イノセントワールド

2021/08/03

中東情勢の取材に向けて渡航する前日、僕は空港近くのホテルの1室で、FM放送の音に耳を傾けていた。
時折、成田に発着する航空機の機影を窓越しに眺めながら、取材スケジュールのことを考えていた。
その時、ラジオから不意に流れてきた曲を聴いたとき、僕は記憶のかなたにあった彼女との思い出の日々が蘇ってきた。
そして、突然、僕も彼女も、本当はお互いに愛してはいなかったのだということに気づき、僕はうろたえ、頭が混乱してきた。
1990年代に入りバブル経済にも陰りが見え始めてきた頃、僕は関西の大学に通っていた。
学生時代、将来に対する目的も展望も見えなかった僕は、同じボランティアサークルの1学年後輩だった彼女と出会った。
彼女は、長い黒髪を靡かせ、屈託のない無邪気な笑顔が特徴的な女性だった。
僕は彼女を数ある後輩の一人として、そして彼女も僕を先輩の一人として見ていたに過ぎなかったが、僕達は、サークル活動のとき以外にも時々二人で会って話をするようになっていた。
大学の仲間達の話題は、当時全盛だったディスコのお立ち台の話や女子大生をナンパして寝た話など、時代の軽薄さをそのまま反映したかのようなものが多かった。
それとは対照的に、僕達は、バブルに浮かれた日本の現状やそれと対比される世界の貧困の状況、やがて訪れるであろう先の見えない時代について、今思えば青臭い話を大真面目に語り合っていた。
夏も近づいたある日、僕と彼女は発展途上国の現状をテーマにした写真展を見に行った。
そこには、日本の現実とはあまりにもかけ離れた状況があった。
今思えば、若者特有の使命感のような気持ちを感じていた僕達は、その帰り、このテーマについて僕のアパートでもっと語り合おうということになった。
彼女が僕の部屋を訪れることになったのはこの日が初めてだった。
駅で電車を降りた僕達は、陽の当たる坂道を歩いていた。
その時突然、にわか雨が降り始め、僕達は小走りに僕のアパートに向かった。
物憂げな6月の雨にうたれた僕達は、部屋に付くとタオルで水滴を拭った。
そして、僕達はいつものようにいろんな話をしているうちに、いつの間にか夜になっていた。
僕は彼女に「そろそろ帰らなくていいの」と尋ねた。
驚いたことに、彼女から「今日は面倒だから泊めてもらってもいいですか」という言葉が帰ってきた。
いつも無邪気で性的な雰囲気など普段全く漂わせなかった彼女の口から意外な返事が発せられ、僕は驚いた。
その夜、僕は彼女を抱いた。
そうすることがよかったのかどうか、それから10数年経った今でも分からない。
ただ、大学生の男女が同じベッドで寝るということは、お互いに性交に及ぶことは自然な流れだと思っていたし、当時大学生だった僕は、このような状況で、若く旺盛な性欲を抑えることは出来なかったということは否定できない。
彼女の意外な返事を聞いた僕は、黙って彼女をベッドに誘った。
僕達は着ているものを脱ぎ、下着姿でしばらく僕の狭いベッドで布団にくるまっていた。
1枚の布団の中で、肩から腰そして太腿の辺りまで僕と彼女の肌が密着している状態になった。
このときまで女性経験のなかった僕のペニスは、このとき彼女が穿いていた白いショーツ、そして、そのフロント部分のレースの隙間からうっすらと覗く、彼女の意外なほど濃い陰毛を目にしたときから既に勃起していた。
僕は目が冴えて眠ることが出来なかった。
彼女の方を見ると彼女も目を開けていた。
「なかなか眠れないね」と僕が言うと彼女は頷いた。
僕は思いきって、彼女の下着の上から陰部に手を触れてみた。
彼女の下着は濡れていた。
僕は布団を払いのけ、彼女のブラジャーを外しショーツを下ろすと、自分もパンツを脱いで全裸になった。
僕が彼女の両脚を抱えそっと左右に広げると、陰毛に覆われた大陰唇が開き、その陰に潜んでいた左右の小陰唇が僕の目の前ではらりと開いたのが印象的だった。
