自宅接待で妻が上司に(2)

2017/05/29

俺は埼玉在住の25歳独身。青木といいます。
音楽好きの仲間3人と趣味でジャズバンドをやってる。
担当はギター。
アドリブに燃えていて、いつもその場で最高の演奏をすることに命かけてる。
追っかけもいて、たまにファンの娘に手を出してはリーダーに怒られてる始末。
さて、この前のライブでまた新しい女性ファンができ、打ち上げで仲良くなった。
リーダーが誘ったらしい。可奈という名前の割と印象のいいコ。
ギター教えてというので、酔っ払ってた俺は二つ返事でOK。
家族も音楽好きで、音楽活動もしていると言う。
どんな音楽談義ができるかと思うと楽しみだった。
数日後家にそのコを招き、自慢の20畳のスタジオに加奈を入れた。
「すごおい。いろんな楽器がいっぱい。楽器屋さんみたい。」
担当はギターだがひと通りの楽器はある。
実はこの部屋は親父の音楽ルーム。でも楽器は親父と俺が二人が買い集めたもの。
「これドラム?ステージで見たのと違うね。薄っぺらいし音出ないよ。」
「それ電源入れないと音出ないよ。」
「え?昨日のも電源入れてたの?」
「昨日のは生ドラム。これはエレドラ。俺の練習用。」
「この黒いのってグランドピアノ?」
「CP80。ヤマハのエレピ。」
「エレピって?」
「エレクトリックピアノ。ようするに電気ピアノ。」
「電源入れてないのに音出るのね。」
「うん。一応弦張ってから出るけど本来はアンプつないで使うピアノ。」
「これもピアノ?」
「それはシンセ。」
「シンセって?」
「シンセサイザー。」
シンセはけっこう遊べるので電源を入れてあげた。
「キャー。変な音が出る。面白ーい。」
「これは?ル...ホ...デス?」
「Rhodesでローズって読むの。これもエレピ。」
「これは音出ないよ。」
「それも電源入れないと出ないの。ハイ。」
「へー、キレイな音。うっとりしちゃう。」
「この2段になってるのはエレクトーン?」
「ハモンドオルガン。」
「これイコライザー?」
「ミキサー。もういいだろ?ギター持ってきた?」
「持ってない。」
「へ?持ってないの?」
「ハイ。」
...ギター持ってないということは初心者か...
ある程度弾けるコがアドリブ教えてってレベルかと思ってた。
適当にお茶を濁してエッチに持ち込もうと思った。
「何でギター弾きたいの?」
「青木さんみたいになりたくて。」
...そう言われると気分いい。
「音楽は聞く?」
「いっぱい聞きます。」
「どんなの聞くの?」
「聞くのは嵐とか遊助さんとか。カラオケはAKBで盛り上げちゃいます。」
...全然方向性が違う。
「カラオケは仲間と週3回くらい行くんですよ。すごいでしょ。」
「そういうは音楽活動とは言わないの。じゃあ音楽好きな家族って...」
「ハイ、みんなカラオケ大好きです。」
「俺がやってるジャンルはジャズなんだけど...」
「ハイ。何でも来いです。」
「ジャズって聴いたことある?」
「どんなのですか?」
「え?ないの?」
「たぶん聴けばわかると思います。たぶん!!」
「じゃあ、これらは有名な曲だから知ってると思うけど。」
CDラックからとりあえず有名なグレンミラーを取り出して数曲流してあげた。
「これがムーンライトセレナーデ。」
「...」
「これが茶色の小瓶。」
「...」
「真珠の首飾。」
「...どれも聴いたことないです。」
「じゃあこれは?インザムード。さすがにこれは知ってるだろ。」
「聴いたことないです。」
グレンミラーも知らんのか...期待した俺がバカだったのか...
「ジャズ知らないのに何でこの前のライブに来たの?」
「音楽好きの友達からチケットもらって。行ってみない?って。」
「その友達はジャズ知ってるの?」
「ハイ。CDとかいっぱい持ってるみたい。」
「女の子?」
「ハイ。私と同い年です。」
「じゃあ今度その友達紹介してよ。」
「ええ?私じゃダメなんですか?」
「ダメじゃないけど、話が通じないから。」
「もう...冷たいですね...」
「じゃあギター教室やるよ。ハイ、これ持って。」
とりあえず彼女にテレキャスを渡した。
「これどう持つの?」
「え?そこから?」
「ハイ!よろしくお願いします。」
...ハア...何からやればいいんだよもう...
「コードって知ってる?」
「電気の?」
「そのコードじゃなくて、CとかEmとか。」
「知りません。」
「はあ...」
