妻の浮気とポストの中の10万円[後編]
2018/02/18
約束の木曜日。
幸いその日はバイトの居酒屋がすごく忙しく、私は妻と先生の事を考える余裕が全くなかったのですが、お客さんの中に妻と同じ歳くらいの女性と歳の離れた男性を見た時に我に返りました。
その日ばかりはポケットに忍ばせていた携帯(勤務中の携帯の所持は店長に禁止されている)の時計を見ると22時を過ぎたところで・・・。
二人が食事を済ませ帰るだけならもう終わるはず、止めるなら今しかない!
そう思ったら私は仕事が手につかなくなり、すぐさま店長に体調が悪いと嘘をついて帰らせてもらいました。
居酒屋を出たのが23時くらいで、妻に電話をすると拍子抜けするほど明るい妻の声・・・。
「もしもーし!お疲れ~!バイトどうしたの?早いね?帰り?」
「いや、暇だから帰っていいって言われて」
「そっか~こっちは今までご飯食べてて、これから近くの居酒屋に行こうって話してたんだよ~」
妻は少し酔っている様でした。
「そうか、何人くらい集まったの?」
「それが~先生ってば私しか誘わなかったんだって!これじゃあ新手のナンパだよね~!ウフフ・・」
隣に居るであろう先生にも向けた言葉で、妻が先生を見ながらしゃべっているのが目に浮かぶ様でした。
覚悟はしていましたが、実際に妻が先生と2人きりでいると知ると嫉妬心が強くなり、「終電がなくなるからもう帰ってこいよ!」と言いました。
普通の夫なら当たり前のセリフですよね。
でもこの時の私は、“契約違反なのかな?”と馬鹿真面目に考えていました。
(ちなみに先生からの10万円は手をつけてません。)
しかし妻は・・・。
「大丈夫!最悪はタクシーでも拾うから」
妻はタクシーなんて高い乗り物は乗りません。
きっと先生に「タクシーで送る」とか言われたのでしょう。
今更ですが、一番マズイ展開でした。
私は妻に絶対に飲みすぎないように注意して、帰る前には必ずメールでもいいから連絡をする様に約束してから電話を切りました。
私が家に着いたのが日付が変わるちょっと前くらいでした。
もちろん妻は居ません。
冷蔵庫にあったビールを飲み、時計を見ながら妻からの連絡をひたすら待ちましたが、日中も働いているのでさすがに睡魔に襲われてしまい、2時15分(くらいだったと思います)を最後にそのままテーブルで寝てしまいました。
硬い椅子で寝たせいか、体が痛くて目が覚めました。
時間は朝6時半でした。
びっくりする事に、なんと妻がソファで倒れる様に寝ていたのです。
なんで家に居るのだろう・・と、変な疑問が湧いてしまいました。
妻はいったい、いつ帰って来たのだろうか?
妻に対して聞きたい事がたくさんあったので、とにかく起こそうと思い近寄るとお酒の臭いがしました。
かなり飲んだのかな?
妻は友人などの結婚式にしか着ていかない白いドレスを着ていました。
細身のわりに大きいお尻がシルク地のドレスの下から突き上げるようにヒップラインを型どっていて、とてもセクシーでした。
「おい!風邪ひくぞ!」
「う~ん」
何度か声をかけたのですが全く起きる気配がなかったので、起きるまで待つことにしました。
私は妻と先生の昨日の状況を把握しないまま仕事など出来ないので会社を休む事にしました。
午前中には妻は起きてきました。
今朝、何時にどうやって帰ったきたのか妻に聞くと、妻はほとんど憶えていないと言いました。
最後の記憶は私との電話のあと居酒屋で飲んでいる途中までだそうです。
私は記憶がないのでは仕方ないと思い、きっと居酒屋で飲み潰れて私が寝ている間にタクシーで帰ってきたのだろうと、いくつかの矛盾を分かりつつ自分に都合の良い解釈をして“何もなかったんだ”と決めつけました。
私の甘いところがこういうところです。
翌日、先生から連絡がありました。
大事な話があると言われたので、夕方から病院を訪ねました。
会いたくもなかったのですが、のこのこ出ていくのには訳がありました。
お金を返すためと、木曜日の事を聞きたかったからです。
病気でもないのに病院に行くのは不思議な感じでした。
受付で女性に入院中の患者さんの面会ですか?と聞かれたので、小児科の先生に呼ばれてと言うと、受付の女性は電話で先生に連絡して、私にここに訪ねてくださいと言って院内の地図を指差し。
言われた通り、案内された場所に行きました。
部屋の扉には『控室2』と記されていました。
ノックをすると同時に扉が開きました。
「待っていましたよ!」
もう二度と見たくない顔がいつもに増して元気そうに挨拶してきました。
私は適当に挨拶をしてから部屋の中に入りました。
一人用のベッドとソファに、テーブルとテレビとポット、全体をぱっと見回してもこの程度の物しかなかったので仮眠室かな?と思った瞬間、“この控室はもしかして例の部屋なのか?”と、頭に思い浮かべていると・・・。
「すみません、粗末な部屋で仮眠室なんですよ」と先生。
「いいえ、お構いなく」
「ここでしかゆっくりお話出来ませんしね」
平静を装っていましたが、ここで妻を含めた何人もの女性が先生とスケベな事をしているのかと想像しだしたら股間が熱くなってきました。
「先日はありがとうございました。良い夜でしたよ!」
良い夜・・・?
