図書館で会った子

2018/07/29

別にえっちぃ出来事は出てこないかもしれませんが書かせてください。
僕は大学生で最近女子校生の子と知り合いました。
その日僕は課題のレポートのため、参考書を求め図書館に行きました。
細かい字ばかりでげっぷの出そうなぶ厚い参考書をいくつか手に取り、
一人用の机でレポートをやろうとしたんですが生憎全て使われてまして
一般のテーブルで取り組みました。
それで黙々とレポートを書いていると隣に女子校生が座って来たんですよ。
チラッと見ると長髪の少し茶髪がかった今風な綺麗な子でした。
こんな子が彼女になったらなーと思いながらもレポートを再開しました。
参考書ほとんど丸写しでしたがレポートを書き終えて
しばらくボケッとしていました。彼女の方を見てみると、
彼女も参考書らしきものを見ながらノートに何やら書いてました。
宿題でもしてんのかなーと思いその本を見てみるとそれは
人体デッサンと漫画の描き方講座?見たいな本でした。
しかもノートを見てみると漫画のコツみたいなものを書き出した
マル秘ノートみたいで絵がべらぼうに上手でした。
実は僕はとある美大に通っている身でして、2年通っている僕よりも
遥かに上手で正直ショックでした。
まあ、それほどたいした腕ではないんですが。
が、それよりもこんな子でも漫画とかに興味あるんだなーと思い
ちょっと意外な感じがしました。人は見かけによらないものですね。
僕も絵を描いている端くれとして
ちょっと彼女に小声で話しかけてみました。「絵上手いですね。」
と言うと、彼女はちょっとビックリしたみたいで、ノートをちょっと
隠しましたが遠慮がちに笑いながら小さくお辞儀しました。
美大生で自分も絵を描いている事や、漫画の事など話したんですが
やっぱり漫画を描いているのを見られるとオタク系とかと
思われるのが嫌なのでしょうか。彼女は遠慮がちに笑うだけで
何だか僕が邪魔そうでした。
しょうがなく僕は少し落ち込みながらも最後に「がんばって下さい。」
と言って図書館を出ました。
それから何日か経ってまた図書館へ行きました。
別に彼女目当てで行った訳ではなくて、小説を読みに行ったんですが
そこでまた彼女に会いました。僕のこと覚えているか不安でしたが
目が合った時彼女からお辞儀をしてきてくれました。
またもや遠慮がちにですが。
嬉しかったんでまた話しかけてみたんですが反応は薄く会話は
直ぐに途切れました。仕方なく小説のコーナーに行ったんですが、
どうやら彼女も小説を読みにきたみたいで無言ながらも一緒に
読みたい本を探して無言ながらも隣どおしで読み始めました。
今までに感じたことのない変な雰囲気でした。
ていうか気まずさ100%でした。
こんなに絡みづらい子は初めてでしたが、でも本当に可愛い子でして
彼女となんとか仲良くなれないかと思いました。
それからも僕は図書館に通って彼女に会いました。
会う度、弾まない会話を展開させましたが
がんばって話しかけました。そのせいか最近になってようやく
彼女と仲良くなってきました。
彼女との仲が深まった決め手は彼女の名前でした。
最近やっている某ヒーロー番組の主役と同じ名前で、
僕はその番組が結構好きだったのでその事について彼女に話してみたら
彼女もその番組が大好きだって事ですっかり意気投合したのが
決め手でした。
今まで沈んだ会話ばかりでしたが、初めて会話が盛り上がり、
満面の笑顔で彼女が笑ってくれたのが本当に嬉しかったです。
もっと普通の会話から仲良くなっていくと思いましたが、
こんな会話から仲が深まっていくとは予想外でして
やっぱり一味違う子だなと思いました。
それからの僕は毎日(平日だけですが)図書館へ通いました。
彼女もほぼ毎日来てくれて二人で図書館の外のベンチで
喋っていました。
会話の内容はほとんど漫画の話しでしたがもう全然OKでした。
こんなに可愛い子と親密になれて、さらには毎日会っていい雰囲気の中
彼女と喋れる事がとても幸せでした。
もしかするとこのまま行けば、彼女と付き合うことが出来るかもしれない。
そんな淡い妄想を膨らませていましたが現実そうもいきませんね。
いつからか彼女との会話が途中で途切れる事が多くなり、
ぎこちない雰囲気が流れるようになりました。
彼女が一生懸命喋っていると急に思い出したように彼女は
元気がなくなり、あまり長く話さないようになり、
そうなると僕だけが一方的に喋っているみたいで
気まずい気分になりました。
なんで彼女が喋らなくなったのかわかりませんでした。
もともとはつらつとした感じの子ではなかったんですが、
それでも前までは本当に楽しそうに喋ってくれてたので、
何か僕に原因があるのではないかと思いましたが
全く思いつきませんでした。
