俺「ムムッ。後ろからおっぱいの気配」

2018/02/15

15年前。
20時過ぎ。
ビールの匂いも充満する準急列車内。
吊革も空いてなく、俺は両手を降ろし、おしくら饅頭の中で“気を付け”の状態だった。
気が付くと俺の左腕と背中に、後ろからオッパイらしき感触。
振り向く勇気がなく確認はできなかったが、女性の右胸が押し付けられてるようだった。
俺が左脇を少し開くと、その胸がちょうど挟まるように入ってきた。
こうなると、女性は大抵ガードするか、向きを変えるだろうと思っていたが、彼女(の胸)は動く気配がなかった。
ここで俺のスケベ心が脳みそをフル回転させ、ある計画を思いついた。
まずは自分の立ち位置を左にずらし、彼女の両胸の感触を背中で味わいたい。
俺の心「ばれないように、電車の揺れに合わせて、自然に、自然に…」
5分もいらなかった。
見事彼女の両胸が俺の背中にフィットした。
彼女はやはり無反応(のように感じた)。
それでもこの状態で俺は幸せだった。
しばらくこの感触を背中で感じていたが、俺のスケベ心はさらに次の計画を思いついた。
まずは右手を自分の左脇に挟み込む。
背中が痒いかのように。
左脇の後方で、彼女の左胸が背中を押し付けているが、電車の揺れでその隙間が緩くなった瞬間に
掌を差込み、そっと彼女の胸を包み込む。
決して強く揉んだりはしない。
俺の心「俺の掌は今、背中になりきっている。ばれるはずがない」
さらに調子に乗った俺は、次の計画に進んだ。
俺の心「方っぽだけじゃ物足りない。両乳一度に味わいたい。左手も右脇を通して右胸も…」
自分の両手が、その体勢から両胸に届くほど柔軟ではないことを考える余地はなかった。
俺の心「周りから見れば単純に腕組みしてるだけにしか見えねぇよな」
時間にして30秒くらいだろうか。
彼女の両胸が俺の掌に包まれ、この時点で
当時の俺としては人生最高の瞬間を味わい、幸せをかみしめていた。
結局無理な体勢は続かず、腕組み自体が外れ、俺は少々あせったが、周りの乗客も彼女も無反応だった(ように感じた)ため、右手だけは左胸に密着させていた。
揉んだりはしないが、揺れに合わせて押してみたり、膨らみに沿って滑らしたりはした。
なにせ俺の掌は今、背中になりきっているのだから。
しばらくその状態を楽しんでいたが、時間の経過と共に乗客が減ってきた。
周りから見ても明らかに不自然に彼女の正面に密着した俺の背中(と掌)。
馬鹿な俺でもそろそろやばいかと感じ始めた。
俺の心「すこし距離を取ろうか、そうなると掌も離れないとだめだなぁ」
俺の心「いや、その前に彼女の方から彼女自身の意思で離れることも可能だろ」
しかし、彼女は嫌がるそぶりを全く見せない。
ひょっとして最初っからばれてたのか?
などと考えてるあいだも俺の掌はずっと胸を包み込んでいる。
俺の心「そういえばまだ顔とか見てないけど、まさか知ってる女?」
そう思ったら余計に怖くて顔など確認できない。
俺の降りるべき駅が近づいてきた。
「いよいよ彼女(の胸)ともお別れかぁ…。
そこで彼女(の胸)が降りれば、一緒に降りよう」
当時の俺は考え方が短絡的である。
乗客は既に座ってる人と立っている人が同じくらいの数になっている。
これで俺が密着してるというのは、今思うと実に不自然極まりない。
なぜ誰にも注意されなかったのか、そしてなぜ俺が現在でも無事人並みの生活をしているのか…。
この謎は未だに解けない。
その駅に到着したが、彼女は降りない。
…そして俺も乗り越した。
俺の心「まだまだこの状態を味わえるーニヤリ(ロ_ロ)」
しかし、そのとき近くの座席が空いた。
俺の心「おお!これで彼女は絶対座るだろう。さよなら青春だ」
ところが彼女は俺の背中から胸を離そうとはしなかった。
密着した体勢を変えようとはしなかったのだ。
馬鹿な俺は彼女は知人に違いないと確信さえ持ち始めた。
彼女も楽しんでるなどという考えはこれっぽっちも浮かばなかった。
結局そこから3駅先で、ごく自然に、まったく何事もなかったかのように
俺の背中から離れた彼女(の胸)はそのままホームに降り、改札へとまっすぐに歩き出した。
どうしていいか分らなかった俺も、ズボンにテントを張ったまま彼女(の胸)の後を追った。
さすがに馬鹿な俺の脳みそでも、乗り越し精算している間に彼女(の胸)を見失うことは
計算できたので、改札を出た彼女(の胸)が見えなくなるまで目で追ったあと、そそくさと反対側のホームに戻った。
最後まで顔を確認することはできなかったのだが、これは俺の最初で最後の痴漢体験であった。

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