ヤクルトレディーとの出会い・・1/2
2017/09/04
俺以前トラックを転がしてたんだが、いつも渋滞する交差点で週に2〜3回はヤクルトの販売員が居た。信号が赤になると商品を手に持って停車中の車に廻ってくる、俺はそこで右折するのだが、大概は青4〜5回分待たなくてはならなかった。
ヤクルトのノルマも結構厳しいらしい、何年かは50代くらいのオバサンが売ってたが、俺が見る限りそれほど成績が良いようには思えなかった。俺はジョアが好きだったので時々買っていたが・・。処が、人が変わって若い(といっても30代)わりと見栄えの良い人に替わってから信号の間にちょくちょく売れるようになった。
俺も、その人が居ると必ず買うようになった。買うときに二言三言会話を交わすようになった(俺だけではないが)「暑いですね今日はどちらまで?」「津です」「お気をつけて・・」仕事仲間にも評判が良くて、中にはファンになったと言い出す奴さえいた。
その人(Fさんにしときます)はヤクルトの若手には珍しく(失礼)髪は染めずに上品で真面目そうな感じで笑顔が似合う。ただ何となく翳がある。全体の雰囲気はモーニング娘?の中の演歌系??の前田ユウキ??に似てると想う(雑誌の立ち読みで見ただけなのではっきり判らない)
雨が降っている日、ふだんなら居ないはずだがFさんは珍しく交差点にいた。「雨ですのに?」「今日あんまり捌けてないんですよ」と俺がジョアを受け取ろうとしたとき、路側を2ケツの原チャが突っ込んできた。Fさんは慌ててよけたが後ろに乗っていたガキの膝が接触してこけてしまった。
原チャはそのまま信号無視で逃げてしまった、俺はナンバーを読もうとしたがそもそもナンバープレート自体が無かった。ハザードを付け、すぐにクルマから降りてFさんを助け起こした。幸い怪我はなく、警察に?という俺を「別に良いです」と制止した。
でも気がすまなかったので俺はCBでトラック仲間に原チャの特徴をいって見つけたら連絡をくれるように頼んだ。「アリガトウございます、本当に大丈夫ですから、お仕事遅れないでくださいね」俺は自分でも不思議なくらい腹を立てていたが、言われるまま仕事に戻った。
営業所に戻るとさっきの事が話題になっていた、同僚の一人に心当たりがあるという「もしかしたら、うちのチームの後輩かもしれんワ」その同僚と探していると、派手な単車が数台止めてある喫茶店の前に目当ての原チャがあった。
入っていくと数人が立ち上がって同僚に向かって挨拶した。その中に見覚えのある派手なメッシュ頭の奴がいた、間違いないコイツだ! 話をするとさすがに先輩の前だったので素直に非を認め、Fさんに謝らせることにした。2日後交差点にFさんが居るのを確認して運転していた奴も連れて謝らせた。
Fさんは却って恐縮したが、そのガキどもに商品を渡して「気を付けてくださいね」と一言だけいった。そのことがあってから、Fさんは今までにまして親しげに話してくれるようになった。(気のせいではないと思う)それからしばらくして、非番の日。
パチンコで負けてむしゃくしゃしながら出てくると駐車場にFさんが居た。「ここでも?」「ええ、時々。最近成績良くないんです」「でも、あそこ良く売れてますやん・・」「そうなんですけど、本当はルートの売上の方が大事なんです」「そうなんですか」「ええ、私まだ入って短いですし、前の人の引き継いだんですけど何件か横取りされたりして・・」
「悪い人いるんですねぇ」「Bさん(会社名が私の呼び名だった)みたいに大型とかあったらいいんですけど何も資格とか無いですし」「そんなこと無いですよ、車乗るほか何も出来ませんし、でも大型は気持ちええですよ」「へぇ、そうなんですか?」「ええ、運転席高いでしょ、高速とか走ってたら最高ですワ、ふだんでも載りたいくらいです」
「そうか、そうですよね。気持ちよさそうですね(笑)」「いっぺん、乗せたげましょうか?」「え?」別にそのときは何をどうしようといった思惑があったわけではなく、何となく言ったのだが、意外にもFさんは乗り気で聞き返してきた。