硬く勃起した僕のペニスが彼女の膣の中に入ると、彼女は顔をしかめて痛がった。
彼女は処女だった。
このときまで付き合っているわけでもないと思っていた男に、彼女が初めて体を許したことに僕は少し困惑した。
しかし、現実に今、彼女は全裸で股を開いて僕のペニスを受け入れている。
何故かこのときの僕は、女性を初めて抱いているとは思えないほど冷静だった。
僕は彼女の肩を抱くと、彼女が痛がらないようにゆっくりとペニスを入れてゆき、彼女の奥までペニスが埋まると、そのまま動かさずにじっとしていた。
それから、彼女が落ち着きを取り戻すのを見て、ゆっくりとペニスを動かした。
彼女の顔を見ると、彼女は目をつむって、初めて男のペニスが処女膜を破り自分の膣を貫通した痛みに必死に耐えているような表情をしていた。
僕と彼女は身長差が20センチ近くあり、僕から見れば小柄な彼女の股の割れ目に太いペニスが捻じ込まれている様子は、とても痛々しかった。
僕は彼女の膣の中でペニスを往復させながら、彼女と唇を重ねると、彼女は舌を絡ませてきた。
やがて彼女の口から喘ぎ声が漏れ始めてきた頃、僕は彼女の両脚を抱え更に左右に拡げながら上に持ち上げた。
そうすると、彼女の体がくの字型に折畳まれるような格好になり、ペニスがより深く彼女の膣に喰い込んでいった。
男のペニスで自分の膣の中を擦られる生まれて初めて味わう感覚に、彼女の喘ぎ声は大きくなっていった。
それは僕にとっても同様で、女性の膣襞がペニスに絡みつく快感を僕も生まれて初めて味わっていた。
結合部分に目をやると、裂けるほど拡げられた彼女の小さな股の中心に、僕の太いペニスが杭のように突き刺さっていた。
普段の彼女の純情可憐な外見からはとても想像できない陰部の卑猥な眺めが、僕の興奮を掻き立てた。
僕はそのままペニスを動かしながら様々な思いが頭をよぎっていた。
「僕は今、女子大生の彼女と性交している。この日まで、キスもしたことのなかった二人が、お互いの体の恥部をすべて曝け出し性器を結合させている。今、処女を失った彼女は、もう純潔とは言えないのだろうか。それとも、肉体的には男のペニスが貫通していても精神的な純潔、処女というものがあるのだろうか。これまで彼女に対する特別な思いは無かったのに、お互いこうして性器を結合させることによって沸き上がってくるこの気持ちは何なのだろうか。これが彼女に対する恋愛感情なのであれば、性交することは愛を意識させ深め合う行為と言えるのではないか。」ペニスを動かしているうちに、僕の中に、昨日までは意識したことのなかった、彼女に対する愛しくて切ない感情が沸き起こってきた。
その感情とともに、僕は長い時間をかけてペニスを動かし彼女の膣襞の感触を味わい、味わいつくした頃、僕のペニスは快感に耐え切れなくなりオーガズムに達した。
彼女の悲しくて切ない喘ぎ声を聞きながら、僕は彼女に覆い被さり、まるで虹の彼方へ放つように射精した。
射精した後も、僕はペニスを入れたまま、しばらくの間彼女を抱きしめた。
それから、彼女の膣からゆっくりとペニスを引き抜くと、彼女の中から僕の精液が一緒に掻き出されて流れ出た。
僕は彼女の性器と自分の性器を丁寧にティッシュで拭くと、横向きになった彼女を後ろから抱き抱えるようにして、体を寄せ合った。
彼女の白いお尻や太腿や背中を優しく撫でているうちに、彼女は次第に落ち着きを取り戻した。
そして、僕と彼女は、裸のまま布団にくるまり、そのまま朝まで抱き合って眠った。
僕がこれまでの人生で体験した性交の中で、今でも記憶に強く刻み付けられている性交は2回あったが、この日彼女と交わった忘れられない初体験はそのうちの一つだった。
お互い初めての性交を経験してからは、僕と彼女は二人で会うときは大抵、性交をするようになった。
でも、僕達は、決してセックスをするために会っていた訳ではなく、純粋に、ボランティアの話や世界の貧困問題や生と死の態様などについて真面目に語り合いたかっただけだった。
