寝取られても流され続ける俺の人生[後編]
2018/08/26
結局、美穂は俺のいない時に彼氏を連れてきて杏子さんに紹介したようだ。
たぶん、俺のいない時というのは美穂の意向だろう。
杏子さんは俺だけ阻害するような事はしない人だが、そこは娘の意見を尊重したんだろう。
俺もそっちのが気が楽だ。
そうこうしているうちに一年が過ぎ、俺も大学4年生。
就職はゼミの教授のコネでもう決まっていたので、のんびりとやっていた。
ほとんど実家に帰ることなく、杏子さん家から大学に通っていた。
と言うのも、美穂も彼氏と二人で住むことになり、出て行ったので、いっそう居心地が良くなったからだ。
美穂の彼氏、恭介君とも美穂が出ていく前に数度会った。
出て行ってからも、たまに遊びに来ていたし。
年齢は俺と同じ。
典型的なヤンキーだった。
この頃になると俺も多少は将来について考える時もあった。
学生で気が楽で、半分遊んでいるような感じで杏子さんとも付き合っていたけど、結婚とか考えると、年齢だって一回り以上離れているし、年齢の違わない娘が付いてくる。
色々訳ありのようだし、はっきり言って親には紹介できないだろう。
どうしたもんかなって。
でも、あんまり深く考えることもなく、セックスには相変わらず溺れていた。
俺は流されていた。
そんなある日の事。
俺は就職が決まっていた会社に研修を兼ねて、週に3回はアルバイトに行かされる事になった。
その日は珍しく実家から会社へ向かったのだが、途中の電車の中でその日に提出しなくてはならない書類を忘れたのに気付いた。
まあ宿題みたいなもんで、考えてみれば実家に持って帰った覚えがなく、杏子さん家でだらだらと書いて、そのまま置き忘れてきたような気がした。
(杏子さん、今日は仕事休みのはずだし、ちょっと持ってきてもらおう)携帯から電話したが、電源切っている状態との通知。
まあ何とかギリギリ間に合うか間に合わないかだが、俺はダッシュで杏子さんのマンションへ向かった。
ダッシュで4階の角の部屋まで走り、電話が繋がらなかったから誰も居ないという思い込みで、俺はチャイムも鳴らさず、合鍵でドアを開け、駆け込むように部屋に入った。
そのままの勢いで部屋の扉を開け、そこで俺は固まった。
そこにいた恭介君と杏子さんも固まっていた。
二人は裸で合体して、驚いた顔でこっちを見ていた。
時間にしたらホント一瞬だろうが、妙な空気が流れた。
そして互いに我に返り、恭介君と杏子さんは体を離した。
恭介君、そこはさすがヤンキー、開き直ったかのように無言で俺にガンをくれている。
杏子さんも杏子さんで、いつもの如くあまり悪びれる様子もなく、顎を引き、上目遣いで俺を見ながら・・・。
「ごめんねー。美穂には内緒にしてねー」俺は、他に言う事があるだろと思いつつ、呆気にとられた。
すると恭介君がそれに言葉を付け足した。
「美穂に言ったら、マジ殺すから」立場的には俺が優位のはず。
だがこの恭介君の迫力は何なんだ。
へたれの俺は怯んでしまった。
「そりゃあ、言わないけど・・・」そう言いつつ、ふと目に入ったのが、開き直って座っている彼氏クンの股間。
隆々と天を突いた凄いイチモツ。
すぐに目を背けたのだが、杏子さんがそんな俺の視線を追っていたのか、「彼、すっごく大きいよねー」と言って、あはっと笑う。
恭介君もそこで妙な笑みを浮かべ・・・。
「つーかさ、俺、まだ途中なんだけど」
「・・・」俺、また無言。
またも妙な空気が流れたが、ポンと手を打ち杏子さんが一言。
「ね、三人でやろっか?」そう言うや否や杏子さんは立ち上がり、俺の気持ちなど考えずに、「はいはい、脱いで脱いで」とスーツの上着を脱がし、ネクタイを取り、シャツを適当に脱がせると、次は膝をつき、俺のベルトに手をかけ、ズボンとトランクスを一気に下ろす。
会社に行く気は失せていた。
そして俺のしょんぼりした仮性包茎を咥えた。
俺のが大きくなっても、恭介君の通常時より小さい。
いつだったか、杏子さんと俺が外から帰ってきた時、恭介君と美穂がすでに部屋にいた事があった。
その時、どういうワケか恭介君は全裸で部屋をうろついていた。
その時、股間からぶらさげているモノが目に入ったのだが、並じゃなかった。
俺と杏子さんは、「あっ」と目を逸らしたのだが、恭介君は別に動じるでもなく、堂々とブラブラさせながら、「あれ?帰ってきたの?」。
思えばあの時から、杏子さんは恭介君に目を付けていたのかもしれない。
俺は杏子さんに咥えられながらも戦意喪失していた。
恭介君はそんな杏子さんの後から腰に手をやる。
杏子さんも心得たように腰を浮かせる。