股間の熱さよりももっと熱いものが頭に上ってきました。
「私もあんなふうに興奮したのは久しぶりでしたよ!」
「えっ?先生・・・妻と・・えっ?」
「ええ、旦那さんが奥様に電話してきた後、そのままホテルにいきましたよ」
私は動揺を隠せませんでした。
「えっ?・・・は?」
「でも・・妻は・・・居酒屋に」
頭の中で一気に整理しました。
「先生!万が一って言ったじゃないですか!」
「え?いやいや、ですから最初に断わっておいたじゃないですか!」
このとき先生の方もびっくりしていました。
きっと“何を今更”とでも思ったのでしょう。
この人にとって『性行為』なんてものは“気軽に誰とでもやってしまうもの”なのだから価値観が違いすぎます。
私は出来る限り冷静に考えました。
妻は居酒屋に行って途中から覚えてないと言っていました。
「けど先生!妻は飲みすぎて記憶がないって言ってましたよ!酔わせて強引に連れて行ったんじゃないですか?」
2人のどちらかが嘘をついている。
しかし嘘をつかなくてはいけない立場の人間は先生ではなく、妻の方であることもすぐに分かりました。
先生には嘘をつく意味があまりないからです。
「旦那さん、奥様はとても魅力的な女性です。私はそんなことしませんよ」
やさしい口調が、私を苛立てました。
妻に裏切られた!あの酔い潰れ方も演技!話の内容もすべて嘘!
その後、先生が何か話をしていてのですが、何の話をしていたか頭に全く残っていません。
ただ最後の方で電撃を受けたような言葉が頭に飛び込んできました。
「ですから、月に数回、奥様とまたお約束してもよろしいですか?」
この生物は妻とまたセックスをさせてくれと頼んできたのです。
私は怒りを通り越して呆れました。
しかし、この時の私もおかしかったのです。
「もう好きにしてください!」
どうにでもなれあんな女!
心の中で叫びました。
「そうですか!良かった。殴られるのを覚悟していたんで!」
先生の思う壺だったのでしょう。
「先生・・・何故うちの妻なんですか?先生は他にも・・・噂は聞いてますよ!」
私は皮肉たっぷりに質問しました。
(半分、降参宣言でしたが)
「奥様は・・・」
先生の顔が生き生きしていました。
「奥様は処女のような反応でセックスをしますよね。そこがすごく新鮮で・・・。若い頃、初めて付き合った彼女とのセックスを思い出させるんです!」
夫を前にして爽やかに言い放ちました。
“処女のような反応”と言われても、妻とのセックスしか知らない私には分かりません。
頭の隅で“世の中の女性はどんな反応をするのだろうか?”と考えてしまいました。
先生は続けて・・・。
「それで・・・あ、いや・・やめましょう」
「いいです。先生・・・話してください」
「ええと・・・奥様をもっとスケベにしてみたいと思ってしまって・・・すみません」
聞かなければ良かったです。
人の妻を寝取り、旦那の前で自分ならもっと女性にしてあげられるということです。
私はセックスに対してここまで情熱的になった事など無いです。
年齢が若すぎるせいでしょうか?
ただ、私の性欲の無さも少しずれているのは理解していました。
先生とはろくに挨拶もしないで部屋を出ました。
結局、現金を返せないまま(返したくなくなったのですが)病院を後にしました。
家に帰ると、妻が子供と夕飯の片付けをしていました。
「お帰りなさい!どこに行ってたの?」
私は妻の顔を見れませんでした。
「いや、残業でね・・・」
妻に対して怒りではなく、ただ敗北感がそこにありました。
先生との話はしませんでした。
(出来なかった、が正しいのかも)
その晩、妻とセックスをしました。
先生の言う“処女の様な反応”を確認したかったからです。
(結果を先に言いますと全く分かりませんでしたが・・・)
妻は相変わらずフェラを嫌がりましたが、強引にしゃぶらせました。
ビデオなどで観るような動きをなかなかしないので、こちらから腰をふり、嫌がる妻の口でチンポを出し入れしていると妻にも少しずつ変化がありました。
「おおっ!」思わず声が…