラとネタキャラかしてて彼らと会い、お酒を飲みに行くのは楽しい一時である。
そんな私が、大学にもいまいち馴染めず、家では妹に煙たがられ(まるで思春期の父親に対する態度を私に向けてくるのである。そして、妹は父親とは仲が良い。)、家にずっといると妹がうるさいので、バイトをして時間を潰そうと考えたのである。
しかしバイトも面接を受けるが全て落とされてしまう。
面接の時にも目を見て話せず、下を向いてボソボソと話してしまうからだろうとわかっているが、治せない。
一回本気で目を見て人と話せるようになろうとして、頑張った時があるのだが、それに集中するあまり、全く会話が頭に入ってこなく、まともに返答も出来ずに、痴呆のように相手に思われてしまって完全に封印してしまった。
バイト面接に明け暮れるも尽く落とされ肩を落としての帰り道、商店街を歩いていると、壁に貼られているチラシが目につく。
「ウエイター募集」私はチラシの頭上を眺めると、「スナック林檎」を看板が出ている。
私は最初の時間潰す為に、何か軽いアルバイトでもしようかなという心境からアルバイトすらまともに合格しないのかとい社会不適合者になのかという不安な心境に変わっていて、藁をもすがる気持ちで、扉をノックした。
「すいません、あのぉ、表のウエイター募集見たんですけど・・」私は伏し目がちに声を出す。
「あらーあんたウエイターしたいの?若さそうだけど何歳?」割腹の良い母親よりも年上の女性がカウンターから顔を出してきた。
「19歳です・・」
「あー未成年だめよー」
「あ、でも二週間後には二十になります。」私はポケットから財布を取り出し、学生証を見せる。
「あらー大学生かい、こんなところでウエイターしようって変わってるねー。」女性は学生証を手にとり、珍しそうに見ている。
「本当に再来週で二十なんだねー。じゃあ二十までは見習いって事で給料はちょっと少なくなるけどいいかい?」面接もなく、いきなり採用されてしまったので、私は驚きました。
「あのー面接的な事は良いでんすか?あのーちょっと人見知りで自信ないんですけどぉ」
「ガアハハハ、可愛い坊やだね。大丈夫だよ。ウエイターの仕事は、酒を運んだり、片付けたり、ちょっと力仕事もしてもらうかもしれないけど、基本雑用だから。目立ちすぎる子よりも、あんたぐらいのが良いんだよ。」
「そ・・そうですか」
「そうそう。あとは、私がこのスナックのママで愛子って名前なんだけど、愛子ママって呼んでね。」
「はい、わかりました。」
「じゃあさっそく今日から働くかい?」
「は・・はい」まさか今日から働けるとは思っていなかったが、どうせ早く帰宅しても妹に煙たがられるので、働く事にした。
じゃぁこれに着替えてと渡された古びれたタキシード。
私はトイレにそれを持って、着替えようとすると愛子ママに呼び止められる。
「あんた年頃の娘じゃないんだから、トイレで着替えるとかしないで、ここでちゃっちゃと着替えちゃいなさいよ」
「は・・はぃ」私はTシャツとジーパンを脱いで、パンツ一丁になって、タキシードを着ようとすると、後ろでチャリンと鳴りながら扉が開いた。
「おはようー愛子ママー、あれーパンツ一丁でこの坊や何しての?」
「今日からウエイターに入ったんだよ。こっち美由紀ね。ほらあんたも挨拶しなさい」私はパンツ一丁でタキシードを持ったまま、美由紀という女性に頭を下げて挨拶する。
美由紀は40代前後だろうが、自分の母よりも弱冠若い気がする。
そんな事を考えながら古ぼけたタキシードに着替えをすます。
「開店まであと一時間ぐらいあるから、まぁちょっとゆっくりしてなよ」私は少し緊張もほぐれ、立ったまま店内を見渡す。