僕と彼女は、僕の部屋のベッドに腰掛けて、夜遅くまで、世界情勢について様々な角度から物事を見てお互いの考えをぶつけ合った。
自分を見失って、僕の軽はずみな言葉が時に彼女を傷つけたこともあったが、それでも、二人とも共通する価値観を持っていたことは理解していた。
夜まで話し込んだ後は、僕達はいつも、僕の狭いベッドに二人で横になった。
そして、僕と彼女は自然に体を寄せ合い、当たり前のように下着を脱いで抱き合った。
健康な大学生の男女が一つのベッドの中で一緒に横になるとき、そのまま性交に及ぶのはごく自然なことだと思っていた。
僕達はお互いの気持ちをもっと深く理解したいが故に、言葉だけでなく、お互いの体そして性器の触れ合いを通して確かめ合っていたのであって、決して若い肉体の旺盛な性欲を処理するため、快感を得るために性交をしていたのではないと信じていた。
ベッドの中で抱き合った僕と彼女は、気持ちの高ぶりとともにまず体が触れ合い、そして性器が触れ合い、やがて、二人の性器が交わり一つに結ばれる、いつもそうやって自然に僕のペニスは彼女の膣に入っていったのだった。
彼女とのセックスは、当時次々と現れては消えていったアダルトビデオなどのセックスとは違う次元のものだと僕も彼女も信じていた。
――彼女のショーツまで剥いて裸にし、股を大きく開かせるその彼女の股の中心の割れ目に僕は勃起した太いペニスを挿入するそして膣の奥まで何度もペニス突き上げる僕と彼女の股はピッタリと密着し二人の陰毛が絡み合っているペニスで膣襞を摩擦される快感に彼女は泣き声を上げ、両脚を僕の腰に、両手を僕の背中にまわして悶えている二人の股間の結合部分ではペニスが膣から出入りする度に愛液が溢れ卑猥な音を響かせているやがて僕はオーガズムに達し彼女の膣に射精する――僕と彼女が性交をしているときの一連の行為を端的に描写すれば、事実このような行為だろう。
確かに、このような一連の行為の描写だけを見ればアダルトビデオの性交と一見同じように見えるかもしれない。
しかし、僕達の性交がアダルトビデオやナンパそして援助交際などの性交と根本的に異なるのは、単に性欲を処理して快楽に浸るためではないという点であった。
僕と彼女は性器の交わりを通してお互いの気持ちを交流させていたのであって、その点において、快楽を目的とした性交とは一線を画していたのだった。
事実、僕と彼女は、性交を重ねるごとに気持ちの距離感が縮まって、愛情が深まっていくのが感じられた。
彼女の同級生には未だ男性経験のない処女の友人も多くいたが、僕達は、毎週のように裸で体を重ねセックスをしていた。
大学生だった僕にとって、睾丸が精子で満たされるには1週間もあれば十分だったし、溜まった精子を放出するのに、マスターベーションではなく彼女との性交を選んでいたのだった。
でも、それは何も特別なことではなくて、大学生の男女が交際を始めれば、お互いのことをもっとよく知りたいと言う純粋な気持ちからごく自然にその行為に至るものだと思っていた。
それは、僕と彼女が、性体験の無い他の大学生達と比べて、決していやらしい訳でも快楽に溺れているという訳でもなかった。
僕達は普通に大学に通い、講義を聴き、サークル活動に参加し、友達と語り合う、そして月に何回かお互いの性器の触れ合いを楽しむ、そんな普通の大学生だった。
確かに、セックスが未経験の男子学生と比べれば、僕は、女子大生の陰毛や性器を目にしたことも触ったこともあり、自分のペニスを女子大生の膣に挿入したこともある。
そして、気が向けばいつでも、女子大生の彼女の裸を見ることができ、乳首や可愛いお尻の割れ目を眺めたり、抱き合って性器を結合させ股を擦り合わせたり、性交をしているときの女子大生の無防備な表情や喘ぎ声を聞いたり、そして女子大生の膣の中で射精してオーガズムを味わうことが出来る。