「ギターはこう持って、左手でネックをおさえるの。」
「こうですか?けっこう重いんですねギターって。」
「こうおさえて。これがCってコード。」
「おさえにくいです。」
「何だよその爪。そんなに爪伸ばしておさえれるわけねえじゃん。」
「え?爪長いとダメなんですか?」
「見ての通りだよ。これで切りな。」
爪切りを彼女に渡した。
「ええ?爪切るんですか?せっかくネイルもしてるのに...」
「じゃあギターは弾けないよ。」
「私、キーボードにします!!」
だんだん腹立ってきた...
「キーボードは弾けるんですよ。私ピアノ習ってたから。」
「じゃあ、引いてみて。」
俺は再びローズの電源を入れた。
ネコふんじゃったーネコふんじゃったー♪
「それしか弾けないの?」
「忘れちゃった。習ってたのちっちゃい頃だったし。」
...はあ。エッチもどうでもいいから帰ってもらいたいな...
「ピアノもコードがあるの知ってる?」
「うーん、そのコードってのがよくわからないです。」
「和音のこと。これがC。」
「えー、ドとミと...ソ?」
「そう。」
「わーキレイな音。私楽しくなってきました。」
そしてコードを教えること5分。
「よくわからないです。私ドラムが叩きたいです。」
...なんだコイツ。頭にきた。
「じゃあ、ドラムがダメだったら楽器はあきらめてね。」
「ええー、そんな冷たいこと言わなくても...私、歌は上手って言われるのに。」
「歌と楽器は違うの。」
「いい?右足がバスドラ。左足がハイハット。」
「え?え?」
「そこにペダルがあるだろ?それを踏む。」
「何か言い方キツイよ。」
...めんどくせえ女だな...
「で、右手でね、こうスティックでハイハットで音を刻むの。左手でスネア。」
「え?よくわかんない。」
2分で終了。
「じゃあ帰ってね。俺忙しいから。」
「えー、そんな冷たい人だったの?」
...
「あ、あれなら私できるかも。縦笛得意だったし。」
可奈が指さしたのはリリコン。
...あ、確かに。縦笛吹ければあれはイケるかもしれん。
彼女にリリコンを渡し、俺はサックスを持った。
キー操作はほぼ一緒だから俺のを見てればわかるだろう。
「いい?ドレミファソラシドはこう。縦笛をいっしょでしょ。俺のとはキーが違うけど。」
「キーってなあに?」
「音の高さ。同じドが出る押さえ方でもリリコンとサックスは違うの。」
「私、その楽器がいい。」
「は?」
「何かキラキラしててカッコイイ。」
「いきなりサックスは無理だよ。まずマウスピースで音を出さないと。」
俺は初心者の頃に使っていたマウスピースにリードをつけて彼女に渡した。
「こうやって音を出すの。」
「こう?フー...フー...」
思った通り音が出ない。
「ダメだああ。楽器って難しいのね。」
「そうだろ?やめといた方がいいよ。」
「じゃあボーカルやるからバンドに入れて。」
「へ?」
「歌には自信あるから。うまいって言われるの。聴いて聴いて。」
そう言うといきなりAKBの歌を歌い出した。
...かなり音痴。誰だよコイツに歌うまいって言ったの。
「ねえ、もう帰ってくれる?俺これから作曲しないといけないから。」
「作曲するんですか?すごおい。作詞は?」
「作詞はしないの。ウチのバンドは楽器だけのアンサンブルだから。」
「作曲ってどうやるんですかぁ?教えて教えて。」
「さっき教えたコードでコード進行を決めてそこから肉付けして行くの。」
「ふーん。よくわかんないけど。」
「ねえ青木さん、私ぃ作詞できますよ。」
「え?」
「すぐにできちゃう才能あるんですよ。ホントですよ。」
「ええ?じゃあ、何かワンフレーズ作ってみてよ。」
「そうですねえ。今日はいい天気だから?。」
「は?」
「外に出てみよう? とか。」
「じゃあ帰ってね。忙しいから。」
「ねえねえ何かお手伝いできることないですか?肩でも揉みましょうかぁ?」
「いいよ。別に何もしなくても。」
「そんなあ何かさせて下さいよ。」
...
「じゃあ、エッチさせて。スッキリすればいいフレーズが思いつくかもしれないから。」
「ええ?エッチするんですか?それって作曲に必要なの?」
「ああ、俺の場合は必要なの。イヤなら帰って結構。」
「うーん...わかりました。それでお手伝いになるなら...」
「え?いいの?」
「ハイ.…

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