ウブな人妻が知った肉の喜び2
2018/09/01
麻由香は、夫に抱いてもらえない欲求不満を”大人のおもちゃ”という、はしたないまがい物の淫棒で解消した。それは、夫しか知らない麻由香にとって、セックスへの固定概念を覆されてしまうほどの衝撃的なものだった。
それがもたらすあまりの快感に、麻由香は夫への罪悪感を覚えるほどだった。そして、純真で貞操観念の強い麻由香は、そのまがい物の淫棒を包丁で輪切りにして処分した。
麻由香は、晴れ晴れとした表情で夕食の準備を始めていた。まがい物の淫棒とはいえ、それにより欲求不満をある程度解消された麻由香は、今まで何をクヨクヨ悩んでいたのだろう? と思うほどに気持ちがリフレッシュされていた。
(今日は、私の方から抱いてもらおう。私が襲っちゃえば良いんだわ)
麻由香は、そんな風にある意味で開き直るように考えることが出来るようになっていた。
(あんなはしたないおもちゃでも、役に立ったわね)
麻由香は、キッチンの隅に置かれたビニールを見て笑った。あの中には、無惨に輪切りにされたまがい物の淫棒が収っている。もし、誰かが袋を開けたら、一瞬猟奇事件か? と、勘違いするかもしれない。
麻由香は鼻歌を歌いながら、楽しそうに夕食の下ごしらえを終えると、着替えを始めた。
(もっと、浩介さんに興奮してもらわないと)
麻由香はニコニコと楽しそうに笑いながら服を脱いでいった。
誰もいない寝室で、思い切り良く全裸になる麻由香。うなじが隠れる程度の艶やかな黒髪に、真っ白な肌。ソフトボールのように大きな胸は磁器のように真っ白で、35歳という年齢も、Eカップを超えるサイズもものともせずに、つんと上を向き重力にあらがっている。
出産と子育てを経験し、少し色づいてしまった乳輪と乳首は、それでもまだ濃いめの桜色をしている。
くびれの見えるウェストは、若い頃と比べて肉付きがよくなってしまい、麻由香はあまり好きではない。でも、男が見たら誰もが抱きたくなる、抱き心地のよさそうな柔らかな曲線を描いている。
そして、モデルと見まごうばかりの伸びやかに優美な曲線を描く脚。麻由香の身体は、そのすべてが男に愛でられるために造られたようだ。
麻由香と一夜を共に出来た男は、誰もが自らの幸運を神に感謝するはずだ。それなのに、夫はもう半年近くも麻由香を抱いていない。自ら会社を経営しているので、忙しい……。それは、言い訳にもならないはずだ。
麻由香は、自分が飽きられてしまったのではないかと心配する日々だった。昨日までは、その美しい顔に憂いの影をまとわりつかせ、気持ちが沈み込む日々だった。しかし麻由香は、まがい物相手とはいえ性欲を解消することが出来たことで、気持ちを切り替える事が出来た。今日こそは、自分から抱いてもらおう。自分から襲いかかってでも……。そんな気持になっていた。
麻由香は、クローゼットの奥に隠してあった薄いボルドーのショーツを身につけた。それは後ろはTバックで、フロントもかろうじてへアが隠れるほどの面積しかないセクシーなものだ。麻由香はそれを穿き、夫を誘惑しようと思い購入した。しかし、購入してもう4ヶ月以上経つのに、一度も穿いたことがなかった。夫にはしたない女と思われるのが怖くて、どうしても勇気が持てなかった。
いま初めてそれを身につけ、麻由香はドキドキしていた。生まれて初めて穿くTバックは、とても心許なく、なにも穿いてないように思えてしまう。そして、上まで引き上げても、微妙にへアがはみ出てしまうフロント。
(はしたないって、嫌われちゃうかしら……)
鏡に映る自分の姿を見て、一瞬ためらいを見せる麻由香。でも、首を左右に振り、ためらいを振りほどく。そして、はみ出ている部分のへアを、安全カミソリで処理をした。
夫に抱いてもらいたい……。たったそれだけのことに、ここまで一生懸命になり、心砕く麻由香。世の夫達が聞いたら、浩介に嫉妬するはずだ。
結婚して長い年月が経つと、夫が妻を抱こうとして妻に拒否されるケースの方が、逆よりも圧倒的に多い。そんな不満を抱える世の夫達は、もし麻由香が自分の妻ならば、喜んで毎日でも抱くことだろう。
そして麻由香は、白の清楚な感じのするブラウスを着始めた。ブラジャーを付けることなく素肌の上に直接ブラウスを着て、上の方はボタンを留めず、胸の谷間がはっきりと見えるようにしている。
ブラウスを盛り上げる二つの柔らかな曲線。その頂点には、はっきりと蕾の形が浮き出ている。麻由香は、これまでもブラジャーを身につけずに服を着て、夫を刺激しようとしたことが何度もあったが、ニットや厚手の服だったので、夫に気がついてもらえなかったフシがある。
ノーブラでこんなに薄い生地の服を着るのは、羞恥心が強く貞操観念の高い麻由香にとって、勇気のいる冒険だった。
