20歳の春、僕に初めて幼馴染ができた

2018/03/29

今まで気付かなかった。
僕には幼馴染なんていないと思っていた。
幼馴染って、お互いの家に入ったりお風呂に一緒に入るような関係だけを示すものだと思った。
違った。
僕には同じ丁目で幼稚園から中学校まで計7回同じクラスで仲の良い女の子がいた。
小1~小5までずっと同じクラスで一緒に学校を帰ったりもした。
僕が学校を休んだときは手紙を届けてくれたりもした。
しかし、小6で初めて別なクラスになり、それから中学になってもあまり話す機会は無くなっていった。
再び中3で同じクラスになった。
幼「なんか久しぶりだね!」俺「そうだね・・・」
何故か俺はぶっきら棒な態度を取るようになった。
その1年間、ある程度は会話したものの、大した進展もなく中学校を卒業した。
幼馴染は僕より頭が良く隣町の進学校へ行き、僕はこの町の高校へ進んだ。
中学校を卒業した頃僕はこう思っていた。
(何であんな態度をしていたんだろう。可愛かったな。でももう会うことはないかな。)
(小6の同窓会もクラスが違うし、中3も地味なクラスだったから同窓会もやることはないのかな。俺は携帯も持ってなかったしメアドも知らない。)
それから時は流れ・・・5年後の今年の1月。
成人式。
飲み会会場からカラオケ会場まで歩いているとき。
もしかした僕は忘れていたのかもしれない。
「あー!○○ちゃん(俺の名前)!久しぶり!え~すんごく変わったね!カッコよくなった!」
振り向くと、そこには美少女の姿があった。
中学時代あまり女と話さなくなっていた俺に
こんな可愛い子いたっけ?一瞬そう思った。
けど直ぐに気付いた。
俺は「あ!!超久しぶり!そっちこそ変わったねー。」
その後、再開した極普通の反応で会話をしたいた。
「今何をやってるの?」とか「高校時代はどうだった?」とか
空いた空白の5年間をただただ話していった。
成人式というと女はケバくなっていることが多いが、学生当時小さかった彼女は
黒髪で大人っぽい服装の清楚な女性に変わっていた。
一言で言うと諸タイプだった。
僕は自分自身では変わっていないつもりでいたが、どうやら彼女にすれば男になったらしい。
メアドと電話番号を交換した。
お互い現在大学に通っている。
明日から僕はまたこの地元を離れる。
一夜を明かし、朝に幼馴染は駅まで一緒に来てくれた。
お互い20歳にして誰とも付き合ったことがなかったようだ。
高校の時、僕は当時好きだった娘に告白されたが断った。
幼馴染がもっと好きだったから。
彼女の方はどうだったんだか・・・。
別れの時が来た。
次に彼女に会うのはいつになるのだろうか。
そう思っていた。
俺「またね!」。
幼馴染はなんだか寂しそうに見ていた。
電車が走った。
俺は窓から見える地元の緑を見ながら都会へ進んだ。
早朝の電車の俺にメールが着た。
幼馴染からだ。
「絶対また会おうね!」 次の日から学校が始まった。
その頃大学のテスト勉強が忙しくて、成人式の時間も惜しいくらいだった。
それから1ヵ月後・・・。
僕は春休み地元に帰ってきた。
幼馴染に連絡をした。
今までで一番中の良い関係かもしれない。
幼馴染を家に呼んだ。
(このときまだ実は幼馴染という感覚はなかった。)
(正直、ただの小学校から仲の良かった女友達という認識だった。)
アルバムを一緒に見返した。
小学校、中学校。
すると彼女は「幼稚園のはないの?」と聞いた。
俺は一度も幼稚園のアルバムを見たことが無い。
屋根裏部屋から探した結果一冊のアルバムを見つけた。
その写真を見た俺は全てを思い出した。
彼女とは幼稚園の時からの関係だったんだ・・・。
幼「私たち幼馴染だったんだね^^」俺「・・・そうだね。」
見ると初めて入った年中クラスでお互い隣の席になったのは彼女と俺だった。
それから数日が経つ現在。
まだ付き合うという訳ではないが、それは僕たちにとっては明日の出来事かもしれない。
恋人いない歴=年齢
僕等は思い出を巡った。
20歳の春、僕に初めて幼馴染ができた。
-おわり-
嫁にしろと迫る幼馴染みのために××してみた (電撃文庫)

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