見事に場末のスナックといった感じで、店内はカウンターとテーブル席が三席あり、こじんまりとした空間。
ここで本当にちゃんと働けるのだろうかと不安に思いながらも、気を引き締める。
ここが駄目なら、もうどこ行っても駄目だ。
背筋をピンと伸ばし、やる気に燃えている私を愛子ママと美由紀が不思議そうに見つめている。
「あんたつったってないで、掃除して頂戴」愛子ママに言われ、すぐさまスナック内の掃除を始める。
箒で床を掃き始めると、部屋の隅に埃が溜まっているのが目につき、できる限り丁寧に掃除をする。
「あらーー坊や、いやに熱心に掃除してるのねー」開店まで手持ち無沙汰な美由紀さんが近寄ってきて、私のお尻を触ってくる。
私は驚き、美由紀さんを見つめると、スナックのママが笑い出す。
「美由紀、ウブな坊やにイタズラするんじゃないよ。鳩が豆鉄砲くらったような顔してるじゃないか」
「お尻をちょっと撫でただけよー。あんたどんだけ女性に免疫ないのよ」お尻触られている私が、何故かさらに馬鹿されてしまうのか。
そりゃ誰だってお尻触られたらびっくりしますよと思いながらも、初めて女性にお尻を触られた興奮でちょっと勃起してしまう。
母と大差ない年のスナック勤めのおばさんで勃起してしまう。
複雑な思いを感じながら、また掃除の続きをしようとしていると、扉がチャリーンと鳴り響き、中年の男性が入ってくる。
「あらーうーさん今日は早いのねー」
「おう、ちょっと早く現場が上がったからな」うーさんと呼ばれる中年の男はカウンター席に座ると、愛子ママがすかさずビールをグラスに注ぐ。
「ありがとよ」うーさんはグラスに入ったビールを一気にの飲み干すと、チラっとこちらを見つめてくる。
「誰だい?この若いの」
「今日から入った新人なんですよ。」
「そうかい、ちょっとお前こっちへ来い」イカツイ顔をして、作業服を着ているうーさんにビビリながらも恐る恐る近づくと、金玉を握られ、ウッと身を屈めてしまう。
「もううーさんまたやってるのー。若い男の子みたらすぐ金玉握るんだからー」美由紀は悶絶している私に寄りかかりながら、大丈夫?と耳元で囁いてくる。
私はハイと頷くと、美由紀のつけているキツイ香水の匂いが漂ってくる。
しかし嫌な匂いという訳ではなく、昔通っていた習字塾の先生と同じ匂いがする。
私が初めて女性を意識した高梨先生。
腕を持って習字を教えてくれる時に、ぷ〜んと香水の匂いがして、当時は子供ながらに落ち着きがなくなってしまった。
美由紀さんは高梨先生と同じ匂いがする。
私は呆然と美由紀さんを見つめるとうーさんが笑いながら肩を叩いてくる。
「いやー若いのー悪かったなーでも金玉握って挨拶って事だからな。よしママ、こいつにビール出してやって、俺がおごるよ」仕事中にビールなんて良いんですかと心配そうに尋ねると、ママに呆れられてしまう。
「あんたねー水商売は、お客にお酒勧められたら飲むのも仕事なんだよ。」
「はぁ、じゃぁご馳走になります・・」私は頭を下げ、手渡されたグラスにビールが注がれるとちびちびと飲む。
「アハッハハ、お客じゃないんだからそんなちびちび飲んでどうすんのよ。いっきに飲まないと駄目よ」美由紀が私の腰に手を回しながら、またアドバイスをくれる。
「おい、美由紀ーおめええも若い男のが良いのかよ。いぶし銀の俺のが良いだろ」
「もううーさんったら、私に焼いてくれるのぉ。いつも私に冷たいのにぃ、うふふふ」美由紀さんは私から離れうーさんの隣に座る。
「若い者には負けたくないだけだよ。おい、小僧、飲み比べだ」
