女性教師による男子生徒に体罰
2021/05/03
「みんな、ちょっと注目してくれる!いいものを見せてあげるわ」
担任の女教師、優美子が言った。
放課後の、西日がさす教室の一場面である。
その日、掃除当番に当たっていた、われわれの班五人と、意味もなく教室で雑談していた六~七人の女子生徒だけが、そのとき、その場所にいた。
女教師の優美子につづいて・・・・・・というよりも、むしろ彼女に引きたてられるようにして、教室の中へ入ってきたのは、隣のクラスの男子生徒二人。
いずれも素行にやや問題のある腕白小僧として、学年全体に顔を知られる存在だった。
その二人が、今日はやけに落ち着きがない。
いや、落ち着かないのはいつものことだが、妙に緊張している。
顔色が、白い。
話す言葉が、せかせかとしている。
そんな季節ではないというのに、全身に汗をかいている。
おれたち五年三組の生徒は、その二人が、またなにかとんでもない悪さをしでかして、罰を受けるのだと直感した。
だがそれにしても、なぜ彼らはこの教室へわざわざ連れて来られたのだろう?優美子先生の言う、
「いいもの」
とはいったい何なのか?その場に居合わせた十人ほどの生徒たちが、女教師の次の言葉に期待した。
優美子先生は、二人の腕白小僧を教壇の前にならべると、普段の授業では一度も見せたことのない険しい表情で、
「それじゃ、約束通り、やってもらうわよ。ここにいるみんなの前でね」
と、言った。
二人の腕白は、身をよじったり、女教師の顔を哀願するように眺めたり、少しの間躊躇していたが、優美子先生がもう一声、
「ほらッ、どうしたのよ。先生と約束したでしょ。いまさら何を恥ずかしがっているのよ。さっさとしなさい」
言うと、二人のうち背の低い坊主頭の少年が、はいていた白い体操着の短ズボンを、ズルリ、とその下に着けていたパンツまでいっしょに、いきなり脱ぎ捨てたのである。
予想外の光景を目にした女子生徒たちが、みな一様に悲鳴をあげた。
もう一人のやせた少年は、そう簡単には覚悟ができないらしく、隣の相棒がみんなの前に下半身をさらした後も、まだモジモジしていた。
すると、優美子先生が、さらに激しい叱責の言葉を放った。
「こらッ!マサノリ君は脱いだのに、なんで脱げないの。いいわ、それじゃ、先生が脱がしてあげる」
そう言って、彼女は少年のズボンに手をのばした。
よせっ!と叫んで、少年は女教師の手をはじく。
怒った女教師はただちに命令を発して、
「あんたたち、ちょっと、手伝ってちょうだい!」
その命令に従順に応じた幾人かの生徒が、わっ、と一人の少年の周りに群がり、たちまち彼のズボンと、パンツの両方を引きずり下ろした。
腕白少年はそろって直立を命じられ、それから五分ほど、剥き出しの下半身をみんなから観賞された。
おれと、他に二人いた男子生徒は、気恥ずかしくてその場にいたたまれなかったが、女の子たちは全員大はしゃぎで、この
「お仕置き」
を楽しんだ。
やがて、やせた方の少年が泣き出し、それにつられて坊主頭も泣いたところで、この会はおひらきとなった。
学年全体に
「スカートめくり」
が大流行し、子供たちはそれを一種の“鬼ごっこ”としてやっているからいいようなものの、さすがに教員会議で問題となって、やがて全面禁止となったのは、それより一週間ほど前のことである。
万が一、この禁をやぶった者は、それ相応の罰を与える。
具体的には―――みんなが見ている前でパンツを脱がして、女の子と同じ恥ずかしさを味わわせる―――と、優美子先生は言っていた。
だが、まさか本当に実行されるとは思わなかった。
妙齢の優美子先生の口から、
「パンツ脱がし云々」
を聞いたとき、子供ながらにゾクゾクとしたことを覚えている。
言っておくけど、この話、本当にあったことですよ。
もう二十年以上前の話になるが・・・・・・。
きっと今だったら、問題になることが確実な、教師による
「体罰」
のお話でした。