想像力のゲーム[前編]

2017/07/23

先月の休みの日のことです。
本当はその日、彼氏と遊びに行くはずだったんだけど、前の晩につまらないことで口論になって、結局大げんか。
泊まっていくはずだった彼氏は怒って帰ってしまったのです。
それで次の日、しょうがなく部屋で一人でごろごろしてたんですけど、退屈でしょうがなかったので(ちょっとした興味もあったし)ぐぐって捜した2ショットチャットに入ったんです。
どこのチャットだったかはもう忘れちゃいましたけど、背景が黒だったのは覚えています。
地域別に別れていたので、私の住んでる地域を選択して部屋を作って待っていました。
「退屈なのでお話ししませんか」って感じだったかな。
作ってすぐに何人かの男の人が入ってきたけど、みんなすぐに電話とか会おうとかって話ばっかりだった。
(いきなり下着の色を聞いてきた人もいました。あと、やりたいの?とか濡れてるの?とか・・・)
それはさすがにちょっと嫌だったので、そういうのが目的じゃないことをいって謝ったりしてたんですがいきなり落ちていく人や逆ギレする人、それでもしつこくソッチ方面の話する人ばっかりだったのです。
(あ~、なんかやだなぁ、でもこんなもんなのかなぁ)って思って部屋を閉じかけた時でした。
名前は確か、「かず」って名前だったと思います。
一人の男の人が入ってきました。
「こんにちは。彼氏とケンカでもしたの?」
いきなりずばりを言い当てられてびっくりしました。
「こんにちは。どうして分かったの?」
「何となくそんな気がしたんだ。よかったらちょっと話しませんか?」
もう部屋を閉じようと思ってた筈なんだけど、その人の口調がソフトだったので「いいですよ」と、つい返事してしまったのです。
「ゆんはいくつなの?」
「24才です。かずさんは?」
「僕は35だよ。君からすればおじさんかもね」
「そんなことないですよ」
とまぁ、最初はこんな感じの他愛のない話から始まって、彼氏とのことや、どんな感じの仕事してるのかとか、そういう話題が30分くらい続きました。
「ゆんはよくここに来るの?」
「いえ、今日はじめて。かずさんは?」
「僕はちょくちょく来てるよ。ここはいろんな女の子が来るから」
「やっぱり出会ったりとか?」
「そうだね、相手が気に入ってくれればだけど」
「えっ、じゃあ私みたいなのはかずさんからしたらつまらないんじゃ・・・」
ちょっと好感を持っただけになんだか申し訳ない気分になってついそんなことを聞いてしまったのです。
「いやぁ、そうでもないよ。出会いだけに拘ってるってこともないし。普通の世間話でも充分楽しいし、ソッチ方面ならチャットで気持ちよくさせてあげたりすることもあるし」
「え、チャットでですか?」
「そうだよ。テレフォンセックスって知ってるかな?アレのチャット版だよ」
「そうなんだ・・・」
今にして思えば、前の日に彼氏とケンカしちゃったことでどこか満たされない気持ちがわたしの中にあったのかも知れません。
次にかずさんが口にした言葉にわたしは迷いつつも同意をしてしまったのです。
「もしよかったら、ゆんも体験してみる?無理強いする気はないし、いやだったらはっきりいやって言ってくれていいんだよ」
「え・・・」
心臓が急にドキドキしてきました。
どうしよう・・・そんなのできるわけない・・・。
そんな頭の中の声とは裏腹にわたしの指は全然違う言葉をタイプしていました。
「・・・・・・本当にチャットだけでいいんなら」
「いやだと思ったらすぐに言ってくれていいからね。本当だよ」
かずさんの念を押すような言葉にわたしは吸い込まれるように「はい・・・お願いします」とタイプしていました。
心臓はもう、すごい勢いでドキドキしていて、胸が重くさえ感じられます。
「どうすればいいんですか?」
「僕が打ち込む言葉通りに君が実行するんだよ。僕が君のすぐそばにいるって想像しながらね。怖くないから。リラックスして」
その言葉が何故か、魔法のようにわたしの心に刻み込まれてしまったのです。
かずさんはまず、わたしの身長や見た感じの外見、今の服装を聞いてきました。
その時わたしは彼氏から電話があればいつでも出かけられるようにと思って、黒のニットのカットソーに、下はハーフ丈のワークパンツという服装でした。
「いいね、とても素敵だよ。黒が好きなの?」
「そうですね・・・多いかも」
「じゃあ、想像してね。僕は今君のすぐ後ろにいる。背中から、そっと君のことを抱きしめてるよ。脇から、手を前にまわしてね」
「はい」
かずさんの言葉にわたしは想像をふくらませました。
なんだか本当に背後から抱きしめられてるようで耳のあたりが熱くなってゾクゾクしてきます。