「でも会社の車なんでしょ?無理ですよね・・」「え?あぁ大丈夫ですよFさん休みの日に乗せたげますよ、途中で拾いますから」「え・・でも」「但し、行き先は何処になるかは会社次第ですけど。それで良いですか?」「そうですね・・」「あ、そうか子供さんとか旦那さん・・?」「それは大丈夫です、”今は”独身ですし・・」「じゃ決まり、いつお休みですか?」
数日後、俺は営業所を出ていつもと違う道を使い、待ち合わせの場所に行った。Fさんの手を引っ張り上げて前日にピカピカにしたコクピットの助手席に座らせた。(当然、会社の連中にも誰にも今日のことは言ってない。「高いんですね、ほんと気分よさそう」Fさんは無邪気にそういって微笑んだ。
「じゃ、出発しますよ」「え?いえもう良いです。見せてもらえましたから。お仕事邪魔でしょ?」「なに言ってるんですか、走らんと判りませんよ、それに今日は七尾までですし」「七尾?」「能登です。すっごいいいとこです。道も走りやすいし」「そんな遠いんですか?日帰りですか?」ちょっと不安そうな表情をした。
「片道5時間くらいです、向こうでちょっと待ってもらいますけど、充分日帰りです」「そうなんですか・・でも」「しんどかったら休憩入れますし、まぁドライブ気分で行きましょうよ」しばらく考えて「じゃ、行きましょうか。お願いします」俺は、今日いつもより時間に余裕をもたせる為に出発時間を2時間早目にした。
名神の多賀で遅めの朝食を摂ったが、Fさんは「何か作ってくれば良かったですね」といい売店でお菓子を買ったりしてすっかりピクニック気分だ。俺も何となく気分がウキウキしていた。いつもの無線も今日はoffだ。北陸道〜能登道を使って現地に近づくとFさんを温泉施設に降ろして待ってもらい。
俺は一人で荷主のところに行った。道もすいていたので予定より早く着きすぎたので一言イヤミを言われたが、今日は何を言われても平気である。急いで温泉施設に戻るとFさんが濡れた髪のまま待っていた。「気持よかったですよ、Bさんも入れば?私ももう一回はいろうかな・・」促されるまま私も温泉に浸かり仕事で来ていることを忘れそうだった。
すっかりリフレッシュしてお湯から上がると、せっかくだから能登の美味しいモノを食べようと話しがまとまり、施設の人に良い店を聞いて新鮮な魚介類をお腹いっぱい堪能した。俺の頭から完全に仕事の事など吹き飛んでいた。がしかし、クルマはカラとはいえ営業所に戻らなくてはならないので、夕方前には能登を後にした、それでも前半の貯金が効いていつもと変わらない時間だったが。
帰り道米原の手前から渋滞にひっかっかった。Fさんはすっかり満足したのか夕日が落ちる頃にはうとうとし始め、やっと名神に入った頃には助手席に横になるようにして眠ってしまった。なんと無防備なのか、でも無邪気な寝顔が、却って俺のスケベ心を刺激した。
手を伸ばせば届くところにFさんの頭がある、俺は恐る恐る髪の毛に触れた、特に反応が無かったので更に2〜3度髪を撫でた。すると急にFさんが俺のその手をつかまえて、ぎゅっと握ってきた。ドッキーン!として謝ろうとしたが声が出ずに居ると、Fさんは俺の手を払いのけず、逆に髪に押し付けるように力をこめた。
俺の股間が反応し始めた事は言うまでもない。Fさんは握っていた手を離すと俺の左の太腿に手を置き、軽く握るように指先に力を入れた。当然お互いオトナなのでこれが何のサインかという事はわかっていたが、運転中の俺にはこれ以上のことは出来るわけがなかったので、頭の中でこの後の展開をどうしようか必死で考えていた。
するとFさんはそんな俺の気持ちを知ってか知らずか、太腿の手を更に伸ばして付け根のほうに差し込むと、優しく包み込むようにしながら既に硬くなっているモノを握ってきた。思わず蛇行運転になって後ろからクラクションを鳴らされた。そこまで二人とも全く無言だったが、お互いの思惑が溢れ出して息が詰まりそうだった。