可愛いくて気になっていた新人社員の裏の顔

2018/02/05

当時俺28歳のある日。
会社のウラ側の窓から、女の声が聞こえてきたんだ。
いつも閉まってるけど、夏だからかな、ブラインドも窓も開いてた。
昼休み、俺はウラ手に広がる田んぼ見ながら、タバコぷかぷかしてた。
社員約20名の田舎の営業所。
喫煙者はなんと俺だけなんで、いつも外で吸ってる。
ここは人が来ないからのんびりリラックスできる。
壁にもたれてさ、窓側からは身を乗り出さないと見えない位置。
窓の向こうは物置みたいなもんで、普段は人の出入りはないんだけどさ。
ただ新人のヒヨリが入社してから、時々そこで電話してるのは知ってたよ。
よく昼休みに遠距離の彼氏と話してるらしい。
どっちかっていうと地味だけど、肌つやつやでカワイイ女子なんだ。
彼女は日余里ヒヨリ(仮)22歳。
うちの営業所に配属されて、俺が主な教育係。
ちょっとフシギちゃん?オタク?入ってるが、愛想は悪くないし真面目な頑張り屋だと思った。
礼儀正しくて素朴な色気があってさ、目で追っちゃうこともあったな。
ヒヨリは子供っぽいトコもあるが気が利くし、先輩後輩としてはいい感じでやれると思ったよ。
素直に言うこと聞いてがんばってくれるから、俺も気を引き締めようって気になれたんだ。
彼氏いるから、口説こうって気は起こさず、昼休みの電話に聞き耳立てたこともなかった。
でもま、その時は窓が開いてて。
聞くでもなく聞こえてしまったわけね。
「もしモシ、うん。
・・昼休みだからいいケド。
・・うーん仕事、3カ月だけど、まだ慣れないヨ。
・・先輩がね、うん?そう、前にも言ったでしょ、男だヨ。
・・5才くらい上カナ」
どうも俺のこと話してるな、気になるよ?この状況でも盗み聞きっていうのかな。
ゆったりとした、舌足らずなしゃべり方。
仕事ではもどかしいこともあるが、こうやって聞いてるとカワイイもんだなあ・・。
「えー?浮気とかまだソンナ心配してるの?会社では地味にしてるカラ、大丈夫だってば。
・・その人?カッコよくないって、だってサルだモン」
・・遠距離の彼が浮気の心配するのはいいとして、俺のサル顔をバカにするとは何事か!
「比べたらモンちゃんに失礼ダヨ、あんなサル。
要領悪いし、タバコくっさいしネ」
こいつ!オモテじゃほんわかニコニコして、ウラでは俺をバカにしてたわけか。
無性に腹がたってきたんだぜ!・・と同時にとても悲しい!
いやしかし、誰にだって愚痴や本音なんてのはある。
偶然とは言え聞いてる俺も悪い。
どうする?悩んでたら、こんなことが聞こえてきた。
「イツモ電話でしてるじゃない。
昨日だって3回も・・恥ずかしかったヨ」
電話でって何、してるって何、3回って何!あれか、やらしいことか!
かわいい細い声して、普段からは想像つかないことばかり話してる!
「え?やだ今?いくら何でも会社でHなことするわけナイでしょ・・!もう切るからネ?
じゃね。
・・・・今日も?うーん・・8時頃?・・うーん・・うん、ワカッタ・・じゃ」
・・エロいこと聞いちゃったな・・。
あの声でどんな風にあえぐんだろ?
テレHか、今日もするのかな。
昔彼女とやって盛り上がったことあったなあ・・。
イイなあ・・。
やばい、意識しちゃうじゃねーか、こんなムカつく女に、チキショー。
でもまあ・・・・俺の悪口言ってたのはムカつくが、直接言ってきたわけじゃない。
悔しいがここは、聞かなかったことにして立ち去るべきだな。
それが大人というもんだ。
ところが突然、ヒヨリが窓から上半身を出した。
「あーもう~!すーハー、ウーん!・・ん?・・オゥフ!」
大きなため息と深呼吸と背伸び。
そこまでしてやっと俺に気づいた。
「あー!サル野さんお疲れ様デス!あの、ココで何・・」
驚いてはいるが、今俺が来たと思ってるんだろう。
話を聞かれたとは思ってないようだ。
「昼休みにタバコ吸う時は、俺ここ来るんだ」
「あー、そうなんですか、中は禁煙でスネ」
ホントは俺をバカにしてるくせにニコニコ笑いやがって。
でもかわいいな、かわいいなあーチキショ。
「スモーカーは肩身せまいからさ、もうやめよかな~。
今時タバコ吸う奴は嫌われる時代だろ」
と・・ちょっとカマかけてみたわけなんだが。
「んん・・?そんなコトないですヨ~。
タバコ吹かしてる人って、渋くないデスか?」
「(コイツは・・!)ふーん。
クサイとか思わないの?」
「キライじゃないですヨ?男の人のニオイがするって感じで。
エヘヘ」
何だコレ、ヒヨリのオモテウラをハッキリ見た気がして気持ち悪くなった。
社会人としてはその対応が正解なのかも知れないが!