マスターベーションとの違いは、自分の手でペニスに刺激を与えるか、女性の膣襞の摩擦でペニスに刺激を与えるかの違いであって、また、精子を放出する場所が女性の性器の中であるかどうかということだけである。
彼女にとっては、処女の友達との肉体的な違いは、男のペニスを自分の体の中、膣内に受け入れたことがあるかどうかということである。
しかし、肉体的に既に彼女に処女膜が無くなっていたとしても、精神的な純潔、心の処女性というものを彼女は失わずに持ち続けていたいと願っていた。
そんな彼女の気持ちを僕は大事にしていたからこそ、彼女と体を重ねるときには、性欲の解消ということではなく、何よりも二人の気持ちを深め合うということを大切にしていた。
あるとき、僕達はいつものように僕のベッドの上で裸で横になっていた。
僕は、「こうやってお互い抱き合った経験の一つ一つが、僕達の大学時代の思い出として刻まれて行くんだろうな。」と言った。
すると彼女は、「じゃあこれも覚えていてね」と言うと、体を起こして、仰向けになった僕の顔の上に自分のお尻を向けて跨った。
僕の顔のすぐ上に彼女の白いお尻がきた。
彼女のお尻の合わせ目の線は優しい感じをしていた。
そのすぐ下には陰毛に覆われた桃色の秘部が覗いていた。
彼女は僕のペニスを口に含むと、舌を這わせながら、手でペニスをしごいた。
彼女のさらさらとした長い髪がゆれて僕のペニスの周りや睾丸に掛かった。
彼女にペニスを舐め回されながら、僕は彼女のお尻の肉を掴み左右に押し拡げると、彼女の可愛らしい肛門が僕の目の前に露になった。
女性の肛門を皺の一つ一つが数えられるぐらい間近に眺めるのは初めてだった。
陰毛に覆われた大陰唇も拡げるとピンク色の小陰唇や膣口が現れた。
僕は彼女の体の最も恥ずかしい部分、秘密の部分全てを受け止めるかのように夢中で舌を這わせた。
左右の陰唇を丹念に舐めると同時に膣口に舌の先を入れた。
肛門の皺の一つ一つを舌でこそぐように舐めまわした。
時折、ピンク色の真珠のような陰核を舌でつつくと、彼女は、アッ、アッと声を上げた。
僕は大陰唇全体を口で大きく覆いながら、陰核の辺りを集中的に舌を這わせた。
僕の舌で陰核が押しつぶされるたびに彼女の喘ぎ声は大きくなり、やがて声が止んだかと思うと、彼女のお尻が小刻みに痙攣した。
彼女がオーガズムに達した瞬間だった。
同時に、僕も彼女の口の中に射精した。
ある夜、僕は1人でベッドに横になり彼女のことを考えていた。
そのとき不意に、彼女は僕と性交をしている時にどんな気持ちを感じているのだろうか、という疑問が頭に浮かんできた。
僕は急に、彼女が性交の時に感じている気持ちを実際に僕も味わってみたいという衝動に駆られた。
僕はパンツを下ろし下半身を露出させると、これから男のペニスを受け入れる女性のように両脚を大きくM字型に開いた。
そして、両方の手で僕の左右の太腿を抱え、持ち上げた。
そうすると、尻がベッドから浮き上がるだけでなく尻たぶが左右に開き、肛門に空気が触るのが分かるほど大きく露出された。
自分の両脚を抱えて蛙のような格好で仰向けになった僕は、今までに味わったことの無い恥ずかしさが込み上げてきた。
僕のペニスは激しく勃起していた。
更に僕は、四つん這いになって尻を大きく突き出した。
恥辱ともいえる感覚が体の奥から湧き上がってくるのを感じた。
普段はもちろん、彼女と性交をするときにも、僕がこんな格好を他人の前ですることはまずありえないのだ、と言うことに気付いた。
僕と性交をする時、彼女はいつもこんな恥ずかしい格好で、他人である僕の目の前に自分の恥ずかしい部分の全てをさらしていたのだ。
それだけでなく、この上ない羞恥心を感じながら、股の中心で深々と僕のペニスを受け入れていたのだろう。
女性が普段決して他人の前では見せられない恥ずかしい格好、それを彼女は性交の度に、羞恥に耐えながら思い切って僕の前にさらけ出してくれていた。