もしかして僕に愛想を尽かしてしまったのでは
ないかと思うと少し落ち込んできました。
とにかく、こんな関係が続くのは嫌だったんで
彼女に思い切って聞いてみる事にしました。
しかし、僕が切り出す前に彼女の話から展開してきました。
その日いつも通り彼女とベンチで喋っていました。
彼女になぜ喋らなくなったのか尋ねようとタイミングを計っていましたが、
なんだかその日は会話が結構弾んでいたものですから
なかなか言い出せませんでした。
しかし、暫らく話していると彼女は少し俯いて黙り込みました。
僕が「どうしたの?」と言うと彼女は不安そうな声で、
「あの、私と喋っていて楽しいですか?」と聞いてきました。
僕は「?」って感じだったんでどういう意味か聞いてみました。
彼女は、あたしは口下手だし漫画のことしか喋れない、
Nさん(僕の名前です)があたしのことを暗い子だとか思っているのでは
ないか気になっていたと言いました。
僕はそんな事は思っていない、Hちゃん(彼女の名前)と喋っていて
楽しいし、別に暗い子なんて思っていないよと言いました。
彼女は本当ですかと聞いてきたんで、
僕は本当です、それにHちゃんのことが嫌いだったら毎日会いになんか
来ないでしょと返しました。
彼女は、「あ、そっか、そうですよね。よかった・・・。」と、
笑いながら言いました。その後僕らは少し喋ってその日は別れました。
僕は彼女が喋らなくなった理由が分かって、これでまた今まで通り
楽しく喋れると思うと安心しました。
しかし、翌日彼女は図書館に来ませんでした。
やっぱり僕と喋るのが気まずくて嫌なのかとガックリしました。
一応毎日図書館に通いましたが、彼女と会ったのは一週間後ぐらいでした。
久々に会ってみた彼女はめちゃくちゃブルーでした。
僕の目には彼女に纏わりつく負のオーラがはっきり見えました。
もう本当にそのくらい彼女は落ち込んでいました。
とりあえず彼女をベンチに座らせてどうしたのか聞いてみました。
彼女は死にそうな瞳でぽつりと言いました。
「あたし学校へ行くのが辛いんです。」
もしかしてイジメに遭ってるの?と聞くと彼女は横に首を振りました。
じゃあ何が辛いの?と言うと、彼女は静かに喋りだしました。
「あたし友達がいないんです。いないって言っても、本当に親身な友達
がいないっていう意味で、うわべだけの付き合いの友達しかいないんです。」
彼女は話を続けました。
「あたしこの前Nさんに口下手で漫画の事しか喋れないって言ったでしょ?
テレビは全然見なくなったし、流行物とかにも興味ないから
うまく人の会話に入れないし、入ってもあたしが気まずい雰囲気に
しちゃうから喋れないんです。だから自分から一線引いちゃって・・・。」
彼女をチラッと見ると悲しそうに笑っていました。
「前はこんなんじゃなかったんですよ。中学の時は普通に喋れたし、
仲の良い子は沢山いました。けど中学って上中下ってランクがあるでしょ?
可愛い女子、かっこいい男子は上で、オタクとかマニアっぽく見られる人
は下って感じで。」
僕の当時はそんなのなかったんですが何となくイメージできました。
「あたしはその時中の上らへんにいたんですよ。だからそれなりの毎日が
送れたし結構充実してました。でもね、ある日友達と話してて
ふと気づいたんですよ。会話の内容のほとんどがあいつキモイとか、
ウザイとか、そんな話ばっかりだって。
それにちょうどその時あたしのいたグループで仲間はずれに
なった子がいたんですよ。
その子はすごくわがままだったんでみんなでシカトしたり、
その子になるべく関わらない様になったんですが、その時から会話の
話題はほとんどその子の事で、あいつウザイとか、消えて欲しいとか、
どうやってあの子から逃れようかとかそんな話ばっかりで。
だからその子は自分が嫌われている事に気づいて自分からグループを
離れていったんです。それでその時思ったんですよ。
あたしもいつかこうなるんじゃないかって。あたしがマンガ好きな事
みんなに知れてないから、もしその事がばれたら今度はあたしが
オタクとかキモイとか陰口言われてグループから外されるんじゃないかって。
そう思うとすごく不安で、あまり喋らなくなったんですよ。
悪口言うのも嫌になったし、他の事も喋れなくなったし。
その頃から人付き合いが下手になっていったんです。
高校生になったらそれも変わるかなって思ったけど、相手のことが
気になっちゃって相変わらず喋れないし、人といると疲れるだけだし。
ほんと、毎日が辛いです・・・。」
彼女は一通り喋ると、「すみません、こんな話引きますよね。」と言って

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