恭介君はがつんがつんと後ろから杏子さんを突き上げた。
おかげで前で咥えてもらっている俺が痛かった。
最初は杏子さんも気丈にフェラをしていたのだが、段々と耐えきれなくなったようで、俺のチンポから口から離し、手だけで申し訳程度にシゴきながら、「ぁあっ・・・ぅああっ・・・あぁあっ・・・!」と激しく喘いだ。
俺との付き合いは長いが、正直ここまで取り乱す杏子さんは見た事がない。
俺とのセックスではいつも余裕を見せていた。
多少は分かっていたが演技が入っていた。
俺はそれでも満足だった。
が、今、恭介君に突かれている杏子さんはリアルな声をあげている。
俺は虚しくなった。
顔を上げると恭介君の顔があるので、俯きながら、そんな杏子さんの本気の恍惚の表情を眺めていた。
ホント我ながら情けない。
入れた時から恭介君はスパートをかけていたようで、すぐに杏子さんの背中に放出した。
こっちにまで飛んできそうな勢いだったので避難した。
そして出し尽くし、満足したのか、俺に一言。
「お前、イカなくていいのか?」そして恭介君は立ち上がり台所へ行った。
冷蔵庫を漁っている音が聞こえた。
萎え気味の俺。
杏子さんはハァハァと息を荒げながらも、「気にしなくていいよ。ノブ君はいつものノブ君でいいよ」と仰向けに寝転がり、股を開いた。
慰めにもなってないなと思いつつも、俺は情けなくもそのゆるゆるになった彼女のアソコに半分萎えたチンコを突っ込み、へこへこ腰を動かした。
杏子さんは上でへいこら腰を動かす俺に・・・。
「ごめんね、恭介君とはやめなきゃやめなきゃって思ってたんだけど・・・。私のこと嫌いにならないでね」なんという勝手な言い草だろうと思ったが、つい「うん」と答えてしまった。
その後、彼女の腹に出した。
俺は杏子さんに童貞奪われてから今まで、考えてみれば自分だけが気持ちよくさせてもらっているような、そんなセックスばかりしていた。
彼女を喜ばせなくちゃと思いながらも、ついついいつもの受け身根性で身を委ねているところがあった。
多情な彼女にしてみれば満足できなかったんだろう。
だから恭介君に走ったのだ。
考えてみれば俺にとっての杏子さんは、体の繋がりだけでもないが、まあ別にそこまで深刻になるような将来があるわけでもなし、今が楽しければいい的にやってきた。
これを機に別れようと思った。
思ったが、その後の杏子さん、全くいつも通りなんだよね。
何かずるずると別れられずに続けてしまった。
恭介君への嫉妬心はあったが、それが妙なことにセックスの糧へと変わった。
杏子さんはいつも俺の求めに応じ、その熟れた体を堪能させてくれた。
その後、俺の大学卒業と同時くらいに美穂の妊娠が判明した。
それを機に美穂と恭介君は籍を入れた。
杏子さんもこのオメデタに喜びつつも、「この年でおばあちゃんかー」と言っていた。
美穂の妊娠中、杏子さんと恭介君はたまに密会しているようだった。
俺は気付かないふりをしていた。
美穂が昔言っていたように、痕跡は残っているもんなんだよね。
ただ、さすがの杏子さんも娘には絶対にバレないようにしていた。
俺の口から洩れるという事は考えなかったんだろうか?変なところで信頼されている。
まあ、俺も言うつもりはなかったけど。
そう言えばある時、酔っ払って恭介君に冗談でこっそりと、「美穂には杏子さんとのこと内緒にしておくから、一度美穂とやらせて」と言ったらボコられた。
子供が産まれてから、さすがに恭介君と杏子さんは関係を持たなくなった。
俺は杏子さんから抜けられず、ずるずると続けていた。
そうこうしているうちに今度は杏子さんが妊娠した。
俺は心当たりがないわけではなかったが、ただ杏子さんからしてみれば、他にも心当たりがあったはずだ。
それを問いただしたら、「確かノブ君以外の男と寝たけど、子供はノブ君との間にしか作らないって決めてた」と、あっけらかんと言われた。
という事で杏子さんの子は俺の子となり、杏子さんとは結婚した。
俺は親戚一同に泣かれ、半分縁を切られた形となったが。
それからどれくらいかして恭介君と美穂は、ヤンキー早婚のセオリー通り離婚した。
恭介君のDVが決め手となったようだ。
美穂も他に新しい男をこっそり作っていたようだし。
美穂は離婚後、新しい彼の家へ子供と一緒に移り住んだが、俺と杏子さんのマンションにもしょっちゅう遊びに来ていた。
自分の子に加え、どういうわけだか妹(つまり俺と杏子さんの子)の子育てを杏子さんに任されているようだった。
と言うのも、杏子さんは俺の仕事中、部屋を空ける事が多いらしい。
大方、他の男と密会しているんだろう。