「いいよ、飲み比べやっちゃいな。仕事はちょっとづつ覚えていきゃいいから、まずはお店に慣れる為にもうーさんと飲み比べしなさい」滅茶苦茶な事言われるが、反論出来るわけもなく、ビールを飲み干す度に、グラスにビールが注がれる。
次第に体が熱くなり、シャツの第一ボタンを開け、体を見ると真っ赤になっている。
視界もぼやけてきて、こりゃやヴぁいぞと、逃げるように立ち上がり、テーブル席のソファに倒れ込んでしまう。
声を遠のいて、気を失い、気づいた時には店は既に真っ暗になっていた。
起き上がろうとすると、頭がガンガンし、酒が大分残っていて、頭がクラクラする。
「大丈夫?」カウンターの奥から声が聞こえてきて、目を凝らしていると、美由紀さんが水が入ったグラスを持って近づいてくる。
「飲んで?」出されたグラスを持とうとするも、フラフラでグラスを倒しそうになってしまう。
「飲ませてあげる」どうやって?っとふらふらになりながら思っていると美由紀さんの顔が近づいてきて、唇が重なり合う。
美由紀さんの口から水はこぼれ、私の口に入ってくる。
「おいしい?」私はこの官能的な行為に勃起してしまい、下を見て勃起を確認していると、今度は美由紀さんの手がズボンの上に伸びてくる。
「もっとお水飲みたい?」ズボンの上からペニスを握りながら、また口に水を含みながら、唇をあわせてくる。
美由紀さんに口移しされて口から少しお水がこぼれる。
顎に水滴がつくと美由紀さんは舌を出し、顎についた水滴を舐めて、そのまま首筋まで舐め手くれる。
「美由紀さんぅぅぅこんな事して良いんですかぁぁ」お酒が全然抜けてなくて、フラフラになりながらも、会ったばかりの女性、それも母と年齢がそう大差さない熟女と初体験をしてしまうのに抵抗を感じていた。
「うふふ、もうウブなんだから。可愛い坊やねー」美由紀さんは私のペニスをズボンの上から握りながら、首周りを舐める。
「でも・・付き合ってもない女性とこんな事するなんて・・」
「じゃぁ私と付き合う?付き合っちゃいましょうよー。私も丁度今フリーだしー。」
「でも・・・年の差が・・」
「好きになったら、年齢関係ないでしょ。じゃあ私に惚れさせてあげるわ」美由紀さんは私の洋服を脱がし、裸にすると、乳首を舐め始める。
こんなにも乳首を舐められるのが気持ちいいなんて。
乳首を舐められ悶絶すると美由紀さんは、嬉しそうに、さらに私の乳首をチューチュー吸い、舌で私の乳首を弄ぶ。
快感で何も考えられなくなる。
美由紀さんは乳首についた涎を手で拭き取り、ベッチョリとついた唾液を勃起したペニスに擦りつけて、手コキをする。
「気持ちいででしょぉおぉ。どんどん私の事好きになってー好きになってくれたら、もっと色々やってあげるよー」
「は・・はいぃい」
「私の事好き?」私は黙ると、美由紀さんも動きをピタリとやめる。
私はもっと欲しい、もっとやってほしぃい、快感を、私に快感をいう気持ちで強くなる。
そして「美由紀さん好きです」と呟いてしまう。
美由紀さん自分の唇をペロリと舐め、そして私のペニスを咥えてくれる。
これが夢にみたフェラチオなのかと自分のペニスを咥えている美由紀さんの顔をみようと横たわる頭をあげて見ると目が合ってしまう。
そして美味しそうに自分のペニスを舐めてくれる美由紀さんを愛おしくも感じた。
一体誰が僕のペニスを舐めてくれるのか?美由紀さんしかこの世にいないんじゃいか。
私はそう思うといても立ってもいらない気持ちになりフェラチオしてくれている美由紀を抱きかかえ、抱きしめながらキスをする。
「僕も美由紀さんが好きですううう」この女性を離したら、僕のチンポを舐めてくれる人はいない!酔った頭で出された結論に、自己陶酔してしまう。