改めてそう気付いた時、僕の中に彼女に対する何ともいえない愛しさと切なさが膨らんできた。
気持ちの高ぶりに僕は居ても経ってもいられなくなり、彼女に電話すると僕の部屋に来るよう誘った。
やがて彼女がやってくると、僕は今感じたことを彼女に伝え、彼女が感じている気持ちを僕も共有し、感じてみたいと言った。
彼女は笑いながら、「そんなこと考えているんですか、いいですよ」と言った。
僕は、仰向けになって両脚を抱え大きく開いた。
彼女の目の前に僕の股間が完全に曝け出された。
彼女は僕の睾丸を優しく手にとってさすりながら、ペニスに口を付けた。
彼女の舌がペニスから睾丸へと這って行き、そのまま僕の肛門の周りを舐め回した。
彼女の舌の先が、僕の肛門の穴の中心をつつき、その皺の一つ一つを丁寧になぞって行く感覚をはっきりと感じることができた。
僕は目を瞑り、その感覚に十分に浸りきり、夢見心地で射精した。
性交を通じて僕と彼女の性器が触れ合う回数が増える毎に、僕は彼女に対する愛のような気持ちを感じ始めていたが、僕達の関係は曖昧なままで、彼女の僕に対する気持ちもよく判らなかった。
「僕達は付き合っているのか」と聞いたとき、彼女はしばらく考えた後、「たぶん、そうなのかな」と答えた。
まだ彼女が僕とのセックスでオーガズムを感じることはなかった。
この頃になると、僕と彼女との関係はサークルの仲間達にも知れることになった。
彼女は、性交で未だオーガズムに達したことがないということを、サークルの女子の先輩に相談したこともあったらしい。
僕達は、セックスの数をこなせばやがてイクことが出来るだろうと思い、幾度も性交を重ねていった。
大学3年の夏、サークルの合宿で信州の高原のペンションで5日間過ごすことになった。
合宿最終日の朝、僕と彼女はペンション近くの草原に二人で散歩に出かけた。
彼女はTシャツに白いホットパンツの格好で、歩きながら背伸びをしたり深呼吸をしたり地面に咲く花を愛でたりしていた。
その様子が、いまだ可憐な少女の面影漂う彼女の純粋さをより一層強調していた。
彼女の下半身に密着しているホットパンツのお尻の布地には、彼女が穿いていた下着のラインがくっきりと浮かび上がっていた。
その様子を見て、僕は勃起を抑えることが出来なかった。
短パンの前を膨ませている僕の様子を見た彼女は、「歩きにくそうですね。もしかして勃起しているんですか」と笑いながら言った。
「もちろん勃起してるよ」
「じゃあそこに座ってください」僕が草むらに座ると、彼女は僕の短パンとパンツを膝まで下ろし、ペニスを露出させた。
高原のさわやかな風が僕のペニスを撫でていった。
彼女の柔らかい手が勃起した僕のペニスを包み、ゆっくりと上下にしごき始めた。
僕は彼女のホットパンツのファスナーを外しショーツの中に手を入れると、ふさふさとした陰毛に覆われた彼女の陰部をまさぐった。
時折、大陰唇の割れ目に手を入れてなぞったりしながら彼女の陰部を愛撫し、その柔らかな感触を味わっているうちにオーガズムに達した僕は、高原の草むらに射精した。
「これで歩けるようになりましたか」と彼女が言った。
「おかげさまで」僕はパンツを上げると、再び彼女と並んで草原を歩き始めた。
僕が大学4年、彼女が大学3年の夏、夏休みで帰省したり卒論に追われたり、お互いそれぞれの予定があって、3週間ほど彼女と会えない日が続いた。
彼女とセックスをする関係になってからは、僕はマスターベーションを我慢するようになっていた。
彼女が僕のことをどう思っていたにしろ、僕は彼女に愛を感じていたし、彼女に対する愛を確かめたいと思っていた。
だから、射精するときには彼女との性交によって彼女の中に射精したいという気持ちがあった。
その当時は、彼女の性器の中以外で精子を放出することに、何かためらいを感じていたのだ。
二十歳そこそこの大学生だった僕にとって、3週間もの間、射精を我慢することは、自分の禁欲の意志を試されているかのような、ある種崇高な気持ちを感じていた。