(こんなに……。丸見えだわ……)
ほんのりと頬を桜色に染めながら、麻由香は鏡を見ていた。
(こんなの、はしたない……。まるっきり、淫乱みたい……)
身体をひねり、角度を変えながら鏡を見るが、どの角度から見ても胸の谷間はえげつないほど見えているし、ブラウスに浮いた蕾は、細部の形もわかるほどだった。
普段の麻由香ならば、鏡の中の自分の姿を見て思いとどまるはずだ。だが、不本意な形であっても、先ほど欲求不満の解消が出来た麻由香は、多少大胆になっていた。はしたないと思われるのもいとわず、夫にあからさまなまでに迫ろうと決めていた。
そして最後に、麻由香は膝上10cm程度のスカートをはいた。夫を誘惑するつもりにしては、中途半端な丈のスカートで、ミニスカートと言うよりはショートスカートという程度の丈だ。だが、このスカートには秘密があった。秘密というか、単に麻由香が買って失敗しただけの話なのだが、この純白のスカートはとにかく透けてしまう。
ふわっとした軽そうな生地のそのスカートは、部屋の照明程度でも、下着の色と形がはっきりとわかってしまうほどだ。
麻由香は、それをネットの通信販売で購入した。まさかこんなに透けるとは、麻由香は夢にも思っていなかった。商品が届き、それを穿いてみて麻由香は本当に驚いた。あまりの透け具合に、中の生地がないのかと思ってしまうほどだった。
普通ならば、そんな状況であれば返品をするはずだ。しかし、性格的にそれが出来ない麻由香は、タンスの肥やしにしてしまいこんだ。まさかそれが役に立つ時が来るとは、麻由香は夢にも思っていなかった。
鏡を見て、麻由香は顔を真っ赤にしていた。
(やりすぎかしら?)
麻由香のその姿は、痴女もののアダルトビデオ女優のようだった。もちろん、麻由香はアダルトビデオを見たことはないので、その自覚もない。
すると、玄関でガチャガチャとカギを開ける音がした。麻由香は、夫が帰ってきたことが本当に嬉しく、花が咲いたような笑顔になると、小躍りしながら玄関に急いだ。
ドアが開いていき、まだ夫の姿も見えていないのに、
『あなたっ、お帰りなさいっ!』
と、本当に嬉しそうな声で言った。麻由香に犬のような尻尾があれば、ブンブンと残像が残るほど激しく振っていることだろう。
そしてドアが開き、
「ただいま。お客さんいるけど、大丈夫かな?」
と、夫が申し訳なさそうに言う。その言葉と同時に夫の姿が見え、そのすぐ後ろに見覚えのある顔が見えた。それは、夫の友人の白井幸雄だった。
幸雄は夫の浩介と高校時代からの親友で、これまでも何度か家に遊びに来たこともある。浩介は背も高くガッシリした体格で、とにかく体を動かすことが好きなタイプだ。そのおかげで、40歳を越えた身でありながら無駄な肉も付いておらず、とても若々しい見た目を保っている。
そして、眼鏡が似合う温和な顔には、いつも笑顔が浮かんでいるような優しい男というイメージだ。
麻由香は、幸雄に対して好感を持っていた。話題も豊富で、何よりも聞き上手な彼との会話は、普段、夫や息子以外の人間とあまり会話をすることのない彼女にとって、本当に楽しいものだった。
いつもは家に誰かを連れてくる時は、夫は必ず連絡をくれる。こんな風に、いきなり連れてきたことは初めてだ。麻由香は幸雄の来訪を喜ぶと共に、少し戸惑っていた。
「ゴメンね、いきなり。ホント、すぐそこでバッタリ会ったもんだから……」
幸雄は、申し訳なさそうだ。そしてその後ろでは、幸雄がゴメンねという顔とジェスチャーをしている。
『大丈夫ですよ! お食事も、余分ありますから! どうぞどうぞ、上がって下さい!』
麻由香はスリッパを下駄箱から取り出し、床に並べる。
「ゴメンね」
夫はもう一度謝ると、家に上がる。
「お邪魔します。麻由ちゃん久しぶり!」
幸雄は、笑顔でスリッパを履いた。
麻由香は二人を先導するように歩き、自分はキッチンに入る。
『テーブルの、先に食べてて下さいね!』
麻由香は、キッチンから声をかける。そして、冷蔵庫からビールを取り出すと、二人が座った食卓に向かう。そして、二人にビールをつぎ始める。
『今日もお疲れ様でした!』
麻由香は、本当に良い笑顔で夫に言う。麻由香は、夫のことが今でも大好きだ。夫のために何かをすることが無上の喜びだったし、夫が望むことならば、どんなことでもしてあげたいと思っている。
そして、幸雄にもビールを注ぐ。
『今日は、どうしたんですか? どこか行ってたんですか?』
幸雄の家は、このあたりではない。麻由香は、なぜこんなところにいたのだろうと、疑問を口にした。
「すぐそこにボルダリングジムが出来たでしょ? そこ覗きに行ってたんだ」