ヤリチンを目指してみた凡人 3
2024/04/03
ここから先は後日談、と言ったらいいのかな。ちょっと長くなるけど。
最初にうまく行って気を良くした俺、調子に乗って他のパート主婦たちも次から次へと毒牙にかけ…とは行かなかったんだよな。
麻木さん以外にも日ごろ仲良くしてたパートさんは何人かいたが、
いざ「エッチして」と頼もうにも、根性なしの俺はどうも気後れしてしまう。
だいたい麻木さんほど美人というか、俺の嗜好に合う人は見当たらなかったし。
こっちからお願いして本番で勃たなかったら申し訳ないだろうとか、この人はお喋りだから周囲にバレないかとか、いろいろ考えたりして…というのは後から取って付けた理由で、要するに俺がヘタレだったわけだ。
正確に言うともう1人だけ、あまり好みじゃないが30代半ばで磯野貴理似のパートさんにもお願いしてみた。意外にもというか
「私も前からA君のこと好みだったのよ?」と乗り気になってくれたんだが、仕事が終わると保育園に迎えに行かなきゃならないとかで、時間が取れなかった。
いや、やり繰りすれば1~2時間くらい空けられたとは思う。
俺の方が、とことん頑張る気概に欠けてた、というのが正直なところだ。
それでも貴理さん、3回ほど昼休みに職場のトイレでフェラしてくれて、そのうち1回は個室で後ろからちょっとだけ挿入したんだが、結局それだけ。
だいたい職場のトイレじゃ人が来ないか気になって、落ち着いてできなかったし、興奮する割に気持ち良くない。彼女の方は「病みつきになるわ」と言ってたけど。
そうこうするうち時間は経ち、3人目の候補はいたけど誘えないまま退職。
やっぱり凡人がヤリチンを気取っても無理があるよな、と反省した。
恥さらしついでに告白すると、「1回だけ」の約束も守れなかった。
参考にした体験談は、エッチした相手と恋愛関係にならないようアドバイスしてた。
その辺は俺も麻木さんも分かってたし、職場でベタベタして噂になっても困る。
とは言うものの、仕事中にふと視線が合うと思わず互いに微笑んでしまうし、周りに人がいない時、すれ違いざまに軽く手を握られたらドキッとするのが凡人だ。
俺は俺で「もう1回したい」という欲求を抑えるのが大変だったし、恥ずかしい話、麻木さんとのエッチを思い出しながら何度もオナニーした。
最後の出社日、職場の同僚に挨拶して回った時、麻木さんが目をウルッとさせててかなりグラッときたが、そこは何とか我慢して無事退社。
ヤリチンにはなれなかったけど仕方ねえや…と、ホッとしたのが甘かった。
最後に出社した翌日から、残った有給を消化して引っ越し準備に専念したんだが、その初日、朝から部屋の呼び鈴が鳴る。何?とドアを開けたら…麻木さんがいた。
職場や家族にどう言って休んだかは知らない。俺も聞かないし彼女も言わなかった。
とりあえず部屋に入れたら、泣きそうな顔で「A君…」と言いながらキスしてくる。
こうなると我慢できなくなるのが、凡人の悲しいところだったりする。
無言で服を脱がせ合うと、シャワーも浴びず抱き合ったままベッドへ倒れ込んだ。
思考も何もぶっ飛んで、本能のまま狂ったように唇を重ね、互いの体をまさぐる。
麻木さんの股間は最初からベトベト。俺も朝勃ちが萎える間もなくカチカチだった。
慌ただしくゴムを着けてズブリと挿入。そのまま夕方まで7~8回頑張った。
「性欲の塊」って、ああいう状態を言うんかな。
とにかく何度ヤッてもまたヤリたくなる。2人とも頭がどうかしてた。
途中、麻木さんがあり合わせの材料で昼飯を作ってくれたんだが、裸エプロンで料理する後ろ姿を見てるだけで欲情し、後ろから襲いかかる始末。
深々と貫かれた彼女、「危ないよー」と言いながらムチャクチャ興奮してた。
ベッドでのラスト1回は、ゴムが切れたんでナマ挿入。
正常位で組み敷いて腰を振ってると、彼女がうつろな目で「欲しい」とつぶやく。
俺も正常な判断力を失ってたんだろう。我慢できず中で出した。
まあ、さんざんゴムに放出した後だったから、ほとんど精液は出なかったけど。
結局、その日を含め有給の2週間で、麻木さんが俺の部屋に来たのは3回。
最後の1回は荷物搬出の前日、荷造りが済んだ部屋にやっぱり朝から来た。
ゴムがなくて買いに行こうとしたら、彼女が「最後だから」と引き留める。
こっちも何だかその気になって、最初から最後までナマ。しかも中出しだった。
その日も7~8回戦。さすがにヤバいかも、と思わないでもなかったが、そんなのどうでも良くなるくらい快感に溺れまくった。
出しても出しても勃起が収まらず、精液がトロトロ流れ出る膣にまた挿入する。
麻木さんも狂ったように腰を振り、俺の唇を求めてきた。
最後は座位で挿入したまま1時間くらい抱き合って、数え切れないくらいキス。
おまけで、シャワーを浴びながらもう1発した。人生で一番爛れた1日だったな。
帰り際、玄関でキスしながらポロポロ涙をこぼす彼女が印象的だった。
翌日、荷物を搬出した引っ越し屋の兄ちゃんたち、「妙にイカ臭え部屋だな」と不審に思ったかもしれない。それはそれでかなり恥ずかしいけど。
転職を機に、麻木さんとは連絡を絶った。これは互いに暗黙の了解事項だ。
未練がないと言ったら嘘になるけど、今の住所は何百キロも離れてるしな。
麻木さんも最後に会った日、引っ越し業者に翌日渡す書類の転居先を見ながら、悲しそうな声で「遠いよね」とつぶやいてた。
元の職場の同僚とは今もたまに電話やメールするが、特定のパートさんのことを「どうしてる?」とは聞きづらい。守れなかったけど「1回きり」がルールだし。
もともとマジメな人だ。仕事しながら旦那と仲良くやってるんだろう。
思い出すと少し胸が痛いのは、あまりにも体の相性が良すぎたからだと思う。
俺が読んだ体験談が、どこまで本当でどれだけ話を盛ってるかは分からないけど、「秘密厳守で1回」ならOKする女は結構多いってのは、案外本当かもしれない。
とはいえ凡人には、年齢も容姿も気にせず声をかけてヤリまくるなんてできないし、ヤッたらヤッたで1回で済ませるのは簡単じゃない。これは身にしみて分かった。
新しい職場にも慣れたし、いい雰囲気になりそうな同年代の女の子とも知り合えた。
凡人は身の程をわきまえて、「お話」の中のヤリチンに憧れるくらいがお似合いだ。
…ここまで書いたのが2日前。ちなみに少しだけ話を盛ってる。
そして昨夜、最後に校正して(という割に間違いだらけだけど)投稿するか、なんて考えながら仕事から戻ったら、俺の部屋の前に麻木さんが立っていた。
こんなオチって…アリ?