このときは夢精することは無かったが、彼女が僕の部屋を訪れたときには、既に僕のペニスは恐ろしいほど硬く勃起していた。
この日僕は、人生で強く記憶に刻み付けられた2回の性交のうちのもう一つを経験することとなった。
僕達はすぐに衣服を脱いで下着姿になると、ベッドの上で抱き合いお互いの体を求め合った。
彼女が僕のパンツを下ろすと、これまでに無いほど太く勃起したペニスが勢い良く飛び出した。
僕は、彼女が穿いている淡いピンク色のレースのショーツの前後のゴムの部分を掴んで思い切り引っ張り上げた。
股布がよじれて彼女の大陰唇に喰い込み、両方の陰唇が二つの丘のようにこんもりと盛り上がった。
二つの丘の間の谷間には、ピンク色の布が紐のように割れ目に深く喰い込んでいた。
僕は、二つの丘の表面に生えている黒々とした陰毛に手をやり、ふさふさとした感触を味わった。
彼女のお尻はまるでTバックのように布が喰い込み、白いお尻が丸出しになっていた。
僕は、何度もショーツを引っ張り上げ彼女の股に深々と食い込ませながら、女子大生の股の部分の肉の形が変化する光景を味わった後、ショーツを剥ぎ取った。
自分のショーツが性器に食い込むたびに彼女は切なそうな声を上げた。
そして僕は、仰向けになった彼女の両脚を裂けるほど左右に拡げると、天井を向くほど大きく勃起したペニスをコンドームも付けずに彼女の性器に突き入れた。
もちろん、普段彼女と性交するときにはコンドームを付けていた。
でも、この日の僕は、普段より少し荒々しかったことは自分でも分かっていた。
それが、射精をずっと我慢していたためであったことも。
この時、彼女の膣は僅かしか濡れていなかったが、僕はペニスを奥まで一気に押し込んだ。
処女だった彼女に初めてペニスを挿入したときのようなきつい摩擦感、僕のペニスが覚えていたあの日の記憶が呼び戻されるのをペニス全体で実感しながら、彼女と股を擦り合わせた。
彼女はすぐに大きな喘ぎ声を上げた。
「今日は・・なんか・・いつもと違う、なんか・・いいかも」喘ぎながら彼女は言った。
「こうするのも悪くないよ」僕はそう言うと、両手で彼女の両方の太腿を抱え、彼女の肩の方に向けて思い切り押し倒した。
彼女の白いお尻がベッドから浮き上がり、僕のペニスを喰い込ませた女子大生の恥部が天井を向くほど持ち上がった。
マングリ返しと呼ばれている格好だと後で知った。
彼女の両膝が自分の肩に触れるくらい折りたたまれる格好になると、二人の大学生の性器の結合部分が彼女の顔の上方に現れた。
僕の太いペニスが彼女の愛液を絡ませながら彼女の膣から出たり入ったりしている様子を眺めながら、「いま、僕達の体がここで一つに繋がっているよ」と僕は言った。
彼女は自分の性器に男のペニスが入っている光景を初めて眺めて、「すごい・・私の股にペニスが出たり入ったりしてる・・私の股の間でこんないやらしいことが行われてる、これがセックスなのね・・・」と興奮をあらわにした。
久しぶりのセックスで敏感になっていたペニスに押し寄せてくる快感を必死にこらえながら、僕はそのまま腰を振り続け、彼女と股をぶつけ合った。
そうするうちに、彼女の喘ぎ声は、まるで切なくて優しくて心が痛くなるような悲しげな泣き声に変わり、そして、彼女の股の付け根の腱からつま先にかけてピンと硬く伸びた。
僕とのセックスで彼女が初めてオーガズムを感じた瞬間だった。
彼女が僕の部屋に来たときはいつも、僕達が好きだったミスター・チルドレンのCDを良く聴いていて、この瞬間、彼女が一番好きだった曲、イノセントワールドが流れていた。
彼女が初めて僕のペニスでイッたという事実に、僕はこの上ない愛しさを感じ、僕はペニスから広がってくる抑えきれない切なさに身を任せた。
勃起していた僕のペニスが更に一回り大きく膨らんだ瞬間、僕はこれまでにない程の勢いで激しく射精した。
