続続続続・仮名はなださんのアパートで…
2017/10/22
くどーちゃんの目の前には、是非とも見たいと思っていたタキシード姿のはなちゃんがいた。
タキシードはシルバー系ので、胸元には白いお花が添えられていた。
「はなちゃん、世界一、素敵…」
私が見とれていると、
「ありがとう。くどーちゃん、世界一、綺麗だよ」
とはなちゃんは優しい目をして言ってくれて、言葉にできないほど嬉しかった。
私は、憧れの白いドレスを着てた。私は、好きな人ができると、こういう「いつの日か」の想像は、ついコソッとするんだけど、とうとう、子供のころからの夢が叶ったんだ。
大好きな人のお嫁さんになることだ。
となりではにかんで笑う大好きなはなちゃんのタキシード姿を、強く強く、心に焼き付けた。そして、初夜。
ホテルのベッドの上で、エッチをした。
「はあ…、はあ…、すごい…、はなちゃん…」
「はあ…、はあ…、もう…こんなにして…いやらしいね…」
ゆるやかに私の中を擦りつけて、はなちゃんの体が揺れてる。
「はあ…、はあ…、もっと激しく…して…」
「いいよ!こう?こう、され、たいの?」
「はあっ、ああっ、すごいっ、すごいっ」
荒々しく私の中を擦りつけて、ベッドも揺れてる。
「あっ、あっ、すごいっ、あっ」
「くどーちゃん、いいの?好きなの?」
「いい!好き!大好き!」
パンッパンと私とはなちゃんの体のぶつかるのと、強い擦りつけに、急激に強くなる快感のなか、
「あ!ィッ!ちゃう!」
「く!もうすぐ俺も!」
「あ!あ!あ!!!!」
「あー、くどーちゃん!!く!!!ううう!」
(あー、中で出てるう…!いっぱい!いっぱい…)
と、真っ白な頭のなか、はなちゃんの熱い射精を体感した…。エッチが終わってしばらくして、この特別な日の初夜の幸せに浸ってた。
前の別れ話の日を思った。
あの日、運命が違ってたら、この日はなかったからだ。
私が、あの別れ話をしたのは、はなちゃんの本心の気持ちをちゃんと知りたくて、切り出してみたんだ。
だから、私には別れたい気持ちなんかなかったんだ。
ただ、はなちゃんの気持ちを、私が思い違いをしてないか知りたかったんだ。
そのことを伝えた時、「ごめんなさい、はなちゃん、ごめんなさい!」っと必死に何度も何度も謝った。私とはなちゃんは、大切な意志疎通は、一緒にいても手紙でやり取りをしていた。あの別れ話の期間中、仕事帰りにはなちゃんとばったり会うとまた、居酒屋へ誘い、帰りに飲み足りないと駄々をこねて、はなちゃんのアパートへ行って、泊めてもらった日があった。はなちゃんは寝室で寝ていて、私は、リビングのソファーを借りて寝ていたんだけど、眠れなくてトイレへ立つと、テーブルの上に、はなちゃんからの手紙があった。
いつ置かれたのか、私は、毛布をかぶって、ボーッとしていてわからなかったようだ。それでも、はなちゃんが置いてそんなに時間を置かずに、気付いたように思う。いつも以上にその手紙には、はなちゃんの想いがたくさん書かれていた。
そして私は、はなちゃんの気持ちを、思い違いしていた事を知った。
はなちゃんが別れを決意していることも、知った。そして私は、この運命の日のこの先に、例えばこの素敵な結婚や初夜が完全に無いものだとしたら…?と、たくさんたくさん考えた。結婚や初夜なんてなくていい。
期待もしない。
ただ、繋がっていたいと思う。
はなちゃんが私にとって、特別で、大切な存在だから。
私を大切って想ってくれた、はなちゃんだからだ。
今まで通りでいいって思う。
一生、メールだけでいいからって思う。
はなちゃんは、そういう大切な存在だって思う。
完。