もういいや、言ってやれ。
「男ならいいけど、サルならクサイってわけか?」
「・・オゥフ!」
顔赤くして口パクパク。
お前は金魚か。
「・・聞こえテたんでふは!あのデふね、アレは、彼氏が、あのその」
「まあ落ち着け、言い訳すんな、みっともない。
あれが日余里のウラの本音だろ」
「ちがひます!ホントはあっちが建前のオモテの本音デ」
「もういい、意味がわからん。
悪かったな、ロクに仕事も出来ない、タバコくさいサルで」
「サル野さん、ゴメンなサイそんなつもりでわ・・」
「まあいいや、俺だって上司の愚痴、人に言ったことあるし。
Hな会話も秘密にしとくよ」
「オゥフ!・・そこまで聞いて・・・・!でもアレも誤解というかソノ」
「しつこいな、仕事でヘマしなければ文句ないから。
あと愚痴は会社の外で言え。
じゃな」
このイライラは多分嫉妬のせいもあったんだろうな、と思うと情けない。
いい加減鬱陶しいんでその場から離れようとしたら、後ろから声が。
「ちょっと待って下さいヨー」
無視無視。
振り向かずに歩くのだ。
ところが。
「よいしょ、よいしょ、オゥフ!・・ワ、ワワ」
思わず振り向いてしまった、そこには・・ナニやってんだこいつ。
スカートのまま、窓を乗り越えようとして片ヒザ立てた状態、パンツ丸見えのヒヨリ。
しかもバランスくずして前のめりに倒れそうになってやがる!
うひょー、パンツ白いよエロいよ!どうする?ハミ毛とか見えねーかな。
おっとそうじゃない、ここはさすがに手を貸すしかないな、ついでにサワれるかも。
「何だよもう、外から回ってくればいいだろ」
と悪態をつきつつ、ヒヨリの両脇に手を入れる。
ちょっとおっぱい触ったんだぜ!
ニヤニヤしながら持ち上げて、窓の外側にひょいと下ろしてやる。
・・つもりだったんだが、意外と重くてスムーズにいかない。
そりゃそうだ、小柄だが少なくとも40kg以上はある。
引きずり出すようなかっこになった。
しかも勢いあまって抱き付かれちゃうし。
どさくさでおっぱいちょっと触ったし、パンツは白いし、抱き付かれるし、いいニオイだし!
やばいな、これ勃つよ、ちんこ勃つよ、今勃つよ、ほら勃った。
ムカつく女だって分かったけど、カワイイもんな、チキショー。
でも、なんですぐ離れないの?ムーネにほほーをうーずーめー♪
泣ぁいていーたね、・・・・あ、泣いてる?何で!何で!足でもぶつけたか?
「誤解ですからネ!オゥフ!」
結局走って行っちゃった、何だったんだアレ。
泣きマネしながら言い訳でも並べるつもりだったか。
だまされるかボケ。
でもま、腹は立ったが、偶然聞いた陰口に怒るのもスジ違いてもんだ。
あーあ。
しかしなあ、午後はどうしても仕事中不機嫌になったよ。
ヒヨリも俺のことを避けていたが、他のスタッフには明るく接していたな。
ウラを見られたから、俺には無理に愛想をふりまかなくてもいいって思ってるのか。
でも仕事さえちゃんとしてくれれば、先輩としては文句言う理由がない。
別に、仲良くやったって仕事がはかどるわけじゃないしな。
悔しいけどそう割り切ろう、と思ってたんだが帰り際に言われた。
「サル野さん、話がしたいでス。
お願いしマス」
えー、何だよ、今日のことがなければ単純に喜ぶとこだけど。
何か企んでないだろうな。
まあいいや。
俺は車通勤だから、とりあえず助手席に乗せた。
走ってる間、何か言ってくるかと思ったが・・・・無言。
気まずい。
どこ行くんだよ。
話があるって言ったのはそっちだぞ、俺からはまだ何も言うまい。
ま、明日休みだし、どっか店で飲みながらと思ったから、自宅アパートに車置くことにした。
俺んちは、ヒヨリの住んでるトコと会社の中間くらい。
で、家について車止めて。
「ちょっと歩くけど、何か食べに行くか」
「・・誰もいないトコがいいデス」
それはつまり、聞くまでもないが。
「じゃあウチ、来る?」・・黙ってうなずいて、ついてくるヒヨリ。
まさか口止めのためにヤラせる?そんな計算高いのは俺うれしくないぞ。
陰口言いふらされたらそりゃ気分良くないだろうが、そこまで必死に止めるようなことか?
言いふらすメリットは俺にもないしな。
何なんだろ。
変な期待は抑えて、ワンルームの部屋に上げて、あ、俺1人暮らしね。
まあ座れば?と座布団出したら、それを横に置いて、土下座!
絵に描いたようなTHE・土下座!何だ?何だ?
「申しワケ、ございませーん!」
「・・!おいおい声デカイよっ。
落ち着けって」
「あ、申しワケ、ございませーん!」

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