僕は股を彼女の股にピッタリと密着させ、彼女に対する僕の思いの全てを精子にのせて注ぎ込むかのようにペニスの先を子宮に当たる位深く喰い込ませ、長い時間をかけて彼女の体の中に精子を搾り出した。
彼女の膣の中で僕のペニスが何度も何度も脈動し、その度に僕の精子が彼女の中に放出されていく感覚がペニスの先から伝わってきた。
十分に射精した後も僕のペニスはまだ勃起したままだった。
僕はペニスを彼女の中に入れたまま彼女を抱きかかえて体を起こすと、今度は僕が仰向けになった。
彼女が僕の上に跨る格好になった。
すると、彼女は「こういうのはどうなのかな」と言うと、僕のペニスを膣に入れたままゆっくりと体を回転させた。
ペニスを軸にして彼女がお尻を回転させると、膣の中でペニスが捩じれるような強烈な感覚を味わった。
彼女のお尻が完全に僕の顔の方に向くと、彼女は自分からお尻を動かした。
結合部分から、さっき射精した僕の白い精子が流れ出て、彼女と僕の黒々とした陰毛にこびり付いていった。
彼女がお尻を振るたびに、彼女の膣の粘膜が捲れ上がり僕のペニスに絡みついいた。
その結合部分のふもとで、二人の黒々とした陰毛が絡み合っている所に、白い精子や彼女の愛液が光っている様子は、この上なく卑猥な眺めだった。
この日、性交で初めてオーガズムを味わうことの出来た彼女は、いつもより積極的にセックスを味わっているように見えた。
普段、真面目な女子大生だと誰もが認めている彼女が、仰向けになった僕の上に跨り、喘ぎ声を漏らしながら夢中で可愛らしい白いお尻を振っている、そんな彼女のお尻の肉を、僕は両手で鷲掴みにして揉みしだきながら、「いつも二人で、世界の貧困の現状や日本の行く末を真面目に語り合っているけれど、こうして大学生の僕達がセックスをしてお互いの性器を触れ合わせることはそのことにどう関係あるのだろうか。彼女と性交をしているときに感じる幸福感、これをいつも感じることの出来る世界はあるのだろうか」などと考えていた。
そんなことを考えているうちに、彼女の白く可愛らしいお尻に思い切り僕の下半身をぶつけてみたい衝動に駆られて、僕は性器を繋げたまま彼女を四つん這いにして、バックから強く突き上げた。
僕の下半身が彼女のお尻に叩きつけられる度に、大学生の男女の肉がぶつかり合う音がアパートの部屋中に響き渡った。
四つん這いの姿勢で白いお尻を大きく突き出した彼女は、長い黒髪を激しく振り乱しながら一層大きな泣き声を上げた。
結局この日、僕達は3度交わった。
暑い夏の日、狭いアパートの一室で僕も彼女も汗まみれになりながら、性器が擦り切れるほどお互いの股をこすりあわせ、ペニスと膣を摩擦しあった。
終わったあと、僕と彼女の股間では、二人の汗と僕の精液と彼女の愛液が一体となって混ざり合い、ベッタリと濡れていた。
この時のセックスが、彼女と交わしたセックスの中で最も激しいものだった。
大学を卒業した僕は東京で生活することになった。
彼女と会う機会が一気に少なくなり、セックスの頻度も2ヶ月に一度もあればよいくらいになった。
僕は、大学時代にはほとんど止めていたマスターベーションで性欲の処理をするようになっていた。
そのうち、お互いの気持ちも次第に薄らいでゆき、彼女との関係もやがて途絶えてしまった。
彼女が大学を卒業して数年立った頃、別の男性と交際し結婚したという知らせを、当時のサークル仲間から聞いた。
その話を聞いたとき、僕は、昔彼女に抱いていた無垢な気持ちとは程遠い、とても他人には言えないような嫉妬と欲望の感情にさいなまれた。
しかし、今ではそれも消え去り、純粋に彼女の幸せを願っている。
その後、僕は何人かの女性と交際したが、僕は僕のままでゆずれぬ夢を抱えていて、何度性交を重ねたとしても、それぞれの人生観まで理解し合えることは無かった。
現在、報道カメラマンとして世界中を飛び回るようになった僕は、発展途上国を何度も訪れ、怠惰と飽食に覆われた日本とは対照的な状況を数え切れないほど目にしてきた。