「耳たぶが赤いね、恥ずかしいのかい?」
またもそのものズバリを言い当てられてわたしはどぎまぎしました。
「あ・・・はい。なんか緊張しちゃって」
「恥ずかしがり屋さんなんだね、可愛いよ。大丈夫だから、安心して」
画面に浮かぶかずさんの言葉がまるで本当に耳元でささやかれてるように感じられます。
背中から子宮にぞわぞわーって抜けるような感覚が走りました。
「君のおなかの前で組み合わせてた手がゆっくりとなぞるように胸の方に上がっていくよ」
「(今言ったことをほんとに君の手でしてごらん)」
かずさんの言うとおりにおなかから指先でなぞるように胸の方へ動かしました。
くすぐったいような違うような変な感触に思わずため息が漏れました。
「(ちなみに、胸のサイズはどれくらいかな?)」
「82の、Cです。あんまりおっきくないでしょう?」
「そんなことないよ。おっきければいいってもんじゃないからね。ゆんくらいのサイズが僕は好きだな」
「そうですか?」
お世辞と分かっていてもどこか嬉しくて心が弾むのが自分でも分かりました。
「僕の手のひらはゆんの胸をそっと包み込むようにしているよ。指先がゆんの先っぽに触れているのがわかる?」
「はい」
片手はキーボードでしたがもう一方の手はかずさんの言うとおりに胸を包むようにしています。
心臓の鼓動が激しくなっているのが伝わってきました。
「指先がゆんの先っぽをそーっと転がすようになぞるよ・・・ゆっくり、そーっと」
かずさんの言葉通り指先を触れるか触れないかくらいで動かします。
「んっ・・・・」
さっきのぞわっとした感覚がさらに強くなってわたしの身体を抜けていきました。
「指先で押し込んだり、はじくようにもしてごらん」
身体が少しびくっと震えました。
「ぁっ・・・・」
ほんの少しですがあの時のような声が口から漏れてしまいます。
「感じるかい?」
「はい。ゾクゾクしてます」
「感じやすいんだね。(ささやきながら耳たぶを噛むよ、軽く)僕の指先はもう一度おなかの方に戻ったよ」
わたしは息をのんで次の言葉を待ちました。
「こんどはゆんのカットソーをゆーっくりとめくりあげていってるよ。少しづつ。ゆんのブラが見えるくらいまでめくるよ。(ブラはしてるよね?)」
「え、あの、はい・・・」
わたしはとまどいつつも、かずさんの言葉に逆らうことが出来ませんでした。
かずさんの言葉にしたがって、カットソーをゆっくりとめくっていきました。
おへそのあたりからエアコンのひんやりとした空気が伝わってきて、余計にゾクゾク感が強まっていきます。
「(どんなブラをつけてるの?)」
「白で、花柄の刺しゅうが全体に入ってて、レースが谷間のとこにちょこっと付いてるやつです」
「どれどれ・・・」
ちょうどめくりあげてブラが顔を出したあたりでそんな風に言われたので、見えるはずはないのに本当に間近で見られてるような錯覚に陥ります。
「はぁぁ・・・・」
自然と私は大きく息を吐いていました。
「ほんとだ。清楚だけどちょっとゴージャスな感じだね、いいじゃない、可愛いよ」
「あんまり、見ないでください・・・恥ずかしいです」
私はその時、本気でそうタイプしていました。
おなかの下の方がきゅっ、と重くなり、次にじわーっと熱くなってきました。
身体が少し火照ってるような感覚に顔が赤くなります。
「恥ずかしがることないよ、とてもキレイだ」
「そんな・・・・。そんなこと言われたら」
顔が赤くなります、と続けてタイプしたかったのですが、間違えてそこで送信してしまいました。
「ほんとに恥ずかしがり屋さんだね、顔、赤くなってるよ」
すぐさま画面に浮かび上がったかずさんの言葉にドキッとさせられます。
「えっ」
思わず声に出していました。
「何でもお見通しなんですね。ほんとにすぐそばにいるみたい」
「そうだよ、君のすぐそばにいるんだ。これは想像力のゲームなんだから」
想像力のゲーム。
かずさんのその言葉が魔法のように私の身体を縛り付けます。
「ブラ、とっちゃうよ(首筋にキスした唇をゆっくりと滑らせながら、僕はそっと君のブラのホックを外した)」
何故か湧き起こるこそばゆい感覚に肩をすくめながら私は自分のブラのホックを外していました。
「(そして、僕は脇の下から差し込んだ指先でブラをずらし上げて、君の胸をむき出しにした)」
かずさんの手と同化した私の手がゆるんだブラを上にずらしていました。
男の人にわかってもらえるがどうか分からないけど、ブラを取ったときの変な開放感とひんやりとした空気にさらされた感覚に私は思わず身震いしていました。
「綺麗なおっぱいだね。形が…

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