恩師の奥さんT美1
2022/03/12
T美の体はプニプニと柔らかくそしてすごく暖かかった・・・その感触は今でも忘れることはできない。
3月で退社することが決まっているT美は同じ職場で働く教育部長と1年ほど前に結婚した。
職場というのは某専門学校で俺はそこの講師として2年前から働いていた。働く前はこの学校の学生であり、教育部長がそのときの担任だった。
広報部にいたT美はショートカットでクリクリした大きな目がチャームポイント。天然ボケの性格の上、人当たりもよく、学生たちにも人気があった。学生たちの間ではだれがT美をゲットするかという話で盛り上がっていたが俺が卒業する年の1月、T美が恩師と結婚するという情報を入手した。
卒業し学生から講師という立場になり、下っぱの俺は雑用が多く事務所に出入りすることが多かった。学生時代に学校に残って講師になるということを知ったT美は学生時代からよく声をかけてくれた。年は俺の方が2歳上だったこと、T美のダンナが俺の恩師であったこともあり、T美にはよく相談を持ちかけられていた。
今年の忘年会の幹事は俺とT美になっており、準備も二人ですることが多かった。打ち合わせを兼ねて外食したり、会場に二人で足を運んだりとハタから見れば仲のいいカップルに見えたと思う。
すでに結婚しているT美が俺に好意を寄せているハズもないがどんどんT美を好きになっていく俺がいた。
忘年会当日、みんな酒が入り無礼講状態。理事長の頭をスリッパで叩くは、主任に無理やりビール一気飲みをさせるは、ここぞとばかりに上司に対してやりたい放題の先生たち。
幹事の俺はそんな輪に入ることもできず、片隅でチビチビとビールを飲む程度。ほろ酔い気分でその様子を見ていた。
ふと、気がつくとT美がダンナである部長や他の先生たちに囲まれて小さくなっている。今にも泣きそうな雰囲気。さりげなくその輪に入り込むとこんな話だ。
「T美は結婚しても仕事を続けてるけど家のことはきちんとやっているのか?」
「ダンナに弁当くらい作ってあげろよ」
・・・とどうやら結婚しても仕事をして家庭に入らないT美にみんなでお説教している様子。
酒が入っているせいもあってみんな遠慮なく言いたい放題。さらにダンナである部長までそれに同調する始末で泣きたくなる気持ちもよく分かる。
俺の存在に気づいたT美にさりげなく場を離れるように合図を送る。
「お酒足りないね、頼んでくる」という言葉を残して宴会場を出て行くT美。
「M君も一緒にきてね」と幹事である俺も一緒にその場をあとにした。
宴会場の外に出ると泣きそうだったT美は気丈に振舞って、涙を見せまいと「なんかいろいろ言われてるけどホントのことだよね」と苦笑い。
その言葉に何も返せない俺。T美が「ちょっと外の空気吸いに行きたいな」と言い出しそのまま二人で庭園に出た。
「M君、長く付き合っていた彼女いたよね?」とT美。
実は俺には5年ほど付き合っていた彼女がいた。でも1年ほど前に別れていた。
俺「ううん、もう1年も前に別れたよ」
T美「えっ・・・そうなんだ・・・」と言ったまま黙ってしまった。
「手をつないでいいよね?」と突然、T美が言い出した。俺の返事を待つことなく、手を握るT美。
指をからめてギュッと握った手の感触は柔らかくあたたかい。
久々に感じる女性の温もりに否応なしに俺のムスコがムクムクと反応してしまう。「やばいって」と心の中でつぶやきながら心を静める。
幸い、夜であたりは暗く、ズボンにテントを張っている状態でもばれることはなさそう。
いくらなんでも自分の恩師であってしかも上司の奥さん。手を出すことはできない・・・酒の入りは浅く幸い、理性はしっかり働いていた。
T美は背が低く頭がちょうど俺の肩くらい。ふと、T美の顔を見るとすごくニコニコしている。
この状況が理解できず、頭がどんどんパニックしてくる俺。
「T美さんは春で退職ですね。」話題を逸らそうと自分から話しかけた。
「うん・・・」と返事はちょっとさみしそう。
そのときT美が突然ポロポロと涙を流しながらつないでいた手を離して両手で俺に抱きついてきた。
T美「あたしだって、わかってるもん、みんなが言っていることわかっているもん」
いつも笑顔が絶えないT美の涙。ボロボロと泣くその姿になすすべもなく立ち尽くす俺。
とりあえず近くのベンチに座らせた。
T美「だから3月で辞めるんじゃん。ホントはまだ仕事していたいのに。」
俺「うんうん、大丈夫だよ、みんな酔ってるから言いたいこといっているだけだから」
T美「あの人だってみんなと一緒になってからかってさ、信じられない」
俺「まあまあ、あの人の性格考えればあの場ではみんなに意見合わせるでしょ」
T美「そうだけど・・・そうだけど・・・」
落ち着いてきたT美は涙を拭いていつもの笑顔で「ありがとう」と言った。
いや、何もしていないんですけど・・・。
「みんなのところに戻ろっか」とベンチから立ち上がるT美。
もう少し二人っきりでいたいな?なんて考えている俺だったが小さな声でT美が言った次の言葉を聞き逃さなかった。
「M君ならよかったのに」
「えっ、えっ、何??」と聞き返した俺に微笑みながら「何も言ってないよ」とスタスタ歩き出した。
仕方なくT美の後を追うようにベンチを離れたそのとき、T美が振り返り俺に抱きついてきた。
「少しでいいからこうしててね」と俺の胸に顔をうずめた。
反射的にT美の腰に手を回す。ふと、我に返った俺は自分のムスコがムクムク大きくなっていることに気がつく。
ここで下手に体を離せば怪しまれるし、かといってこのままではムスコをT美に押し付けることになってしまう。
どど、どうしよう?と焦る俺をからかうかのように「ごめんね、急にこんなことされたらカラダもビックリしちゃうよね、このままじっとしていればあたしは大丈夫だから」とT美。
い、いや、俺は大丈夫じゃないんですけど・・・となすすべもなく俺の意に反してムスコは大きくなっていく。
T美「M君、あたしが結婚していなかったらあたしのこと好きになってくれた?」
俺「うん、正直に話すと結婚するって聞いてショックでした・・・密かに想っていたから」
T美「そうなんだ、タイミング悪かったなぁ。あたしもT君が学生のころからずっと気になっていたんだよ」
T美「でも、あの人はそれよりももっと前からあたしにアプローチしていたからね。T君がこのまま学校に残るってことをもっと早く知っていれば結婚しなかったかも」
俺「うん」
T美「でも、今となってはどうにもならないよね」
俺「そうですね、でもT美さんの相手があの人なら俺は諦めつきますから」
T美「ごめんね、家ではM君のこと、よく話してくれるんだよ。期待されているんじゃいかな。」
俺「はは、でもまさかT美さんと抜け出して抱き合っていたなんて思っていないでしょうね」
T美「これって浮気になるのかな」
俺「さあ、どうでしょう、T美さんが思うならそうだし、思わなければ違うんじゃないですか?」
T美「ふふ、これは二人だけの秘密だね」
俺「はい、二人だけの秘密です」
T美「宴会場に戻らないとヤバいね」
二人のやりとりは15分足らずだったが俺にはものすごく長い時間に感じられた。宴会場に戻るとT美はまたあの仲でいじめられてる。でもさっきと違ってその表情には余裕が感じられた。
この出来事は俺の人生を左右する出来事の始まりに過ぎなかった。