混迷を極める世界の状況に接してきた僕は、理屈の通らない世の中の入り組んでいる関係の中で、いつも帳尻を合わせるような自分に、いつのまにか傾きかけていた。
そして、大学時代に彼女と過ごした日々ははたして現実だったのか、僕の中にある記憶の現実感が夢の破片のように年月とともに揺らいでいった。
しかし、イノセントワールドの曲とともに彼女の記憶が鮮明に蘇ってきた今、無邪気で屈託の無かった彼女の存在は僕の大学時代そのものだったということに気付いたのだ。
いつの日もこの胸に流れているメロディーに、今まで気付かなかった僕は、まるで、自分の心を仕事に汚染されていたかのようだった。
純潔で無垢な二人が初めての性交を経験して以来、学生時代に数え切れないほど体を重ねてきたことは、確かな事実である。
後に、失われた90年代と呼ばれるようになるあの頃、変わり続ける街の片隅で、無邪気な二人の大学生が、アパートの一室で裸の体を重ね、性器の交わりを通して何度もお互いの気持ちを確かめ合っていた。
僕達は、大学時代に月に数回の性交を重ね、心も体もお互いにさらけ出していた。
彼女は大学時代の僕にとって、自分の全てをさらけ出すことの出来た唯一の女性だった。
そして、彼女にとっても大学時代に自分の体の全て許すことを決心した相手が僕だった。
僕の脳裏に彼女に対する様々な思いが交錯した。
女子大生だった彼女の処女を奪ったあの日、ペニスの先に感じた彼女の処女膜、そして僕のペニスが処女膜を破った瞬間に彼女が見せた切ない表情、男のペニスを初めて受け入れる痛みを必死にこらえながら彼女の唇から漏れてくる痛々しく切ない泣き声、僕の記憶の奥にに刻み付けられていた忘れられない初体験の光景が、彼女の可憐な面影とともに鮮明に浮かんできた。
そして、大学時代、僕と体を重ねるたびに彼女が僕だけに見せてくれた数々の痴態までも。
彼女さらさらとした長い黒髪、彼女の穿いていた下着の布の感触、体の隅々の匂い、肉付きの良い白いお尻、可愛らしい肛門、ふさふさとした陰毛、きれいなピンク色の陰唇、僕のペニスが深々と喰い込んだ彼女の股間、僕のペニスを締め付けた彼女の膣の感触、ペニスの先に当たる子宮の感触、ペニスを挿入されたときの彼女の切なくて悲しげな泣き声、彼女の膣にペニスを包まれて射精する快感、大学時代に僕と性交を重ねた彼女の若々しい体の隅々全ての感触が、いま僕の頭の中でリアルな感覚を伴なって蘇った。
大学時代、部屋の窓に反射する哀れな自分を愛しくさえ感じ、黄昏の街を背に彼女と抱き合えたあの頃が、僕の胸をかすめていった。
当時、僕と彼女はどれほど性交を重ねようとも、二人とも心は純粋なままでありたいと思っていた。
僕達はセックスをしているときには確かに幸福感に包まれていたし、二人の性器が繋がっている間は、僕達は平和に包まれた別の世界に存在していたのだ。
現実の世界の状況がどれほど混沌としようとも、僕達二人を取り巻く世界は、果てしなく続く純粋なまでに無垢な世界で在り続けたい。
それが、大学生だった僕と彼女がお互いの性器を触れ合わせながら感じていたことであり、望んでいた世界だったのかもしれない。
(この文章は、当時の僕の記憶を出来る限り精密に想起し、そのとき僕が実際に感じた気持ちの動きを行為の細部の状況とあわせ、徹底したリアリズムに基づき表現している。そのため、性交未経験であるがゆえに性交に淡い幻想を抱いている若い人達にとって、性交時における陰部の描写などに不快感を覚える人もいるかもしれない。しかし、性交とは男女の体の一部すなわち陰部で現実にどのような状況が繰り広げられている行為なのか、ということを客観視することにより、常に覚醒した視点から状況に対処されたいという思いを込めたつもりである。)

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