プライド高い同期の奥さんをトコトン堕とす(1)
2018/01/15
その女、由紀に出会ったのは某アパレル企業の入社式だった。
同期100人程が一堂に会した室内で、由紀が立ちあがって自己紹介した時、
隣に座る貞森から「おぉ?」という歓声が聞こえた。
貞森は慌てて自分の口を押さえて真っ赤になっていたが、気持ちは俺も同じだった。
他の同期や研修の担当者までもが皆、声までは漏らさないまでも、
ぼうっと由紀の美貌に見惚れているようだった。
可憐という表現がぴったりの、間違いなく同期で1番の美女だった。
いや、俺のそれまでの人生の中で、これほど魅力的な女に出会ったことはなかった。
気品あるノーブルな顔立ちと柔らかそうな髪がとても印象的で、
スリムな体型にはリクルートスーツがとても良く似合っていた。
入社式も終わらぬうちから大規模な争奪戦が始まり、
何人もの男達が、何かと話し掛けたりしているのが目に付いた。
当然、この俺も当たって砕けろの精神で何度となく声をかけたが、
一度として誘いに乗っては貰えなかった。
入社して半年くらいが過ぎた頃だったろうか。
嫌な噂を耳にした。
あの由紀が同期の市川と付き合っているというのだ。
俺にはとても信じられなかった。
たしかに、市川はかなりのイケメンだ。
歌舞伎役者の海老蔵を思わせる男っぷりは見た目だけなら同期一と言っても過言ではないだろう。
しかし、性格面は最悪だった。
市川はブラック企業の当社にしては、高学歴だったためか、いつも俺達を見下していた。
飲み会などにも参加せず、研修時のグループ課題も誰にも相談せずに勝手に一人で提出してしまうような奴だった。
控えめで謙虚な性格の由紀とは、まったく合わないように思われた。
しかし、その噂が真実であると、すぐに知ることになった。
市川自身が自慢げに語ったからだ。
それまで、疎遠だったくせに、市川は由紀と付き合うようになってからは
急に俺たち同期と飲みに行くようになった。
ヤツはその度に鼻の穴を膨らませながら由紀とのことを自慢げに話した。
市川の奴は、由紀だけじゃなく、上司からの評価も一人占めした。
ヤツは、3年目にして、会社から表彰され金一封を貰い、同期内で一番早く係長に昇進した。
そして、昇進を期に、由紀と結婚した。
結婚の話を聞いた時、同期達でパーティーをやろうと持ちかけたが、丁重に断られてしまった。
お高く止まりやがって!と、仕方なく、主役のいないまま俺たち同期のもてない男達は、憧れの由紀ちゃんが完全に他人のものになってしまったと
皆で夜通し飲み明かした。
そして、結婚から1年ほどすると
市川は、こんなブラック企業からは、とっとと独立して、由紀と二人で会社を興した。
最初は、うちの代理店という扱いだった様だが、経営はかなり順調で、従業員を増やしたなどという話まで耳にした。
しかし、それから3年後くらいだろうか、市川の強運もとうとう尽きる時がやってきた。
リーマンショックに始まる不景気は、他人より運の良い人生を送ってきた市川にも
どうすることもできず、彼の会社はあっと言う間に傾き、火の車になった。
噂では大口の取引先が倒産し売掛金の回収も出来なかったと聞いている。
その大口を無くしてしまったからか、
彼の会社の売上の大部分は、当社が占めるようになっていたようだ。
その当時、俺は入社してちょうど9年目、30歳そこそこで課長という役職だった。
比較的早いうちに役職に就けることだけは、ブラック企業の良い点かもしれない。
決して大きな権限が与えられていたわけではなかったが、
それでも代理店など下請業者に対する発注の多くを任されていた。
当然のことだが不況の波は当社にも訪れていたため、下請に対する発注も縮小することになっていた。
そんな時、市川が自分の会社を切らないで欲しいと頭を下げに来た。
かつて散々見下してきた同期の俺に、頭を下げる市川を見て、
よっぽど経営が苦しいのだろうと考え、『これは、もしかしたら』と提案してみた。
「経営苦しいの?、だったらさ、奥さんをうちに復帰させたらどうかな?」
「うちの部署、急に寿退職しちゃった女子がいてさ、
人手足りないんだよね。奥さんだったら元社員で仕事できるの知ってるから、かなり助かるんだけど?」
「うちに恩も売れるし、発注の部署だから、そちらにも、なにかと好都合じゃない?」
それほど深く考えずに、言ってみたのだが、
市川はあっさりと承諾し、とんとん拍子で話は決まり
週明けから由紀がアルバイト社員として勤務することになった。
さっそく俺は、高野や貞森などの悪友に連絡し、計画を練ることにした。
もちろん、由紀を堕とす計画だ。
何年も思い焦がれた美女が自分の下で働くことになったのだ、手を出さないというほうはない。