「あらーどうしたのよー。でもうれしいわぁ。じゃあもっと一緒に気持ち良くなろうぅ」美由紀さんは僕をソファに押し倒し、ペニスをニュルニュルとしたオメコに自ら入れる。
美由紀さんのオマンコの中は暖かく、そしてにゅるにゅると僕のペニスを優しく締め付けてくれる。
「美由紀さああん」私は我慢出来ずに美由紀さんの名前を呼んでしまう。
「うふっふう、可愛いのね。いいわよ、好きな時にいっちゃって」
「でも・・・中出しは・・駄目ですよ」
「大丈夫よぉ、閉経してるからぁああああ」それだけ言うと美由紀はガンガン腰を振って、私はもう何も考えられない。
閉経・・という単語は頭に浮かぶが、腰の上でいやらしく動く美由紀さんと快感に痺れてくる。
そして、我慢する事もできずに、美由紀さんの中に射精してしまう。
美由紀さんは中出しされた事が嬉しそうに、笑顔で私の顔中をキスしてくれる。
「美由紀さん・・好きです・・」初体験の快感で呆然としながら、私は美由紀さんに愛の告白をうわ言のように何ども言ってしまう。
「わかってるわよ。私が一人前の男にしてあげるわ」美由紀さんが抱きしめてくれる。
私はそのまま眠りにつこうとすると、頬を優しく叩かれる。
「もうここで寝たら駄目よ。今日はもう家に帰りなさい」
「美由紀さんはどうするんですか?」
「私?私も家に帰るわよ」
「僕もいっちゃ駄目ですか?」
「う〜ん、娘がいるから、今日のところは自分の家に帰りましょう」
「結婚してるんですかあ?」
「バツ一なのよ。」
「そうですか」バツ一と聞いてホッとした自分に驚きながら、洋服を着る。
「それでも、僕は美由紀さんの事好きですから!」どうやら私は本当に惚れてしまったらしい。
美由紀さんは私の頬にキスをしてくれる。
「帰りましょ」
「はい」美由紀さんと別れ、家まで歩いて帰る外はもう明るくなっていて朝焼けが心地良い。
私にもようやく彼女が出来た。
そして童貞も捨てた。
しかし子持ち・・でもいい。
彼女以外に私を愛してくれる人はいない!そんな事を思いながら家に到着すると、ようやくお酒も抜けてきて、お茶でも飲んでからお風呂に入ろうと思い、リビングに入ると妹がソファに座ってテレビを見ていた。
妹は私を険しい目で見つめている。
そして鼻をクンクンとさせている。
「ちょっと、何よそのババア臭い香水の匂い。外で何をやってきたらそんな匂いがつくのよ」何故妹にここまで言われなければならないのか。
いつもならすいませんと謝るところだが、美由紀さんの事を馬鹿にされるのは我慢ならない。
「うるさい、おれの彼女の悪口言うなああ」妹は訝しげに見つめてくる。
「彼女って何よ・・一体何やってる人なのよ」
「いや・・スナックで今日からバイトはじめて・・そこで働いているホステスさん・・」
「馬鹿じゃないの。何なのよこの気持ち悪い兄貴は・・・」妹は嫌悪感をあらわにする。
妹はまるでゴキブリを見るような目で見つめてくる。
「何歳なのよそのホステスって」こんな早朝に何で妹に怒られなければならないのか。
「知らないよ・・・」
「知らないって、あんた騙されているだけじゃないの」
「でも閉経してるって言ってたから結構年かかも・・・」
「閉経・・?」妹は奇妙な生き物を見る目つきになる。
「うん、後子供もいるって言ってた・・」
「馬鹿なの?」妹は顔を真っ赤にしている。
「なんでだよ・・」
「閉経したババアの子持ちのホステスと付き合ってるってでしょ。」
「そうだよ・・悪いかよ」妹は今にも泣き出しそうな顔して、リビングから飛び出し、大声で両親を呼びに行く。
