メガネ屋の店員がストーカーになった話
2017/05/16
私が二十歳の時のことです。(数年前)
就職、一人暮らし、夏に初めて彼ができ、三ヶ月で別れ、といろいろあった年の冬の事です。
目が悪い私は、ひとりでメガネを買いに行きました。
大きなデパートのめがね屋さんで見ていると、後ろからソフトな声で
「どんなタイプをお探しですか?」
店員さんです。スーツを着て清潔な雰囲気の30歳くらいの人。
買うつもりですから、いろいろ相談にのってもらいます。詳しいし、話がうまい
まあそれが仕事ですもんね。私の目はかなり複雑で、コンタクトもあわないし、苦労してました。
視力はそんなに悪くは無いんですが、そうしたら、機械じゃなくて、直接測りましょうと
三つ並んだ検眼室の一番奥へ、案内されました。入って遮光カーテンをシャッと
暗い中で、トークしながら、時々笑わされながら、検眼。顔も近づくし、
かけたりはずしたりで、顔に指がふれるし、
男の人とは思えない、綺麗な指です。2時間もいたんです。検眼室に、
「メガネいやなんですよ~」というと、
「凄く似合うかけたほうがいいよ。」と、まあめがね屋さんですからねw
あ、私は、身長161cm45㌔、黒髪ストレートロングそしてメガネです。
とにかく感激したのは、ピッタリのメガネを作ってもらえたこと、今まで一度もなかったんです。
技術持ってる人ってすごいなと。数日後できあがって取りにいって、その時その人は
いませんでした。
その夜のことです。家に電話がかかってきました。その人からです。
電話番号、住所、氏名、年齢、すべてメガネを買うときにおしえてあります。彼は
「取りに来てくれた時、いなくてすみませんね。どうですか」
「もうすっごくいいです!」
「そう、良かった」
声がよくて、話が面白いので、そのまま話し込んでしまい、休みの日に一度会わない?
と言われて、OKしました。ええ、そうです。私は世間知らずのおバカさんです。
数日後、近くの喫茶店であいました。実は、大人で、優しくて、お兄さんみたいとか
思ってたんです。外見はあまり好みじゃない。おしゃれすぎるんです。ワイルド系がほんとは好み
でも、とにかく声がいい。×いちの独身と知りました。家まで送るといわれ、断ったけど、
住所知られているし、
車で送ってもらいました。その後も彼のマンションの一階にある
喫茶店で一回会って、
私のほうはお友達モードです。夜電話もちょくちょくかかってくるように
なりました。
そんなある夜のこと、10時位に電話があって一時間半くらい話し込み、その間
彼は電話の向こうで
ずっと飲んでした。氷の音が聞こえます。でも、口調とか全然変わりません。
次から次から話題が豊富で飽きないんです。ところが、そろそろ切らなくちゃと言うと
明日休みでしょ?俺も休みだから、もっと話そうよ。いや、なんだか会いたくなった。行っていい?
なんですって! お兄さん
女子高、短大出で、おくての私は夏にやっとHしたばかり、しかも2回だけ
これから、来る? とんでもないです。お兄さん。
「だめですよ。困ります」
「いや、行く」
ガチャリ 受話器が置かれました。
ま、まずい。どうしよう
はい、すさまじく世間知らずです。
そのころ私は、お金も無かったので、二階建てアパートの一階角部屋に住んでました。
玄関は全部外に付いているあれです。安アパート。無用心ですよね。ほんとに
30分ほどしてから、ピンポーン
「ゆかり(仮名)ちゃん~ 開けて」
「ど、どうやって来たんですか」
「地下鉄」
「ダメです。帰ってくださいよ」
「もう、地下鉄ないもの」
「タクシーで帰ってください」
「お金、一
銭も持ってない!」
威張るか普通、そんなこと。
けっこう私、必死です。
絶対、家にあげるわけにいかない。あげたらあれだ、H、オッケ~って事になっちゃう。
家の中が汚いわけじゃないですからね。ここんとこ強調しておきます。
30分くらい押し問答したでしょうか。
お兄さん酔ってるから、聞き分けが無い
「お金、貸しますから、タクシーで帰ってください」
「いやだ。帰らない、ここで寝る」
玄関の外で、ズルズルとくず折れる音。待ってください。冬ですよ。外ですよ。死にますよ。
今、思えば、入ってもらえば、良かったんです。
そして、手を出さないでくださいね。って釘をさして寝かせてしまえば、良かったんです。
予備の布団もあったことだし…でもそんなふうに判断できない。とにかく家には入れられない。
その一心
私、ジャケットを着て、外に出て行きました。
コレが大きな間違いでした。
「ほら、立ってください。行きますよ」
「ん~ どこへ~」
「24時間、開いてるお店あるでしょう。そこに行きましょう。朝まで付き合いますから、
朝になったら地下鉄で帰ってくださいよ。」
「ん~」
ぐでんぐでんの彼を引きずるようにして、家の玄関から遠ざけます。
ほっ これで一安心
少し歩くと、地下鉄の駅やら、レストランやらありますから、とにかくそこまで…
いきなり、後ろからガバァっと、抱きしめられてしまいました。
「あ、あのAさん、大丈夫ですか? 具合悪いの?」
「……」
「ふたりになれるとこ、行ってくれる?」
笑わないでください。判らなかったんです。意味が
「あ、そうですか。はい、いいですよ」
ふたりになれる店、どっかにあったかな?
彼がタクシーをとめて、はじめて。!!ばかだっ あたし~!
押し込まれるように乗って、
「いちばん近いホテル行って」
やっぱり~! こういうの墓穴を掘るって言うんですか? 叔父さ//
到着すると、かれが「や…