アルバイトの初日
数年ぶりに会った由紀は、相変わらずの美しさだった。
不景気で苦労もしただろうに、当時から全く劣化しておらず、
むしろ以前にはなかった色気が加わって、さらに美しさが増したようだった。
由紀が出社することを聞きつけた同期達が用もないのに俺の席まで来ていたが
そのうちの高野などは、ぽかーんと口を開けて間抜けな顔で見惚れているようだった。
「昔と全然変わってないよな」
入社時の由紀、いつも可憐で凛とした、しっかり者の美女の姿を思い出しながら
彼女に散々スケベなことをさせるシナリオの成功を思って、俺は股間を熱くさせた。
皆の前に立ってハキハキと自己紹介する由紀の唇、
薄化粧にピンクのルージュが、とても良く映えていた。
「いずれ、あの唇でたっぷりと奉仕させてやる」
俺が漏らした何気ない一言に
高野が生唾を飲み込んでから、「なんでも協力するよ」と返事をした。
他の同期達もそれぞれ真顔で頷き合った。
俺は由紀がバイトとして出社してきた初日から代理店への発注を任せることにした。
そして、発注締めのギリギリ、まともに確認できないだろうタイミングを見計らって
別の仕事を振ってやった。
それでも、聡明な由紀だ、きちんと発注数は合っていた。
俺が修正しなければだがw
そして、待ちに待った納入日
社内は大慌てだった、1000個のはずの発注が10000個となっていたのだから当然だ。
アルバイトの由紀が出社してくる前に
俺は由紀の教育係を呼びつけ、思い切り、叱りつけた。
「どういうことだ! 彼女は元社員で誰もが認める優秀な社員だ!
それが、こんなミスをしたのは、教育係の君がしっかり教えなかったからだろ!君の責任で、きとんと対処しろよ」
あえて大勢の前で叱りつけた。
教育係と言っても20代の女性だ、皆が黙って見守る中、目に涙を溜めているようだった。
由紀が出社するとすぐに教育係の声が聞こえてきた。
「由紀さん、○○社への発注、数をちゃんと確認しなかったのですか?」
怒っているであろうことは声音から誰の目にも明らかだったはずだ。
「まさか、自分の旦那の会社だからって、故意に多く発注したんじゃないでしょうね?」
ほほう。高野の言うとおり、やっぱそうきたか。
当社の女性陣は昼食になると、皆で一緒に会議室へ行く。
しかし、この日は、由紀だけが一人取り残されて不安げにキョロキョロしていた。
俺は、その様子を見て、密かにほくそ笑んだ。
あのスケベ禿げめ、人をよく見ている。
実は、彼女を由紀の教育係にしたのは、人事の高野の発案だった。
この日から由紀は職場の女性陣から完全に孤立してしまった。
それから3日経つまで、はやる気持ちをなんとか抑えつけながら待って、
俺は由紀を飲みに誘った。
「申し訳ございません。予定があります」
あっさり断られてしまった。
しかし、現在の俺と由紀の関係は新入社員の時と同じではない。
「何、勘違いしてんの?仕事の話をしようと思ってるんだけど?」
それを聞いて、明らかに由紀が迷っているのが分かった。
もう一押しだ。
「教育係のせいだとは思うが、いきなり大きな失敗したから、心配してるんだよ」
”教育係のせい”という言葉を若干強めにして、皆に聞こえるように大声で言うと
由紀は「違います」と小声で肩を震わせた。
「周りと、あまりコミュニケーションとれてないみたいだし、大丈夫なの?」
由紀がびくっと震えたのを確認してから
俺は声をひそめた。
「ここで皆の前で話すより、場所を変えて話した方が良くないか?」
「は、はい、すみません」
苦節8年。
この日、俺は、ようやく由紀を誘い出すことに成功した。
初めて由紀を誘った時から、既に8年の月日が過ぎていた。
そのことを思うと妙に感慨深い気持ちになった。
その後は、何度もシミュレーションしたプランを実行するだけだった。
場所は会社の最寄り駅のすぐ近くにあるホテルのバーを選んだ。
まず席に座ってすぐに、由紀が周囲から浮いていることを指摘した。
「君、みんなに嫌われているよ」と言うと由紀は泣きそうな顔になった。
そして、さらに追い込むため、徹底的に由紀の失敗を責め、
二度と失敗しないためのプランを今すぐ考えろと詰った。
申し訳なさそうに俯きながら、必死に対策を考える由紀を尻目に、
「なるべく口当たりの良い飲みやすいワインを」と店員に頼んだ。
ワインが来ると「アルコールはちょっと・・」と由紀が言いだす前に
会社や俺、特に教育係の彼女が、どれだけ苦境に立たされたかをオーバーに話しながら、
グラスにワインを注いだ。
予想通り、由紀は文句を言いだせずに、
俺が軽くグラスを掲げると、慌てて自分もグラスを持って、カチンと合わせてから一口飲んでくれた。
その後も
「まだか?早くプランを聞かせろ」と急かしながら、由紀…