「お父さああああん、お母さああああん、糞兄貴が大変になったことになったよおおおおおおお」両親も慌てて起きてきて、妹と一緒に寝ぼけ眼でリビングに降りてくる。
目鼻立ちがすっきりする父と、いつも眠たそうな眼で、ポデっとした顔つきながら、優しい雰囲気の母。
そして両親の良いところを受け継いだ妹と悪いところだけ受け継いでブサイクに生まれた自分。
皆が朝焼けが綺麗な早朝に、リビングに勢ぞろい。
そんなに私は悪い事をしているのか・・・酔いが抜けきらない頭で思考を巡らすも答えはでてこない。
「一体どうしたんだ」父は妹と私を見つめ尋ねる。
「彼女できたんだ。」
「ほんとぉ。やったじゃない」無邪気に母は喜んでくれる。
「問題は相手なのよおおおお。この糞兄貴の恋人だって言う人は閉経したおばさんのホステスで子持ちっだってこの馬鹿が言ってるのよ」妹は涙を流して訴える。
私はこの時、妹に初めて愛を感じた。
妹はこんなに私を心配してくれるのか。
私は嬉しくて微笑むと、妹に一喝される。
「何ニヤニヤしてんのよ。頭完璧におかしくなっちゃったよおおおお」父は驚きながらも平生を保っている。
「本当なのか?」
「うん」
「どこで知り合ったんだ。」
「今日スナックでバイトすることになって・・・それで・・その女性と付き合う事になったんだ」
「でも・・お母さんよりも年上の女性なんでしょ」母は狼狽えて聞いてくる。
「そんな事わかんないよ。」
「だって・・私でもまだ・・閉経・・・して・・」
「おいおい、お母さんそんな事言わないでいいんだよ」
「そ・・そうね・・」母は頬を赤らめる。
「どうするのよおおおお」
「まぁ・・そうだなぁ・・おい、その人の事本当に好きなんだな?」父は真剣な目つきで聞いてくる。
「うん、好きだ」
「なら仕方じゃないか。周りが言っても好きになったもんはしょうがないよ」
「だって・・糞兄貴がこれ異常気持ち悪くなったら嫌だよおおお」滅茶苦茶な言い分だなと苦笑してしまう。
「もういいだろ、俺は寝るぞ」皆を置いて、自分の部屋に戻る。
リビングからは妹が必死に何かを叫んでいるのが聞こえるが、ベッドに横たわると睡魔に襲われ、お風呂にも入らず眠りについてしまう。
何時間眠ってしまったのだろうか。
起きると既に外は薄暗くなっている。
一瞬また早朝なのかと思ったが、時計を見ると17時を回っている。
さっそく起きて、お風呂に入ってからスナックにバイトに行こうと下に降りていくと、妹が仁王立ちで立っている。
「スナックのバイト辞めさせてもらったから」
「へ?」
「あんたの携帯見て、電話しといてあげたから。」
「な・・なんでだよおおお。み・・美由紀さんはああああああ」
「それも全部断っといたから。」
「何勝手な事してんだよおおおおおおおおお」
「うるさい、これで全部良かったのよ。あんたももうちょっとしっかりしなさいよ」妹はそれだけ言うと、すれ違うように階段にあがり、自分の部屋に行ってしまう。
私は急いで、自分の部屋に戻り、携帯を見ると、お昼頃にスナックに電話した発信履歴がある。
何てことを・・してくれたんだ・・・本当なら今電話して、釈明する事が出来たはずなのに、私はそのまま携帯を床に置いてしまった。
そして一回置いてしまったら、もう電話かける気がどこかに消えてしまった。
美由紀さんともう一生会えないかもしれない・・・悲しいけどどこかでホッとしている自分もいた。
これは当たり前の事かもしれない。
閉経した子持ちのホステスとまともに付き合えるとは思ってない事はどこか頭でわかっていた。
でも昨日美由紀さんを愛して、僕の童貞を捧げた事は決して間違っていない。
私の短いバイト生活、そして短い彼女。
グッバイ私の童貞。